四姫ほか三人が夜何処へ逃げ眠ろうと朝になれば屋敷に帰ってこなければならない。
だから、空が白み始め朝錬で皆が動き始める少し前に帰ってきた。
屋敷の構造上、普通の手段で上の階へ行くには居間の前を通る。
帰って来た3人は気配を殺し玄関から入り・・・開きっぱなしの居間のドアをいぶかしみ
3人雁首並べてまだ暗い居間を覗き込んでみると
「お〜〜か〜〜え〜〜り〜〜」
「「「・・・・・・」」」
回れ右。
「ど〜〜こへ行くつもりなのかなぁ〜〜? かもんっ♪」
ソファに踏ん反り返るライの膝枕にはスヤスヤとここち良さそうに眠るシエル。
その姿は未だ子供で、ライのデカシャツを腰で紐で縛り・・・
その前に謹んで正座する3人。てか、朝焼けに影となった中で輝く眼光がスゲェ怖い。
「さて、シエルがまだ元に戻らないわけなのだが ルー、説明してくれるかな?」
「あ〜〜〜、それで御主等は本当にやってしまったのか?」
「やったと思うか?」
「あ〜〜う〜〜え〜〜、事の如何に関らず時限式で
もう戻っておってもおかしくないはずなんだがナー」
「・・・戻ってないぞ。」
ルーは御免とばかりに自分と差してサイズが変らないシエルの元に駆け寄り
観測系の魔法を発動。空に展開したディスプレイを隅から隅まで読み尽くし
納得すると解除してから自分の席に戻り正座。
「それで?」
「体質的にシエルは魔抵抗力が高くて、それに合わせて魔法をかけたのだが
如何やらシエルは魔法を掛けられた時、一切抵抗せんかったようで・・・
魔抵抗力皆無の状態で諸に魔法を受けてしまい・・・効力時間が・・・。
多分一週間ほどで元に戻るはずだが、多少危険を犯せば今すぐにでも」
「無理に危険を犯す必要もないだろ。放っておいても元に戻るならおいて置こう」
「「「・・・・・・」」」
「さ〜〜て、何故こうなったか説明してもらおうか?
何の目的か知らなが、どうせシエルを実験台にしたんだろ」
「「「・・・・・・」」」
言えるわけがない。幼身体でHをすれば本当にイイか? なんて破廉恥な事を。
それを確認するため寡黙なシエルを実験台に後で感想を聞こうと企んでいたなど。
「まぁいいや、言いたくないなら。 それで、どんな御仕置がお望みかな?
放置か、それでも足腰立たなくなるような激Hなやつか・・・」
「「!!?」」
「・・・」
「なぁ〜〜るほど、レイハとアルシアは激しいのがお好きで」
「そ、そんな事ないわよぉ(汗」
「な、何をおっしゃっているんですか(汗」
アタフタと取り繕ってももう遅い。 そもそも、この二人はライをなめている。
だからルーが小さい体を更に小さく、見た目通り恐怖に慄く幼女の如く
ガタガタブルブル震えているわけも解らず・・・・・・
早々に穢されてもいいようアルシアは旗袍服姿でレイハはレオタに軽装クノ一衣装で
拷問室の如き地下室にいた。周囲には一切の拷問道具などなく無意味に石床が広がり
「「???」」
「大人なんだから悪戯にはそれ相応の裁きは受けるべきだよな?
のぞきに毎度、俺のみがリンチされているが如く・・・」
とはいえ、男一人女二人をヒーヒー言わせるなど出来るはずも
「紹介しよう。俺の心の友テンタクス君だ」
パチンと指を鳴らした瞬間、二人の足元に広がる召喚魔方陣。
そこから生えてきたのは
「ひいいっ!!?」
「しょ、触手っ!!?」
アルシアは逃げる間も無くアッサリと集られ、レイハは飛退くも脚に触手が絡み付き
二人揃って触手の群に
「彼は古から性戯に携わってきた者で、縁あって知り合ったんだが・・・
まぁ、論より証拠。 存分に楽しんでくれ」
「「・・・・・・(悶」」
もうアルシアもレイハも衣装そのままでヌルヌルに四肢も不自由に絡み付かれ
それは、男の指の如く、舌の如く、性器の如く
乳を尻を太股を揉み倒され舐め回され、股間と口を埋め尽しズッコンバッコンと
「た、たすっけっ・・・」
「激っ、しい、過ぎぃっ」
「・・・って、もう楽しんでいるみたいだな。
まぁ、尽きてしまったら消えるからがんばって」
と二人の目の前、ゆっくりと無慈悲にドアは閉じられ・・・・・・合唱(ちーん。
アレス以下若手4人が朝、居間に来るとソファにはライを膝枕に寝る猫少女が
「おはようございます、団長。・・・その子、何方ですか?」
「「・・・・・・(考」」
「わぅ?」 誰?
