☆自決鼠(スーサイズラット)☆
◇生物概要◇
大型の肉食齧歯類で、群れを形成し繁殖相手を求めて長距離の
移動を行う事から「旅鼠」とも言う。
雄のみで雌はおらず、他種族の雌を犯して孕ますことで
繁殖するのだが、その理由はこの種が原種の半海棲の齧歯類だった頃に
深く起因している。
元々はアシカやオットセイの様に一頭の雄を中心にハーレムを形成し、
繁殖期にはその中で交尾・子育てを行うスタイルであったが、
その一方で群れを持てない雄は「はぐれ雄」となり、同様の個体と
集まって群れを作るようになったはぐれ雄の集団がよく性処理の為
他種族の雌を犯していたが、その中から突然変異で異種交配により
繁殖できる個体が出現、さらに海での生存競争に敗れ
陸上に餌を求めるようになった結果、元々遊泳に適した短い手足が、
異種交配を繰り返す内に体型や体格の異なる相手を組み敷いて
種付けするのに都合が良い長い手足や器用な指に淘汰された事で
本格的に陸上に特化した独立種として殖えはじめたらしい。
洞窟や建物を自分達の住処へと作り替える習性があり、
壁や床を掘削したり顎下から分泌するワックスで泥やゴミを固め
壁や通路、階段すら作成する。
また手先が器用で、人間の様に道具を使用したり作成したりする事も可能。
こうして自決鼠が侵入した場所は数時間と経たずに元の土地勘など
一切通用しない魔窟と化してしまう。
また自然の洞窟などより他の生物の巣を好んで乗っ取り、
恐ろしい事に特に人間の建造物を最も好んで住み着く。
そして本種の名前の由来でもある、最も警戒するべき能力が、
外敵に追い詰められた際に見せる「自爆攻撃」である。
体内の化学物質を混ぜ合わせる事によって発動するそれは、
爆音と衝撃波と共に辺り一面に有毒ガスと砕けた骨片をばらまき、
至近距離で食らえば革鎧程度では即死も有り得る。
その危険性、醜悪さから人類とは長い間戦い続けており、
古くからの発生地域では本種に対する予測・予防・そして撃退法が
確立しているため、現在の被害自体は数字上かなり少ないが、
そうした対策が徹底していない土地に不意に現れた場合、
悲惨な事案が発生する事も未なくない。
◇災禍の方舟◇
その船が海上に現れたのは、ようやく冬が終わり、北海の氷が砕け、
流氷となって流れ着く、正にそんな季節の事であった。
それは一見すると普通の定期船の様で奇妙な所は無かったが、
よく見れば夜明け前の薄暗い刻限にも関わらず船内からは
一切明かりが漏れず、甲板には見張りの人影すら見当たらない。
その時点で誰かが目撃した場合、怪訝な顔をする可能性は決して少なく無いだろう。
しかしより近くから船の姿を見る機会があったなら、、その印象はより明確な恐怖へと
変わる事だろう。
船の船縁には塵と木屑を蝋で固めて矢避けの壁が作られ、
その中にはまだ微かに赤みを帯びた真新しい人骨が幾つも
塗り込まれていたからだ。彼らはこの船の本来の乗員や乗客であり、流氷を足係りに
侵入してきた自決鼠達に襲われ、貪り食われた後もその骸を建材として利用されていた。
しかし、彼らはまだしも幸運であったかもしれない。
少なくとも、今は恐怖も苦痛も感じる事は無いのだから…
◇
船底部の貨物室として使われていたスペース。
今そこは、自決鼠の繁殖の為に船内から集めた若い女達を閉じ込める為に使われていた。
女達は甲板に設けられた壁と同じ物で上半身と下半身を仕切られ、家畜の厩舎の様に
規則的に並べられている。
殆どの場合下半身の着衣は性器の部分だけか或いは完全に破り去られており、
襲撃からほんの3日余りの間、
彼女らは機械的に昼夜を問わず犯され続け、中には既に丸々と下腹が張り出している
者すらいる。
それは自決鼠の、悍しいまでの繁殖力の高さを物語っていた。
「あうぁぁあ!!いっ、ひぐぅつ!ひああっ!!」
富裕層の家の小間使いであろうか、メイド服の端切れを身に纏わせた童女に一匹の自決鼠が
後ろから挑みかかり、
破れたシュミーズから覗く小さな尻肉に、陰茎骨の通った硬いペニスが無慈悲に出入りを
