・・・結論
「あ、あの、ご、御主人様、私は何をすれば、よろしいでしょうか?」
考えた末、初めての口調に舌を噛みそうになりながらその台詞を言ってみた。
シエルの至った結論は正解だったらしい。甚く満足したライは思案し
「そうだな、何をしてもらおうかな・・・・・・(ニヤリ
まぁ、奉仕が打倒だな。 こい。後ろ、解いてやる。」
拘束を解けばそれはレザーのような手袋。コレはもう完全に・・・
改めて、胸以上に恥ずかしいのはその腰、自由になった手を前に手持ち無沙汰で
自分の尻尾を掴む。
「血が足りないからな、何か食べるか。 量はわかるな?
二人分。牛乳とチーズでも取ってきてくれ。体裁整えてな」
心まで縛されたシエルは従わざるえない。
地下室から出れば、まだ夜だった。それでも誰かと鉢合わせする可能性は否めない。
人気を探り、全裸より恥ずかしい格好で台所まで行き、ジョッキミルクと皿チーズを
御盆に乗せ、再び半ば駆け足でライが待つ地下室へ戻った。
「ご、御主人様、持ってきた。」
「・・・まいっか。それじゃあ、食べさせてくれ」
奉仕など最もシエルに縁遠い。言葉使いなどささやかな事は諦めよう。
「ん。わかった。」
切ったチーズの欠片をライの口元に
「違うだろぉ? 口に含んで柔らかくしてから口移しだろ?」
「うっ、うぉわぁ・・・」
何と破廉恥な事をっ!!
「早くしてくれ。コッチは血が無くて腹減っているんだ」
それを言われると・・・ シエルは仕方なくライがトントンと示す太腿の上に跨ぎ座ると
チーズの欠片を自分の口に放り込み数度噛み、抱締められ、唇をゆっくりと触れさせ
口を開けた瞬間
ブーン
「ん!!? んーっ、んっ、んー――っ!!!」
それが回りだしシエルの中を掻き乱す。
腰に手を回され御尻を掴まれ抱締められ、口の中を舌で弄られ、
逃げられない。 逃げ・・・
・・・・・・・・・
「・・・痛っ!!?」
「シエルの胸はデカくて揉み応えあるな。・・・んなのでイくなんてシエルって弱いなぁ」
「っ!!!」
ほっとけとばかりにシエルは顔を背け・・・これがまたタマラナイのだが。
「玩具は暫く使わない。安心して俺に食べさせてくれ。」
「・・・わかった」
困った表情を浮かべながらもシエルは素直に言う事を聞いた。
例えライがシエルをボロボロになるまで犯し孕ませ・・・弄ぶような事をされたとしても
捨てられない限り慕い続ける。 だってシエルは猫、ライはシエルの『親』だから。
まるで自分が食べられるかのように柔らかくしたチーズを口移しで食べさせ、
まるで自分が飲まれるかのように口に含んだ牛乳をピッタリと唇を密着させ飲ませ。
食べさせ飲ませた後、綺麗に口の中を舐められ・・・何度も繰返し。
「んーっ、んっ、んぅ」
「・・・随分としゃぶり応えあると思ったらシエルの舌か」
「・・・(困」
じっと瞳を見詰めていると、シエルはふいっと目を反らせ俯く。
そのシエルの顔を手で挟み前を向かせ、顔を接近させ
「シエルちゃんは何故人の目を見ないのかなぁ?」
「そ、それは性質。・・・ご、御主人様、顔が近い(照」
「シエルちゃんは何故『鳴かない猫』なのかなぁ?」
「・・・そういう風に育っていない(照」
「シエルちゃんは胸が大きいなぁ。 何で?乳出ない?」
「・・・知らない(照。 わ、私に奉仕させるんじゃないのか?」
「ん〜〜? 奉仕させただろ?」
両手で鷲掴み、タップタップと揺らして見たり・・・
もう既にシエルを甚振る事に興味は失せ、便乗し思っていた事を確かめているような感。
「その・・・いいのか?」
「そもそも、らしくない事はするもんじゃないんだよな」
・・・いつものライに戻っている。 大凡、この状況を如何収めるか困っていると見た。
「何か・・・ライらしいな(笑。
その・・・私は本当に大変な事をしたのに・・・捨てられても仕方がない事をしたのに
