∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■ 焔の魔剣 ■

■作者:nao 様/ 紅乃鳥飛鳥 様■
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■ 焔の魔剣 ■
6.Crimson Edge(外伝




「あのう、個室二部屋しか開きありませんが…」

「え…それじゃあ、えーっと…私とエルさ―」

「俺とエルで一部屋。フォウで一部屋、それで構わん」

「ええっ!?で、でもそれじゃぁ」

「それじゃぁ、何だ?」

「いいんですよ、フォウさん。…この人は私が見張ってないと何仕出かすかわかりませんから」

「………俺はそこまで厄介者か?」

「うーん…エルさんがそう言うなら、私は構わないけど…」

「……………。」

「それじゃぁ、お願いします」

「は、はぁ…」

「それでは、こちらになります」

 

「それじゃぁエルさん、レッドさん、おやすみなさ〜い」

「はい、お休みなさいませ。」

「嗚呼、おやすみ。」

 

「……ねぇ、ヴェルジェ…起きてる?」

(…我に安息の時などない。娘、何か用か?)

「あ…いや、ううん。別に、なんでもないんだけど…」

(言いたい事があるのなら話せ。…例え使われるモノとはいえ、話の相手くらいにはなってやれるぞ)

「うん……ちょっと気になったんだけど、ヴェルジェっていつからヴェルジェなの?」

(……何?)

「あ、ちょっと言い方が悪かったかな。
…ヴェルジェって、生まれた時から剣だったの?それで、その時から意識があったの?」

(成る程、そうゆう事か。………我は生まれた時から剣だった、とゆう訳では無い。
大昔……もう、幾千年も昔の話だ…我は炎を操る一人の魔術士だった)

「へぇ〜…やっぱり、ヴェルジェって元は一人の人間だったんだね」

(…やっぱり、とは?まるで、予想していた通りの様だな)

「うん。…今朝話して終わってくれた時に、ちょっと思ったんだ。
もしかして、ヴェルジェって元々は一人の人間だったのかなぁ…って。」

(…感の鋭い娘だな。…その通り、我は力の強い………自負するのも難だが、一人の人間であった)

「…それで、なんで剣なんかになっちゃったの?」

(己の行き過ぎた"業"の所為だ。…踏み入れてはならぬ領域にまで足を踏み入れた結果が、こうだ)

「こうだ…って?」

(自身を剣に封印し、威力を増す研究。…そしてその結果、生まれたのが我 フランヴェルジェだ)

「そうなんだ……ヴェルジェって、すごいんだねぇ」

(…そうでもない。当時は、己に酔っていた…今思えば、馬鹿な事をしでかしたと思っている)

「でも、そうしてなかったら今、こうして私とヴェルジェって出会ってなかったんだよね?」

(…………。そうだな……)

「…ねぇ、ヴェルジェ。人間だった時って、カッコ良かった?」

(…何をいきなり言い出すかと思えば………………まぁ、並より上程度かな…)

「あははははっ。やっぱり、ヴェルジェって元・人間なんだねぇ」

(なっ、我をからかうつもりか!)

「あはは、ゴメンごめん。…これで一つ、わかったよ。ヴェルジェのコト…
それじゃぁ、おやすみなさいっ!」

(あ、コラッ!待て、フォウ!!)

「……zzzz………」

(………全く、我を担ぐとは………………。
そうか…そうなのだよな……過ちでは無い。全ては、出会うべくして出会ったのだ…
そうであろう、…なぁ、『エルナ』よ………)

 

―幾千年前 フランヴェルジェ―

「マクシュミリアン=フランヴェルジェ、お呼びに応じてここに馳せ参じた。
…御用はいかに、王よ?下らない御託は良い。用件だけをさっさと言ってくれ」

「き、貴様!我等が王の前で無礼―」

「良いのだ、下がっておれ。……マクシュミリアン殿よ、
貴殿を招いたのは他でもない。ワシの"研究"に付き合って頂きたいのだ」

「研究?……王よ、貴方の研究と言えば確か人を剣に封じ込めるとゆう邪法……
…最も、俺が"邪法"と言える身であるかどうかは知らないが…」

「そうゆう訳だ。何卒、手伝ってはくれないかね?無論、それなりの報酬は」

「いや、いい。報酬なぞいらん。…只、一つ願い事が在る。王よ、―」

 

(いい加減やめろ!俺は人を殺す為にこの研究に参加したつもりでは無いのだぞ!)

