■ep.11 LEGEND(前編)■







屋敷の生活は余程の事がない限り規則正しく、屋敷の家事(趣味)に携わっているか

各種軍事顧問に軍,自警団に出向するか、院で教鞭を取っているのが常である。

王たるライとその秘書 補佐レイハ,お子様なルナを除いて。

各々の予定は緊急事態も想定しているので多く余裕をもって作られているが

それでも、恋人同士のアレスとリオが当時に休日を取れる機会は意外に少ない。

常日頃から家事から顧問,教授,任務までよく一緒にやってる事はさておき。

毎度、夕食後 居間の気だるい時間。 皆思い思いに寛ぎ・・・

皿洗いを終えたアレスに嬉しそうに駆け寄るリオ。

 「アレス君、明日の休日なんだけど・・・」

「あっ・・・すまない。 明日は一寸予定があって休日は取消しになった」

 「えっ!!? そんなぁ、久しぶりの一緒の休日なのにぃ・・・」

「・・・ふぅ、わがまま言うな。 子供じゃないんだから」

 「そんなこと言っても、最近一緒の休日は殆ど・・・(泣」

「・・・・・・(困」

他の面々我関せずに二人だけの世界へ突入か? と、乱入者。

「お〜〜い、惚気るなら向うでやってくれい」

 「団長、最近アレス君を働かせ過ぎてませんかっ!? 労働基準法違反ですっ!!!」

「それは皆と一緒で変らないぞ。個人の予定まで俺に文句をいうな」

 「えっ!!? それって・・・あっ」

リオがワケを聞こうと振り返ってみれば、既にアレスの姿は見事なまでに掻き消え

気配を探ってみれば急速に離れていっている感。追って慌ててリオは飛び出していった。

捕まえ追求した処で圧倒しニャンニャンに誤魔化されるのは目に見えているのに・・・

「・・・姉さん、知らないんですか?」

「アレスのヤツ、言ってなかったのか・・・て事は

知らないんだろな。 ディ、お前が言ってやれば?」

「嫌ですよ。そんな残酷なこと・・・」

と何がしたかったのかチャチをいれたディは読書再開。

 「わう? わん?」何? なんなの?

「ふぅ、何なんだろうなぁ・・・」

無邪気にルナが聞いてもライは苦笑いに頭をクシクシ、他の面々を見ても素知らぬ顔。

この件に関しては関りたくないという気配がアリアリと漂う。

 「・・・。 がうっ、ディ、話せっ!!!」

かぷっ カジカジカジカジ

それでも、黙して語らず散ったディは見事であった・・・

結局、相方は謎の急用のまま,弟は重体(?)で仕方なくデートの相手は

 「リオ、元気無い。 元気出す、わん♪」

 「うん、分っているんだけど・・・ね・・・」

能天気な銀狼娘だけ。 まぁそれでも居ないよりはましで

一人で悶々としているよりかは余程良く気分は晴れる。

 「よしっ、今日は散発するぞぉーっ!!!」

 「わおーっ!!!」

街中にも関らず空元気でも気合を入れる微笑ましい娘を傍目に通行人達は通り過ぎていく。

例え騎士で軍の将あろうと普通の娘として町に下りた以上、一介の娘でしかないのだ。

デートと言ってもする事など御決まりに、店に入って服を見たり屋台で軽食を取ったり

疲れたら公園で一服に、目前

 「ワン! ワンワンワン♪」

狼なルナが元気に小動物と戯れちゃったりしてるが癒し効果は十二分。

それはそれで可也楽しいのだが・・・それだけ。 寂しさ倍増という気がしなくとも

ベンチに座ったまま思わず切ない溜息をもらすリオの前、ルナはテッテッテッと駆寄り

人目も憚らずピカーと変身。

 「リオ元気ない、ルナ哀しい。 大丈夫?」

 「うん・・・元気はあるんだけどアレス君がいないから寂しくて」

 「ルナ、ダメ?」

 「・・・うん、ごめんね。ルナちゃんと一緒にいるのはそれで楽しいんだけど

やっぱりアレス君の代わりにはならないから・・・ルナちゃんの代わりがいないのと同じ」

 「くぅ〜〜ん」

寂しい笑みのリオに頭をクシクシと撫でられては、能天気なルナも流石に成す術無し。

 「・・・帰ろっか? 今日の夕食の材料を買って」

 「わん♪」

ただ時間を潰すよりかは家事に追われるほうが増しと。

 「ルナちゃん、今夜何が食べたい?」

 「わぅ〜〜(悩。 ・・・肉っ!!!(シタッ」

 「だから、お肉ばっかりじゃダメ。お野菜もちゃんと食べなきゃね?」

 「・・・」え〜〜〜

仲のいい姉妹の如く手を繋ぎ二人は商店街へ。

イイものを安く沢山買い漁り、二人とも両手を買物袋で占領で屋敷に帰ろうと

ふと、リオが見た人ごみの その向う。

通りを歩くアレスが。 若い娘と和やかに話をしながら

 「えっ・・・・・・」

瞬時、全ての喧騒が消え何故かアレスの声の断片だけが僅かに聞こえる。

本当なら聞こえるはずが無いのに

 

 結婚相手 本当 俺 いい  

・・・何で、アレス君が私以外の人と結婚するの? 何で? 何で? 何で? 何で? 

ガシャっと買物袋をおとしたまま唖然と硬直。

 「わう? リオ?」

ルナがその姿を見ようとしても、既に去って居らず 何?何?と首をかしげるだけ。

ゆらりと幽鬼の如く買い物袋無視で歩き始めたリオに

 「わ、わん!」えっ、待って〜〜

+買い物袋を抱えて急ぎ追っかけていった。 何故、リオの顔を見た人ごみが

見事なまでに割れ道が出来たかど理解出来ようはずもなく、それでも決っして

前に回りってリオの今の表情を見ようとしないのは野性の感・・・

帰って来たリオはそのまま居間に居座り、ソファに座ったまま虚空を凝視。

ゴゴゴゴゴゴと周囲が揺らいでいる気もしなくもない。

「ルナ、リオに何があったんだ?」

 「きゃうん・・・」分んない。

流石の能天気犬娘(誤)も義姉の機嫌が宜しくないと分ってか、怯え気味に耳が寝てる。

なんであれ居心地が悪いことこの上なく、かといって自室に戻れと言えるはずもなく。

千戦練磨のツワモノ達ですら いや、だからそこ遠巻きで見守しかなかった。

触らぬ神に祟り無し。

リオがツカイモノにならなくとも料理を作れる人なら屋敷に他にもいる。

その面々で夕食を作り未だ帰らぬアレスを他所に、空間凝視でも黙々と食事するリオ

がいつ暴れやしないかと戦々恐々としながら夕食を食べ、早い時間にも関らず

主を差し置き四姫+犬娘以下即撤退。 残されたのはライとディのみ

「「・・・(し、しまった・・・逃げる間を)」」

普段ならリオにまかせっきりでもいいのだが、今の状態では伝えなければいけない事を

伝えずにいるのは目に見えている。かといって二人とも人に押付けができる性分でない。

重い空気の中、三人(主に二人)は茶を啜る事暫し・・・・・・

「遅くなって済みません。ただいま帰りま・・・した???」

兄貴分と弟分にすがる目で見つめられたらアレスでなくとも引く。

「・・・夕食は食べてきたので、今夜の夕食は夜食に頂きます。

それと当分休日は出向く事になるので、リオにはくれぐれも・・・」

ギクッ

と二人は慌てて周囲を見回し・・・居た筈のリオの姿はかき消したように居ない。

・・・・・・はぁ

「如何したんですか、二人とも?」

「・・・いやいや。まぁ良く分らんが頑張ってくれ、程々に」

「はい? はい。」

アレスは自分の夕食を盆に載せ行ってしまった。自室で仕事を済ませるために。

しかし、リオは一体何処へ行ってしまったのだろうか。

と、アレスがさった後のドアの前で空間が揺らぎ

「アレスくぅ〜〜〜ん(泣」

「「おおうっ!!?」」

滝涙にヨヨヨ泣くリオが。 態々姿消しの魔法で隠れていたのか?

