∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■猛蝕竹■
■ いづみ様 ■
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猛植竹(パンデミック バンブー)


 特異な土壌でのみ百年に一度花を咲かせる竹の一種。

外観は普通の竹類と区別することができず、生態も花実を結実させるまでは同様である。

竹の節から薄紅の花を咲かせると、花は脊椎生物を発情させるフェロモンを発し、

花から延びた蔓状の触腕組織で周囲の雌を捕縛し胎内に種子を植え付ける。

この催淫物質は強烈な発情、排卵を促し、とくに人間・亜人に激烈な効果を発揮する。

また花からは多量の蜜が蔓内の管へと放出させる。

それが麻薬にも似た効果を有するのでフェロモンを浴びた者は蔓のもたらす快楽と、

体内に侵入した蔓からの快楽毒により肉体のみならず、精神を犯されることになる。

なお、花を咲かす時期のみ竹質が極めて強固になり、伐採が難しくなる。

一方で竹の花がもたらす蜜には長寿と回春効果が高いとされ、闇市場で高価で売買される。

なお、本来特定地域にだけ植生するこの種が、なぜ猛植と呼ばれる理由はーー



「ひぃぃぁあああああ、またきちゃうぅぅ」


快楽に悶える声音は、その嬌声からすれば幼すぎた。

いくつもの肉色の蔓に四肢を拘束されたのは、二人の十歳ほどの亜人の少女。

狐に似た長くフサフサとした尾と、とがった獣耳は粘液でしとどに濡れていた。

薄着の服ははだけ、肉づきの薄い下腹部があらわになっている。

通いなれた山での収穫。決して里から近くはなかったが姉妹にとっては慣れた道であり、

数え切れないほどに往復してきたはずの広大な竹林。そこから繋がる果樹畑の帰り道での事だった。

それは身よりのない姉妹にとって、生活のための糧をえるためのルーチンワークに紛れこんだ異物だった。

くるときには一つともなかった物。竹の節からいくつも咲く桃色の見慣れない花に驚いていると、

途端に体が熱くなり、訳も分からないままに失禁してしまった。

それは少し離れた場所に立っていた姉も同じだったらしく、震えるようにヘたり込み、

落ち葉で敷き詰められた地面にアンモニア臭を広げる水たまりを作ってしまう。

膝は萎え、立ち上がることすら叶わない。

突然の事態に驚く暇もなく、花から延び竹に螺旋状に巻き付いていた紐がほどけ、

一気に少女たちの体に殺到してくる。

糸のように細くしなやかな蔓が蛇のように襲い掛かる。

果たして肉色のそれは、足腰の立たなくなった少女と、その姉をあっという間に絡め取ってしまった。

冬にむけて厚く拵えたチュニックの隙間から入り込んだいくつもの触手が妹の素肌を撫でる。

かすかにぬめる肉色の紐 がもたらす刺激に背筋がゾクッと震えたが、

それとは別になにかむず痒いような感覚が股間に奔る。


「ひんっ!?」

得体の知れない感覚に、上擦った声が吐息と共に漏れる。まるで覚えのない自らの声音に戸惑い、

そして未知の刺激が目の前を白濁させる火花を散らす。


「なに……な、なんなの」


膝は萎え、背筋を走り抜ける感覚に戸惑いと恐怖が入り混じる。


「こわい……こわいよ、おねえちゃん」


瞬間的にいつも自分を守ってくれた姉が、妹の脳裏によぎる。

姉に助けを求めようとしたが、自分より『竹』のそばにいた姉はすでに蔓に全身を囚われ、

四肢を拘束するそれより太い蔓を唇に差し込まれていた。


「あ……あっ、おねえーー」


なにかが姉の口に流し込まれているのがはっきり見て取れ、それがかすかな蔓と唇の隙間から漏れている。

太い幹のような蔓が脈動するたびに、姉の瞳が蕩けていく。

なにが起こっているのか分からない。だが、なにか怖いことが起こっていることだけは理解できる。


「いいの、これ、いいよぅ」


慕っている姉の、下着が破れて露出したむき卵のような無毛の股間には、いくつもの蔓が這い回っている。

浅いスリットに肉紐が食い込み、そこから透明の液体がこぼれている。


「もっと、もっとぉ。こすってよぉぉ」


竹籠いっぱいに収穫した果実は、落とした衝撃で潰れ甘い匂いを放っている。

それより甘く蕩けた声は同じ褥(しとね)で時々聞こえていた押し殺したものより遙かに本能的でもあった。

