☆秘蜜の花園☆
西部の辺境の村の、さらに外れに位置する場所にその教会はある。
そこには疫病や事故、あるいは戦乱や犯罪によって親を失った様々な種族の子供たちが引き取られていた。
民家よりも田畑が、人よりも家畜の方が多いこの寒村においては、集められる寄付の額も高が知れていたが、
教会には特に経済的に困窮した様子は見受けられず、子供たちは村人に会うと、
血色の良い顔でにこりとはにかみ、一礼をして通り過ぎるのが常であった。
子供たちの数は日を追うごとに少しづつ増えて行ったが、
教会から子供たちの歌う讃美歌とオルガンの音色が聞こえぬ日は無く、
その歌声に、常に何人かの女児のそれが欠けていた事に気付いた物は、
少なくとも村人の中には居なかった。
◇
今日の讃美歌を歌う事を免除され、礼拝堂とは別の場所へと歩を進める修道服姿の一団の女児たち。
その中の一人は、大きめの丸眼鏡をかけた顔を不安そうに傾げながら一団から一・二歩遅れて歩いている。
顔立ちや発育から見て、歳は8つになるかならぬかだろうか、顔にかけた大きめの丸眼鏡と、
余った袖から僅かに出た指先が彼女に控えめな、嫌な事を嫌と言えない弱さの印象を与えていた。
彼女は後ろから聞こえて来る歌声を気にしながら、そっと少女の一人の袖を引いた。
「ねぇ…特別な『おつとめ』って……」
おそらくこの中で唯一「おつとめ」の経験が無いのだろう。
皆が歌っている間、自分たちだけ席を離れることへの微かな罪悪感と不安からか、
その声はか細く震えていた。
「だいじょーぶ!歌ってるよりこっちの方が絶対楽しいよっ。私なんか順番が待ちきれないくらいだもん!」
そう言うと袖を引かれた少女は、踊るようにくるりと左足を軸に両手を広げて回転する。
頭にかぶったベールと、膝小僧がのぞく程の長さのスカートが浅くひるがえり、亜人特有の毛深い耳と
しなやかで柔らかな大腿、そして牛か獅子の様な、端に房のついた尾がちらりと見えた。
「そっ、そんなに動いたら見えちゃうよう……」
そう言うと眼鏡の少女は、まるで突風にでも遭ったかのように自身のスカートの前を押さえ、
内股を頼りなげに擦り合わせた。
そんなやり取りをしながら、やがて一行は教会の地下に続く石造りの階段を下り、
大きな鉄の扉にたどり着く。
それに手を伸ばそうとして、眼鏡の少女はぴくり、と動きを止めた。
「ん?どったの?」
「あ……うん、何でもないよ。」
「そっか、じゃ、早く行こっ。」
そう言って歯を見せて笑うと、亜人の少女は眼鏡の少女の手を引いて、扉を開けて部屋の中に入って行く。
その後ろでは、眼鏡の少女が未だ微かな不安を顔に浮かべていた。
(さっき、なんだか扉の中から変な声がしてた気がしたけど……気のせいだよね、きっと)
やがて二人の少女をその向こうに飲み込んだ鉄の扉が大きな音を立てて閉まり、それから一テンポ遅れて
閂をかける様な「ガチャン」という音が、扉の内側でも外側でもなく、内部から響いた。
それは、決して内側からは開かぬ、この扉独特の仕掛けが作動した音に他ならなかった。
◇
ダンスホールの様な、平坦で広い石室。
そこに窓は無く、灯りはまばらに配置されたランプのみで、
部屋のあちこちに照らし切れぬ深い闇を湛えている。
そして最も特徴的だったのは、まるで柱の様に石室の中心の天井と床をつないで伸びる巨大な木の根。
それは部屋の天地を貫くだけに飽き足らず、床のかなりの面積に侵食し、血管のように張り巡らせていた。
この教会の中庭に立っている、大きな樫の巨木の物であった。
つまりここは自動的に中庭の真下と言う事になる。
「いやぁぁぁっ!!誰か助けてぇ!気持ち悪いよぉぉっ!!」
「やめてぇ!これ以上おなかの中、ムズムズさせないでぇぇっ!