・・・ありがとう。」
「礼を言われるような事はしてないぞ。」
シエルはライの鼻へチュッと不意を突くキス
「???」
「・・・これからは私自身の自主的な奉仕だ。
ライを・・・御主人様を綺麗にさせてもらう(照」
ライのシャツを脱がし自分の付けた傷を舐める。舌先で丹念にペロペロと。
治癒の願いを込めて。
「ん・・・悪くない・・・イイ感じだ」
「・・・御主人様が喜んでくれて私も嬉しい」
頭を撫でられたシエルは上目使いで応えた。
シエルはずっと同じ処を舐めている訳ではなく、上の方から順に下の方へ舐めてく。
ライの様子を見ながら気持ちイイように。当然、いずれはズボンまで辿り付く。
「・・・別にもういいぞ。俺はシエルを・・・本当に性奴扱い・・・するつもりはない」
「解ってる。でも、やらせてくれ。 私は、ライの事、好きだから・・・」
解っちゃいたが、改めて言われると・・・
参ったなとばかりに自分の口を押えるライを他所に
シエルは膝間着き、前を開け半勃ちのモノを出し
「・・・折角だから手を使わず口だけでやってくれ」
「・・・」
こう? とばかりに上目使いで舌でモノを導き、パクっと咥えた。
「ん・・・こうして見ると・・・幼い感じがするな。シエルは」
それは誉めてるのか? とチラリ上を見る。
「勿論誉めてるよ。・・・可愛いって言っているのさ。」
若い女猫人といえどイイ体格の屈強な戦士を可愛い・・・
「・・・・・・なあ、シエルも気持良くなりたくないか?」
その言葉の意味を理解して一瞬肢体が強張る。
また、身体の中を掻き回されるのではないかと。
「大丈夫、軽い振動だ。 ほら?」
「ん・・・」
むず痒い快感に波が其処から全身に広がってく。
御返しとばかりにシエルはモノを強烈に吸引しつつ唇で前後に扱き
「くっ・・・これは、気持イイ」
それは口に含むモノがより元気になった事から解った。
更に追い討ちを掻けようとして・・・止まるシエルの動き。
さっきより振動が強くなってる!!? ・・・違う。感度が際限なく上がって
「・・・?」
大丈夫と合図を送ってはいるが、もう満足に身体を動かす事が出来ない。
せめてモノを噛んでしまう事を防ごうと口を開ければ
「はあああっ、はあーっ、はあぁー―!!!」
漏れ出す喘ぎ声ならぬ嬌声。まるで発情した雌猫が犯され鳴いているような。
声と振動にモノは更に元気になり、咥えて入られず口から出す。
悶えるシエルは自分の身体を支えようとライの下半身に抱き付くものだから
スベスベのシエルの頬にモノが押し付け擦られた。
「はぁっ、はふっ、はふっ、はふぁ」
その状態で少しでも男に快感を与えようとシエルは健気に舌をモノに伸ばし、
唇を這わせ咥えては逃げられ舌で舐めては逃げられ、その毎に前走を顔に掛けられ、
シエルのその行為と切ない吐息が男をより高みへと導いていく。そして
ライの身体が、肘掛を掴む手がプルプルと強張り
「シエルっ、俺はっ、もうっ」
「!!?」
ビクッビュルッビュっ
シエルがハムっと頭を咥えた瞬間、限界の脈動を見せ、シエルの口に満ちる白濁液。
「・・・っ、はぁはぁ・・・」
硬直が解け脱力のライの元、出し切り萎えたモノを顔に擦り付けながらシエルは鼻で喘ぎ
「・・・飲まなくていい。 出せ。」
それを潤んだ瞳で拒否、そのままゴクッと
「だ、大丈夫。ご、主人様のは、美味しい。」
まあ、襲って出させ舐めるくらいだからシエルにとってはそう不味い物ではないのだろう。
それはそうと、シエルは未だにライの脚にしがみ付き達せず萎えず悶えたまま。
「頑張ったシエルには御主人様から御褒美を上げないとな。
今からシエルの部屋に行こうか。 優しく可愛がってやる 」
「あっ、そ、それは・・・」
「優しく可愛がって欲しくないのか?」
「・・・可愛がって・・・欲しい」
