∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■ep.11 LEGEND(前編)■
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深夜、地下室に響きのは女の荒い吐息×2。

「お二人さん、ご機嫌いかが?」

光景に平然な男の前へ突き出されるのは、触手に捕縛され身体仰け反らせた女二人。

二人とも全身グッショりにアルシアは旗袍服をレイハはクノ一衣装を

尖った乳首が判るほど肢体に張り付かせ、股のを隠す布は触手の動きそのままに

妖しくグニグネグチャグチョと蠢き・・・

 「はっ・・・はっ・・・はっ・・・はっ・・・」

 「御免なさい・・・もう・・・もう・・・許して・・・」

くいっと上げ顔を上げてみるとレイハは目も虚ろに疲労困憊でグッタリと

それでも何か喋りたいのかヒクヒクと唇が

その濡れた唇へ

 「!!?」

ディープキス。舌を舐取り吸出し、歯茎を舐め、口腔をくまなく突く。

と、ビクビクとレイハの身体が雷に撃たれたように痙攣。そして脱力。

・・・止めを刺してしまったのか、レイハは白目を剥き陥落。

 「ひ、ひいいいっ」

それを見て、もろにビビリまくるアルシア。いつもの妖艶さは何処へやら少女の如く。

「・・・次はアルシアだな」

 「い・・・いやぁ・・・私、もう、イきたくない・・・イきたくないのぉ・・・」

「遠慮するな。イケ。思いっきり」

 「いっやあああああああああっ!!!」

・・・・・・そして、消えるテンタクス君。

ライは力ない二人の女を抱え持ち、介抱するために上へ。

翌日の昼から、二人は可也疲れを残しながらも復帰した。しかし

 「・・・・・・(えっぐえっぐ」

 「「・・・・・・(泣」」

居間、それでも正座する三人の視線の先にはライに甘え寝る仔猫シエル。

仔猫が他の者へ慣れることがない限り、三人の罰が終ることはなさそうである。

 「くぅ〜〜ん(寂」うらやましい

でも一番巻き添えを食らったのは、甘える事が出来ないルナなのかもしれない。

シエルが幾ら引込思案になったとしても、2日3日同じ顔と付き合わせていれば慣れる。

 「わんわん、わん」

 「みっ、にゃ〜〜」

居間のソファでは銀狼少女と黒猫少女が仲良くゴロゴロと絡み合い・・・

「仲良きことは良きことかな・・・」

 「きゃぁー―、可愛いー―っ!! いやぁん(クネクネ」

「・・・アレス〜〜(パチン」

「はい。 リオ、向こうへ行こうな」

 「!!?」

羽交い絞めに口を封じられ連れ去られる腐女子もとい姉 を見送る少年。

「で、でも、よくワンとニャだけで会話が成立しますね」

「微妙なニュアンスでな。」

 「えっ、何言っているか判るんですか!!?」

「はっはっはっ、判るわけねーじゃん。 

でも感情ぐらいは簡単にわかるだろ? それで十分」

「ああ、なるほどっ!!  ・・・ライさん、顔が凄くだらしないです。

バカですか? 親バカですか? ひょっとしなくても親バカなんですね?」

「バカで結構。 てか、この光景にはにゃ〜んとならない奴は変人。」

「・・・すみませ〜〜ん。ここに子供相手に欲情する変態がいま〜〜す(怯」

ジャッと、秘書なレイハ,白衣なアルシア,魔導師なルー参上に ライの両腕を捕縛。

「なっ何するっ!! 折角の心和む憩いの時をっ!!」

 「休憩はもう終わりです。執務に戻っていただかないと」

「三人も揃ってからに、はなせええっ!!」

 「って事が予想できたから三人揃い踏みなのよねぇ」

ぷすっ

「はうっ!!?」

毒々しい液体で首筋の静脈注射に、次第に虚ろになるライの眼。

 「・・・お前ら、あの時の復讐なのか? 復讐なんだナ?(ガタガタブルブル」

 「「おほほほほほ」」

 「ああっ、最近こんなのバッカリ・・・(泣」

アルシア:サド  レイハ:マゾサド  シエル:マゾ(現在小動物)  ルー:小動物  

シエルが仔猫化し、一週間ほどの時が流れ・・・

夜、ライの寝室には主と仔猫のみ。 多分、後数時間でシエルは元に戻る。

特にすることもないので、読書で気楽に時間を潰すライに

その膝枕でシエルは無防備なデカシャツ姿で仔猫にゴロゴロゴロ。  ふと、

「なぁシエル、今のお前って丁度、俺たちが出会った頃の姿だな」

 「・・・にゃぁ。」

「結構長い間面倒見てたけど・・・行き成り挨拶も無しに

別れる事になってしまったんだよなぁ・・・」

 「ふみゃぁ」

「・・・ごめんな」

 「みゃ?」 何?

