∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■青き果実■
■ DTO様 ■
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青き果実
☆青き果実☆


◇プロローグ・被害記録・ミミ・アトランタ(長耳人・○才)◇


人気の無い女子トイレの個室の一つ。

そこで部活をさぼって先輩や友人の目の届かないここで惰眠を貪るのが彼女のいつもの日課であった。

だが今、彼女の口元から洩れているのは、決して安らかな寝息などではなかった。



「んっ・・・くふぅ…ふぁぁっ…♪」


かすかに綻んだ口元から、艶を帯びた熱い吐息が洩れる。

見れば少女の薄い着衣の下では、何かが蛇の様にのたうちながら少女の柔肌の上を這い擦っていた。

それらはただランダムに動いているわけではなく、明らかな意図でもって未成熟な身体の、

首筋・うなじ・胸元や内股といった柔らかな弱処ばかりを狙い、巧みに強弱や緩急をつけて攻め立てる。

そうする内に、最初は微かな反応を返すのみだった少女は、次第に悩ましげな呻き声を上げながら、

猫の様に身体をくねらせ始めた。



「んっふっ!・・・ん、うぅぅん・・・ふぁぁっ、あ、ははぁぁぁ」


陸上競技用の薄いユニフォームが汗で起伏の少ない身体に張り付き、臀部やもっと恥ずかしい裂け目も露な

全裸に近いシルエットに変わってゆく。

やがて少女の下半身が見えない何かに掬い上げられる様に宙に浮くと、

小鹿の様な太股をショートパンツがするすると滑り、

汗と愛液でぐしょ濡れになった秘処と、長耳人特有の短い尻尾があらわになった。

次の瞬間、すっかり快楽に蕩けて綻んだ少女の下腹部が不自然に歪み、

無毛の果肉がひとりでに開いて黒々とした穴が現れる。



「ひあぁっ!!」


下腹部に何かが押し入ってくる感覚に、さすがに惰眠を破られ悲鳴を上げる少女、

しかしその身は既に見えない何かに拘束され動く事は出来ず、下腹部には何かがしがみついて、

蕩けきった蜜壺に硬い棒の様な物を捩じ込み、激しく体を揺すって掻き回していた。



「んっ、んんーっ!なっ、なにこれぇぇ・・・ふぁぁっ!はっあぁぁー―――ん!!」


激しくかぶりを振り、浅ましい性欲に幼い身体を翻弄される少女。

その何度目かの絶頂が彼女の意識を断ち切る瞬間、少女はトイレの薄闇の中に、くりくりと動く

黒い小さな瞳を見たような気がした。



その後、清掃員が鍵のかかったままの無人の個室を発見。

その天井には、板を外した形跡が残っていた。



生物概要
☆透蔦獣(インビジブル・バイン)☆


未だ分類がはっきりしていない奇怪な生物。

大まかな外見はカメレオンに似ており、同様の自在に動く眼球を持つが、発達した上半身や前肢からは、

むしろ樹上棲の類人猿の様な印象を受ける。

退化して消えた尾の代わりに、背中には植物の様な数本の蔦が生え、樹上における移動や、

繁殖相手を拘束する際に威力を発揮する。

主な特徴としては、その非常に優れた隠形術が挙げられ、いかなる原理かは不明だが、

少なくとも人間の肉眼では完全に見えなくなる程、可視光線を透過し、姿を消す事が出来、

またその細胞膜は厚みを変える事で「細胞膜」と「細胞壁」を兼ね、

いわば動物と植物の両方の性質を併せ持ち、タコの様に自在に身体を伸縮させたり、

木のように硬くしたりする事が可能。

そして最も特異なのはその繁殖方法で、透蔦獣は成熟すると、