「じゃ、直行こうか」
「えっ!!? 着替えさせて・・・くれないのか?」
「勿論このままイクんだ。支えてやるから(邪笑」
「うわぁ・・・(汗」
シエルが、ライが鎮まったと思ったのは可也早計だったようだ。
しゃがんだまま、膝から力が抜け一人で立てないシエルに肩を貸し脇に腕を回し
「・・・何故、胸を掴む?」
ガシっとシッカリ鷲掴み
「それはこうすると楽しいだろうから」
「あっ!!?、あっ、ああっ、あうぅ、うはぁっ!!!」
ただでさえ絞り上げられ今にも破裂しそうな風船如き爆乳を押し引張って、
立たせるのではなく吊り上げていく。途中、何か文句を言いそうなら捻りまで入れ。
そうして立たせ、つま先立ちになり、足先が空に浮き
ビクンっビクンっビクンっ
「オッと、悪い。」
乳を開放されたシエルは崩れるようにライに抱き付いた。 本人の意、関係なく。
「はっ・・・はっ・・・はっ・・・」
「ん〜〜、肩を貸して行くのは難しそうだな。そのまま抱いていくか」
とシエルの脚の間に無防備な股間にぶつかる様に脚を割り込ませ、一歩
「っ!!!」
その刺激に抱き付いたシエルの身体が震え吐息が乱れる。
更に一歩、一歩、一歩・・・
「っ!!、っぁ!!、ぁ・・・」
階段に辿り付き、シエルの股間に軽い膝蹴りを当てる感で、一段
更に一段、一段、一段、・・・
「ひっ!!、ひぁ!!、ひァ!!!・・・」
・・・・・・・・・・・・
部屋に辿り付いた時には、シエルは既にグッタリと首後を掴まれた猫の感。
それも当然といえる。 なぜなら、ずっと柔壁に微振動を与えられた上に
突き上げを何度も・・・
「・・・今からもっと可愛がってやる」
「はい・・・御主人・・・様・・・」
夜は果てしなく長い・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
騎士団の医師でもあるアルシアの仕事は皆の健康管理もそうである。 名目上。
まぁ、料理は作れないくせにとか、直に人を新薬の実験台にするくせにと言う声は
強制的に眠らせるからヨシとして。
幾ら怪我人がじっと寝ている事が大事とは言え、昼までずっと寝ていたら栄養摂取のため
起す必要がある。というのは建前で、
「ラっイ〜♪、そろそろ起きてねぇ〜♪」
と抜き足差し足、忍び込んで来たのはアルシア。因みに普通に起す気など全くない。
あ〜〜んな事やそ〜〜んな事でイチャついてから起そうと
服を脱いでランジェリー姿になると布団の裾から潜り込み、
闇の中、触った相手は
「いやぁん。こうして触るとライって、意外に御肌スベスベなのねぇ」
折角だから全身で男の肌を堪能しようと抱き付き
むに
「むに?」
思いがけず掴んだものは男には有り得ない巨大な膨らみ。
ゴム毬のように硬く、サイズからしてアルシアのは裕に上回るHかIか?
・・・・・・・・・
がばっと布団を跳ね上げた其処には、上半身裸でスヤスヤと寝るライと
その懐で抱かれ脚を絡み付かせ例の性奴みたいなエッチィな格好で寝るシエル。
一瞬、時が止まった。 アルシアだけ。
「ん。」
猫耳がピッピッピッと動きシエルは片目だけ薄っすらと開けてまた閉じ眠る。
まるで目の前の男以外興味はないと言っているかのように。
ライが他の娘達に夜這をかけるのはまぁ我慢はできる。風呂なり執務室でやっちゃうのも
目は瞑ってもいい。 しかし、自室に連れ込むのだけは許せない。
少なくともシエルにこの格好をさせたのはライだという事は、アルシアには解った。
だってシエルはこんな格好は自分から絶対しないし、ライの好みそのまま。
「ライ〜〜、ちょっと立っていただけるぅ?」
「・・・z・・・ん〜〜・・・z」
夢現なライを無理やり立たせ、アルシアは腰溜に拳をつくる。
みるみる内に腕に溜まる力・・・つか拳、闘気纏ってる?
『起きろっ!!!』
轟っ!!!