繰り返している。
ペニスの表面には注送時の抵抗を低減するとともに、膣壁に効果的に刺激を与える為
モグラの体毛の様に固く短い毛が垂直に生えており、小さな穴から一突き毎に
愛液と精液が混じったものが掻きだされ、小さな口から熱い吐息が漏れた。
「は…ぁっ、ぁぁんっ……あっ、んぁあっ、ああー」
苦悶のそれでは無い明らかな媚声を発しながら、童女の起伏の少ない肢体が
汗にぬめり淫らに踊る。
「ぁ・ぁぁーー…びっ、でっ、でてるぅぅう……」
子供特有の下腹部の膨らみを更に膨らませながら、大量の粘液が胎内に詰め込まれる。
同時に絶頂に達したのか、彼女もまた身体を震わせながら、袖を噛みしめ快楽の
衝撃に耐えていた。
「ひぎぃっ!…っつ、あ、あっ、ひぃ・い・いや…もういやぁぁあっ!!」
ドワーフ機関士の孫娘が、短い脚をばたつかせ、ボトムの裾の隙間から
脈打つ肉棒を突き入れられ悲鳴を上げる。
いつもぶかぶかのオーバーオールを着て良く甲板を駆けずり回っていた彼女の、
日焼けの跡が白く浮き上がった上半身や裾から覗く臀部は赤く上気し、
小さな尻がエビの様にピクピク動く。
「ひ…っ、もっ、もう射精さないでえぇっ!!あ・ぁぁん!まだ出て…んぁぁあん!!」
肉棒がずるりと引き抜かれ、オーバーオールの裾から大量の精液を溢しながら、
少女の尻肉が胎内を汚される悍ましさと、意識が飛ぶ程の爛れた快楽に震えた。
連日十数体の自決鼠達に輪姦され続けたとはいえ、年端もいかぬ子供たちを
この様に乱れさせているのは、自決鼠との性交で感染する原虫の一種だ。
これに感染すると、宿主の生殖系が異常に活性化し、耐え難い性欲の昂進、
そして排卵や早経をもたらす。
本来はいかなる病原体も直ちに駆逐してしまう強力な免疫機構があるにも拘らず、
生殖に都合が良いこの虫だけは体内で共生しているのだ。
「ふぅっ、ふぅつ!はっ、はっ、くっ、ぁ、あああっ!!」
荒い呼吸を繰り返しているのは、全身を斑文のある毛皮で覆われた豹尾人の子供であった。
貴族か富豪の慰み者として飼われていたのか、その首にはごつい鎖の付いた首輪が
填められており、
おそらくそれが原因で真っ先に捕まったのだろう。
白い柔毛に覆われた腹には既に不浄の胤が宿って丸々と張り出し、今にも
生まれ落ちそうな程だ。
にも拘らずその性器からは今も断続的に白濁色の粘液が吐き出されており、
妊娠してもお構い無しに凌辱が繰り返されていた事を物語っていた。
少女の尻肉を左右に押し開いて自決鼠が狭い産道に指を突っ込み、無遠慮に掻き出す。
「あが!が、がっ、っかはっ…んっ!んひぃいあぁぁぁぁぁあっ!!」
苦悶の叫びと共に大量の白濁液と何かが床にぶち撒けられ、少女の体が徐々に
元の大きさへと萎んで行く。
おぞましい出産を終え息も絶え絶えな少女を尻目に、自決鼠達は白い汚穢の海から,
二十日鼠サイズの四つの何かを拾い上げていた。
それは少女が産み落とした自決鼠の仔で、その内通常の自決鼠の姿で息をしているのは2匹、
さらに一匹は死産でもう一匹は生きてはいたが弱々しく、しかも腕が一対多い奇形だった。
自決鼠はそれらを確認すると、普通の仔の片割れと四本腕の仔を少女の胸元にあてがい、
双方が自発的に乳首を口にくわえたのを認めると、残りを口に放り込み、バリバリと
咀嚼し始めた。
異種交配による繁殖故、元々自決鼠の仔には突然変異による奇形や死産が多い。
しかしたとえその殆どが、生まれ落ちてすぐに死んでしまうとしても、あえて異形の形質を
優先して育てる事で、自決鼠達はほんの数世代の内に異常とも言える進化を遂げてきたのだ。
だが、この狭い船から脱して新天地へと旅立ち、かつて彼らを父祖の地である
北海の大地より追い逐ったような「敵」に勝つ為には、未だ力も数も不足していた。
◇地獄の変異◇
数日後、消息を絶っていた定期船が自決鼠に乗っ取られ変わり果てた姿で現れた事に対する町側の対応は、
本来の出現地域から事前に教導されていたベーシックな対処法であった。