挨拶早々に眠たげなライへ異口同意に疑問を投掛ける。
感じからして猫少女がライを信用しきっている事は良くわかるが・・・
「ま、まさか隠子ですかっ!!? 団長、不潔ですっ!!!」
「そこ、激しく違うっ!!」
「わう(クンクン。 ・・・、シエル?」
「「「ええっ!!?」」」
確かに良く見てみれば、それは幼くもシエルであり・・・
「そこのバカが変な魔法をかけてしまったんだ。一週間ほどこのまま」
とライが指差した先には部屋の隅、正座にルルル泣きなルー
なんというか・・・完全に悪戯にしかられた子供である。
「罰として当分放置なので皆、よろしく」
「・・・・・・(えっぐえっぐ」
「「「「・・・・・・(汗」」」」
4人とも、なんとも言いようが・・・
常に強大な力を扱っているとそれが当たり前になってしまい
たわいのない力であっても危険であることを忘れてしまう。
と、騒ぎすぎたためかシエルが身じろきゆっくりと瞼が開く。
「わんわん」 おはよう
「・・・・・・」
しかし、ルナに対してのシエルの反応は大人な時と違い 人見知りの子供の如く怯えが。
「シエル?」
「・・・・・・」
ルナの出した手に、シエルは退きライにしがみ付く。
「しえ」
ぱんっ
「カー――っ!!!」
ルナの手に炸裂する猫パンチ。様子は怯える猫の如く、パンパンに膨れる長い尻尾。
「怖いんだ、全てがな。 なんせ一時的とはいえ
自分から全ての力が失われてしまったんだから・・・」
よしよしとシエルをあやしつつ、皆を嗜める。その恐怖など推して知るしかないのだから。
「・・・団長はその経験が御ありなんですか?」
「今でこそ一国の主だけどな、俺は元々
何処の馬の骨か分らない記憶喪失野郎から始ったわけだし」
「わぅ?」
ぱんっ
「カー――っ!!!」
「くぅん(哀」
言ってる側でルナはまた出した手に猫パンチを食らった。
こればっかりは言って分るものじゃない。
「それで間、シエルちゃんの服は如何するんですか?」
「・・・どうせ直ぐに元に戻るからな、態々用意する必要はないだろ」
「でも、シャツ一枚だけじゃ・・・」
「一枚じゃないぞ」
と、面々に対し背に隠れていた猫少女をヒョイと膝の上に座らせ
シャツの裾をピラっと捲るとそこには下着に白いもの。 光景に
ディが硬直した。アレスが気まずそうに目をそらした。リオがあっけに取られた。
子供のルナと子供なシエルは周囲の反応にわけも分からず 何?何? と見回した。
「だ、だ、団長、それは?」
「あ? 流石に女の子用の下着までは如何しようもないからシーツの帯で」
と、そのゼスチャーから少女の股間に布切れを巻きつけたのはライ当人とわかる。
「団長、貴方、貴方って人は・・・フケツッ!!!」
「!!?」
リオパンチ一発、クリティカルな感で顔面へ減り込むその拳。
そのまま仰け反りソファに倒れたライの上、仔猫シエルはおろおろ。
「シエルちゃん、不潔な団長といると不潔な事されちゃうから向うに行こうね?」
もはや野良猫シエル=仔猫シエルになってない。子供扱いである。
しかし、優姉のようなリオの想像に反し、
「・・・(イヤ」
「ねっ、シエルちゃん?」
脇に手を回し抱き抱えようとすると
「にゃーっ、にゃーっ、にゃーっ」
「うわっ!!?」
怯え猫な暴れように結局リオは手を離さるえなく、開放された仔猫シエルは
のびたライの膝の上でその身体に抱き付く。その様子、主に甘える仔猫の如く。
「・・・諦めろ。今のシエルさんは団長にしか心を開いてない。」
「うう、何故か凄く・・・惨敗した気分(泣」