「経緯は如何あれ、置いてきぼりにしてしまったわけだしな」

 「にゃぁ(ゴロゴロゴロゴロ」

経緯を知っているシエルに、責める気などこれっぽっちもない。

気にしていないとばかりに露骨に甘えてみせる。

「・・・暇だな」

 「にゃぁ(ゴロゴロゴロゴロ・・・」

ただ、時は流れ・・・不意に何かに反応してシエルは身体を起こし

「時間か?」

 「にゃ」

主の前で身に纏う布を脱ぎ捨て幼肢体を曝し立つ。

そして幼肢体からは仄かに燐光を発し始め、分解開始。 存在自体が希薄に

「さようなら、仔猫シエル・・・」

基の情報を元に再構成開始。空より更に燐光が集い成人女性な人型へ。

そして一瞬の閃光後、元の大人な姿の

「・・・そして お帰り、シエル」

ライは優しくシーツで身体を覆い隠してやる。

当のシエルは暫し唖然と・・・感慨深げに周囲を見回し一言。

 「にゃぁ?」

「・・・・・・はい?」

 「にゃあ・・・(クアアアア」

「う、うわああっ、シエルお前っ!!」

クリっとむけた瞳は何とも眠たげに幼く・・・

「ひょっとして、精神が幼いままかぁっ!!?」

 「・・・冗談だ。大丈夫、ちゃんと元に戻ったみたいだ。・・・眠いけど」

「あ・・・そう。 なら、ならいい。 うん」

シエルは一歩一歩踏みしめ、密着しそうなほど接近。肌にお互いの息を感じる。

高身長な娘だけに目の位置は ほぼ同じ。 だから唇の場所も・・・

 「ライの顔が目の前にある・・・やはり私には愛玩で護られるだけは似合わない。

 護れるよう、共に戦えるよう・・・その為にあの後はこの身体を鍛えてきたから」

「・・・そうだったな。 いい娘だ」

背丈が近い爆乳な娘の身体を優しく抱擁し、それでも頭を撫でてやる。

この黒猫娘は頭をクシャクシャと撫でられるのが最も好きだから・・・

・・・・・・・・・

その日、御茶の時間に居間へ四姫集結。 因みに他の面々は野暮用に出払っていた。

 「それで、こんな席を用意して如何した?」

 「・・・・・・」

いたって平然に尻尾で遊ぶシエルの横で、ルーは私部外者デスと言わんばかりに茶啜る。

 「そんな事・・・この間で今日、席を設けるなら内容なんで一つしかありません。」

 「で、如何だったのぉ? 子供の身体でするのってぇ?」

・・・この二人、散々罰を受けたにも関らず まぁったく懲りていなかった。

シエルあからさまに困った顔で、片猫耳をピッピッピッ。

 「ん。 正直、態々幼い身体になってまでするほどのものかと」

 「・・・やっぱり、相手が幼くてもやることはやってたのねぇ」

 「常識人ぶっても本性は変態魔神に性欲魔人な御方ですから。」

 「まぁ、そんな男に私等みんなホの字なワケだしナ〜〜」

 「「「・・・(ズズズゥ〜〜〜」」」

言って、皆そろって何故か鬱。何故そんな男に惚れてしまったのだと。

でも、好きなものは好きだからしょうがない。


都市国家シウォング。

領土は周囲に比べ狭小ながらも国力、即ち経済力,軍事力等は周囲の国々

分岐元である王国ヴィガルドに劣っていない。 その上、ライの今までの活躍が

王の英雄譚 叙事詩となって吟遊詩人達によって語り広められている。

英雄譚云々は別として、その国力は侮りがたく

日に日に増える縁婚の申し込み。 挙句、未だ存在せぬ子息に対してまで・・・

申込程度なら未だいい。

断りの文を送るか無視すればいいのだから。それでも懲りず申込のもいるが

それ以上に厄介なのは押しかけ。

e.t.c

或る歴史ある国の姫君の場合、たった一姫に対し側近,メイド,護衛の者合わせて

一個師団でゾロゾロとやってくる。 最初に向かうのは都市中央にある役場。

しかし当然そこには王たるライの姿は無く、一行は呆れ気味の役人に案内され屋敷へ。

当然、屋敷では既に報が届き 万端の準備で待ち構えている。即ち

一行を屋敷前で待ち受けるのは使用人なアレスとメイドなリオ。

「我が王の居城たる屋敷は狭いので主と主な側近,護衛の方のみどうぞ」

と、これで計5人位まで削られ屋敷の中に通される。通される先は居間。

待っているのはソファで

イヤーンな感じに女座りで麗艶な秘書のレイハと妖艶な情婦のアルシアを左右に

膝の上にはゴスロリで玩娘なルーを、床で脚に凭れるのは野良猫に雌奴隷なシエル

オマケに何かの遊びだと思っているルナもシエルと反対側で脚に凭れさせ

いつか以上に御大な感で周囲に女の子をはべらせているライ。

「態々、遠方より御苦労様。 それで何用でしょう?」

 「シウォングの王たるライ様と婚姻して頂きたく」

押しかけてくるだけあって女の子をハベラセているくらいじゃ物怖じしない。

「で、婚姻にシウォングには何の得が?」

 「伝統ある我国と血族の盟約を・・・」

「それは余り得とは思えないな」

 「我国を侮辱するつもりかっ! 質素な屋敷に住む新参の王の分際で、我をっ!!」

「そう、俺は新参者で礼儀がなってないんでね。 姫様、あんたは何が出来る?」

 「えっ・・・姫は家来に命令し、させるもの」

「フッ、俺の姫達は皆、将だ。 戦士に魔導師、一騎当千のな。

だから立派な居城や大層な護衛なんぞ必要じゃなく、この質素な屋敷で十分。

見た処・・・戦士では無いのは明らかだし、魔導士・・・でもなさそうだな。

ふぅ、何も出来ないんじゃ良くて・・・何もならないな(笑」

 「・・・・・・(怒」

一行、侮辱に激怒で顔を真っ赤に染めても帰らろうとしないのは流石。

伝統のみで失いつつある国力を姫犠牲に婚姻で回復させようと必死である。

「・・・まぁ、ここで無碍悲に追い帰すのは余りにも可哀想だしな。

ここは一つ勝負しようや。」

!!?