「うるせぇ、使われる身のクセに何ほざいてやがる!!
テメエは今回実験として、こいつら全員焼き払ってぶっ殺せって言われてるンだよ!!」

(実験?…焼き払い、殺すだと?………ふざけるなぁ!!)

「へっ、そンな体になっちまったらもう何もできやしねェよな。ま、精々切れ味鋭くしてくれよ!」

「う…ゲホッ、ゲホッ……この声…マーちゃん…!?どこ、どこにいるの!?」

(!!エルナ、来るな!!!)

「おっと、丁度いい。ここいらで一つ―」

(やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!)

 

 

(ッ………!!……はぁっ、はぁっ………チィッ…また……『あの夢』か…………)

「……zzzz………う〜ん、むにゃむにゃ………」

(………。もう二度と、過ちは犯さない……我が名、魔剣フランヴェルジェに掛けても…
もう二度と、過ちを犯したりなどはしない……そして、主をもう殺させはしない…!)

「……zzzz……くっ……むぅっ……にゃぁっ……!」

(……。フォウ……お前は一体どんな夢を見ているのだ……?)

 

「はぁっ!…たぁ、やぁっ!!…てぇいっ!!」

「ぐあぁっ!!?」

「はぁっ、はぁっ……はぁっ、全くっ、一体何人居るのよ!?」

「(……!?ここは……村が、燃えている…?それに、戦っているのは―)」

「たぁっ!!」

「うぉぉっ!?」

「(……まさか、ここはフォウの夢の中?……!!)こ、この体……幾千年前の、我の…体……」

「!?新手!?」

「ち、違う!フォウ、我だ!フランヴェルジェだ!!」

「ほえ?…ヴェルジェ??」

「(…風景が変わった……やはり、ここはフォウの夢の中……しかし、一体何故………)」

「ヴェルジェ…って、剣だよね…なんで、人の姿?…って、もしかしてこれって私の夢!?」

「…夢の中で自分の夢だと自覚する者も珍しいものだな。…どうやらその通りらしい…
そこに何故か我が紛れ込んでしまったらしいな」

「うぐぅ……にしても、ヴェルジェ、その姿って私がもーそーした姿?それとも、本当の姿?」

「…ああ、元の姿だ。老いた記憶が無いからな、口調は爺でも姿は立派に若者らしい」

「ほぇ〜…ヴェルジェって案外カッコ良かったんだねぇ。」

「………案外、とは何だ案外とは」

「え?いや、あはははは……それじゃぁ、お嫁さんとかいたの?」

「(話逸らしたな…)………。居ない。恋人―みたいな者は居たが、縁を断った。そして剣となった」

「へぇ〜…なんか赤くなってるケド、美人だった?その人」

「なっ、……何を………それは……まぁ、不細工ではなかったが……
ま、まぁ、フォウよりは綺麗だったな」

「むっ、それってどうゆう意味よぉ」

「言葉通りの意味だ。娘、お前はまだ人としても、剣士としても未熟だからな」

「むむむむむ………はぁ。」

「…ん?どうした?」

「ううん……ヴェルジェの恋人、可哀想。ヴェルジェも、可哀想。そう、想っただけだから…」

「ほう、一人前にも人の心配をするか。その前に自分の身を案じろ」

「ぐっ……んもう、折角人が親身になってあげてるのに!
どうせ、その恋人とも…えっちしてないんでしょ!」

「なっ、なななな何をいいい言いだすかと思えばっ!こ、この娘はっ……」

「あははははっ、赤くなってる赤くなってる♪
なんだかんだいってヴェルジェって、やっぱり人間なんだねぇ」

「くっ……あ、あまり調子に乗るなよ!…難なら今、ここで犯してやっても良いのだぞ、娘!」

「え…?」

「………何だ、その表情は。」

「…いや、その…………ょ」

「何だ、良く聞こえん」

