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■ とある騎士団の日常 ■
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■ とある騎士団の日常 ■
〜The Chivalry,s daily〜

 

とある街外れ、とある騎士団駐屯地屋敷の執務室、そこで書類を眺める一組の男女。

「・・・いまさら欠員補充かい? 上は一体何を考えているのかねぇ。」

知る人ぞ知る若き英雄、極星騎士団戦団長ライ=デステェイヤーがウンザリと唸る。

でも見た目は肩書きと違い、どこでも居そうな気の良い兄貴。

「一人は厄介払い、もう一人は元々入隊希望です。何なら調べましょうか?」

それに対し、目付きが鋭いまさにやり手秘書そのもの姿の長黒髪の美女が応えた。

戦団長補佐(秘書)そして諜報(クノ一)、レイハ=サーバイン。

「別にいいよ。多分その通りだろうから。あ〜〜面倒臭せ〜〜、今から遊びに行かない?」

「だめです(怒)。真面目に仕事をしてください。 ・・・な、何故、この人が戦団長(泣)」

「・・・それは、俺が、まだ生きているから・・・・・・・・」

・・・・・・・

「・・・シリアスぶって誤魔化そうとしても駄目です。仕事しましょう。」

「お代官様〜〜勘弁してけれ〜。オラ、デスクワークが苦手だべぇ〜〜」

バンッッ!!!!!!