まだ捕らえられた女性が生きている可能性を考慮し、グレネード(榴弾)やカタパルト(投石機)と言った
より破壊力のある兵器による攻撃は見送られ、船は港に接舷される前に鎖と錨で沖に固定、
甲板の上の自決鼠や泳ぎによって岸に渡ろうとする個体をアウトレンジの高台から固定弩や銃で攻撃する。
甲板で無数の矢弾を受け文字通りの針鼠となった自決鼠が数体の仲間を道連れに空しく自爆して果て、
そこに斧やカットラスで武装した水夫や水兵がタラップ付きの小型挺で乗り移り、
白兵戦と生存者の救出を試みる。
爆発が連鎖して群れごと全滅するのを防ぐため、自爆した後の臭いが残っていると
暫く自爆できない事を知っているからだ。
しかし捕らえられた娘は発見出来たが、肝心の自決鼠の姿が無い。
よもやと思って甲板に走り込んだ水兵達が、自決鼠達がマストからムササビの様に皮膜を広げ滑空し、
弾幕を掻い潜って街に向かって行く姿を見て痛恨の叫びを上げる。
直接戦える内は、自決鼠は危険だが恐ろしい相手では無い。
本当に恐ろしいのは、水際で阻止できずに人里への侵入を許してしまった時なのだ。
何体かが固定弩の餌食になり海に墜ちながらも、水兵達の怒号を背に受け、
自決鼠達の姿は街へと消えて行った。
◇
最初の接触戦から一週間後。
かつて寄宿学校の物置として使われていた、半ば忘れ去られていた倉庫の中で人知れず蠢く物があった。
「ふぐっ、ひぐっ!んうぅっ!」
「っつ!ぁ……ぅあ…んはぁ…んぁっつ!!」
「いやぁあぁぁっ!離してぇ!誰かっ、誰かぁぁあ!!」
街中から拐われた少女達が、外界から壁一枚隔てた密室で自決鼠に輪姦され、肉穴から
尾鰭な遺伝子のカクテルが沸え湯の様に泡立ちながら溢れ出す。
壁の中には草や襤褸布や自身の毛を塗り込め一種の防音壁にしてあり、少女達の悲痛な叫びが
外界に漏れる事は無い。
自決鼠達は街に潜伏しつつ、至るところに繁殖部屋をて少女達を囲い、本格的な攻撃の為の兵力、
そして切り札となるより強力な「変異種」の獲得を目的とした種付けを施していた。
ヤモリの様に壁を歩ける六本脚の変異種が、粗末なエプロンドレスを着た花売りの少女を
両脚を押し開く様にして組み敷き、真上から腰を被せる様に陰部を貫く。
「あっ!あっ、あっ、んはあぁっ!…んくぅっ!あ!ああぁっ!!」
少女は快楽に蕩けた顔でぺニスを受け入れ、結合部から溢れた精液が滴り落ちる。
その後ろで、薄汚れたコートと帽子を身につけた少女を通常種が犯していた。
「んあぁっ!!ぐうっ、ん――っ!!ぐっ!うひぃっ!」
少女のコートの裾が捲り上げられ、小さい尻肉に柔毛に覆われた下腹が肉棒を深く挿入したまま密着し、
膣内を掻き回す度に、淫虫と精子をたっぷり含んだ精液が子宮内を揺らし、少女の心身を快楽で乱す。
「あっ?!ああぁあぁぁぁっ!!お腹の中あっ、あぁん、ま、またヘンになっちゃうよぉぉおっ!」
獣の様に咽び泣きながら、度重なる凌辱に少女は身体の奥がグズグズに爛れて行く様な
快楽の虜になっていった。
「あ・ぐぅ・ひうっ!痛いっ!痛いですうっ!っッ!あぁぁっ!!」
就寝中に拐われてきた小柄な少女が、大型類人猿の様な巨大な腕に腰を掴まれ、肉の槍の様な交尾器に
早贄の様に突き刺されて泣き叫ぶ。
彼女を犯しているのは、小山の様に肥満した巨躯を持つ変異種で、少女の華奢な身体を玩具の様に
上下に動かして犯していた。
その動作が徐々に速くなって行き、やがて少女の子宮口に押し当てる様にして盛大に精液を吐き出す。
「ひむうっ!?あ、あ、あ、厭あぁぁ――っ!!…いや…夢、夢なら早く覚めて……」
熱いほどの熱が清らかな胎に広がり、忌まわしい因子が胎内から溢れて吹き出る。
それが夢だと言う最後の希望にすがり付く彼女を現実に待つのは悪夢からの目覚めでは無く、
度重なる凌辱の果てに頭まで快楽に犯され、穢らわしい仔を宿し産むという悍しい運命であった。
「ひいっ、はひぃっ、あ、ぁうぁぁあ……あぅん、ん、ん、んんっっ!」
