■ゾメイン遺跡、異界化報告■
ゾメイン遺跡において”四神器”に続き、地下最深部にて古き神々を祀る祭壇を発見。
複数の呪術処理を施された”封印円法陣”が存在。
祭壇の気配から、かなりの力を持つ邪神系と判断、探索チームによる再封印を施すことにする。
探索チームからの報告書は以上であった・・・・
・・・・が、この報告の後トレジャーハンター称する冒険者の一味にこの封印は解かれることになる。
目撃者の口頭証言によると、祭壇には数人分の死体が転がっており、
魔法陣を踏んだのであろうエルフの少女が”眷族”と思われる異形に犯されていた。
発見時には時既に遅く、少女は幾度かの射精を胎内に受けており
”魔”を受胎したであろう事が容易に想像できた。
周辺は既に高い濃度の障気に包まれており、”気”に当てられた数名が発狂、
邪神の眷族が少女を犯す事に夢中になっている間に撤退を決断する。
「お母さん・・・助けて・・・」
報告者が聞いた少女の最後の言葉である。
マーラは受胎可能な女性(平たく言うと危険日?)を見抜く能力があり
犯された相手は必ず妊娠するという非常にやっかいな性質を持っている。
この事態の後、ゾメイン遺跡周辺を「第一級障気汚染指定地区」に認定、
付近の原住民を「ニーヴル」に移民した。
■生物概要■
邪神の眷族
”魔”の一文字
名の由来は「死の恐怖」「穢れた愛欲」
肉体を穢し、精神を穢し、魂を抜き、子を孕ませる者。
今回探索者が遭遇した者は、”魔”本体ではなく、その血に連なる者、若しくは分身(フランチ)で有ると思われる。
分身といえど人間が太刀打ち出来る相手ではない、
熟練のトレジャーハンターが皆殺しにされるほどの戦闘力を持っている。
障気に包まれる閉鎖空間では、傷つけることすらままならない、
報告者が即座に撤退を決断した事はむしろ英断であったと言えよう。
いずれにせよ異界への門が開いた現在、”血”に誘われて「魔」本体が受肉する可能性が強いと思われる。
人丸 2001/08/10
「SHRINE」
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