グロテスクな太蔓を頬張り、美味しそうに吸いつく姉。

その膨らみ始めたばかりの胸をかざる桜色の乳首には糸のような蔓がまきついている。

淡い色の蕾は蔓の刺激で硬くしこり、それにもたらされる刺激が未熟な肉欲を満たしていく。


「ふぁぁあ、あ、あまぃぃ。もっとぉ」


懇願するような声を上げながら蔓の先端を舐めあげ、恍惚の表情で涎を溢れさせている姉。

憧れていた相手がみせる姿に困惑と共に、じわじわとへその奥に熱を帯びてくるのを感じた。


「ひぅ」


思わず頓狂な吐息が漏れたのは、

姉と同じように吸盤状の蔓が平坦な胸に色づいた桜色の乳首に吸いついたからだ。

それを快感と感じるには少女は幼すぎたが、その表情はすでに姉のそれと大差のないほど緩みはじめている。

その幼すぎる股間にいくつもの肉蔓が這い回る。

そのたびに刺激が体を蕩かすが、

それが経皮から摂取された蜜のもたらす淫毒だと幼い少女たちでは理解できない。


「きゅぅ、ひっ、吸っちゃ、だめぇ。おまた、やめてぇ」


無遠慮な吸引に対する力ない悲鳴と、くすぐったさの混じった痺れが背筋に走り、

本心からの拒否力を奪っていく。

必死で抵抗していたころの力はなく、すでに心の奥底では姉と同等に

太い蔓がもたらす蜜に対する強烈な飢餓感が生まれて始めていた。

やがて渇望に萎えた足から引きずられるようにして『竹』のそばに連れ去られ、

姉と同じ節くれだった太い蔓が口に侵入してくる。


「ふっ……むぅ、ふぐっ!? む、むぐ!?」


唇を蹂躙した途端、口内に流し込まれる蜜。それは想像より遙かに甘く、

それでいて水のように喉の奥へと流れ込んでいく。

おぞましいと感じる間もなく、妙な弾力のある蔓を口内で吸引していく。


「あまぃ、おいしぃぃぃよぅ」


恍惚とした表情で強烈な催淫効果のある蜜を貪る妹。そのフサフサとした尾は快楽で大きく揺れ、

それが姉の尾とふれるたび未知の快楽を与えてくれる。

股間の肉芽も、淡い色の菊座もすでに粘液まみれになり、肌からだけではなく口から摂取される淫毒により

脳の中枢まで快楽に染め上げられている。


「ふぁぁぁん……おねえ、ちゃぁぁん」


無自覚なままに発情を孕んだ瞳が、その尾の持ち主を見上げる。

つるりとした土手のある股間には、口に含んだものより更に大きな蔓が、

まるで大蛇のように先の膨らんだ異形が突き刺さっていた。

うすい腹部は内部からの衝撃により前後にうねり、

そのたびに蔓がもたらすものとは別称の液体が滴ってくる。

それが激しく前後に動き、激しく膣内を出入りするたびに甘い匂いをさせる蜜と、粘性のある液体と、

薄まった鮮血が垂れてくる。

巨大な蔓に股間を貫かれる見るからに痛そうだったが、姉の顔に苦痛の色は皆無で、

その上気した頬と蕩けた表情が姉が感じている物のすべてを物語っていた。


「ーーーっ。ーーーーー!!」


さらに『竹』の方へと引きずられ、姉の小振りな陰裂と、そこに抽送される肉幹が視界を覆った。

目の前で大写し(アップ)になった股間。そこに抽送される太蔓。

しだいに速度を増していく凶器じみた蔓で赤くなっていく秘部が痛々しく、

気づけば姉の其処に舌を這わせていた。

深い考えがあったわけではなく、薬の貴重な寒村では軽度の傷は舐めておくのが普通だったからだ。


「おねえちゃん……おねえちゃぁぁん」


流血が少しでも納まるように、深々と蔓のささった股間を何度も舐める。

そのたびに姉の膣内が収縮して、より強い刺激で蔓を締上げるのだが、

そこまでは快楽によって酔った妹の意識には回らない。

妹にも竹のもたらした催淫効果は出ていたのだが、まだ妹の子宮はどこまでも未熟で、

排卵のための卵子はまだ未完成であった。

そのため『竹』の生殖対象として認識されず、『竹』の狙いは姉ひとりに絞られていた。

やがて蔓の動きが素早くなる。姉の嬌声は口を閉ざした蔓によって塞がれているが、

その動きで何かが訪れるのを予感する。

だが、妹にできることは姉の負担を小さくすることだけで、

ずっと好きだった姉の秘部を舐めることしか思いつきはしなかった。

太い蔓が引き抜かれ、ぽっかりと開いた膣から大量の生臭い白濁汁が顔に降り注ぐ。

それにかまわず妹は姉の陰泉を舐め、痛みの象徴である鮮血と、