何か、何か来ちゃうぅ…ひぃぃっ!
あぁぁあ―――――っ!!」
密室の僅かな明かりの中、何人もの女児が黄色い嬌声を上げながら、
巨大な白い花の上で悩ましげに身を捩っていた。
その花は床を侵食している木の根の一本から直接生えており、
他の植物から養分を貰う宿木の様な寄生植物と推測できる。
この植物の物と言える物は花のみであり、光の届かない地下室で生育出来たのもそのためだと思われた。
それは、南方に生息する発情効果のある花粉で生物の雌を犯し、
雌花までの運び屋とする「誘拐花」と言われる植物、 その雄花である。
本来は生肉の様にくすんだ紅色の花弁は、何世代もこの地下室で育てられたせいか白く退色しており、
ふやけた水死体の様な不気味な蒼白色へと変化していた。
少女たちの四肢には花芯から何本も伸びた、黄色い花粉に覆われた触手状の雄しべが巻き付き、
幼い肢体を拘束している。
その中に、花台の上に仰向けに縛りつけられた、あの大きな眼鏡をかけた女児の姿があった。
「ひぁあっ……も、もうだめぇっ…これ以上、いじらないでぇっ……」
裾を臍までまくり上げられて露になった下腹部には下着らしきものは無く、
拘束された両足は左右に広げられ、未だ発毛していないスリットや、尻の穴までもあられもなく晒していた。
雄しべが小児の柔肌を這いずるたび、這い跡がピンク色に上気して残り、その度に少女は腰を浮かせ、
切なげに身体を引き攣らせる。
そして雄しべの一本が無毛の裂け目に膨らんだ先端部を何度も潜り込ませ、
まるで切り開くように上から下へなぞっていた。
先端部には、全体を覆っている黄色い粉がだまになる程付着しており、まるで粉を塗りつけるブラシの様だ。
皮膚に付着してすらその身に昂ぶりを刻み込む淫毒を、最も敏感な場所に直接塗り着けられ、
少女は浮かせた腰から糸を引いて愛液を滴らせながら悶えまくる。
だが、触手の攻めは非情にも少女の身体の奥の、更なる禁忌の処女地へと達しようとしていた。
泣きはらしたようにぐっしょりと濡れ、赤く充血した秘裂の奥の、まだ摘み頃にあらぬ女の部分。
そこへと連なる道が、執拗な陵辱に心ならずも綻び始め、
物欲しげに蠕動しはじめた時、媚毒を満載した触手は、濡れぼそった媚肉を割り裂いて、
無理やり幼い肉壺へと侵入した。
「ひぎゃうぅぅぅぅ!やぁっ、いやぁぁぁっ!お、おなかのなか、入っちゃってるぅぅぅ!!
あついよお、わたしのからだ、もっとヘンになっちゃうよぉぉぉぉぉっ!!」
膣口や淫核をなぶられただけで息も絶え絶えになっていた所に、
更に自分で指を入れた事すらない膣壁の粘膜にまんべんなく性の劇薬を溶かしこまれ、擦り込まれてゆく。
もはや子供には強すぎて苦痛にしか感じないはずの、下腹部全体を灼く爛れた感覚とむず痒い渇望に、
少女はほんの数分前まで知りもしなかった性欲の虜となりつつあった。
◇
その傍らでは、彼女をここまで連れてきた亜人の少女が、別の花の上で妖花の雄しべを受け入れていた。
少女は上体を伏せて尻を突き出した格好で、二本の雄しべを同時に蜜壺に突き込まれていた。
雄しべの太さから見てもけして大きくは無い性器が、
争うように勝手に動く二本の雄しべを目いっぱい膣口を広げて飲み込み、
子宮口を叩かれる度、歓喜に蠢きながら愛液で太股を汚す。
「ひにゃぁぁぁ!いいっ!いいよおっ!欲しいのっ、まだまだ足りないのぉっ!