体内に精子と原形質の混ざった「準子実体」を作り出し、

それを他の生物の子宮に着床させて繁殖するのである。

透蔦獣の被害に遭うのは圧倒的に人間やその他のヒューマノイドが多く、

その中でも十代前半以下の子供達が大半を占める。

何故繁殖相手として適切と言い難い子供を狙うのかは諸説あり、

比較的体格差の少ない相手を狙っているとも、

既に他の雄の仔を孕んでいる可能性を避けているのだとも、

はたまた単なる性的な嗜好だとも言われているが、

近年発表された説によれば、これは一種のハンディキャップ理論に基づく行動であり、あえて知能が高く、

親やその他の大人に守られている事の多い人間やエルフ等の子供を狙う事で、雌のいない透蔦獣が、

優先的にステルス能力の高い個体の子孫を残そうとしているのでは?という説もあり、

案外この辺りが真相なのかも知れない。




◇被害記録・ソフィ・ルナール(狐族・1○才)◇


町の中心に位置する、そこそこ大きな図書館。

そこで一人の少女が、他の利用者から離れた隅の方の机に座っていた。

しかし、朱を差した様にほんのりと紅潮した大きな丸眼鏡の下のうつむく貌や、熱く切なげに吐息を漏らす、

かすかに開いた口元は、もし彼女を気に留める者が居たならば、何かただならぬ事態が起こっている事を

悟るのには十分だったかもしれない。



「あっ…くふっ、…っっ!!」


少女は腰を椅子から浮き上がらせ、両手を付いて机に体重を預けながら四つん這いの獣の格好で、

必死に「何か」に耐えている。

初等部の制服のチェック柄の吊りスカートの中は、狐族特有の豊かな獣毛に被われた尻尾に隠され

窺い知る事は出来ないが、膝下までずり下がった、汗とその他の液で濡れぼそったショーツを見れば、

そこがどの様な有り様であるかは容易に想像できた。



「はっ?んぁっ!んぅー――っ!!」


もはや言葉どころか声にもならないか細く鋭い悲鳴を上げ、少女がついに腕をも屈し、机上に倒れ付す。

更に少女の尻尾が不自然に跳ね上がり、その下のあられもない有り様がさらけ出された。

臀部全体が蜜でべったりと濡 れ、

マシュマロの様な柔らかな二つの肉毬がわしづかみされた様にひしゃげている。

尾と同じ色の産毛が生え始めた土手は左右に押し広げられ、剥き出しにされたピンクの肉花は

温かなぬめりを湛えながら、親指程の太さの穴がぽっかり空いて、しゃぶる様な湿った音を立てながら

かすかに収縮を繰り返していた。

ここにもし、あらゆる物を見抜く目を持つ者が居たならば少女の臀部にしがみつき、乱暴に腰を振り続ける

透蔦獣の浅ましい姿を見つけた事だろう。

少女の秘処には、透蔦獣の股座から生えた、出来損ないの瓢箪の様な物体が突っ込まれていた。

どこか果実を思わせるその中には、大量の「準子実体」が充填されている。

少女の胎内には、既に数回に渡りこの悪夢の種子が注ぎ込まれ、否、「侵入して」いた。



(あ…っ…お腹の奥で、何か…動いて…ッ)


胎内をアメーバやナメクジの様に這い回る異物感に、少女の眉が歪む。

だが、それは決して不快さによるものではなかった。



(ああっ…どうしよう…気持ち…いい…こっ、これって、交尾…されちゃってるの……?)


準子実体はより確実に少女の胎内で種子となる為、少女の卵巣まで侵入して排卵誘発効果のあるフェロモンを

注ぎ込むのだ。

結果、少女の青い肉体は強制的に二次性徴を迎え、子供の躰のまま一人の雌として、

そして仔を孕む母胎として完成しつつあった。



(はむっ、んっ!あっ!ひあぁぁぁあっ!!)


