∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■ とある騎士団の日常 ■
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☆ リオ

 

晴天の下、ジャケットの青年が一人で色々モノが入った紙袋を手に、賑う街を探索していた。

シッカリと舗装された道、揃った街並、ノンビリと平和に暮らす人々。

王都ですら比較にならないほどの平和がそこにあった。

「・・・・やっぱり凄い。 これが、団長が造った街かぁ・・・」

正確には、ライは街を造った人々を守りぬいた。

実際に多少手伝ってもいるので『造った』とも言えなくはないが。

本日、アレス君非番。 暇なので、ネタ探しに街探索中。

しばらく、ひたすら裏を目指して歩き回ると、その街の様子も激変。

ソコから漂う雰囲気は、怪しく、他者を威嚇し、正に裏街。晴れている筈なのに暗い。

しかし、表と裏がお互いを侵食しないで繁えるようになっている。

「・・・こういうところ、団長らしいな(汗)」

そのとき聞こえた聞き覚えのある声

「やめて下さい。私、困ります。」

広い街、折角出会えた事と物笑いネタのため。 そして、

「・・・何をやってるんだ?」

一人の娘と、取り囲み怪しい店に連れ込もうとするチンピラ達。

の 娘の方、町娘の格好のリオに対して。

「え、アレス君? ・・・助けて(泣)」

「「何だァ、手前はぁ。邪魔すると容赦しねえぞ、こらぁ。」」

「いや、助けても何も、その程度自分で如何にかできるだろ?」

「でも私、こうゆう場合如何していいか分からない・・・」

「はぁ〜〜〜、君ってお嬢だったんだな(呆)。チャッチャーと適当に断って逃げりゃいいだろう?」

「「何だァ、お前等知り合いかァ。知り合いだからって良い処見せ様とすると、怪我するぞ、あん?」」

「・・・何と言うか、こういう連中って、本当ボキャブラリーがないよな。」

「そうだね。 と言う訳でこめんなさい(ペコ)。」

「「・・・お、 俺達を無視するんじゃねえ」」

「お、まだいたのか。」

「この野郎おおおお、へギャッ(沈)。」

殴りかかって来たチンピラその1に、アレスは動じる事無く顔面へカウンター十六文キック。

チンピラその1撃沈。それを見たチンピラ達はその手に得物。

「・・・その程度で如何にかなるは思えないけど・・・なっ」

「「「「なにっ!!?」」」」

ドスッベキッドスッベキッドカッベキッドカ・・

紙袋が空を舞い、

刃の横腹を叩いて得物を弾き飛ばし溝オチに拳を叩き入れ、

避けざまに米神に回し蹴りを入れそのままその頭を地面に落とし、

・・・・・・そして、紙袋はアレスの懐に戻って来た。

・・・・まあ、早い話が瞬殺。当然、それを目で追えたのはリオのみ。

そして、残り一人

「て、手前、それ以上逆らうとこの女に傷がつくぞ。」

リオに刃物を突き付けて威嚇していた。

「・・・はぁ〜、その程度自分で出来るよな。て言うか、その程度自分で如何にかしろよ。」

「言われなくても(微笑)」

「えっっ!? がはっ」

リオの笑みにチンピラは戸惑い、その瞬間チンピラは地面に叩き着けられる。

「俺達は正義の味方じゃないからな。次からはマジで殺るぞ。」

「アレス君、私達、正真正銘正義の味方(汗)。」

死屍累々で、地面でうめくチンピラ達。 延びて、話どころじゃなかった。

「んじゃ、行きますか。・・・そう言えば、どうしてこんな所にいるんだよ。」

「レイハさんにお使いを頼まれたんだけど・・・・・・迷っちゃった(照)。」

「迷う前に気付かないか(汗)。 ここ、明かに表通りと雰囲気違うだろ?」

「そうなの?気付かなかった。 アレス君は如何してココに?」

「俺、今日非番。それで、ちょっと街を探索にな。これ、その成果。」

紙袋の中身は、果物やら美味しそうなパンとか・・・・・・

「・・・これ、おいしそう。・・・ちょうだい?」

「おう、いいよ。」

場違いに雰囲気がいい二人。 とそれを見送る地面に延びたままのチンピラ達。

・・・・・・・・・・・

・・・・・・

昼間は晴天だったのに、夕方から曇り始めた空はあっという間に土砂降りへ。

そして二人は、丁度 街と屋敷の中間辺りにある小屋で足止め。

風邪引き覚悟で全力疾走をすれば、一時間ほどで帰れなくもないが・・・・・・

薪火を挟んで

「・・・・・・今日は帰れそうにないね。」

「今無理したら、団長は怒ると思うぜ。このためにココが用意してあると思うんだけどな。」

小屋は4,5人が横になれるだけの広さがあり、十分な薪木と毛布が用意されていた。

しかも、アレスにココを教えたのはライ。

・・・・・・・・・

「・・・私とアレス君て、同期だったて覚えてる?」

「『孤狼』と『優帝』の主席争いってか。 あんな所で一番とってもしょうがないのに。」

養成校(騎士,神官の。)での話。『孤狼』はアレス、『優帝』はリオ。

当時のアレスは我武者羅に突っ走り、自分を妨害する者(なんちゃって優等生)は排除、一匹狼を貫き、

ついでに、無能な教官や 権力に物を言わせ女生徒に悪戯をする教官を堂々と排除、天誅を与えていた。

当然、敵も多いが意外に味方も多かったりする。

対し、リオは優等生の上に面倒見が良く、年齢関係なく人々に慕われていた。

そして、アレスが一番最初に天誅を与えた奴。女生徒に悪戯をする教官。

その最後の犠牲者(未遂)がリオ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

個室にリオと悪い噂が耐えない教官Aが二人っきり。

「くっくっくっ、なぜ呼ばれたか分かるか、リオ=クラウス。」

「・・・・・・いいえ。」

「奨学金のことだよ(邪笑)。 お前、段々と成績が下がっているなぁ。

ということは、このままだと奨学金は渡せなくなるなぁ。」

勿論大嘘。リオは最初から最後までアレスと主席争いをしていた。

「しかし、だ。お前にその意思があるなら、ワシの一存で如何にかしてやれんこともない。」

といいつつ、リオを頭からつま先まで舐め回す様に見る教官A。この男にそんな権限は全くない。

それに怯え、じりじりと引いていくリオ。

「ど、どうすれはいいんですか(怯)」

「なに、簡単な事だよ。 大人しくワシの言う事を聞けば言いだけだぁ。」

リオの胸を制服の上から鷲掴む。

「ひっ、いやああああぁぁぁ(泣)」

「がはははは、いくら泣け叫んでも無駄だァ。この部屋は完全防音。大人しく言う事を聞けえええェ。」

ビリリッ

「あうっ!! いやぁ、止めてください教官。」


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