「ごっ!!?・・・・・・はっ」
空に浮び撃ち込まれた拳を支点にクの字に曲るライの身体。
ライ意識覚醒後、即、撃沈。もとい気絶しますた。
「ラぁイ〜〜、起きて直寝ちゃぁダ〜メじゃなぁい。
仕方がないわねぇ〜。後で点滴打ってあ〜げるわぁ〜」
「・・・・・・(絶」
「シエルぅ、ライの御邪魔しちゃ悪いからいきましょうねぇ?」
「・・・(コクコク」
真相。疲労しきった猫は自分に最も安心出来る処で休む習性がある。
果て疲れ切ったシエルは己の野生の本能に従い、力を振り絞り懐まで辿り付いて
眠りについた。単にただそれだけ。
事に目が点のシエルは自分の猫耳が伏せて尻尾を股から前に回している事に
気付いてはなかった・・・
二人がいない上にライは負傷で休養,シエルも降りてこない。
ルナは凄く寂しかった。
レイハとアルシア,おまけにディもいるからそれほど寂しくないのではと思われるが
レイハは勉強させるから苦手,アルシアは最近ルナを解剖?しようとしたから苦手。
居間では、テーブルでディが読書しソファではルーがクッションを抱締め何処吹く風状態。
「・・・・・・何をやっているんですか?」
尋ねるディを見て解らないかと睨み・・・再び、靴を脱がしたディの足に噛み付く。
あむあむあむあむあむあむ・・・
甘噛みなので痛くはないがこそばゆい。しかもじっと睨むから気になる。
「えっと・・・僕、暇なのでちょっと御手合わせ願えませんか?」
別にルーがいなくてもディ1人で勉強は出来る。
ここで、暇なら相手しましょうか と言わないところが中々。
「ディ、暇?」
「ええ、ルー師匠はずっと壊れたままなので」
と差した先、ルーの頭に止まる蝶々・・・これはもう完全に重傷。
「わぅ、仕方ない。私、ディ、相手する。」
言い切ったところに普段着のシエルが
「わんっ!! シエルーっ」
飼い馴らされた犬の様にシエルに抱き付いた。 もうディは如何でもいいと。
抱き付かれたシエルは何時ものようにルナの頭をポムポムナデナデとして、
いつもは直に次の行動に移るのだが今日は突っ立ったままナデナデと。
「??? シエル?」
「ん。」
と反応を返すシエルは何処となく元気がなく、カイン辺りなら即『やった』と解るが
子供達がそんな事わかるはずがない。ただこの時ルナが嗅いだ匂いはいつかのルーと同じ。
「・・・シエルも、ライに、御仕置きされた(怯?」
再び勉強に戻ったディの手から本が滑り落ちた。
ルーの瞳に光が戻り、頬に朱がさした。
一瞬シエルの身体が硬直した。
「・・・・・・ふぅ、確かに御仕置きだな。
御仕置きされても仕方が無い事を、私はしてしまった・・・」
ふと空を見るシエルは何処となく嬉しそう。
それにルナもシエルが見ているモノを見ようと・・・結局理解出来ず、
今度はルーの方に行き
テシテシ
「ルー、ライに御仕置き、嬉しい?」
「オマエ、それはもう・・・子供には早い(照」
「・・・そうだな。 ルナにはまだ早いな(照」
「「・・・・・・はぁ(惚」」
シエルとルーはソファに座って御互いひしっと抱締め合って惚け・・・重傷者×2。
「がう、ディ、説明しろ」
「いや、説明しろと言われましても僕の口からは何とも」
ココまで来て解らなければ具体的な行為を話すしかないと。それをディにしろと?
出来る訳がない。
がぷっ!!?・・・・・・
数分後、レイハが居間に来てみるとソファにはコワれた二人。と床の上に
ボロ布と化したディ。
「・・・何が起ったんですか(汗?」
「うう・・・僕に、ライさんと皆さんの関係を如何言えというんですか・・・(泣」
「???」
「出来るわけ・・・ないでしょう? ライさんが二人にした
『御仕置き』の説明なんて・・・」
ディの視線の先にはコワれた二人。
この瞬間、レイハの中に必要なパズルのピースは全て揃い、絵は組み上がった。
そしてレイハの伊達眼鏡は何故か白く輝き・・・
・・・・・・・・・・・・
マタタビ酒:効用は強壮強精・疲労回復・高血圧等。ただし猫系獣人が飲用する場合、
極めて悪酔いするため注意すること。飲ませない事がもっとも望ましい。
マタタビ酒騒動から数日後、人数は少ないながら平穏な日常は戻って来た。・・・表向き
ライが罪悪感からか最近は割りと真面目に仕事をこなす、昼下がりの午後。 執務室にて。
「・・・ん〜〜っ、大方片付いたな。 ちょっと休憩入れようか。」
ライは席を立ち、側のレイハに聞こえるほどゴキゴキと身体を鳴らす。
「そうですね。御疲れ様です。」
レイハの前、ライはそのままソファに寝転がり
「疲れたからチョット寝る。何かあったら起して・・・z・・・z・・・」