「そちらの一番腕が立つ奴とそちらが選んだ俺の姫の一対一で。

そちらが勝てば俺の姫達差し置いて王姫に据え置いてやる。負けたら大人しく帰れ」

そこまで言われたら勝負せざるえない。 問題は誰と戦うか。

膝上の幼女(ルー)。見た目からして戦士でない以上、魔導師。しかも将というなら・・・

脚に凭れる黒猫娘(シエル)。見た目からして戦士であり、肉付き(乳)から既に・・・

脚に凭れる銀狼少女(ルナ)。 ・・・子供である、如何見ても。故に怪奇で・・・

身体に凭れる妖艶情婦嬢(アルシア)。 含み笑みで明らかに何かを企んでいる感・・・

身体に凭れる麗艶秘書嬢(レイハ)。 見た目からして文官である。 それで将・・・

選ばれたのは

「レイハ〜〜御指名〜〜」

やはり肉付が少なく、如何見ても文官にしか見えないからなのだろう。

仕方ないと立つ秘書レイハに皆も何の準備がその場を立ち

「お客様はどうぞこちらへ・・・」

と、蒼に白銀飾縁取の法衣で着飾った神官な感の少年ディの案内に

押かけ姫筆頭以下総員はゾロゾロと屋敷側の草原へ。

遅れてライ達も完全武装に到着。 でも何故かレイハは秘書な格好に陣羽織・・・

対し相手は歴戦を思わせる騎士。 それに秘書なレイハは向かい立ち

「許せ、女。 我が主の命令で討たねばならない」

 「どうぞ。 ・・・討てるものなら」

瞬間、騎士の鋭い踏み込みの斬撃にレイハは両断

では無く、その場に残された陣羽織が騎士の剣に絡み付き、離れ降り立つのは

 「影忍戦姫レイハ=サーバイン。 ・・・参るっ」

ニヤリ笑いのライ達に、一行は思った。

騙された いや、端から歯牙にもかけられずに遊ばれられている と。

結局、押かけ姫一行は母国へお帰り願う事となった。 開発の為、技師のオマケ付で。

例え傲慢であろうと姫が己を犠牲に国尽そうとする心意気だけは買うがライの性分である。


そんなある日、何の予告の気配も無く屋敷へやって来たのは一組の男女。

ノホホンと暢気な気配の娘と、ソレの守護者の如く突撃槍を携えた青年。

何も語ろうとせずただ王たるライに会いたがる娘に、仕方なく居間へ待たせ

警戒のため身代わりにカインを王っぽく、当のライは御者っぽく皆で見張る居間へ。

そこには普段着に得物を携えた面々囲まれても平然としている客人が。

入室の二人に、一目見るや否や娘は

 「ライ様、私を御嫁さんにして下さいっ!!!」

と、間違える事無く当のライのに跳び抱きつく。

「・・・は、はい?」

光景に御付の青年は額を押さえ呆れ、四姫はビキッっと殺気が・・・

これはいったい如何いう事かと。 何故、正しくライを見分ける事が出来たのかと。

何より、その娘は誰?

「え〜〜〜っと、君、誰?」

白い絹肌に深緑な黒の長髪のオトボケな感の娘はエリアル=オーシア。

黒の短髪に鍛えられ精悍な感の青年はメザ=サハギ。との事だが

 「と言うわけでライ様、私を御嫁さんにして下さいっ!!!」

「おいといて、何故俺をライだと? コッチがライかもしれないだろ?」