少女の肉体と精神が、初めて同時に悦びを覚えるのと、透蔦獣が少女の胎内に文字通りの己が種子を

吐き出したのは、ほとんど同時だった。



(あ、あははは・・・私、何の子供産んじゃうんだろ・・・)


最早すっかり快楽に屈した脳裏に、かすかに 浮かんだ危惧。

しかしそれは、未だに終わる気配を見せぬ公然凌辱の快楽の前に霞んでいった。



それからしばらくして、

ふらふらとおぼつかない足取りで図書館を後にする彼女の姿が目撃されたのを最後に、

その消息はぷっつり途切れることとなる。




◇被害報告・ニコラ・クライン(人間・○歳)
及びタチアーナ・フェブリ(ダークエルフ・○歳)の場合◇


明かりと言える物は、南側の格子の嵌まった窓しかない体育館の用具室。

その薄闇の中、小さな二つの人影が、絡み合いながら甘い嬌声をあげている。

人影は学校指定の体操服を着た二人の少女であり、艶やかな黒髪を二つに結い上げたダークエルフの少女が、

同級生と思わしき少女の首筋に口づけしながら舌を鎖骨に這わせ、へそから体操服の中に手を差し込んで、

早くも膨らみ始めたささやかな乳を直に揉みしだいていた。



「んっ… ニコ、また大きくなった…わたしも揉みまくった甲斐があって嬉しい…すんすん」

「やっ…息が当たっ…そっ、そんな事言わないでぇ…」


度重なる級友からの「過剰なスキンシップ」で性感を刻み込まれたせいか、

既に幼いながらに胸元や足腰辺りが丸く発達し始めた身体が、褐色の指が乳房を這ったり、

へその縁をつつ…となぞったりする度、白い肌が朱く火照り、

学校指定の赤いブルマーに熱い果汁を滲ませて股間に黒い染みをつくった。



…夢中になって睦み合う少女達。だがその背後で、外側からしか開けられない門の閂と南側の窓が、

まるで忍び寄る様にそっと独りでに閉まった事にまだ気付いていなかった。





ずるっ!

ずるるりゅっ!