 「アレス君・・・やっぱり浮気を・・・」

「ね、姉様・・・」

「そ、それは幾ら何でも軽率じゃ」

ぎろっ

「「・・・・・・(固」」

もはや何も言えない 言わせない。 圧倒的な威圧感でリオは幽鬼の如く去って行った。

「・・・これから、どうなるんでしょう?」

「それに関しては、俺よりディの方が推測が立つだろ」

「そんなの・・・分るわけ無いじゃないですか。知る限りアレスさんが初恋人なのに」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「降るかな、血の雨・・・」

「その程度で済めばいいんですけど・・・」

「・・・・・・ふぅ(疲」

如何しても深夜まで書類作りに溜息が漏れるのは否めない。 相方に助けを求めれば

いいのだが、今回ばっかりは自分のせいでないとはいえ疚しい処があるので・・・

「・・・ふぅ。 ・・・寝るか」

溜息連発に今日は限界と、アレスは片付けもソコソコに服を脱ぎ灯りを消して寝床に

そしてそのまま深い眠りに・・・・・・

・・・シクシク・・・

・・・・・・

・・・シクシクシクシク・・・

・・・・・・

夢現に聞こえるのは、若い娘の啜り泣声。

・・・昔の業が今更。 それで償いが出来るなら幾らでもするがいい。

そう思いアレスが身動き出来ずにいると

ずしっ

身体に圧し掛かる圧迫感。重さ的に声相応の体重と判断していると

「・・・・・・うぐっ」

首に掛かる細指の感触にグイグイと絞められ、正体を見極めようと目を開け見たところで

闇に寝惚け眼ではそれは幽霊としか思えず、意識は混濁に闇の中に・・・

「っ!!?  夢・・・か」

跳ね起きれば空は白み始め、明らかに起きるには早すぎる。

しかし、寝ようにも一度しっかり目が覚めたものは起きれず

仕方無しに、時間まで居間で寛ごうと顔を洗いに洗面所へ。 そこで鏡を見

!!?

顔中キスマーク塗れに、首には絞跡・・・こ、これは憑り殺されそうになったって事か?

思い当たる節があるだけに立ち尽くすのみのアレス。現、極星騎士。そして昔・・・

早く起きすぎ皆が起きるまで待っていたアレスに続いて起きて来たのは主たる

「おう、早いな。 徹夜か?」

「いえ。 ・・・おはようございます」

「・・・あまり無理するなよ。」

「この程度で倒れるような柔な鍛えられ方はしていません。

・・・自分の事なんですが少しきいてもらいませんか」

「・・・ふむ」

横で椅子背を前に陣取ったライに茶を出し、アレスは話し始め。

「団長、自分の事は何処まで御存知ですか?」

「まぁ、孤児なのに最優秀で騎士学校に入った程度には」

「・・・自分、その前はギャングの長の真似事をしていました。物心ついた頃から

ゴミの中で、自分と同じ境遇の子供達を集めて・・・引手繰り,強盗・・・殺人以外の

大抵の悪事には手を染めたものです。 生きるためとはいえ・・・貴族の子女をさらい

犯し女郎屋に売る真似事も一度や二度ではなく」

「ふぅん。 随分とマセたガキだったんだな」

「ええ、自分の不幸を世に恨み他者を貪るようなガキでした。そんな時に

貴族の浮浪児狩りで自分だけが生き残ってしまって・・・搾取される側から

搾取する側になってやろうと騎士に・・・それが今では、本当に一端の騎士に(苦笑」

「懺悔、気は済んだか?」

「はい。呪われようと俺は全てを背負って生きていきますよ・・・」

「んで、何でまたそんな話を?」

「・・・如何やら昔泣かせた女の霊が出たみたいで、金縛りに起きたら首に絞跡まで」

「・・・・・・(汗」

それは違う。幽霊がいるならばアレスはとうに呪われている。寧ろそれは今生きている

「あ、アレス、それは」

キラリーン

居間の扉、少し開いている隙間から若い娘が覗き碧眼が輝いていた。

「何ですか?」

「あっ、いっ、あ・・・ほ、他に懺悔することは?」

「いえ、別に?」

気分スッキリいたって平然なアレスに、若い娘はチッと舌打っぽく察知される前に遁走。

だから、アレスが廊下に出た時にはその姿は当然あるはずもなく・・・

・・・・・・

それに気付いたのは軍顧問を終え、院に行くリオと分かれて街に来てから。

・・・付けられている。

立場上そういうことには気をつけているのだが、気付かせないとは・・・

ともあれ今関っている娘の所へ行くにしても屋敷に帰るにしても、まかなければ。

瞬間、アレスは疾駆に人ゴミの間をすり抜け裏街を通り袋小路へ。

其処で隠れ、待つ。 尾行者に奇襲をかけ捕まえるため。 しかし

「・・・・・・?」

いつまで経っても来ない。行動を見透かされている。 ならば何故、次の行動に出ない。

ずっと待つわけにも行かず、アレスは危険な建物の隙間を抜けて廻り表通りに

すると

「・・・ちっ」

尾行者の気配、再現。力量的にはアレスに匹敵するか?

それだけの者が都市の敷地内に立ち入れば其れなりの情報が伝わるはずなのに。

用心の為、全ての予定を取り消しにアレスは森を回って帰ることにした・・・

帰還早々、執務室に飛び込んできたアレスは血相を変え

「団長、何者かが自分をつけています」

「って事は御客が来てるわけか?」

「・・・・・・」

マジなライにアレスはただ頷くのみ。言い訳はしない。己の非,未熟はさっさと認め

次の手をうたねば皆の命に関ってくるのだ。

頷き黙って退室直後に気配を消したレイハに続き、ライとアレスも武装して各個

屋敷敷地周辺を巡回。

戦闘服,籠手に破壊大剣を携え気配を消し周囲を探りながら歩いているが

そういった気配は感じられず・・・否、不審な気配を発見。急行に駆付け

「其処のお前っ!!!」

 「きゃっ!!?」

「えっ・・・リオ?」

 「如何したの、アレス君?」

「あっ・・・いや、不審な者 気配を感じなかったか?」

 「え? 別に・・・」

居るわけがない。さっきのさっきまでアレスを付回していたのは目の前にいる

この娘なのだから。 だから、いぶかしみながら周囲を見回し背を向けた途端に

その碧眼がキラリーンと輝き・・・・・・・・・・・・

その日の夕食を作ったのはリオは主に、シチュー,サラダに主菜が並び・・・

「おう、今日は豪勢だな」

「そ・・・そうですね(汗」

何故かアレスの前のメニューだけソレとは明らかに違う。

 「アレス君には力付けてもわらなくっちゃ。だ・か・ら」

「別に皆と一緒でも・・・ありがたく、いただかせていただきます」

乙女の顔はにこやかな笑みなのに、目が笑っていない。

それは犯罪者を尋問する審問官の如く・・・気のせいかもしれないが。

それでもリオの心(?)が篭った料理をいただき・・・威圧感で直ぐ胸イッパイ。

「・・・食欲が無いなら俺が」

サクッ

見かね出したライの手に投擲されたフォークが刺さる。

 「ダメですよ、ダ〜ンチョ」

リオのその笑み笑っているのに笑ってない。言うなら

 何サラしとるんじゃボォケァがぁっ!! 要らん事するとツブすぞ?

