半ば生物の如くに振る舞う、巨大な妖花。
ぶ厚い肉色の花弁や、人が座り込める程の巨大な花台等は
我々の世界に存在するラフレシアを連想させるが、実際、他の植物の根に
種子を寄生させて育つなど、共通する面も多い。
この妖花には、銀杏の様に「雄株」と「雌株」が存在し、それぞれが森のあちこちに
点在する形で生息している。繁殖期になると、雄株が周囲の生物の雌をおしべで捕らえ、
犯して胎内に花粉を植え付ける「託粉」を行う。この花粉には強い発情作用があり、
犯された被害者は、雌株が分泌する特殊な「蜜」の匂いで誘導されたのち、自ら雌株のめしべと交わる。
興味深い事に、近くに雌株が存在していても直接花粉を植え付けず、
雌株が他の株の被害者と交わっている時に、その被害者に再度「託粉」を行う。
恐らくは近親交配を避けるための性質と思われるが、詳細は不明である。
◇報告◇
今回この奇怪な植物が発見されたのは、犬の耳と尾を持つ、南方のキュケノファロス(犬頭人)の
集落付近であった。
この集落で、犬頭人の娘が行方不明になった事件を聞いていた報告者は、
森の中で女物の服の端切れを纏わり付かせた雄株を発見し、
被害者はこの誘拐花に犯され、雌株の元へ誘導されて行ったものと断定した。
過去の経験を頼りに、近くの雌株を探しまわること3時間。ついに報告者は妖花の雌株と、
ぺたりと座り込む様にして、自ら秘部にめしべを埋め込んでいる犬頭人の娘を発見した・・・
「はぁぁぁっ・・・あんっっ・・・」
緩いウェーブのかかった、淡いグレイの長髪と、ともすればその一部に見えてしまいそうな
垂れ下がった耳を揺らしながら、少女は嫌悪と快楽の入り交じった表情で、花の上で腰を揺する。
・・・・・・まるで花の妖精のようだ・・・・・・
思わずそんな場違いな事を考えてしまったが、その感想も長続きはしなかった。
なぜなら少女の顔の前に、雌株の花びらの下から伸びた、半透明の長大な「蜜線」が現れたからだ。
ここまで自分を導いてきた蜜の匂いに、少女は思わず蜜線に顔を近づける。その瞬間。
ドプッ! ドボボボッ!!
「ひあっっつ!甘いぃぃつ!」
濁った放出音と共に、少女の顔に大量の琥珀色の蜜がかけられた。あたかもここまで来た御褒美の様に
花粉と同じ成分を含んだ蜜が、何度も顔から下腹部にかけてかけ廻される。
恐らく報告者がここに来るまで、こうして「受粉」を手伝わせていたのだろう。
だが、少女を犯しているのはそれだけでは無かった
雌株の近くの木の幹に、何と別の雄株が寄生していたのだ。
雄株は雌株と交わる少女へ、木の幹から自らのおしべを伸ばしていた。
それは、表面が黄色い粉末で覆われており、そして事もあろうにその先端は、妖花の上で自らを陵辱する
少女の、柔らかそうな尻の双丘の間に消えていた。それは1本ではなく何十本という数であり、
常に2.3本が少女のアヌスに出入りし、表面の黄色い粉末を腸壁になすりつけていた。
「ファァッッ!!お尻っ・・・お尻もっ・・・お尻もムズムズ・・・ムズムズ熱いのぉ・・・・・・」
そう言うと少女は、尻たぶを左右に引っぱり、おねだりする様に自らのアヌスを雄株に向けてさらけ出した。
◇
その後、少女は報告者である人間の青年医師に無事保護され、集落の診療所で
適切な治療(患部の洗浄・媚薬成分の中和等)を受けた。
それ以来、彼は妙に懐かれてしまったらしく、よく少女が診療所に遊びに来るようになったらしい。
◇生物概要◇
この妖花が人間を襲うのは、ハチやアブの様に花粉を運ばせる為であるため、
孕まされたり捕食されたりしない分、いわゆる危険生物の中ではまだしも無害であると
言えなくも無いが、それでも被害者が森の奥に誘い込まれるため、遭難や
他の危険生物による二次被害も考えると、やはり発見と同時に焼き払うのが最善であると思われる。
受粉を終えた雌株は、約3日程で種子を作る。この種子は陸棲の貝類の如く
腹足を使って別の場所へと移動する事が出来る。誘拐花の種子は、主に湿気の多い場所を
好んで歩くが、時として人里の中に根を下ろしている事もあり、まれに人々を驚かせる。
2001/11/15