雑然とした用具室の中は、見えざる蔦と獣に支配された即席の密林と化していた。

そこかしこから、何かが床や用具の上を這いずる音が聞こえる。

異変に気付いた少女たちが用具室の扉に手をかけ逃走を図るも既にそこは外側から施錠されていた。



「はっ…ひっ、いや、ぁ、あうっ、あぁあぁぁぁん!」


尻餅を撞くような格好で、球技用の球を入れる円筒形の籠に蔦で後ろ手に縛られた少女が、

左右に三つ編みでまとめた明褐色の髪を振り乱さん勢いで激しく身体をよじっている。

まだまだ薄い胸の肉は、いつも級友にそうされている様に、否、より執拗に揉みしだかれ、

ブルマーの中に臍の辺りから透蔦獣の長い舌が入り込んで血管のように盛り上がり、

象の鼻の様な舌が股間に達して、愛液で蒸れた青臭い味を堪能していた。



「んっ……ニコ…っ、くやしい、でも感じちゃう……ふあぁぁっ」


一方のダークエルフの少女はと言えば、平均台に四肢を蔦で縛られ逆さまに吊るされながら、

別の個体に後ろから犯されていた。

少女を犯している個体は膣のみならず、更に一本擬似ペニスを「実らせ」、アナルにまで挿入を始めている。

透蔦獣が腰を振る度、めくれたブルマーからぽっかり空いた穴が丸見えになり、

水音を立てながら軋み、擬似ペニスを締め上げた。



「んっ、あっ、これって……ねとられ…?んふっ、でも新感覚……悪くない…きもち、いい……」


相変わらずのペースを崩すことなく、むしろ積極的に快楽を貪るダークエルフの少女。

その目の前で、もう一人の少女にも擬似ペニスが突き刺さる、ただしそれは後ろの方の蕾にであり、

前の穴は未だ舌先が揉み、摘み、舐め回しながら、その味とにおいを堪能していた。



「ひぁはあっ!うぁっそ、そんなこと、きたな……あんっ!!」

「大丈夫……すぐ…慣れ……あぁぁ……」


逃げ場のない状況で、互いの痴態をまざまざと見せつけられながら犯され続ける少女たち。

だがその声は誰にも届く事は無かった。

◇被害報告・シャンティ(猫族・年齢不詳、多分○歳位)◇


一体、あれからどの位の時間が経ったのだろうか…

大家すら忘れていた、下宿の床下に作られた通りに面した部屋。

そこにこっそり住み着いていた、赤い髪の猫族の少女は、そんな事を考えながら、

見馴れたはずの薄暗い部屋を眺めていた。

そこでは不法占拠していた彼女から、この部屋を更に奪い取った者達が、

最早その深緑色の皮膚を隠形で隠す事すらせず、方々から拐ってきた「獲物」と戯れている。

少女の目の前では、彼女とさして歳の変わらない少女達が捕らえられ、

両腕を縛られ天井から吊るされながら、透蔦獣の凌辱を受けていた。



「あっ?!あっあっあうっあぁはぁぁ〜〜〜んっっ 」


ウサギの耳を生やした女の子が、鼻に掛かった黄色い嬌声を上げながら、

柔らかそうな太ももを抱え込まれた格好で犯されていた。

既にショートバンツは剥ぎ取られ、引き締まった腰の艶かしい線や、ひくひく動く尻尾をあしらったお尻、

そして柔らかそう な両脚を露にしている。

その近くでは、人間の少女と狐耳の少女が同様に吊るされながら、蠢く蔦で全身をまさぐられ、

特に秘処の最奥を入念に弄り回されていた。

フェロモンの効果か、まだ本来初潮すら迎えていないにも関わらず、

二人の胸はささやかながら丸く張りだし始め、

吊りスカートのサスペンダーや体操服を左右や上に押し退けていた。



「ひぅ…っ!あ、はぁあぁ、ひはぁぁぁぁ…」

「んんぅぅあっ!ま、まだ、お腹のナカ、残って…ぃぃいぃっ!」


執拗な愛撫で子宮口が緩み、胎内で準子実体が卵子を「核」として取り込み生成された、

大豆ほどの大きさの透蔦獣の「種子」が、堰を切った様に少女達の股間から溢れ出す。



「ぁあ…っ、また、いっぱい…」

「ひにゃぁぁぁあっ!!気持ちいいぃぃぃっ!!お腹のナカ、気持ちよすぎてとろけちゃうのぉぉぉ!」


その痴態を眺めていたダークエルフの少女が、二体がかりで前後の穴に出されながら絶頂を迎えた。



「んうっ、あっ、ん、んっ、また、中出しっ…後ろも…はあぁあ…… 」


蔦で吊るされ、情欲に熱く火照りながら、化け物の種を産まされ続ける未熟な身体。

それはあたかも、種子を孕んだ青い果実の様であった。




猫族の少女のねぐらに、歓迎されざる客が訪れたのはほんの二日足らず前の事であった。

この部屋の新たな主に収まった透蔦獣が最初に行ったのは、泣き叫んで抵抗する彼女を、

四体がかりで朝まで輪姦し、一度に四体分の準子実体を胎内に詰め込む事であった。

そして今、少女の下腹部はあたかも産み月を迎えた妊婦の様に丸々と張り出している。

そこには他の少女達と比べても、明確により大量の種子を孕んでいた。



(あたし…これからどうなっちやうのかな…)