「・・・はい、真面目にやります。」

時は流れ その日の午後、ついに新人二人が到着。

執務室前に、正に優等生といった雰囲気の娘と、ちょっとひねた感じの青年が立つ。

コンコンコン

「どうぞ、入ってください。」

優等生のノックに応じる女性の声。そして二人は入室、敬礼。

「リオ=クラウス,アレス=ルバード両名、本日を持って極星騎士団配属の任をうけましたっ。」

「私は戦団長補佐レイハ=サーバイン。リオ=クラウス,アレス=ルバード両名の入団を承認します。

・・・長旅、ご苦労様。どうぞ、楽にしてください。」

レイハの物腰に遠慮なく力を抜くアレス。しかし、リオはまだコチコチのまま。

「ラ、ライ=デステェイヤー戦団長に御挨拶をしたいのですがっ。」

つまり、リオの本当の目的は憧れの人に会う事。

「ライ戦団長は(汗)・・・・・・今、所用により出かけているので挨拶は後ほど(怒)。」

言いつつ、米神に浮かぶ青筋と一筋の汗、そして白くなるほど強く握り締められた拳・・・

そして二人はそれぞれこれから住む部屋に案内され、夕食の新人歓迎会まで自由となった。

アレスは部屋で居眠り、リオは屋敷周りを散歩。

「うふ・・・うふふふふ・・・・・」

端から見ると気味が悪いほどリオはご機嫌。

まあ、興奮で落着いて待っていられないからこうして歩いて時間を潰しているのだが。

「見かけない顔だな。 お嬢〜さん、新人かい?」

「はへ?」

屋敷敷地外れ大木の側、突然の声。見渡しても周りに人影はない。

「上、上。・・・よう。」

見上げると、大木の大枝に一人の男が腰掛けていた。

その男から漂うどこでも居そうな気の良い雰囲気にリオは安堵。つい、気軽に。

「私、本日から極星騎士団配属となりましたリオ=クラウスです。彼方は騎士団の方ですか?」

「ん、まあね。ここには騎士団員以外、食堂のおばちゃんしかいないから。

まあ、俺の名前は歓迎会の挨拶の時に。上に上がってこないかい?ここは見晴らしいいぞ。」

・・・・・・・・

二人は同じ枝に腰を並べ、

「あなたはこの騎士団には長いのですか?」

「まあね、設立に関っていたから。・・・・・・しっかし君もまあ、うちなんかに入隊希望したな。

知ってると思うけどここは少数精鋭。出動命令が出るということは死ねと言われているようなもの。

・・・その分暇で、常日頃は任務は近隣住民のトラブル解消なんだけどね〜〜〜。」

「あはははは(汗)。・・・私、10年前にライ=デステェイヤー戦団長に危ない所を助けられたんです。

後で私を助けてくれた人の名前を知ったんですけど。あの人の活躍も。

私、あの人に憧れて軍に入りました。あの人に恩返しがしたいんです。

あの・・・・ライ=デステェイヤー戦団長はどんな方ですか(ぽッ)」

「あ〜〜、いろいろ大層な伝説が付いているけど、仲間がいてこそのモノばっかりだからね〜〜

確かに強いけど器用貧乏?いまいち決め手に欠ける節もある。デスクワークもよくサボるし。

良い所なんか殆どない。・・・なんか名誉を押し付けられて看板にされている節もあるし。」

「凄い言い様ですね(汗)。」

「ん。まあ、あんまり期待すると幻滅すること間違いなし!!」

「そうですか。私、彼方とは気が合いそうに無いです(怒)。」

「そいつぁ〜光栄だ。さっさと他所に移ったほうがいい。」

「イヤです(泣)。 絶対ここで頑張って、あの人に見止めてもらうんだあああああぁぁぁぁ。」

泣き走り去るリオを見送りつつ、呆然と

「あっ・・・行っちゃったよ。 参ったな〜〜歓迎会いきたくないな〜〜」

「・・・自業自得です。あなたがデスクワークをサボらなければこうはなりませんでした。」

さらに上、大木のかなり上の枝から声

「おおおおおおおお!! な、なぜここがあああああぁぁ!!!?」

「私は諜報です。」

「確かに。・・・・でも、その姿で俺より上に立つと見えちまうぜ、薄紫の下着が。」

「!!!・・・・・(怒・怒・怒・怒)」

・・・・・・・・・・

「ぅひょおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ」

ドスッベキッドカッベキッドカドカッドスッドスドスッベキッ・・・・・・

夕日に・・・・合掌(チーン)。

⇒歓迎会時間、宴会会場(食堂)

またもやコチコチのリオと ブーたれているアレス。

なぜ、アレスがブーたれているかと言うとそこに居る面子が

ラフなシャツにズボン姿、ご機嫌に漆黒の猫耳と尻尾を反応させる体格(巨乳)の良い栗毛の猫娘

フリフリのお嬢ちゃんルック姿、大人の雑誌を読むませた態度の大きい美幼娘

色っぽいチャイナドレスと呼ばれる服姿、水商売風な妖艶金髪美女

と、場違いの娘達。

この騎士団の全人数は自分たちを含め8人。その内5人が女子供。

歴戦で、本国上層部からも恐れられ、超難度任務のみを押し付けられる、

少数精鋭のはずの、伝説の極星騎士団の実態がこれ・・・

更にもう一人、入室。 今度は優しそうな優男。

ある意味、リオのライ=デステェイヤー戦団長のイメージの一つそのものといえる。

「リオ=クラウス、本日を持って極星騎士団配属の任をうけました。

ライ=デステェイヤー戦団長、彼方の騎士団に入隊できて光栄です。以後よろしくお願いします。」

興奮して一気に捲し立てるリオとそれに圧倒される優男。

「い、いや、僕はライじゃないんだけど・・・」

「・・・はへ?」

さらに二人、入室。 レイハと、リオが夕方会った男。 男には何故か全身半殺しの跡が・・・

「何故、彼方がココに居るんですか(怒)。」

「ごめんなさい。このバカ男がライ=デステェイヤーです。」

「は?・・・・はい?・・・・・えーーーーーーー!!!!???」

そして、夕方の所業を思い出したかリオの顔は見る見る内に青くなり、バッタンキュー

そして再びレイハの拳がライの顔にめり込む・・・

・・・・・

「・・・・はっ! わ、私は?・・・あ!! あ、あう、あうあう(泣)」

レイハの合気にレオは目を覚まし、今度は端から見て哀れなほど動揺。

普通ならリオのした事は処罰ものなのだ。


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