∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■ とある騎士団の日常 ■
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「「・・・z・・・Z・・・Z・・・」」

「・・・z・・・z・・・(ピクピク パタンパタン)」

「ムニャ(涎)・・・z・・・z・・・」

「・・・z・・団長ぉ、不潔です・・z・・」

外はシトシトの雨、食堂の端の暖炉前

ソファの中央でライが凭れくたばり、そのライの膝枕に左右でシエルとルーが居眠り。

ルーは涎でライのズボンを汚し、シエルは時折猫耳を反応させパタンパタンと尻尾を振る。

足元カーペットの上にはアレスとリオ。

アレスは大口を開けて、リオは寝言でライに文句を言いながら。

ちなみに、カインは雨の中、街の女友達の所へ遊びに、

アルシアは自室で怪しい薬の開発、

レイハは執務室で読書。

単に休日、全員暇な時に雨が降り、する事がないので居眠りしているだけ。

始めはライとアレスが居眠りをしていた。

そこへシエルがやって来てライの片足を占領。

さらに、やって来たルーが負けじとライのもう片足を占領。

しばらくしてリオもやって来て「団長、不潔です」と思いつつ、

みんな気持良さそうなので自分もカーペットの上で横になってみて、気持良さの余りそのまま撃沈。

・・・・・・・・・・・

執務室で優雅に読書をするレイハの元に手紙が届けられた。

宛先は騎士団長ライ,送り主は市長。

中身を見る訳にもいかず、暇なのでライの所に持って行くことに。

そして、食堂に入ると

「・・・・・・・・・(ピキッ)」

5人が5人共くたばり、特にシエルとルーにちょっぴり、かなりライに対して一瞬腹が立った。

後からソファ,ライに近づき、顔に軽く手紙を叩き付け

「(ペシッ)市長さんからお手紙です。」

「ん・・・・・・市長からの手紙ぃ? 何だろ?」

寝惚け顔で手紙を受け取り、中身を読む。

「・・・創立記念パティーの招待状、俺と後一人程度?」

ガバッ

「私も行くぞっ!!」

ルーが跳ね起き、お供の立候補。

「手前、いつから起きていた。 ・・・俺の子供扱いされてもいいなら、いいぞ。」

「ぬああああああああああぁぁ・・・(パタ)」

頭を抱えて悩んだ後、再びライの膝枕で不貞寝。

「シエルが来るかい?」

「・・・私は、そういうのは好まない。遠慮しよう。」

シエル、寝たまま尻尾でソファを叩きつつ返事。

「残念だな、シエルのイブニングドレス姿見たかったのに。」

シエルのムッチリとした肢体を包む白いシルクのドレス、それに栄える黒の猫耳,細長い尻尾。

「・・・・・・・・・・・・やはり、遠慮しよう(照)。」

「アルシアを誘っては如何ですか?」

「ん〜〜、アルシアを連れて行くと、在る事無い事言触らしそうだからなぁ〜、却下。」

「では、リオは?」

「新人にはまだ早いし、俺は小娘に興味無し。」

ライの一言にルーの涙がズボンを濡らす。

「そ、そういう問題ではないのでは? ・・・カインを 」

「野郎と一緒に行って、ナンパして来いと? 論外

・・・・・で、レイハさ〜ん、俺と御一緒にパーティーに行きませ〜んか?」

「私と? 冗談ばっかり・・・」

「レイハ、結構昔からいるのに今まで市長と直接、面識がないだろ?まあ、挨拶を兼ねて御一緒に・・・

(ギュウゥゥゥ×2)イタイイタイッ(ペシペシッ)」

膝枕をしている二人に脚を抓られ、ライはその手をはたく。

「戦団長補佐が市長と面識がないというのはやっぱり問題があるからな。丁度いい機会だ。」

「そういう事なら喜んで(苦笑)」

・・・・・・

「レイハはそういうドレスやアクセサリーは持っているのか?」

「・・・ドレスだけは。」

ライはレイハを連れて、ライが倉庫代わりに使っている部屋へ。

部屋の中には様々な武器や防具,そして幾つか大きめの木箱。その中の一つを漁りつつ、

「おっ、封印されている物は触らないようにね。 ・・・で、どんなドレスを着ていくつもりだい?」

「・・・黒のイブニングドレスです(疑)」

「ふむ。・・・・・・なら、こんなもんかね。」

木箱から幾つか小箱を取り出し、レイハに手渡し

「君に合いそうな物を選んだけど・・・気に入ったら全部やるよ。」

まるで、夕食のおかずをあげる言い様。

でも箱の中身は色々なアクセサリー。レイハに好く似合う落着いた雰囲気、でもかなり高価な物。

「ど、如何したんですか、これは?」

レイハ驚愕。一瞬、ライが盗賊をしている姿を想像してしまった。

「盗賊連中は結構いろいろと抱え持っているんだよね。

んで、みんなは酒代とかに消えたけど、俺はあんまり飲まなかったからな。

気に入った物だけ残していると・・・な。これらは呪が掛かってないから安心していいよ。」

要するに盗賊退治をした時等にチョロマカしたものらしい。

ライの言い様ではこの部屋には呪が掛かっている物もゴロゴロと・・・

「では、これだけ・・・・・(照)」

レイハの選んだ物は落着いた銀装飾の髪留め。実用的に、自分の長髪を止める物を選ぶ。

「ん、じゃあ、やる。」

「やる」と言われてはそうですかと言えるほど安い代物では無かった。

ライという男は、女の子にアクセサリーを上げる意味を分かっていないのか、

それとも計算づくでやっているのか・・・。 恐らく、なにも考えていない。

ライはそういうことに、そこまで悪知恵を働かせる男ではない。

レイハは一筋の汗を流しつつ貰っておくことにした。 


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