「・・・・・・はい。」

結局、アレスは一人残っても全てを平らげるまで席をはなれず・・・(合唱。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜中は娘の亡霊に魘され、昼間は存在せぬ尾行者に追い回され・・・

ライの元へ報告に来たアレスはゲッソリ窶れ、本当に憑リ付かれているかのよう。

「・・・団長、やはり自分はダメに成ってきているんでしょうか?」

「それは・・・気にするな。 次の休みはゆっくり」

「いえ、いよいよ大積めなので、休みはその後に・・・」

「・・・大変だな、お前も」

「勤め、ですから」

「んで、その件はリオに言っていないのか?」

「それは・・・何というんですか(笑。 個人的な依頼の上に・・・言えませんよ」

「そうだよなぁ〜〜(苦笑」

個人の思惑など関係なく時間は流れる。そしていよいよ・・・

幾ら王が宗教嫌いとはいえ各個人の意志を尊重する以上希望都市にも教会はある。

行われていることはいたって普通に教会それであり、そして冠婚葬祭も勿論。

そして今日はメデたき日。 客は少ないながらも幸せそうな新婦が入場に

新郎が待つ祭壇の前へ。

新郎は、研ぎ澄まされながらも鞘に収められた剣を思わせるキリッとした青年。

そう、言わずもかなアレスである。 

因みに新婦はリオ・・・では無く、かつてリオが買い物帰りに見た娘。

新婦は静々と前に進み神父の前、新郎の隣へ。

「新婦、汝は・・・(中略)・・・することを誓いますか?」

 「・・・はい。」

新婦のしっかりした返事に神父は頷き、次は新郎に

「新郎、汝は・・・(中略)・・・することを誓いますか?」

 「・・・は」

バンッ その結婚式、ちょーっとまったぁっ!!!