ほら……もっと、もっとボクのナカにきてぇぇっ!
ほら…まだあるよ……ボクの身体の……肉の穴はあるからぁ……」
そう言うと、少女は顔を花弁の一つに密着させて、自由な両手で自らの尻たぶを左右にめくり、
物欲しそうにひくつく菊座を晒す。
そこにまた新たな雄しべが伸び、女陰に対して行ったのと同じように、
舐め上げるように花粉の塊を塗りたくり始めた。
膣を犯すのと同時に、肛姦のためのアナルへの下ごしらえを始めた妖花の愛撫。
それに耐えきれず、少女は野趣と奔放を秘めた獣の血に従い、嬉悦の叫びを上げた。
「ふぁぁっ!あっ、あっ、そ、そこぉ………焦らしちゃいやぁ…ボクの中、早くキミのでアツアツにしてぇ…
ふっ?!ぁっ!ぁぁあ―――――つ!!」
遂に菊座への侵入を果たした雄しべが、直腸の薄い粘膜を花粉でこすりあげた。
合計三本の媚薬触手を前後の肉穴で受け入れながら、彼女はそれに飽き足らず、今度は何と
雄しべの一本を両手で捕まえて自らの口腔に導き、
棒付きキャンディーのように口腔全体を使ってしゃぶりはじめた。
「んっ…むう…んふぅ………好きい、この味、大好きぃ…おなかの中、熱くなるのも……
んっ、あっ、あはぁぁぁぁあっ……」
もはや淫毒を摂取するだけの淫欲の化身と化した少女。
その有様はもはや彼女の総身に淫毒が染みわたり、全身の体液までもが、
淫靡の魔薬と化すかと思われるほどであった。
「はーっ、はーっ、ひむうっ……っぁあ………」
亜人の少女から少し離れた場所で、一人の少女が胎児の様に丸まりながら、その痴態を見つめていた。
激しい凌辱の結果、被っていたベールはとっくに振り落とされ、長く美しい金髪が晒されている。
その身体には萎れて枯れた雄しべのなれの果てが、未練の様に巻き付いていた。
つまりそれは存分に少女の未成熟な膣肉に大量の花粉をなすりつけ、雄花が役目を終えた事を意味している。
にもかかわらず、体に詰め込まれた花粉は相変わらず彼女の身体を苛み続け、
立ち上がる余力すらない彼女の小さな手を貝類の腹足の様に蠢く、幼い秘肉へと誘っていた。
「駄目ぇ……足りないぃ……もっと…もっと……んぅっ!はぁぁん!!」
目の前で繰り広げられている淫行に、さっきまで自分が受けていた行為を重ねながら、
彼女は未だ火照りの収まらぬ雌肉へ、せつなげに自らの指を埋め込んでいった。
◇
石室での乱交から一時間余り経った頃。
少女達が入ってきた鉄扉が再び開き、そこに何人かの男達が入ってきた。
そこにはもはや生きて活動している妖花は一輪も無く、ただ幼い身体と未熟な心に、
浅ましい淫欲を植えつけられた童女達が、朦朧とする意識の中で孤独な快楽を貪り、
互いに犯し合い、新たな快楽を求めて色欲の餓鬼と化していた。
男達は彼女たちを抱え上げると、石室の床に隠された隠し扉を開け、更に下の階へと降りてゆく。
そこにあったのは、やはり地を穿ちぬいてこの階にも達していた大樹の根。
そしてあの妖花と変わらぬ蒼白い花弁と、
花台の中心に屹立する男根の様な雌しべを持つ妖花の雌花であった。
男達は童女たちを、まるでおしっこをさせる時の様な格好で抱え上げると、
そのまま雌しべの真上まで運び……
……未だ淫毒の火照り収まらぬ幼い女体を、次々と妖花の雌しべに被せて行った……
「はわぁぁぁっ!!」
先刻自慰行為に耽っていた金髪の少女が、再び媚肉に生殖器を咥え込む刺激に頓狂な声を上げる。
