「お、おはようございます、みなさん(照)」
そこへリオもやってきた。
やはり動きがぎこちない上に少し頬を高揚させ、白タートルネックセーターがイヤーンな感じ。
目で、アレスは思わず大丈夫かと尋ね、リオはアリガトウと応じる。
その二人の遣り取りを睨むルー。
「・・・やはりナー。 あ〜〜〜、腹が立つ、腹が立つ、腹が立つぞライ。」
ゲシゲシガスゲシガスガスゲシガスゲシガスゲシゲシガスゲシガスガスゲシゲシガスゲシゲシガスゲシ
「「・・・・・・・・・・・(目がテン)」」
「・・・なんで、そこで俺をサンドバックにするんだよ。」
非力なルーが蹴り殴るので全く痛そうで無いライ。
ルーのライに対する狂行を誰も止めようとしないばかりか、明らかに三人 シエル,レイハ,アルシアの目は
『『『それだけでは物足りない。モットやれ、凶器も使え、半殺しにしろ』』』
と語っているし、似たような経験があるのか(あるのだが)カインはライに同情の眼差し。
尤もカインにあるのは複数の恋人達に何又も掛けている事がバレてトッチメられた事。
だからトッチメらる理由は180°くらい違う。
アレスとリオの二人には、自分たちが引き金になった程度にしか分からない。
これがココの日常。何があってもやっている事は対して変らない。
粉雪が舞う窓の外、屋敷の食堂では暖炉に焚火が煌々と燃えて暖かだった。
都市シウォングの冬は可也冷えるが目前の山で殆ど雪が降ってしまうため、都市周辺降雪量は少ない。
その代わり、夏はよくにわか雨が降り高温多湿・・・それはさて置き
今、屋敷の食堂、暖炉前では壮絶な死闘が繰り広げられていた。
ライVSアレス
「よくやったと誉めてやろう。しかし、この勝負、俺の勝ちだぁ(邪笑)」
「つ、強い、強過ぎる。俺程度では役不足なのかっ!!!」
チェスでぇー
観客は、リオと多分、王国内(チェス)最強カイン。二人ともアレスの味方。しかしライ優勢。
ソファではレイハが読書。 ルーはシエルの懐に抱かれて巨乳を枕に居眠り、
シエルもルーを人形の様に抱締め尻尾の先を振りつつソファに凭れ居眠り。
今の二人を何も知らない野郎ドモに見せれば獣に化けるか?
アルシアはやはり部屋で妖しい薬の開発。
「くっ、くっ、くっ、ばぁかぁめぇ、そのクイーンいっただきぃ」
「くぁっ!! 飛込みすぎたかっ!!!」
「ア、アレス君が負けちゃう(泣)」
ちなみに負けた方がアルシアの妖しい薬の実験台。
「・・・・いや、そうでもない。LデュークとRビショップの使い方次第では簡単に逆転可能だよ。」
そう、巧みな話術で自分圧勝の様に見せていただけ。実はかなり接戦。
「あっ、カイン手前ばらすなっ!!!」
「・・・・・・あっ、なるほど。確かにこれなら先に詰められる。」
さらに、ちなみに勝負に真剣味を持たせようと罰ゲームを言い出したのはライ。
「・・・認めたくないものだな、自信ゆえのアヤマチというものはー・・・この勝負、無効にしない?」
「・・・済みません。自分も実験台だけには成りたくないので(怯)」
「団長、貴方という英雄がいた事は決して忘れません。だから安心して成仏して下さい(泣)」
「ライ=デステェイヤー、こ臨終です(笑)」
「それ、洒落になってねーーーっ」
コンコンコン
そこへ、窓を叩く突然の来訪者 どうやら確実に人がいる食堂の方へ直接来たらしい。
「すみませーん、郵便でーすっ。リオさん。リオ=クラウスさんはいらっしゃいますかー。」
チャンスッ
全員の注意が郵便屋に向いた瞬間に、駒をずらすライ。
パタパタパタパタ・・・ガラッ
「リオ=クラウスさんですね?貴方にお手紙です。でわっ(スチャ)!!」
そして郵便屋はむやみに白い歯を輝かせると、雪の中を行ってしまった。
リオは早速手紙を開け読み始めている。
「・・・さて、気を取直して抜け道を探しますか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
【し、しまったぁ。自分で抜け道封じてしまってる。やらなけりゃよかったぁ。】
ライがチラッとカインの方を見て見るとヤな笑みを浮べている。
この男、ライの不正を知ってわざと見逃したらしい。自分で墓穴を掘っていたので。
「おや、ライ君が長考に入ったね。ではアレス、僕達はゆっくりと待とうか?」
訳すると、ライが観念するのをジックリ待とう⇒ライ敗北確定
アレスはカインの台詞を台詞通りに取り、茶を飲みつつライの様子を窺がっている。