厳かな静寂を打ち破り、扉を蹴破り飛び込んできた女騎士に一同驚愕。

何より、最も驚いたのは新郎であるアレス。 目が点に口がアグアグと塞がらない。

瞬間、一瞬で講堂を駆け抜け新郎のアレスに切迫した女騎士は抵抗させる間もなく

ドスッ

「っ!!? ・・・・・・(気絶」

最速を上回る素早さでもって鳩尾に拳一発で伸し、グッタリとしたその身体を抱擁。

 「ふふふ、アレス君は・・・誰にも渡さないっ!!!」

「おお・・・神よ」

元々麗しい長い金髪と愛らしい碧眼は、今は病んだ様に乱れギラギラと凶光を放ち

彼等は教会という仮にも聖なる場所で魔女・・・悪魔を見た。

悪夢な光景に人々は怯え泣き、逃げ惑い、卒倒し・・・

教会に取り残されたのは、狂ったリオと気絶したままのアレス。

そして新婦と満足に身動き出来ないその祖母。

 「あ、あの・・・」

 「こないでぇっ!!! 誰にも・・・渡さないんだから・・・」

事態に硬直しつつもある程度事情を察した新婦は説明しようとリオに近づくが

純白の花嫁姿に圧され、リオは駄々っ子か獲物を確保した獣の如く戦技そっちのけに

長剣を出鱈目にブンブン振り回して危ない事この上ない。

表も通報されたか自警団で騒がしく・・・それで迂闊に突入しないのは流石。

教会の結婚式に悪魔降臨で新郎を連れ去ろうとしてる感からして、騎士団出動は決定。

混乱の様相(殆どリオのみ)に収集はつきそうになく。

その時、口を開いたのは最も意外な人物。

 「・・・もう、ええじゃろぅ?」

新婦,リオ共に一瞬呆然。

 「お、御祖母ちゃん?」

 「店が忙しいお前に恋人なんぞ作る暇なんぞなかろう? 幾ら私を喜ばせる為

 とはいえ・・・。 ほれ、ママゴトは終いにその青年を返してやりなされ」

 「・・・・・・(唖然」

 「と言うわけなんです。 だから私とこの人は本当に

 結婚するわけじゃなく、フリだけで・・・あの、聞いてられます?」

リオ、状況を理解できずにマヌケ面で何を見ているのやら。

と、不意に揺らいだ空間から現れたのはルーとライ。

 「何やっているんダ?」

「はぁ、最悪の事態の一歩手前・・・」

通報に慌て跳んできてみれば・・・身内が関った身内の仕出かした事とは

今度は新婦(仮)とその祖母が遅れ突然現れた二人に呆然。

「・・・取り合えず、コレは回収するんで続きをどうぞ。 アレス、起きろ(ガスッ」 

ライがアレスを蹴飛ばし起こす向うでは、ルーがリオの顔の前に手をかざし

 「ホレ、眠れ・・・」

クテェと倒れたリオの肢体をライは抱え持ち、起きて混乱のアレスに一言。

「まぁ何であれ、最後まで責任もってケリ着けとけ」

直後、ルーの姿隠しの魔法にリオを抱え持ったライの姿は掻き消え

 「さて、私ぁ外の連中に誤魔化してくるかナ」

ルーは悠々と歩き去っていった・・・そして、偽りの結婚式は無事再開に幕を閉じ・・・

アレス、屋敷帰還早々に

「リオはっ!!?」

「・・・・・・」

無言のままライが差した先はリオの自室の方向。

とんでいったアレスに、ライも一応着いていく。

リオの自室ベットの上では当のリオが悩みごと等一切無いかのようにスヤスヤと

「精神が破綻しつつあったから、ここ最近の記憶は封印したそうだ。

この程度で取り乱すとは全く厄介な姫さまだな。うかうか浮気もできないぞ(笑」

「・・・ふっ。 しませんよ、そんな事・・・絶対」

「おうおう、言ってくれるぜ」

二人が賑やかにする為、リオは身じろきに目を覚まし

 「・・・アレスくん?」

「ああ、ココにいる」

 「・・・私、如何したの?」

「なんてことは無い。 ・・・倒れただけだ。疲れで」

邪魔しちゃ悪いと、ライは二人に気取られる事なく部屋から抜出していった。

片翼の鳥はツガイでなければ大空を翔ることは出来ない。 二人もまた・・・



都市国家シウォング。

古からの大国、王国ヴィガルドから争いを起こす事無く独立し

戦闘国家オブシディア・グラムス領,海洋大国アルトラスなど多くの国と

友好を持つこの国は全てたった一人の男から始ったと言われている。

真龍騎公ライ=デステェイヤー

彼がいなければ数多くの国と友好を持つことはなく、都市は母国から独立する事も無く、

虐げられた人々がコノ地を征する事も出来なかっただろう。

屋敷総員11人。 大体二人が出張に、日中二人程が麓の都市へ出向き・・・

それでも屋敷には四,五人が常駐してはいるが更に執務室となると、ほぼ二人っきり。

主たるライと秘書のレイハ。思い出したかの様に誰かが邪魔しに来るがそれでも・・・

朝食後から篭って上申書なり報告書に目を通して処理する事、しばし

 「・・・・・・」

静寂に、ライがふと目を彷徨わすと視界に入ってくるのは

補佐机で真剣に書類を処理している秘書なレイハ。

身体は微動だにさせず小さい眼鏡の奥の瞳を左右に動かして

繊細な指が書類の紙を撫で捲り、時折悩ましいその唇から溜息を漏らす。

意識していることではないのだろうが、それは非常に蠱惑的で・・・

不意に

かばっ

 「きゃっ、な、何でしょう・・・(汗」

背後から抱締めてみたり。

「いや〜〜別に〜〜。 仕事にあきたから、ちょっとな〜〜」

 「まだ、初めて一刻も経っていないのに・・・」

「関係ない。 ここでするのはひさしぶりだな・・・」

 「あっ・・・ちょっと・・・だめっですっ」

耳に吹きかかる息にヒクヒクと反応する肢体、スーツの前合わせから手をすべり込ませ

一方でタイトなスカートをたくし上げにピッタリ閉じた太股の間に手を突っ込み

それを根元に向かって這わせ・・・

・・・朝からこんな事してはいけない。 抵抗しないと。抵抗・・・

「ほ〜〜ら、そんなこと言ってる間に抵抗しなきゃ」

と男の手は股間到達に平が下腹部密着。そして指が股布を避けてヌルッと内に

 「ひゃぁっ!!? あ・・・ああっ・・・あ」

「ダメとか言いながらクノ一秘書さんは準備万端にこんなにも濡らして・・・」

男の手は完全に股間密着で立てた中が全膣挿入、指の腹がズリッと柔壁を撫で

一方でもう片手は服の中でブラをずらし、乳首をクリクリ摘みながら乳房を捏ね

耳シャブリに耳穴の中を舌が貪る。

 「ひうっ、ひっ、ひっい゛、い゛」

それでもレイハの手は抵抗する事無く机の上で書類を握りしめたままプルプル揮え

「お? 中が締まってきたな。 イきそうか?いきそうなんだな?」

 「違っぅん〜〜、ん〜〜〜」

否定しようにも、己の声に愉悦が混じっている事を悟ってしまい

レイハには何様も言えない。 

流されたい・・・でも、流されてしまうと・・・

そんな抵抗など端っから杞憂など知る由もなく困惑で更に快感を得

「イけ。 じゃないと耐えられないぞ? もっと激しくなるんだから」

 「っ!!?」

これが始めでしかないという事実がトドメに、レイハは絶頂へ。

見開いた瞳でガンっと頭が仰け反り硬直・・・

そして弛緩からクテぇと男の懐に身を委ねてしまった。

瞳は焦点が定まらず虚ろに、濡れた唇はヒクヒクと吐息。

「レイハ、可愛いくって本当・・・」

レイハが惚けた頭で理解できるのは唯一、これから果てるまで貪られるであろう事

だけで、その後が如何なるか等は分りきっているはずなのに一欠片すら思い浮かばす

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

アルシアが暇に任せ優雅にお茶をしていると、前を通過ぎるのは仕事中のはずの主

 「あらぁ、お出かけ?」

「おう、ちょっくら街まで行って来る。 それと執務室、レイハ寝てるから」

 「それをいうなら眠らせたじゃないのぉ? 悪い人ねぇ・・・」

「何なら、アルシアも気持ちよく眠らせてやろうか?」

 「ふっ、今は遠慮しとくわ。そんな気分じゃないし・・・」

と、妖艶な淑女はカップに茶を注ぎ立上る香りを楽しむ。

「・・・どうも野暮だったな。お詫びに土産、何かイイモノ見つけてくるとしよう」

 「楽しみにしてるわねぇ」

軽く手を振り去る男を見送り、女は物思いに耽る。

偶にはこんな風にノンビリした日も悪くはないと・・・

ライ達の健脚ならば都市 もとい街まではそう時間は掛からない。

都市拡大に、一般人の全力疾走並以上に軽く駆けて行けばモノの10分で縁に。

流石にソコからは人目もあるので歩いて行かざるえないが、それでも到着に

繁華街を散策し・・・

「オッちゃん、景気は如何?」

「良からず悪からずといった処だ。 何か買っていってくれ、アンちゃん」

「じゃ・・・女の子の好きそうなヤツ、適当に」

「デートかい?」

「いや、土産。」

「ほぉ〜〜。ほら、サービスだ」

「悪いね。 釣りはいらないよ」

ライは、果物が詰まった紙袋を片手に更に街を歩く。特に目的はない。

ただ街の賑わいを見、人々の生活に触れたいだけ。

たった一人が出来る事など、たかがしれてる。

人が集い、生活するからこそ街は繁栄し人を集めより賑わって行くのだ・・・

ライが適当に歩いているうちに町並みは変化に裏街へ。

ラフ兄貴な格好では目立つが、それでも気配にイチャモンをつけてくる者はいない。

と、向かいから慌ててやってくるヤクザもの数名。

彼等はライの前に来るやいなや一礼に

「ご苦労さまです。」

「おう、ご苦労さん。 如何した?」

「いえ、兄貴がこられたとお聞きしたので・・・」

彼等、ライの本当の正体までは知るはずもない。それでも態々挨拶しに来るのは

実力派幹部衆が一目おき、その上

「・・・シエル、来てないなら俺は知らないぞ。 猫は放し飼いする性質なんでね」

「・・・・・・・・・」

彼らのマドンナ(聖女)たるシエルを猫とのたまう。事実、彼らが見たシエルの

この男に対する態度は信頼する主に対する愛玩猫のソレ以外何ものでもない。

「だからと言って俺の家族に変なことしたら・・・ヤるからな、ワンころども」