やがて、曖昧だった意識が覚醒すると、彼女は所謂騎上位の体位で、自ら小刻みに腰をゆすり始めた。
雄しべの拘束は、もはや必要なかった。
「んっ、んっ、いい…きもちいいよう……」
妖花の上で、夢中になって自らを涜す少女。その眼前に花弁の裏から伸びた、半透明の蜜腺触手が現れ、
彼女の顔めがけて大量の琥珀色の蜜を吐き出した。
「ふわぁぁあ……甘くて……きもちいい………」
花粉とおなじ媚薬成分を含んだ蜜が、少女の薄い胸やくびれの無い腹を濡らし、
てらてらとした光沢を与える。
そして雌花が更に蜜腺を伸ばしたその時、少女達をここまで連れてきた男達が一斉にその先端を手に取り、
部屋に備え付けられていた陶器の壺にさしこんた。
花の上で少女が腰をゆするたび、妖花の蜜腺の一本がその顔に甘露をかけ回し、
それ以外の蜜腺は壺の中に貴重な淫蜜を注ぎ込み続ける。
この蜜こそが、この淫靡な秘め事の目的であった。
口に甘く、絶大な回春作用を持つ妖花の蜜。
上は王の寵愛を受けたい側室から、下は女衒の夜鷹まで、この蜜の効果を求める物は引く手あまたである。
そして、あまりに何度も妖花の精を受け過ぎて、幼くして性欲の虜と化してしまった子供は、
「引き取り先が見つかった」と称して、好事家に高値で売り飛ばす。
これこそこの教会が、何人もの子供たちを引き取っても、決して困窮する事の無い理由であった。
「やっ…あっ、あ、あぁんっ、止まらない、止まらないよぅ!ひあっ!甘いぃぃい……」
大量の蜜を頭からぶちまけられながら、眼鏡の少女が腰を海老反らせて喘いでいる。
糸を引くほど粘性の高い蜜は、彼女の起伏の少ない身体をまるで嬲るようにゆっくりと伝い、
それを小さな手が塗り伸ばし、桜色の乳首や、雌しべを受け入れている結合部を這いまわった。
やがて蜜でべとべとになった中指と人差し指を、少女は小さく開いた口に咥え込み、
口淫でもするかのように音を立てて吸い始めた。
「はむっ、んっ、ちゅるっ……んふぅ……おいしい………」
蜜の粘性が無くなるまで貪欲に舐め、啜り、やがて唾液の糸を引きながらゆっくりと指を引き抜く。
その蠱惑的な表情は、子供の無邪気さと肉欲を知った「雌」を併せ持つ、ひどく背徳的な物であった。
◇
この集団犯罪が明るみに出たのは、それから3カ月ほど経った頃であった。
この村の農民の一人が、町の市場に野菜を売りに行った際、
「教会にいた子供が、町で首輪を付けられて歩いていた」
と言う通報を寄せたのをきっかけに、教会に捜査のメスが入ったのである。
やがて木の根を使った妖花の養殖場や、そこで蜜を搾り取るために犯されていた子供たちか発見され、
ここの司祭および、関与していた地元マフィアの末端構成員が何人か逮捕された。
ちなみに、町で目撃されたという少女についても捜索が行われ、
さる豪商の家で奴隷として「飼われ」ていた所を保護されている。
それは、あの時妖花に犯されていた少女たちの一人の亜人の少女だった。
ろくに食べ物も与えず酷使していた上、日常的に主や家人達に犯されていたらしく
、その両目からは視力が失われ、幼い胎内には、既に父親の知れぬ子供が宿っていた。
現在、彼女は適切な治療の元回復を見せており、体力が戻り次第、中絶処置の実施も検討されている。
しかし、これまで彼女の様な目に遭った子供たちが何人いるのか、そして彼女たちは今…
そんな事を考える度、関係者たちは暗澹たる気持ちになるのであった。