∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■ とある騎士団の日常 ■
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倉庫地下、捕まえられた少女達が囚われている牢前廊下、

後には保護した怯える少女達、前には即席のバリケード、その向うにはガーゴイル達が。

目立った傷は負っていないが、手詰まりに疲れ果てたアルシア,リオ,アレス。

「雑魚どもおおおおおおおぉぉぉ。 俺はココにいるッ。かかってぇ来いっ!!」

そんな彼等にも聞こえたライの戦叫。そして

「ガーゴイルが引いていく!!? 団長の声に引かれているの?」

「俺達も団長の援護にっ グエッ・・・」

追加、アレス負傷。

「焦ったらだ・め・よ。 私達のお仕事は被害者の保護。だから、あちらはライ達に任せて」

「せめて・・俺・・だけでも(ドスッ)グハッ!!・・・」

「・・・もっとライを信頼して。」

「ち、ちがうぅ・・・俺は、団長達の戦いを拝見したいだけ・・・」

「駄目よぉ(怒)。 自分の立場をわきまえましょうね。」

そして、彼等にも聞こえた 粉砕音,爆裂音,斬切音。倉庫全体を揺るがす地響き。

 

「雑魚どもおおおおおおおぉぉぉ。 俺はココにいるッ。かかってぇ来いっ!!」

ライの戦叫は、手ごろなカーテンで身を包むシエルの猫耳にも当然聞こえた。

「バカな!!? 一体何を考えているんだっ。」

二人ならともかく、一人で多数を相手するには無茶にも程がある。しかし、

「うっ・・・っぁ ふ、不甲斐ない。」

シエルの身体は熱でも出したかのように意思通り動いてくれない。

この状態で助っ人に行っても足手まといになるだけ。

結局、破壊音と地響きの中、壁を背に崩れ落ちた。

・・・・・・・・・・・

・・・・・

・・

「今日も元気だぁ〜♪ 飯が〜うまいぃ♪ へいへいへい♪ ウヲァッチ!!」

事件解決翌日の朝、一番重傷(でも全治2週間。打撲,擦り傷など)の人間が最も元気があった。

ちなみに、原因は敵から攻撃を受けたからではなく、奥義使用に伴うダメージ。

烈光 神撃砕:反応速度,筋力,身体強度を限界まで上げ、極超加速を行い、

『時の止まった世界』で敵を撃破する。

しかし、発動までに時間がかかる上、使用魔力も膨大、体感時間が長くなればなるほど

術者の身体にかかる負担は、加速度的に上がる。

ただ、一度発動してしまえば無敵の荒技。

「団長〜〜、何でそんなに元気なんですか?」

「うむ、諸君とは常日頃から鍛え方が違うのだよ。もっと精進したまえぇ。(ツン)ぐぁっ(痛)!!」

「・・・・やっぱり、痛いんだねぇ。」

カインの突っ込みに過剰反応・・・というかライが単に強情なだけ、空元気だともいう。

当分の間、訓練は休みなのでみんなのんびりとしている。しかし、食堂に姿を見せない人物が一名。

「そういえばシエルがいないな。めずらしいね、あいつが。・・・寝坊?」

「いいえ、気分が悪いそうです。 今、アルシアが診察しています(ヒソヒソ)」

「アルシアも出動あと早々大変だねぇ。で、シエルはそんなに悪いのか?(ヒソヒソヒソ)」

「このことに関しては直接、アルシアから。私はこれ以上、干与するつもりありません。」

「ふむ、今日は珍しいこと続きだな。 明日、雪でも降らないかな?(ヒソヒソヒソ)」

「降りません。…真面目な話中、茶化さないで下さい。では。」

そのままレイハは仕事をするために行ってしまった。

彼女の本当の戦場は騎士団の戦闘前後、これからが大変なのだ。

 

アルシア自室前

「(コンコンコン)ライだけど、話聞きにきたぞ。」

アルシアの返事にライ入室。 アルシアの部屋はその主と違い質素で本や薬品,器材ばっかり。

どちらかと言えば、日頃の妖艶な雰囲気よりこの部屋こそ彼女の本質なのかも知れない。

「ライ、貴方はシエルの事どれくらいご存知?」

「ん、まあ、出会った以降の事は一通り。後は彼女が猫人ということぐらいかな。」

猫人:猫の耳,尻尾,瞳を持ち、その感覚(特に聴覚と視覚)と反応速度は人間を凌ぐ。

元狩猟人種であるため気配を消すのも上手。 

「それなら、発情期については?」

「それがあるって事程度しか知らん(威張)!!」

発情期:この時期になると、それなりに身体が熟成している獣人女性は感情的に成りやすく、

人恋しくなる(つまり、Hがしたくなる)。

しかし、このことはあまり人に話すことではないので一般人で詳しく知る人は少ない。

当然、この時期にヤっちゃうとデキやすい。種族差,個体差はあるが、猫人は半年に一回周期。

「それで十分よ。・・・あの時、彼女を保護したとき彼女は性奴隷の調教を受けていたの。」

あの時、昔ライ達(実際、保護したのは女騎士達。男騎士達は容疑者の逮捕)がシエルを保護した時。

「・・・その割には、あの時のシエル、平気に俺と接したような覚えがあるが。」

「ふっ、彼女、意思が強い上に、自分が甘えること嫌いだから。

今回はそれが仇になってしまったのね。

今、彼女は発情期なの。その上淫毒を受けてしまうと、どうなちゃうと思う。

答えは、その事しか考えられない色情魔になるの。

それを無理に押さえると精神崩壊、最悪死んじゃうかも。」

「で、で、で、で、解毒はもうやったんだろ(汗)?」

「まだ、というか時間的に無理ね。でも、策はあるよ。」

「ならすぐやってくれ。」

「するのは、あ・な・た・よ。」

「???」

「ライ、シエルをヤっちゃて(嬉)。」


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