「・・・・・・・・・」

んで、シエルの主たるこの男も血尿出させそうなマジ顔でいうから洒落にならない。

シエルが聖女なら、この男は破壊神。 しかも、あながち外れていないから・・・

何しに来たのかライは散々ヤクザ達を脅すと、そのまま裏街を通り抜けて

様々な職人達が住む匠街へ。  鍛冶屋への冷やかし半分、稀少物を扱う商店で

アルシアへの土産の茶葉でも買おうと思いながら路を歩いていると

 「らいー―っ!!!」

不意をついてウリャーと腰へタックルをかけ跳び付く幼女。

しかし、ライは事前に察した為よろめく事無く到って平然。

「全く・・・俺が反応してしまったら大怪我ものだぞ、こら」

 「ふふン、御主はそんな愚をしはしないサ♪」

ライの腰にしがみつきながら前に回って見上げるのは

街並みと似合わぬゴスロリなルー。

「・・・ふ〜〜(呆。 んで、こんな所で何を?」

 「鍛冶師が魔導具を造るとか云々の話で、様子見ダ」

「・・・・・・」

最近では魔導院の術と匠の技を組み合わせ優れた技術開発に精をだしているのだが

この元魔女な幼女魔導師には知ったことではなく、役目だから一応仕事をしただけ。

大方、担当の魔術士を連れて説明したまではいいが

鍛冶仕事を見ているのに飽きたのが正直な処だろう。

んで、慣れた気配を感じたので「帰る」とか言って飛び出し・・・

 「ンで、御主はマタ何を? 散策か?」

「そっ。」

 「・・・御主、仕事サボったナぁ? 黙っててやるから(ニヤリ」

「一応、片付けて来たんだけど・・・

・・・偶にはいっか。余り高いモノはダメだからな」

 「ン〜〜だから、御主好きダ。 今度、たぁ〜っぷりサービスしてやるから」

一見、娘が父親に甘えているかのような光景に人々が微笑ましく通り過ぎる。

しかし、その実を見ただけで解かる者などいはしない。

幼女に見えるルーが、実は齢数百年を数えた元魔女などという事など

なんせ今や殆ど見た目そのままな精神年齢の少女なのだから。

しかし、横柄に言葉使いは年寄り臭く魔導知識と性の体験は侮れない事実も

「で、何を買って欲しい?」

 「ん? ん〜〜〜、・・・ぬいぐるみ?」

「・・・んで、部屋の肥やしになる と」

 「ええぃ、ほっとケっ!!! 御主を人形にしてしまうゾ」

「それで、俺がルーで人形遊びするってか?」

 「・・・・・・(ポッ。 イャン(クネクネ」

「・・・買ってやるけど先、茶葉みてからな」

 「・・・(エ〜〜、オ〜〜、ア〜〜」

顔芸に精だす幼女を肩車し、ライは目的地目指して歩き始めた。

日が射しポカポカと暖かい執務室。そのソファの上で横たわり毛布を掛けられ

まどろむレイハ。ゆっくりと開く目は普段とは打って変わり幼げで・・・

 「・・・はぁ・・・逃げられた(泣」

状況を察し、涙ぐんでしまった。 最も懸念しているデスクワークなら

レイハが気を失っている間にライがある分全て片付けてしまっているのだが

同じことを何度も繰り返されているにも関らずレイハはその事を気付いてなかったり。

兎も角、毛布の中でグジグジと蠢き・・・

忍であるレイハがイって気を失ってしまうだけあって、体位はアクロバテックに

股裂けそうなほど開脚で内の柔壁を万遍なく擦り上げられ、愛されてしまった。

だから今、レイハは股間の感覚がハイレグの形で無いような変な感じ。

でも、それが妙に気持ちよかったりして・・・

と、いつまでも時間を費やし主を野放しにして置くわけにもいかない。

腕の力を使って上半身を起こし捲れ落ちた毛布の中から現れたのは

スーツ,シャツを羽織っただけに情事の後の感そのまま・・・

というわけでもなくちゃんと綺麗に拭いてはあった。 

流石に胎奥へ精尿並にドップリ吐き出された残滓はそのままだが。

 「んっ・・・。 うう、妊娠してしまいそう(泣」

ヌルリと胎奥で流れる液体の感触にレイハは年相応に情けない顔でショーツを探し

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

目に入る場所には無い。 情事を思い出す・・・

適当にその辺りに投げ捨てられたはずなのに。 それでもない。

いや、そもそも一度完全に剥かれたのにココまで着せてあって

ショーツのみないという事は

 「っ!!? ライの・・・スケベぇっ」

庭先、芝の上で寝る白犬(銀狼)が響き渡る声に マタカと片目を開け方耳を振ると

クアアアアと欠伸に、再びまどろみ・・・

アルシアのお茶とは必ずしもずっとお茶を飲んでいるわけではなく

お茶を片手に、分厚いノートをカキカキと新しい薬を考えていたりする。

今日は若い面々が外庭仕事に精を出してるので、遠慮なく居間を陣取り。

其処へやって来たレイハ、来ているスーツも仮着状態で乱れ御団子ヘアもボサボサ

 「アルシア、ライを見かけませんでしたか?」

 「あら。ん〜〜〜、随分前に出掛けちゃったけどぉ?」

手届かずな状態に、床に崩れ落ちガックし。 もはや立つ気力すらない。

ここまで来るともう、単に陵辱された後の娘・・・

 「・・・取り合えず、お茶で一息ど〜お?」

 「はい、いただきます・・・(泣」

それでも憔悴しきった顔でアルシアの隣席に腰掛、渡されたカップに手を添える。

 「ライ、確かに賢い主とは言いがたいけど、そんなに心配する必要も

ないんじゃないかしらぁ? 一応、ちゃんと仕事してるっぽいし・・・」

 「それでも、勝手に・・・ちゃんとしてくれなければ困ります」

 「私達にそれは今更って気もしなくもないんだけど」

流石年上にアルシアは宥めるが、割りに頭が固いレイハには如何にも

 「当初と今では事態が異なってます。もはやライは本当に一国の主なのですから」

 「そーよねぇ。 今じゃレイハもあっさり籠絡されちゃって・・・」

 「!!?」

 「ライの匂い、してるわよぉ。髪もそのままにしちゃって・・・全く、痛むじゃなぁい」 

とアルシアはレイハの背後に立ち、お団子解放で数度スッスッと手串ですいで解し流髪に。

アルシアが見た目通りの女だけならば、爪弾きに屋敷には入られないだろう。

しかし、元神官だけあって優しく細やかな心使いが出来る淑女でもあった。

ある意味、レイハにはイイ姉御分。 見た目は相反し妖艶ではあるが。

 「すみません。ありがとうございます」

 「ホント、仕方ないわねぇ・・・私たちの主は。」

そして、姫達は主をネタに笑い時を過すこと暫し・・・

不意に

チリンチリン♪

 「お客さまみたいねぇ」

 「っ、こんな格好なのに・・・」

呼鈴に慌てるレイハは身体を流すつもりだったので、情事後のスーツのまま。

幸い変な汚れや皺はないが、今からでは髪を結い直す時間もない。

 「あら、それでも大丈夫よぉ。髪が気になるようなら、これで・・・」

アルシアは側の綺麗なチリ紙で紙縒りを作ると、レイハの髪を首後で纏める。

紙縒りは意外に丈夫なので十分に役立ち、しかも紙が黒髪と相まって中々神秘的。

 「では、いってまいります」

 「はぁ〜い♪」

手を振るアルシアに見送られ、格好はスーツでも巫女の如きレイハは玄関に。

そこで待っていたのは、小荷物を携えマントで全身を覆った不審な者。

外のルナが通したということは害意無いと判断したからだろうが・・・

 「どちら様でしょう? この屋敷には何用でいらっしゃれましたか?」

 「ライ=デステェイヤーは居られるか? 真龍騎公と謳われるシウォングの王は」

声は年頃に若く凛と男か女か判別がつかない。目に見えているモノはイイものである事から

使者の類と判断出来るが、普通の外交関係ならば間違えて役所に行くのが常で

そこから直ぐに屋敷へ連絡がくるのだが・・・と言う事は、この者は特殊な・・・

 「その前に私の質問に答えていただきたいのですが。 お分かりになられますね?」

でなければ攻撃も厭わないレイハの気配に、マントの者は仕方ないと

 「私は竜妃メイフィア。神国コンロンの姫」

とマントを除け見せた素顔は、褐色の肌に鋼色の長髪,鋼色瞳で

見た目レイハより年下は確かに何処と無く無垢な感の娘。

神国コンロンとは、審判者,現世の管理人の国と言われているが

その実は並の国であり、皇族に関してだけは殆ど謎に包まれいてる。

この国の皇族の者が動く時、決して起きては成らぬことが起き

「大崩壊」を防ぐために行動していることだけは確かである。

その、神国からの使者とは・・・

 「・・・神国コンロンの姫君が遠路はるばる態々、我が王に何用でしょう」

 「眷属に話す必要はない」

その非友好的な態度にレイハが詰問態度に出る前、竜妃と名乗る娘の瞳が

一瞬で縦割の龍眼に。それと共に漂う気配は金龍眼となったライと同質の・・・

仮にも一騎当千の戦忍であるレイハが無防備なはずの竜妃に圧され、身動きすら出来ず

 「・・・」

 「居られないのならば帰られるまで待たせていただく」

竜妃の瞳が人のそれに戻ると同時に、レイハの身体も自由に。

しかし、背筋は今の出来事のみで冷汗に濡れてしまった。 恐るべきは・・・

 「・・・解かりました。 では、居間の方へ」

抵抗しても無駄となれば、出来るだけ穏便に事を済ませるしか手はなく

案内に二人共々居間へ。

 「あら? ・・・」

レイハの連れてきた客を大凡如何いう者か見抜いたアルシアは早々に接客で

座ったメイフィアの前に「どうぞ」と香り立つ茶を差し出す。

女性が三人もいるのに居間を支配するのは沈黙。 その中で火蓋を切ったのはアルシア。

目配せでレイハに黙っているよう指示しつつ

 「貴女、変った雰囲気ねぇ。何処の方?  私はアルシア。ここの主の姫の一人よ」

 「・・・竜妃メイフィア、神国コンロンの姫。  貴女も眷属か」

 「眷属? 確かに私は元神官だけれども・・・」

 「虚ろなる神などっ。 私が語るは生神のみ」

 「それって、ライの内にいる破壊神の事かしらぁ?