快楽を証左であるシロップを飲み込んでいく。

コッテリとした喉を痛くする樹液のようなものなど気にならない。

愛しい相手を慰撫するだけの大義名分を得て、ただひたすらに本能の赴くままに舌を這わせ続ける。

延々と繰り返される生殖行為。

二人の姉妹にもたらされる快楽の饗宴は、まだまだ終わりそうになかった。



二日後、行方知れずになった姉妹は集落が出した捜索隊によって無事発見された。

二人には激しい陵辱のあとは見て取れたが、姉妹は事件の記憶を失っており、

発見場所の竹林にも異変は見当たらなかったため、真相は山の中に消えることとなった。

また発見者である女性は凄惨な発見当時の姿を秘匿し、限られた年長者にしか報告しなかったため

事件はただの失踪事件として扱われ、やがて風化していった。


ーーが、


「おねえちゃん」


夜の帳が落ちると、また妹が尻尾を降りながらベッドの木を軋ませる。

姉は闇の中で「」を脱ぎ捨て、ゆっくりと膝の間を広げる。

その頬は月明かりの下でも紅潮しているのがハッキリと見て取れる。

幼い股間でキラキラと輝くのは、膝まで垂れ尻尾をぬらすほどに溢れた少女の愛液だ。


「美味しそう」

「……おねがい」


目を輝かせ尻尾を振る妹。羞恥で目を伏せ、尻尾を丸める姉。

慢性的な発作により家事しかできなくなった姉は、事件後から人が変わったように活発になった妹に

弱々しく『おねだり』する。


「もちろんだよ、いっぱい気持ちよくなってね。おねえちゃん」


屈託のない笑みを浮かべて濡れたスリットに舌を這わせるのも、喉を潤しながら味わうように

膣内を舐め回すのも毎夜のこと。


「きゅぅん、くぅん」


ぴちゃぴちゃ、と響く淫音を獣の耳で聞きながら、なぜこんな事になったのか姉は自問する。

夜毎にうずく陰部を年端もいかない妹に慰めてもらう背徳も、

必要な処置だと調べた末に分かっていることだった。

それでも股間に顔を埋めて恍惚とする妹に煩悶を抱かないわけにはいかなかった。

だが、それも正気が保つあいだだけのことーー


「きゅぅぅん、もっとぉ、もっとなめてぇぇ」

「おねえちゃん、おねえ……ちゅ、ちゅぅぅ、おねえちゃん。すきぃ、すきぃぃぃ。

もっとちょうだい、おいしいの、すきなのぉ、 ちゅぅぅぅ」


複雑な心境はすぐさま快楽の津波によって押し流され、胎内で卵子と一体化した『竹』の種子は

淫蜜とともに流れては妹の口へと消えていく。

ますます甘えるようになった昼の妹と、

『竹』の香りに触れたときのように執拗に淫欲に共鳴してくる夜の妹。


「あ、だめ……あっ、あ、また来ちゃう。来ちゃうよぉ。もう……きゅぅぅぅぅん」


そのどちらが本当の妹なのか考える暇もなく、膣内を舐めまわされる感覚が絶頂の呼び水となり

姉の思考をすべて奪い去ってしまうのだった。


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猛植竹


その名前の由来は、生殖対象とした生物の胎内に長期間潜伏して、

ある時期に爆発的な増殖をすることにある。

竹の花から植え付けられた胚は、対象の子宮を間借りして次第に増殖していく。

それらは月経時や発情時に体液と一緒に変異した卵子とともに排出され、

本能的な水脈や水源を目指して移動。

そして、一定数があつまると同時に一気に周囲の養分を吸収しはじめ、急成長を開始して

周囲の植生を瞬く間に駆逐する。その際、周囲十数キロは死の土地となる。

また繁殖対象となった生物の雌には、慢性的な発情がもたらされ延々と繁殖の奴隷にされる。

ごく稀に子宮内の胚の影響で膣分泌液が竹花の蜜と似た成分に変化するものがいるとされている。

しかし、一方で対象の近親者の体液と接触することで不活性となるので、

綿密な近親相姦によって活動を完全に抑えることが可能である。

余談だが、箘鬼(くさびらおに)とは両天敵の関係にあり、

お互いの植生が生活圏を駆逐しあうという報告があり、

タケノコとキノコにはなにかしら因縁があると目されている。



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■猛蝕竹■

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