■生態■
三角錐の殻で柔らかな地面や砂地に穴を掘り、落とし穴状の罠を作って獲物を狙う
大型の動物補食性イモガイ。
血清の存在しない神経性の猛毒を持ち、もしこの貝の毒銛に刺されると2.3時間で人は死ぬ。
毒による致死率はほぼ100%。
例え即死しなくても、神経毒によって動けなくなった獲物は穴の中に引きずり込まれ
生きたまま胃の中へ送られ消化される。
アンボイナの巣は、地上でよく見ると蓋は少し湿り気を帯び、周囲に比べて黒く変色している。
その為周辺地域の住民やハンターにとってはその部分を回避すれば良い。
長年居続ける大型のアンボイナの巣の近くには立て札が立てられ、
人が落ちないよう注意している。
■アンボイナ貝の生殖■
アンボイナ貝は30cm位の幼生時は頻繁に良い餌場を探して移動するが、
成長した個体は穴の中で一生を過ごす。
余程餌の捕れない場所に巣を作ってしまった場合や水分が枯渇した場合を除いて
滅多に地表に姿を見せる事はない。
その為、成長して繁殖期に入ったアンボイナ貝のオスは
巣に落ちてきた獲物の雌を毒で麻痺させ、疑似交尾を行って「托精」と言う行為を行う。
毒と疑似交尾によって朦朧とした獲物の雌は、
近場に存在するアンボイナ貝のメスへと誘導配達され
胎内に託された精液と共に”食事”としてプレゼントされる。
「幻想生物図鑑 十」より抜粋。