 私、アレの眷属になった覚えはないわよぉ」

 「そもそもの間違いは、たがえる事。 真龍騎公はそれの人の器でしかない。

 眷属なれど只の人の身に語った処で理解など出来るわけはないか・・・」

端より、この娘は人 アルシア,レイハを対等に見てはいない。

辛うじて、対等に見ようと努力している節はあるが・・・

しかし、御陰でそれなりに情報は手に入った。

竜妃がココに来たのは国云々は関係なくライ自身にあり、以外は興味無い と。

それだけだが、それでも大きな収穫である。 流石はアルシア、欺の姫。

兎も角、今はライの帰りを待つしかなく・・・不意に

 「っ!!?」

びくっと反応に、見る見る朱に染まっていくレイハの頬。

 「・・・(如何したの?)」

 「・・・(いえっ、その・・・中から垂れてきて・・・太股に)」

 「・・・(・・・ああ、ライの精液ねぇ。 ホント・・・お風呂行ってらっしゃい。

 この娘、放っておいても大丈夫そうだし。 皆には私から言っておくから)」

 「・・・(・・・よろしくお願いします)」

レイハは身体を強張らせながらも一礼して足早に去っていった。

パンティさえあれば多少気持ち悪くとも・・・全く、難儀なものである。

兎に角、アルシア一人で客人の面倒を見なければいけないのだが・・・

時間的にもう直皆そろうだろうが

メイフィア、身体を覆うマントから腕と頭は覗かせているものの今だ旅姿。

 「メイフィアさん貴女、室内なんだからマントお預かりしましょうかぁ?」

 「・・・いや、結構。今日は話のみ」

 「あらそう・・・。 今日はドチラにお泊り?」

 「・・・・・・」

 「だってほら、数日滞在予定ならココに泊まった方が色々とお徳じゃなぁい?」

 「・・・いいのか? 主を差し置き勝手にそんな事を決めても」

 「い〜のよ、い〜のよ。 どうせライだって同じ事言うのは解かっているんですもの」

笑いながらパタパタと手を振るアルシアに、メイフィアは理解しかねる顔。

と其処に、庭仕事を終えたか使用人なリオ達3人が番犬(?)をしていたルナも連れて来た。

 「あら、お客様ですか?」

 「ええ、神国の姫君よぉ。ライへのお客様」

 「えっと・・・」

それは、使者なのか押しかけ姫なのかドッチ? と皆複雑な表情。

一番後ろで様子を伺い戸惑っているルナを除き・・・

意外に、メイフィアが興味をもったのは姉弟。

立つと二人を その向こうの何かを凝視しようとする。

 「眠り着きしモノを・・・この程度なら端より修正範囲か・・・」

「「・・・??」」

一人納得すると、今度は隠れた状態になっているルナの処へ。

 「・・・くぅ〜〜ん」  何でしょう・・・

 「気にする必要はない。 私は戦を旨とするもの。

管理を旨とし、未だ幼体の君が私に張り合うのは酷な話」

 「わぅ〜〜(困」

神国の竜姫の顔は今までと打って代わりらしく優しい顔で

戸惑いに縮こまる銀狼少女の頭をなでる。

しかし、それがアルシア達に向かうと毅然と・・・端より相手にしていない感。

取り付く暇もないので、手の出しようがない。 だから家事に勤しむ事しばし・・・

屋敷に向かう道を、両手に買物袋を携えいた男とゴスロリ幼女を肩車する逞しい黒猫娘。

言わずもかなライ,ルーと、軍顧問の仕事を負えて街外れで合流したシエル。

そして、ほのぼのと歩く三人の視界に入ってきたのは屋敷の門と

その前でスーツ姿に流髪で顰面の女性。 サッサと身体を洗い帰りを待っていたレイハ

「・・・・・・」

 「なぁライ、御主レイハに何かよからぬ事をしたナ?」

 「ん。 機嫌が悪い」

「よからぬ事といたって、毎度してる程度だぞ。」

 「でもアレは・・・可也・・・」

「俺のせいか? 俺が悪いのか? ・・・あ〜〜、帰りたくない(泣」

 「アキラメロ。 既に射程距離内ダ」

二人は我関せずにスタスタとライを残して行き、レイハの横を通り過ぎて屋敷の中へ。

ますます遅くなるライの歩みに、ついに待ちかねたかレイハの方からライの元へ

「よ、よう。ただいま・・・」

 「・・・・・・。 お客様がいらしてます。神国コンロンから姫君がいらしています」

レイハが怒っていない事の安堵に、ライの表情はマジメに。

「・・・押しかけ姫じゃなさそうだな」

 「人あらざる者としてのライに用があるらしく・・・私を眷属とか」

「眷属? 眷属・・・眷属ね。 其処まで知っていて俺に何用だ」

 「それは御自身で確かめていただくしか・・・」

「ふむ・・・。 行こうか」

今は秘書より巫女なレイハを連れて、真龍騎公は神国の姫君の処へ。

居間では皆、己の事をしながら遠巻きに客人を見・・・

ライは四姫を従え、その前へ

「自分がライ=デステェイヤーだ」

 「・・・神国コンロンの竜妃メイフィア」

「それを証明するものは?」

 「・・・ならば、これで」

その瞳が縦割の龍眼に凄まじいまでのプレッシャーが。

しかし、レイハが感じるのは先と変り、護られているかのようで可也ましである。

「・・・、まぁいいだろ。それで、話というのは?」

 「眷属の者にも聞かせて構わないのならばココで話すが?」

「・・・・・・」

ならばと二人は執務室へ。 部屋を完全に締切ってようやく二人は席につく。

「それでは改めて、話というのは?」

 「・・・貴公は本来、運命に存在しない。 正しい運命は人に創られた神

否、神モドキにより其の国は滅び 戦乱に多くの命が奪われるはずだった。

そして当然、貴公の国も存在などしてはいない。」

つまりそれは、王国ヴィガルドは件の事件で国の良心ともいえる

守護騎士団,神殿戦士団は やはり壊滅に、戦乱の時代へと突入。

多くの命が奪われ・・・

「運命なんてものは己の力で幾らでも如何様にでも変るものだと思うが?」

 「それは一個人,少人数だけの話。貴公のように多くの運命を

捲き込むモノならば当然、運命に存在しなければならない」

「・・・話を聞いてると、君は運命を知っているような素振りだな」

 「詳しいことならば、元は魔の贄であった眷族に聞かれるといい」

「それは・・・ルーか?」

 「貴公にはこれ以上運命を狂わさぬようコンロンへ来て頂かなければならない」

「・・・感じからして、そのまま座敷牢にでも放り込むっぽいな。

悪いが俺は縛られるのがイヤでね。 それを断れば?」

 「勿論、貴公を殺さなければならない。『大崩壊』を起こさないためにも・・・」

メイフィアは淡々と、それだけで言っている事が伊達や酔狂でないことは分る

「・・・ふぅ、決定だな。 それでいつ俺を殺すつもりだ?」