無防備な姿を曝した。
多分、共に最も時間を過しているのはレイハだろう。ライの左手といってもいい。
しかし甘えている時間となるとルー,シエルに軍配が上がる。どう転んでも勝てない。
・・・ライに殺気をぶつけて見た。
「・・・z・・・z・・・」
スヤスヤと熟睡。これも心から信用されているからこそなのだが。
少しは慌てて飛び起きて欲しいとも思う。
・・・短刀を抜き放ち、首筋に突きつけてみる。
「・・・z・・・z・・・」
それでも熟睡。 ここまで来ると正直哀しい。そんな事をする自分が
今度は懐からハンカチと小瓶を取り出し、小瓶の薬品を染み込ませたハンカチを
ライの口に乗せ
「・・・z・・・z・・・」
これで多少の刺激では起きない。
元々、忍に貞操概念はあまり強くないと言っていい。 任務に支障が出るから。
だからレイハも必要ならいくらでも男に媚びを売る事が出来る。 否、出来た。
今はもう恥ずかしくて甘える事すら出来ない。洗脳され、貞操概念を植え付けられたから。
自覚あるものを洗脳というかは別として。
だから甘える時はこのように深く眠らせ、
タイトスカートが捲り上がりオシャレな下着が見える事も構わず跨ぎ乗り抱き付く。
唇や頬,胸板を撫でて見たり、胸板に顔を埋め香を堪能したり、鼓動を聞いたり・・・
所詮はいつもの哀しい独り遊び。こんな姿誰にも見せられない。絶対に
「わん?」
其処には、大きい机の上に顔と手を乗せ、何してるの?と不思議そうな顔をしているルナ。
「い゛、い゛、い゛、い、いつから其処に?」
「わん。ずっと♪」
・・・失念していた。シエルは朝から狩に行き、ルナがずっと机の下で寝ていた事に。
ライが余りにも真面目過ぎたから。
其処に更に追い討ち。
コンコン、がちゃ
「済みません、今ちょっと・・・」
いつもは細眼鏡につり目で凛々しい姿が、今はたれ目が驚きで見開らかれ着乱れ
・・・ディは見てはいけないモノを見てしまった。 この場合の正しい行動はどれ?
1.固まる。
2.事の真相を追求する。
3.何事も無い様に話しを続ける。
4.一度ドアを閉じ、間を置いてドアを開けなおす。
5.「そんな事だからラブコメ屋敷だなんて言われるんだ」と叫ぶ。
答え 2.,5.を選択した場合、逆上したレイハに即抹殺。
1.,3.を選択した場合、レイハは何事も無く巧く誤魔化しただろう。
それこそカリの三つや四つぐらいにはなったかもしれない。
しかし、賢いディが選択したのは変則の4.
ドアを閉じ、即、遁走しようと
「・・・如何かなされましたか?」
既に遅かった。 首に突きつけられる刃が、このまま動けばサクッと
「いえ、ライさんの秘蔵のアイテムに興味がありまして」
「・・・て?」
「見せていただこうと御願いに上がったのですが」
「・・・が?」
どちらにしろ、解答を誤れば即・・・
「・・・ちょっと呼ばれた気がしたので振り返った処、
レイハさんが僕の後に。で、現在に至るわけでして・・・」
気付けば首に突き付けられていた刃は既に無く、振り返れば其処には
凛々しくも笑みを浮べるレイハ。でも目が笑っていない。
「ライは今眠られていますが、起しましょう。」
「あっ、いえ、出直します。・・・処でこの格好の時、
どこに刃物を隠していらしているんですか?」
先ほどの感触からして刃物は短剣なみにはあった。
しかし今のレイハにはそれを携えている様子はない。しかし確かに突き付けられていた。
「・・・女性には秘密の隠し場所があるんですよ?」
くすっ
「う、うわぁ・・・」
流石、忍。 その妖しい笑みにディ硬直。 そこに
がちゃ
「う〜〜〜、何騒いでいるんだ?」
眠くて眠くてたまらないといった感のライ。
「えっ、も、もう起きられたのですか?」
「気配が3つも4つも騒いでいたらな・・・何、動揺してるんだ?」
「い、いえ。ディさんが秘蔵のアイテムを見られたいそうです。」
「わんっ!!」
私も私も〜♪ とばかりにルナがライの背後から顔を出した。
気配に何か面白い事が起きていると思ったのだろう。
「んー、解った。 俺、眠いからレイハも付き合ってくれ」
「はい・・・・」
拒否する理由もなく、ライの眠魔の原因が自分にあるとすれば付いて行かざるえない。
4人は連れ立って倉庫代りの部屋へ。ライは腕を組んで壁に凭れ掛り
「じゃ、監督たのむ・・・z・・・z・・・」
もう立って寝てます。 一方、子供達は子供達で、ルナは
「わん? ・・・わん、わう?」
目に見えない何かと話しをし。ディは観測系魔導で魔方陣を展開しつつモノを物色。
「・・・おおっ、凄い!! ・・・こ、これはぁっ!!?」