「……ヴェルジェになら、犯されてもイイよ……」

「なっ、いや、冗談で―いや冗談ではないが冗談のようなつもりでだな…!」

「ヴェルジェは、シたくないの?」

「いや、そうゆう問題では…っておい、脱ぐな!脱ぐな、おい!!」

「自分の夢の中だから、シチュエーションとかもバッチリだけど…」

「(森の中か…って、)そうゆう問題じゃないだろうが!…………ッ」

「…?どうかしたの、ヴェルジェ?ヘンなトコ抑えて」

「…に、人間の正常な生理現象の一つだ……もういい、もういいから早く服を着ろっ」

「ヴェルジェ………」

「だーっ、わーっ、くっついてくるなぁ!!もう、我もどうなっても知らぬぞ!!」

「うん。私も、何されてもイイよ…?」

「(ぷっつーん)ふ、くくくく。そうか、これは夢の中だったな。起きても覚えてはおるまい。
いいだろう、お望みとおりに犯してくれるっ!(がばっ)」

「きゃんっ!?」

「イキナリ挿入(いれ)てもいいが、それだと痛そうだしな…
…まずはその美味そうな体全体、じっくりと味あわせて貰おうか(もみもみ)」

「あ、あぅ……んっ、あんっ、ひゃうっ!?」

「ふむ…中々に感度が良いな。シチュエーションがバッチリだからか?(ニヤソ)」

「そっ、それは…あんっ、やぁっ…ああっ、んぅっ!」

「それにしても…(もみもみ)…ううむ、人の体とはこのような……幾千年振りに触れてみたぞ…」

「ぁふぅっ…そ、それにしては…あんっ、なんだかっ、ヴェルジェっ、興奮しすぎだよぉっ!」

「ふっ、その気にさせたのは娘、お前の方なのだからな。今更後悔しても遅いぞっ!!」

「り、力説することなの、それって…ひゃぅっ!?」

「うーむ、それもそうだな……って、イカンイカン。…さて、そろそろ挿れても良い具合かな?フォウ」

「ぅ………」

「肯定の言葉と認識させて貰うぞ(ズプッ)」

「はぅぁっ!?いきな、んぁっ、は、激し過ぎだよぉっ、あっ、ああっ!」

「ふははははははっ、誰が最初からゆっくりと丁寧にしてやると言ったぁ!(壊」

「ぅっ、あんっ、ひっ、ひどっ、いぁんッ…あっ、あうッ!」

「ほらほら、どうした!誘ってきたのはそっちであろう?もうイく気か。他愛の無い…
ふっ、所詮はその程度とゆう事か。そら、もっと深くまでッ!(完全壊」

「ゃぁっ、んん゛ッ!ヴェ、ルジェぇ…んぅっ、あうっ、ふぐっ……」

「………………すまん、フォウ」

「ひぅっ…んぅ、……はぁっ、はぁっ…………?…どう、したの…ヴェルジェ、なんで止めるの…?」

「……他人に理想の姿を重ねてしまうのはその本人に対する侮辱だとゆうのは分かっていた…
…………。フォウ…お前と…似ているのだ、彼女が……」

「…ヴェルジェ……」

「…我もどうやらまだまだ未熟らしいな。行き場の無い今まで溜まってきた怒り、悲しみ、哀れみ…
こうする事でしか、我は……我はッ……」

「もう…何も言わなくていいから……続けて、いいんだよ…ヴェルジェ……」

「………。その前に…最後に、一つだけ頼み事がある。………………」

「……………うん、わかった……」

「マーちゃん……愛してる……世界一、愛してるよ………」

 

「あ、おはよう御座います。」

「おふぁようございまふー……」

「…………」

「フォウさん、朝食の時間ですよ。下に行きましょう」

「〜…○□@†ぇるじぇ=……」

「フォウさん、しっかりして下さい…」

「………」

「レッドさんも、朝食食べますよ〜」

「……ああ、今行く。」

男は魔剣を手に取り、階段を駆け下りていった。


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