答えるライも己の命など関係なく、単に旅云々の話をしているかのように冷静である。

 「今日明日とは言わない。 貴公に道を定めるまで、暫しの猶予を」

「そりゃ、ど〜〜も。 時間が経っても心変りはしないと思うけどな。

・・・・・・それで、君の用件はそれだけなのか?」

 「・・・・・・」

黙して語らず真摯に頷くのみ。 メイフィア、元々真面目な性分らしい。

「それで猶予期間、君は如何するつもりだ?」

 「麓の都市の宿に滞在を」

「・・・結構悠長だな。間に逃げるかもしれないのに」

 「私から逃れる事はなど出来はしない・・・」

と、目の前の乙女の瞳が龍眼に変り、更にその肢体を覆うマントがボコボコと蠢く。

「・・・覚醒の上に変態か。大した自信だ。 あ〜〜恐い恐い」

真剣な表情から一転おどけて見せるライに、メイフィアは変態を止め瞳も元に。

仮にも人外の面をもつライにコレを見せるという事は未だ切札を持っているのだろう。

 「・・・分っていただけたのなら」

「そうだな、態々降りて昇っても手間だろう。屋敷に泊まったらいい」

流石の竜妃もコレには唖然。暗殺を宣言するものを身近に置くとは

 「・・・・・・正気か?」

「いたって正気だ。 それで判断すればいい。俺を本当に殺すべきか否か」

 「それこそ悠長。貴公は運命を狂わし過ぎた。

それ故・・・貴公が英雄か殺戮者かはもはや関係ない」

「ふぅ、さよけ。 まぁ、一度泊まれと言ったからには泊まっていけばいい」

 「・・・私を簡単には殺すことは出来ない」

「ンナ事はしねーよ。 俺は、その時に正面から撃破るっ!!!」

 「・・・イイだろう。貴公の挑戦を受け、ココに泊まらせていただく」

「いや、別に挑戦してるわけじゃないんですけどね」

 「・・・・・・」

自信があるのかないのか、何処まで本気かつかみかねる態度。それでも

謳われるだけあって前向きな性格に、善処しようとする姿勢はうかがえる。

再び二人は居間へ戻り、リオ達に部屋の準備をさせる一方で

竜妃の相手を銀狼少女に。

「と、その前に、ココに泊まるんだからマント脱いだらどうだ?

何なら洗濯させるけど?」

 「・・・いいだろう」

マント脱ぎ曝した内の姿は、良く似合う蒼系で背が剥出しミニスカの一枚造りの衣装。

これで派手に縁取りすれば決戦衣装としても・・・肌の色からしてルナと対照的。

そもその服の材質自体が

「服、普通と違うな。ルナのソレに近いが?」

 「・・・これは天蚕糸と不滅金(オリハルコン)を元に編んだモノ」

「ルナのソレも、俺達の戦闘服も似たようなモノだ。 扱いも多分同じだな」

 「・・・・・・」

ある意味、最高軍事機密をサラリと・・・手に入れた処で普通は扱いきれないのが

関の山なので普通は大丈夫だが、それなりの相手という事を失念しているのか?

「他に服もっていなさそうだから幾つか用意させて置こう。気にせず着てくれ」

いぶかしむメイフィアと話の内容が分らず首傾げるルナを残し、ライは居間を去った。

其処へ行く途中の廊下で待っていたのはレイハ。

秘書で忍である故に、屋敷の安全を受け持ってしまった以上何を話したか気になる。

そもそも、ライはそういった事を禁じる達でもないし。

 「ライ、今ちょっとよろしいですか?」

「まぁ、ちょっとで済むのなら・・・」

 「客人とは何を話されたのでしょう。 彼女は・・・」

「彼女か・・・早い話、神国から来た刺客 といったところか?」

 「は? だ、誰を?」

「俺。」

 「・・・・・・」

神だ眷属だわけが分らない上に、ライを殺しにきてソレを当人に話したと?

「まぁ、簡単にいうと俺は「運命」には存在していないそうだ。

んで、俺がココから動く気が無いので「大破壊」が起きないよう修正すると」

 「何をおしゃっているのか理解出来ないのですが・・・」

「レイハは現実主義だからな・・・様は、俺がそれだけ物騒な存在だったって事だ」

 「そんな事・・・では、彼女を」

レイハの顔が、女性のそれから戦士の 忍の 暗殺者の顔へ。

「止めれ。 そうさせないために彼女をココに置いたんだから。

どの道、レイハでは手に負えない。 彼女は神人だからな・・・」

 「・・・神を殺す毒もあると聞いた事があります」

「もし彼女を殺すことが出来たとして、そうするとソレが誰かの思い通りの気がしてな」

 「???」

「・・・つまり、俺は誰も殺す気はないし死ぬ気もない。

今は、その時までは安全だから安心しろ」

 「・・・わかりました」

渋々ながらもレイハは納得した。泣顔に戸惑ってはいるか。 その娘へ額に接吻し抱擁

「よし、イイ子だ。 それとコノ事は二人だけの秘密」

 「・・・はい。」

それだけで懐の娘の身体からは力が抜け、声も何処かぼんやりと・・・・・・

コンコンコンとノックに、ルーが扉を開けると其処にいたのは主。

「今、いいよな?」

 「ああ、構わんゾ。」

そもそもルーがこの遊び部屋にいる時点で全然問題ないのだが。

散らかった部屋で唯一開いた場所。其処に居座るコタツに二人は陣取る。

「このコタツってやつはマッタリしていていいなぁ・・・」

 「ウム、このコタツほど偉大で平和な発明はそうはあるま〜〜い

んで〜〜、夕飯前のコンナ時間に態々何用なんだぁ〜〜」

早々にタレ始める幼女。こんなことなら懐に入れて置けばよかったか?

「ああ、「運命」と「大破壊」の関係について一寸聞こうと思って」

 「それは・・・ん〜〜、分り易くいうと「運命」というシナリオがあってナ

実際起こった事が「運命」から外れ過ぎると、「大破壊」で修正されるわけダ」

「分ったような分らないような・・・」

 「そうだナ具体例を上げると、昔「時詠」達の詠んだ時と関係無に魔王が降臨した。

魔王は大いに暴れまくって、結局英雄達に倒されたらしいが・・・大地震に文明ごと」

と幼女は出した可愛らしい拳をパッと開く仕草。

「・・・差し詰め、俺は魔王か」

 「実際如何なんだろうナー。 そう言えばコンロン皇族の連中は

その文明の「時詠」末裔とか聞いたことがあるゾ。 フム・・・まぁ眉唾か」

「兎も角、運命云々言われてもなぁ・・・そんなもの分らないし」

 「・・・いや、分らん事もないんだナ コレが」

何を思い出したかルーはゴソゴソとコタツの中を弄り、引っ張り出すのは

以上に大きい魔杖「魔魂」。

「・・・どんな召喚の仕方だ(呆」

 「万物の情報が集うモノがある。それは神々の記憶(アカシックレコード)。

図書館(ライブラリー)とか、倉庫(アーカイブ)とか、中央経典(セントラルドクマ)

