∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■ Lio Go Home ■
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「貴様アアア何者ダアアアアァァァ!!! リオとアレス ハ何処ヘ行ッタアアアァァァ!!!」

『・・・勇風星霊セラフ、光臨。 私が』

『「アレスであり」』 『「リオです。」』

その唇から凛とした美しい声の後、アレスとリオの声が入れ替わりセラフの声と重なりながら発せられる。

融合を果たした二人は新たな意識を生み、二人の力を呼び水に生れた膨大な力と共にその姿を象った。

これはもう融合魔法ではなく、二人の身体,魂を触媒にした一つの召喚術。

「何カ良ク分カランガ・・・貴様ニ、コノ場ニ出テキタ事ヲ後悔サセテヤロル!!!!」

同然、邪神にそんな事は理解できない。 自分に立ちはだかる者,輝きを持つ者はすべて敵、陵辱対象。

『その言葉、そのまま貴様に返す!!!』

対象が一つに成った事で邪神の醜撃はすべてセラフヘ向う。

しかし、それをセラフは幻像が出来る程の超高速で避け、「風羽」「聖霊の刃」で切り裂き邪神に切迫するが

対比で刀身が短く、邪神の傷は直に修復されるため、お互いジリ貧。

『我剣達、いまこそ我求めに応じ、その力を一つに

神剣エグゾードヴァーニル 召喚』

人の創りし物にも魂は宿る。特に銘剣「風羽」「聖霊の刃」にもなると直接何かをしないとは言え可也のモノ

それがセラフの言霊に応じ、空に舞うセラフの手の中一度光へ分解,一つに纏り

刀身だけでセラフの身長の倍々ある一本の超長剣ヘと姿を変える。

無限に修復するとはいえ防戦一方の邪神も終にキれ(もともとキれているが)、

セラフの神剣召喚の隙をついて、回復力を犠牲に地から気を搾取するための触手を切断、

肉を凝縮し、背に邪翼を生やして、そのフォルムを空中高速戦使用、飛竜型へと変えた。

セラフは天で構え、邪神は地でその身に力を蓄えて行く。そして、次の瞬間

ドンッ

『かはっ・・・・・・』

邪神の姿がケシ消え、セラフは更に天高く弾き跳ばされた。

神剣が無ければその一撃でセラフの身体は粉砕されていたかもしれない。

極めて単純な体当たり攻撃。セラフが視覚認識出来ないくらい超高速の。

「ホウ、アノ一撃ニ耐エテイタカ。ダガ,コレデ終リダッ!!!」

空中で態勢を立て直したセラフに戻って来た邪神が唸る。

そして再び、超高速体当たり攻撃。しかも今度は連続の

『ぐっ・・・っ・・・(ギリ)・・・』

邪神自身、精密調整が出来ず直撃が無いものの、その音速突破衝撃は凄まじく、障壁を貫いてきた。

それにセラフは嵐の中の木葉のように振回され耐えるのみ。

ついに四翼の戦乙女は地に堕ちる。兜,鎧はくすみ、一部砕け、羽衣は所々裂けて白肌が覗いていたが、

兜の割れ目から覗く碧眼はまだ闘志を失っていなかった。

「モウ、オ遊ビハ終リダ。 コノ一撃デ、貴様ゴトコノ辺リ一体消シトバシテクレル。」

空高くから邪神は邪竜咆哮をブチかますつもりか、その顎内に全力を集める。

それに対し、セラフも地に足を踏締め全翼を展開、神剣を上段に構え全力を集めていく。

そして、決着の時

ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァ

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ』

双方、戦叫と共に、邪神は天から邪竜咆哮を放ち、セラフは地から神剣に纏わせた破邪光を撃つ。

それが両者中央空中で激突。両者一歩も引かない。

邪神が少しづつ後にずり下がり、セラフの足が地に減り込み、膝は少し折れる。

それを機と見たかさらに太くなる邪竜咆哮。しかし次の瞬間

トスッ

ガアアアッアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァ

どこからともなく撃込まれた雷撃槍に一瞬邪神の咆哮が途切れ、

『俺達は負けない!!絶対生きて帰るんだああああああああぁぁぁぁ!!!!』

破邪光にアレスの心が加わり、倍の太さになった。

『私達がみんなを護るっ!!もう誰も死なせないいいいいいいぃぃぃ!!!!』

リオの心も加わり、さらに、 さらに太くなった。

慌てて邪竜咆哮を太くしてももう遅い。

その勢いに乗った破邪光が邪竜咆哮までも押し返し、まとめて邪神に襲いかかり

アアアアアアアアアアアアアギャアアアアァァァッ!!!!!!!

ジュッ

閃光の柱が天を貫き、その中で邪神は消し消えた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

既に鎧、兜は破邪光の力に代え無い。セラフがその身に纏うのはクズ布と化した羽衣のみ。

『ふうううぅぅぅ・・・、 ・・・ディを迎えに行かないと』

長い溜息の後出た呟きはどちらのモノかは分からない。あるいはセラフのものか。

取り敢えず、周りの気を集め、羽衣を修復。

全翼を広げ月夜へと舞うその姿は天使そのものだった。


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