「あははは(汗。 処で御二方、レイハさんとアルシアさんは?」
「ん? 二人は野暮用でちょっと・・・な。」
「へぇ、いつお帰りに?」
「今日の深夜か、明日の朝までもつか・・・二人次第」
「・・・・・・(ガタガタブルブル」
「「「???」」」
ニヤリ笑いのライと怯えるルーに何故か三人はそれに触れてはいけない気がした。
レイハが居ない以上、ライは真面目に執務をするわけで
こんこんこん
「失礼します。お茶、お持ちしました」
執務室へやって来たのは、いつもはしないくせに今日に限り真面目なメイドな感のリオ。
「おう、さんきゅ」
「・・・・・・」
リオの心配を他所に、ライはいたって普通にカリカリと執務をこなし
シエルはその膝の上に座り抱着き寝ていた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・何?」
「あ〜〜〜、いえ、真面目に仕事をしていらっしゃると思って」
「俺が真面目に仕事しちゃ悪いか?」
「あっはっはー―(汗。 ・・・シエルちゃん御邪魔じゃありませんか?」
「べっつに。ガキの相手にゃ慣れてるからな・・・
こうやって片手間に相手してやりゃ何の問題もない」
「はぁ〜〜〜、団長、意外に子育て御上手ですねぇ(感心」
「・・・それは嫌味か?」
「いえいえ、純粋に褒めてます。」
「何か褒められてる気がしない・・・んで本当の所、何用?」
「あ〜〜、団長がシエルちゃんに不潔な事をしていないかと思いまして」
と、不意にシエルが目を覚ますと周囲を見回しライにしがみ付き直す。
「にゃ、にゃぁ?」
「あ〜〜、大丈夫、大丈夫。怒ってないから」
「にゃぁ〜〜〜」
「意外に下世話な心配だったみたい・・・」
「そうだ、少しは俺を尊敬しろ。」
「それが無ければ素直に尊敬できるんです。」
「んが・・・。 ・・・もう少しでケリがつくから居間に茶の用意しといてくれ」
「了解しました」
リオだってライの事は尊敬している。おバカでも頼りになる素晴らしい兄貴分として。
そして何より、皆の頭に立つ敬うべき君主として。
居間では若手4人がお茶の用意をした。 変らず部屋隅には正座のルーを残して。
そしてライもやって来た。シャツ裾をしっかり掴むシエルを連れて・・・
中略。兎に角、仔猫シエルはライにべったりで、それは
親に甘える気弱い娘の如く、主に頼る人見知り仔猫の如く。
・・・夕食時、当てつけに耐えられずルー陥落。
「すまん。私が悪かったから、もう許してくれ。私が悪うございました(えっぐえっぐ」
「・・・だって。シエル、ルーを許してもいいか?」
と隣の席を占領する猫少女に聞いてみるライ。
「にゃ。」
「許してないってさ〜〜」
「にゃっ、にゃぁにゃぁにゃぁっ!!!」
シエルは明らかに健気にも裾を引っ張り、違う違うといってます。
「そんなぁ〜〜(えっぐえっぐ」
「「「・・・えげつな(汗」」」
「くぅ〜〜ん(怯」
「・・・まぁ、ルーがもう十分罰を受けたと思うならいいんじゃないか?」
「ええっ、いいのか(嬉!!」
「ど〜〜ぞ」
嬉々として、ルーは立ち上がろうとしてそのままコロンと転がってしまった。
幼女、暫し呆然にあげくが起きることままならず
「あっ、うっ・・・うああああん(泣」
「脚、痺れてやんの・・・さぁ〜〜シエルたん
あんなのは放っておいてオヤツ食べようねぇ」
「にゃぁ(汗」
余りにも無慈悲、余りにも残酷・・・
分かっていても何も出来ず、ただただ周囲に流されるしかない猫少女だった。