抱きつこうとするエリアル嬢をメザ青年に押し返しつつ扱く当然の質問を。

因みに、ライは四姫に黙って浮気などしておらずエリアル嬢とは完全に初対面である。

 「あら、貴方様がライ様に間違いございません。だって力を感じますもの」

・・・・・・・

「OK。OK。確かに、俺がライだが・・・本当の目的は?」

と、並みの娘なら震え上がってしまいそうな気配・・・殺気・・・凄みを利かせ詰問。

しかし

 「御嫁さんにしてくださいっ!!!(キャー」

ライほどの者が脅しているにも関らず一向に堪えた気配も感じさせずに跳び付き。

丸でアイドルを前にした熱狂的ファン。

「あ〜〜、もう4人予約済みでね。」

 「私、5号さんでも一向に気にいたしませんわ」

何これ と付添いの青年を見たところで、自分は存じませんと首を振って呆れるばかり。

執務室、二人っきりに向かいあうのは

己の得物を携え長たるライと一端の護衛人の感でしかない青年メザ。

エリアル嬢とでは埒が明かぬと この青年と二人っきりで話す事にした訳だが

当然、皆は反対。 だが、感からしてライ側も人質をとっているようなもの・・・

「さて、君達が何者? と聞いたところでしゃべってはくれないんだろな?」

「・・・彼女が言わない以上、自分からな何とも・・・」

アレスより無愛想に、それでもシッカリ答えるべき事には答えてくれそう。

「感じからして何処かの姫さんか? ウチは押し売りお断りなんだけどね〜〜」

「・・・・・・」

否定も肯定もせず。ということは肯定。

「今日は兎も角、明日明後日には屋敷を出て行ってもらわないと行けない

というのはわかるな? 例え彼女が嫌がったとしても、それが君の本分って事も」

「・・・ああ。」

「よし、未だ都市に滞在するなら宿は紹介するし、帰るなら馬は容易させよう。

こっちは君達の正体を追及するまねもしない。 OK?」

つまりは大人しくする限り、態々正体を詮索し相応に政治的な材料に使ったり

危害は加えない と。

「了解した」

「話が分かって助かる。 処でその得物、見せてくれないか? 代わりに俺のも」

とライが突き出す破壊剣に、青年メザも若干迷い

得物は己の命当然だが相手が自分の得物を代わりに出す以上・・・それに相手は王

己の得物も突き出し、ライが手にするのを確認した上でその得物を手に取る。

流線型な諸刃で、刃部より倍の長さがある柄に重心は刃部。

「ほぅ、可也の業物だな。 突き,斬り・・・そして投擲」

「貫鯱矛」

「俺のは神狼牙。 神を喰い殺した狼の牙を文字ってな」

そして御互い得物を返す。やはり得物は自分のモノがしっくりくる。

自分の身体の一部のように・・・・・・



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■ep.11 LEGEND(前編)■

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