"神の怒りと欲望を鎮めるために、その地では亜人の娘を生け贄に捧げると言われている。"
■古代文明「ノーグ」■
古代文明「ノーグ」では、その類い希なる「失われた技術」によって
「人の手により創られた神」
「余りの危険故に封印された邪神」
等々の超生命体が使役されていた模様です。
これらの危険生物群は、長い年月を掛け己を縛り付けていた封印を解き
暗い穴蔵から這い出て来ています。
数あるそれら「ノーグ」遺跡の中で、現在も人の手により一応の「制御」をされて居るであろう一遺跡に調査隊を派遣しました。
件の"亜人を生け贄"にしている遺跡です。
・・・・一人として帰還してきませんでした。
調査終了予定を過ぎても帰還しない調査隊に、
依頼を流していたギルドは急遽、救助チームを編成し遺跡に向かわせます。
現場では、予想されていた遺跡の老朽化による落盤等の事故は起こっておらず、
遺跡には、静寂かつ荘厳な雰囲気が漂っていました。
ただ、清涼な空気の中に、一種腐敗臭にも似た気配が紛れています。
地下に続く隘路を辿り、重く閉ざされた石扉をくぐると、
其処には地下水脈によって湖が出来ていました。
途端、
まとわりつくような違和感
むせ返るような"血"の匂い
救助チーム全員の視線が集中する先に、
目的人数分の、千切られた身体がありました。
湖の中央付近の小島にそれらは散在し
乾きかけた大量の血が、地面を黒くしています。
嘔吐する者数名、
だが、果敢にも小島に足を進めます。
ほとんど原型を留めない遺体の中に、
奇跡的に無傷で残っていた遺品・・・・
彼等の最後を収めたであろう「写真機」
レンズは割れていましたが、中身のフィルムは無事でした。
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この直後、地下湖全体から"湧き出して"きた正体不明の触手系生物に一行は襲われ、
救助隊数名が無惨にも引き千切られ、水中に引きずり込まれました。
接収出来たのは、この「写真機」のみ
それすら、回収の成功は奇跡的だったと言えます。
後日、残されていたフィルムを現像すると、衝撃的な画像が写し出されていました。