そうした孕み女の一人の、学校の制服らしき紺色のジャンパースカートを乱して纏った少女が、
袖を噛んで悶えながらもすっかり虫の淫毒が回った身体が浅ましく疼き、自決鼠のぺニスに跨がって
膣内の感じるスポットに肉棒を擦り付ける。
その度に尻や腰が艶かしくくねり、丸々と張った孕み腹を水袋の様に揺らした。
彼女の周囲では、同様の運命を辿った少女達がもはや逃げようとも繁殖部屋の様に拘束されもせず、
孕み腹を揺らしながら蕩け切った顔で自ら自決鼠のぺニスを受け入れ、甘い声を上げ自ら腰を揺する
少女達の薄いなりに丸く張った乳房には、産まれたばかりの自決鼠の仔が張り付いて貪欲に乳を吸っていた。
受精後僅か三日というハイペースで産まれて来る自決鼠の仔に対し、乳離れして固形物を食べ始めるまでの
僅かな間、一度出産済みの少女を乳母として活用しようというのは自然の帰結である。
「っはあ、はぁ、ひゅう、はひゅ、はひぃっ、……う、産まれっ、あ、ああぁぁぁあつ!」
やがて産気づいた制服の少女の身体から自決鼠のペニスが引き抜かれ、大量の精液と共に羊水が漏れだす。
通常種の仔より長い時間を掛け母胎から這い出してきたもの。
それは、あの巨大な変異種によく似ていた。
一方、人間側も手をこまねいていた訳ではなかった。
街中に点在する繁殖部屋を見取り図と照合してしらみ潰しに探し回り、一つ一つ確実に発見、殲滅して行く。
自決鼠の水に強い性質を警戒し、広大な下水道の捜索に三週間もの時間を割いてしまったが、
ついに最後の未照合エリア、あの巨大な変異種のいる倉庫まで辿り着いた。
最初の侵入から三週間、成長の早い自決鼠なら、既にかなりの数に殖えていてもおかしくない。
更に念を入れて近隣からの援軍を取り付けた上で、街中の兵士が十重二十重に小屋を囲む。
その目の前で、突如小屋の外壁が内側から吹き飛び、中から大量の自決鼠が姿を現した。
既にかなり繁殖しているらしく、幼い個体や大型化したり四肢が増えたりした変異種も見られる。
最初の爆発から、しばらく自爆はないと判断した兵士達は自爆対策に漁師達から借りた
網で直ちに群れを取り囲んで動きを封じる。
次の瞬間、外壁の穴から例の巨大種が出現し、長大な腕を地に着けて前傾姿勢を取ったかと
思うと、何か吐き出して拘束された群れごと兵士達を撃ち貫く。
吐き出したのは、消化しきれなかった獲物の骨や毛の塊―ペリットだ。
それを通常種が自爆に使うガスで空気銃の様に打ち出し、壁や兵士達を撃ち貫いたのだ。
射線上にいた兵士と共に少なくない個体が致命傷や重傷を負い、周囲を巻き込み一斉に自爆した。
そこから先は、大いに混戦となった。
巨大種は周囲の仲間をその巨腕で掴むと、敵陣のガスの薄い箇所に放り込み、
それを射線上の敵もろとも狙撃し、巻き添えに自爆させる。
なまじ大規模な布陣で臨んだばかりに、この戦術は非常に功を奏した。
だが如何せん多勢に無勢、巨大種をはじめとする変異種達も十分な数を準備できなかったこともあり、
多大な被害(援軍含む参加者262人中軽傷139人・重傷56人・死者9人)を出しつつも、
早朝から始まった駆除作戦が夕暮れ頃にはおおよそ完了した。
最後に残った巨大種の頸部が、援軍としてやってきた人虎族傭兵の山刀に深々と切り裂かれて
血煙を上げる。
どう、と微かな地鳴りを建てて倒れ込むそれを見て、誰が言うともなく
「こんな化物が一匹で良かった」
と胸をなで下ろした。
しかし、その感想が正しかったことを一行はすぐに別の形で知る事となる。
兵士の一人が、母胎として囚われていた少女達を救出しに倉庫の中に入った途端、
不意に何者かに撃たれたのだ。
幸い肩当てをかすっただけで怪我は無く、衝撃力も大したことは無かったが、しかしそれは、
彼らが今日、厭と言うほど目にし、味わった恐怖の形をしていた。
倉庫の床には、数体の幼体に混じって、明らかにあの巨大種の姿をした小さな自決鼠が這いずり、
幼いながらにあの射撃体勢を取って、侵入者を威嚇するように睨め付けていた。