後ろから貫かれ、孕み腹を水袋の様に揺らしながら、少女は漫然とそんな事を考えていた。

目の前では数人の少女達が、今まさに自分と同じ目に遭わされている。



…この娘たちの家族は、心配してるのかな?…


ふと、そんな事が脳裏をよぎる。

彼女に親はいなかった。今よりさらに小さい時に両親と死別して以来、彼女に「家族」はいなかった。



きっと、あたしが居なくなっても、ゴミが一つ減った程度しか変わらないんだろうなぁ。

…いや、一人だけいたか、気にかけてくれてた人は。


少女は母親ゆずりと言っていたグレーの髪と、犬頭人によく見られるたれ耳が特徴的な、

時々売れ残った売り物を分けてくれる

ドーナツ屋台の青年の事を思い出していた。



お兄さんは、あたしが居なくなったら気にしてくれるのかな…


それとも、他の大勢の人の様に気にもせず、少女の存在を失念したまま生活し続けるのだろうか。

それを考えた瞬間、少女の胸に刺すようなかすかな痛みが走った。



ああ、そうか。

あたしにもまだ、あったんだ。

誰かを好きになる気持ちなんて。


だが、その初めて自覚した恋心を嘲笑うかの様に、透蔦獣の凌辱を受け続け開発された身体は、

何度目かの絶頂に達しようとしていた。

更に一度に大量の種子を孕まされた事により詰まっていた子宮口がついに緩み始め、

猛烈な産気が襲ってくる。



「んっっ!!あっ!ああ――――っ!う・ま・うまれ…くひぃっ、いぃぃい―――――っ!!!」


透蔦獣がぞろりと少女の膣から擬似ペニスを引き抜くと同時に、小ぶりのオレンジ大のひと塊が

秘裂を押し開いて転げ落ち、それを皮切りにして少女の胎内から滝のように大量の種子が零れ出し、

粘液の糸をひいて足元に積もっていった。


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度重なる凌辱と、それがもたらす暴力的なまでの性感で、

少女の意識が何度目かのブラックアウトを迎えようとした、

その時であった。

誰も気付かなかったはずのこの部屋のドアが、勢いよく蹴り開けられたのは。



「居たぞ!やっばり失踪した子供たちだ!!」


誰かがそう叫ぶと、新たな闖入者達は一斉に何かの瓶を取りだし、中の液体を辺りに振り撒いた。

とたんに透蔦獣の様子がおかしくなり、まるで塩を浴びたナメクジの様にのたうち回る。

その表皮は強い薬品でも浴びたように急速に溶解し始め、自慢の隠形術もこうなっては使えない。

彼らが撒いたのは、どの家庭にもある、ありふれた食用油であった。

動物と植物の形質を併せ持つ透蔦獣の細胞だが、その自在な構造には不安定な部分もある。

植物性の油脂のうちの何種類かに触れると、細胞壁の構造が溶解してしまうのだ。



「やったっ、効いてるぞ!アイツの言った通りだ!!」


なんだか妙に遠く聞こえる、怪物を倒した男たちの歓声を聞きながら、

少女が安堵と疲労からようやく安らいだ気持ちで意識を手放す。

眠りに落ちる瞬間、嗅ぎ馴れた匂いを感じながら、誰かが身体を抱き止めた気がした。




警備隊に通報し、透蔦獣の弱点を教えたのは、猫族の少女が度々食べ物を無心していた

あのドーナツ屋の青年だった。

危険生物の多い南部の出身の彼は、透蔦獣の対策法も知っていたのだ。

本来密林などに生息する透蔦獣が、何故今回の様な都市部に出没したかは定かではない。

交易品に種子が紛れ混んでいたのか、違法ブローカーの元から逃げたのか…



被害にあった子供達は、無事家族の元に帰って行った。

ただ、不法滞在していた猫族の少女だけは、

監禁場所でもあったあの部屋に帰るという訳にはいかなかったが。

で、彼女が今どうしているかと言うと…



「お客さん、こないねー」

「ああそーだね…って、調理台の上に座っちゃ駄目だって…」


少女は件の青年と暮らしながら、屋台の営業を手伝っていた。

身寄りの無い少女の引き取り手として、青年が名乗りを上げたのだ。


ちなみに、なんで監禁場所がわかったかと言うと……



「ん?あそこの空き部屋の事?ずっと前から知ってたよ。自分の揚げたドーナツの匂いくらい判るしね。

あの日はいつも来る頃になってもこないから、心配して様子を見に来たんだけど……」


その言葉を聞いた少女は、青年の首筋に飛びつき、満面の笑みを浮かべてぎゅつと抱きつく。

彼が他でもない自分を心配してくれた事、

今はただ、その事だけが嬉しかった。



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