冷たい風が吹く荷台の上、アレスは抱締めたリオから話を聞く。
実は事の後、アレスの様子が変だと感じたリオはディにアレスの監視を頼んでいた。
だから、アレスの行動は筒抜け。父親がアレスに言った事も目論みも筒抜け。
元々使用人達は子供達の味方で、アレスとリオはお似合いだと思っていたから、
アレスとリオを分れさせようと小細工する主人に反抗。アレスの後を追っ掛けるのを手伝った。
で、何故ディまでリオと一緒にいるかというと、騎士になる為に家を飛び出したらしい。
騎士になる為には王都にしかない騎士学校に行かなければならない。
この馬車は都市シウォング方向行きで距離的にはかなり寄り道になるが、
結局、シウォングから王都へ直通の便があるので時間的費用的に節約できる。
それに、このルートが最も長い間3人が一緒にいられる。これが最も大きい。
「・・・それならディもココに来ないとな。」
「うん、呼んでくるね。」
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「・・・もう、二人の愛の語らいはいいんですか?」
「御陰様で。迷惑かけたな、ディ。」
「デ、ディ、お姉ちゃんをからかわないで(照)」
「・・・全く、本当に。 アレスさんが平気に姉様を捨てようとしていたなら殺す処でした。
本当によかったです。未来の義兄を殺す必要が無さそうで。」
「「・・・・・・・・・・(照)」」
リオを挟んで3人は寄り添い、これからの事を話し合う。
リオは極星騎士団屋敷に泊まっていくこと進めたが、ディはさっさと騎士になりたいのでそれを断った。
その点は、アレスはディに賛成。
ディに資金援助の保証がリオとアレスしか無い以上、直に行動するに限る。
いつのまにかアレスも資金援助する事になっていたが、それに関しては異論ない。ディは大事な弟だから。
「正直、姉様が世話になっている極星騎士団には一度行って見たいとは思うんですが」
また、面白い人に再会できそうなので。
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3人の旅はあっという間に終り、ディは一人王都への旅を続ける。
そして、アレスとリオは極星騎士団屋敷に 家に帰ってきた。
・・・屋敷の食堂、煌々と焚火が燃える暖炉前
珍しくレイハがソファで横になって居眠りをしていた。ライは相変わらずカーペットの上で撃沈。
「ライ団長、 アレス=ルバード, リオ=クラウス 只今帰館しました。」
アレスはレイハを起さないようライに話しかける。
「う・・ん、長旅、ご苦労さん。 ・・・そうか、リオを連れ帰ってきたかぁ。
えっとな、急がなくてイイから今回の件の報告書,アレスの見解を含めて出しておいてくれ。」
まるで、起こった事全て知っているかのようライの言い振りに素直に頷く。
別にこの人のことだから、事のすべてを知っていても何ら不思議ではない。
食堂を出ようとした二人を不意にライは頭だけを起して呼止める。
「そうそう、まだ言って無かったな。 アレス,リオ お帰り、我家へ。」
「はい、ただいま。」
■ The Chivalry,s daily ■
EPISODE 06
"Lio Go Home"
over・・・・・・
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■ nao ■
2002/03/09