∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■ EPISODE 04 ■
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・・・総員撤退っ!!」

「しかし・・・」

「虹凰騎士団団長として命令する。総・員・撤・退っ!!」

こうして王都側は渋々撤退。狐に摘まれたようなライを残し盛り上がる町側。

「まだ俺は騎士になるとは言って無いぞ。挙句、騎士団長だ?」

「この場を上手く治めるにはこの方法しかないでしょうな。」

「でも俺は」

「はっはっはっ、そんな事初めっから解っておりました。

まあ中央がアテにならないのは昨日今日の話ではあるますまい。 

ライ殿は我々の為に戦った。それで十分ではありませんかな?」

「いや、それでも・・・何も俺を団長にしなくてもカインとか」

「僕は嫌だよ。まあ、それ以上にライは十分騎士団長に向いていると思うけどね。

ずっと昔にオーディス様も言っていたじゃないか。 団長の座を譲るってね。」

並の騎士団ではなく守護騎士団の

「・・・ルーとか」

「はっはっはっ私は魔女だゾ? その上この形だ。人前に立つには向かんナ」

「アルシアは・・・論外か。それはそれで面白そうだけど・・・」

「失礼ねぇ(怒」

「ふぅ、たった四人きりの騎士団の団長か・・・・・・」

「騎士は追々増やしていかれれば良いでしょうな。」

もうなってしまった以上騎士団長は勤めるとして・・・

何であれココにに希望の町の騎士団、極星騎士団が設立された。

 

「どういう事だクリスティン。我々を裏切るつもりか」

「もうアノ町は隣国と交流が始っております。

ここで無理強いをすれは・・・私はこの判断が正しかったと思います。

これで、あのライ=デステェイヤーをココに呼ぶ事ができるのでは?」

「・・・余計な詮索は身を滅ぼすぞ、クリスティン」

「・・・申し訳ありません」

「まあいいではないか。これで直接」

「黙れ、まだ部外者がいる。」

部外者とは勿論クリスティン

「・・・・・・では私はこれで失礼します。」

彼女がいなくなり

「何であれ、これで一気にカタが着く」

「神の力、永遠の命が我等が手に・・・」

クリスティンが言った通り早々にライに対し王都から召喚状がもたらされた。

そして、正々堂々王都へ凱旋。騎士団長として仲間3人と共に。

王都守護騎士団のウィークポイントと言えるものが無くなってしまった。

ライ個人にも何度も煮湯を飲まされてきた総司令部としては面白くない。

その総司令部軍人達に睨まれつつ諸手続きを済ませサッサと帰路に着こうとした

まさにその時、呼びとめたのはクリスティン。

そのままクリスティンの屋敷へ招待され、

「ライ殿に会いたがっている方々がおられます。

ライ殿だけ一緒に来ていただけますか? 皆様にはその間ココで待って・・・」

「と言うより来てもらわないと困るんだろ? いいぞ」

「おい、ライ。この女を信用していいのか?」

偉そうにルーに「この女」と言われ、

「何、この生意気な子供?」「なんじゃワレ?」と睨み合うクリスティンとルー。

「あ〜コラコラ、少なくともクリスティンは信用してもいいと思うぞ。

もっとも、その裏にいる御大は全く信用出来ないけどな」

「はい、・・・済みません」

「謝るなよ。君の御陰でケリがつけられるんだから、

こっちが礼を言いたいくらいだ。剣は持って行ってもいいよな?」

「はい、では行きましょう。」

制服としても十分通用する戦闘服のライと騎士服のクリスティンは揃って

例の馬車に乗り例の場所へ。

出迎えたのは例の如く例の執事。

「クリスティン様はこのまま御帰りください。ライ様は此方へどうぞ」

「わ、私も・・・」

「我々はまだ優秀な手駒を処分したくはない。

御老の様方からの御言葉で御ざいます。」

クリスティンの儚い抵抗はアッサり砕け散った。

「あ〜、大丈夫大丈夫。先帰って待っててくれ」

大丈夫なはずがない。経緯からして老人達はきっとライを始末しようとするはず

「帰りは当然送ってくれるんだろ、クリスティンの屋敷まで?」

「・・・・・はい。もちろんでございます。」

二人して彼女を帰らせようとしているようにしかみえない。

とはいえ彼女は如何しようもないのもまた事実。泣く泣くクリスティンは帰還。

見送り、ライは執事に

「さ〜てと、行こうか?」

「剣を御預かりします。 これは随分と・・・イイ剣を御持ちで」

「しっかり預かっててくれ。 唯一無二、俺だけの剣だからな」

剣士にとっては剣は魂といえる。それを平然と他者に預けるとは

場合によってはコレで命を奪われるかもしれないのに。

複雑な表情を見せつつ執事は豪華な待合部屋へライを通し

「暫くこの部屋で御待ち下さい。御用があればメイドに・・・では、失礼します」

そのまま、執事は行ってしまった。

ライはそのまま何を意図する訳でもなくメイドを無視して部屋の物を探索し、

自分で茶を入れてメイドに勧めては困らせてみたり、

挙句椅子で考え込んでいると思えば居眠りしていたり。

困り果てたメイドがチラリチラリと見る大鏡の向こうでは、

「何なのだ、この男は・・・」

「我々に見られていることに気付いているのか?」

「大物か、大馬鹿者か・・・殺すには惜しいな。」

「くっくっくっ、殺し、内からその力 抉りだしてやるぞ」

「・・・・・・(汗」

「何であれ、このままでは埒があかん。直接会うべきだな」

「うむ、あの男を呼べ」

起されたライが通されたのは、やはり闇部屋。そして光で照らされ

「ようこそ、デステェイヤー卿」

他に誰か呼ばれているのかいな とライは周囲を見回し、

「貴様だ、貴様、ライ=デステェイヤー」

「ああ、 俺ね。で、散々待たせ覗いた挙句、何?」

「き貴様ぁっ、我々に対しその態度、失礼だぞっ!!」

「そりゃ俺はアンタ等を別に尊敬しちゃいないからな、

尊敬もされていないのに丁寧な態度をとられたいのか?」

「・・・もうそのままでも構わん。

先ずは君を町シウォングの領主 そして騎士団長をして認めよう。」

「・・・それで? 俺はアンタ等の手下はやんねーぞ」

「もう我慢ならんっ、殺れっ!!」


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■ EPISODE 04 ■

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