とか言うが・・・早い話、「運命の書」ってヤツだナ」

「・・・・・・」

 「「時詠」の連中はそこから「未来」の決定事項を詠んで語っておるのが大半だ。

流石の私でも未来は本質的に検閲かかって見れんが、現在,過去は見れない事もナイ」

「・・・悪い、ちょっと話ついていけない」

 「つまり ダ、この神々の記憶を見れる事こそ大魔導師の必須とも言えるのダぁ」

「・・・つまり、自慢したかった と?」

 「ち〜が〜う〜。 御主なら辞書を引く事がどんなに凄いことか分るだろうが。

図書館で素人が司書無に自分の見たい本を探すのが如何に難しいか想像できるダロ」

幼女ルー、自分より大きい魔杖振り回し地団駄。

「そりゃ、まぁ・・・なるほど。 やっぱり自慢したかったのか・・・」

 「んにゃあああああっ(地団駄じんだんだジダンダ」

やはり、女の子を困らせるのは楽しい。困らせていても話が進まないので

「・・・冗談。 純粋に、ルーはスゴイ」

ナデナデ

 「本当か?」

「ああ、本当本当」

涙目な幼女を抱擁にヨシヨシと・・・これで機嫌が良くなるんだからチョロいものだ。

心機一転、ヤル気満々満面の笑みなルーは魔杖を振り回し

 「それで御主は如何したいんダ?」

「そうだな・・・神の本当のシナリオが知りたい。現在と過去

俺が最初に傭兵になった当初から今現在の、本来のシナリオを・・・」

 「??? 変な事を言うな、御主・・・マァそれなら簡単に。

 んで、私だけが見るか? それとも御主自身が見るか? 

そうなると、初めての御主には多少危険が伴うが・・・」

「・・・簡単にどんなんかを教えてくれたらいいから」

 「フム、その方が手っ取り早く楽だしナー」

とルーは魔杖一閃に帯状魔方陣が球となって浮いたルーの身体を包み隠し・・・

・・・・・・・・・

暫し後、魔方陣解除にルーの顔はワケワカランと疑問符。

「んで、如何だった?」

 「あ〜〜、私等、死んでおった。

シエルは幼い頃に変態貴族に絵飼われて、そのまま日の目を見ずに剥製。

アルシアはPRに苗床として嬲られて耐え切れず廃人に。で、後は肉人形で使い捨て。

私は御主と出会う切欠の、アノ変態魔導師の不意打ちで捕らえられ永遠に実験生物。

レイハは任務に失敗して拷問され、ツカイモノにならないと実の父親に処分。

つまり・・・ライ、御主によって私達は生き長らえた、らしいナー。

ってことは、私等も亡霊かァ?」

「ふぅ、だから眷属か・・・」

 「オ? ソレ、ナイスな言い方。私達は「御主」が御主であるための鍵でもあるからナ」

「??? 如何いう意味?」

 「御主、以前私等を贄に破壊神 んにゃ、意志を持った戦龍神となったダロ?

私の時は炎の力に、破壊を操って。シエルん時は地の力に、驚異的な生命力。

アルシアの時は水の力に、調整,調和。 となると、レイハは風の力か・・・」

「・・・話戻そうや。」

 「何の話だったか・・・ああ、眷属? つまり、神としても人としても

私達4人を直接助けた御主は私達の主という事ダ。御主が存分に力を振るう為のナ」

「何か未だ話、ズレてるぞ。 つまり、本来の神のシナリオと現状況は

余りにも違っているわけだな? 「大破壊」が起きるくらいに・・・」

 「その辺りは多分御主の予想通りダ。 「大破壊」かぁ・・・

まぁ、もし起こるとしたら滅びる分は御主が関った処丸々だナ」

「・・・・・・・・・」

無表情に己の額を指で擦るライを見て、その心中を察しルーの顔が珍しく悲しみに歪む。

 「御主・・・ンナ出鱈目な事に、自分を犠牲にしようと考えちゃいないだろうナ?」

「まさか。 俺がそんな性分に見えるか?」

 「大いに見えるゾ。 御主は自分の為と言いつつ人の為に行動する男だからな」

「大丈夫。安心しろ。 責任放ったらかして消えるほど俺は図太くないから」

 「・・・その言葉、信じてるから」

たったルーは未だに座ったままのライに近づき、その顔を抱擁する。

恋人がそうするように・・・命尽きるまで皆共にいられるよう願いを込めて・・・

・・・・・・・・・・・・

「・・・処で、ウチの他の連中のもヤッパリ?」

 「ンニャ。 カインは守護騎士団崩壊で、実にヤツらしく女に刺されノタレ死。

リオとアレスは向うでも運命的な出会いを果たしておったナ。ソレまでは冒険だが」

「・・・それでカインは眷属でないと? それはそれで嫌だけど」

 「ヤツが死ぬのはヤツ自身の行いのせいだからナー。御主に運命を狂わされたクチだ」

「ルナとディは?」

 「ルナがこの都市に来る事になったのはこの都市の影響っぽいナ。

最初っから最後まで、野山を元気に駆け回っておったしー。

ディは結局家出に騎士目指す魔導士ダ(ケケケ」

「俺に引き寄せられたか・・・世の中、結構巧く出来てるモノだな」

何事も、成るようになるものである。

幾ら神経が図太い(?)ライと言えど、暗殺を宣言した見知らぬ者と早々に共にいて

くつろげるわけもなく、彷徨った末に辿り着いた先は屋敷の図書室。

部屋一杯の本棚の本、その大半がルーの持ってきたもので後は皆少しずつ加え買い足し

現在に至る。だから本の種類は神話から禁書,各種専門書,料理,エロ小説等々と多彩。

流石に読むだけでもヤバイ魔導書はルー管理の元で別処に封印してあるが。

「そういや、あまりココで本を読んだことないな・・・」

暇潰しには丁度いいと手近な本 勿論エロ小説などではなく禁書な神話を片手に

部屋の隅になる机へ。其処を占領して暫し静寂の時間を過す・・・どれくらい経ったか

「!!?」

足元には床に乙女座りで目を瞑っているワイルド黒猫嬢シエル。気配に見上げ

 「ん? どうした?」

「それはコッチの台詞。何やっているんだ?」

 「ん、別に。 側で座ってるだけ」

「そりゃ見りゃわかる。 毎度・・・シエルは行動が猫だなぁ」

 「ん? ん・・・」

シエルの頭の位置は丁度、椅子に座ったライの太股あたり。存在に気付いてもらったなら

これ以上気を使う必要がないので、くっ付き凭れる。

本当なら子供みたく膝の上に座って抱き付きゴロゴロしたいが

図体がソレを許さないのでコレで我慢と。

「ふぅ、全く・・・・・・。 ・・・神話ってヤツは、一見物語っぽいが

歴史書とみると中々に色々な事が分ってくるもんだ。姫を狙う荒神を英雄が救う下りは

姫を肥沃な土地,荒神を災害,英雄を人の英知 なんて風にな。」

 「・・・・・・」

聞いているのかいないのか、シエルは満足げに咽喉をゴロゴロならすだけ。

それでも構わず話を続ける

「でも、如何しても他の解釈が出来ずそのままの意味しかとれない処がある。

神は己を模して生物を造り、人は至高神に似せて作られた。・・・手駒として。

結局、神は見捨て世は人のモノになったわけだが、それでも人は神々の記憶に

支配されている・・・。 なら、神々の記憶にない存在は別の神が用意したのか」

段々険しくなっていく主の顔を見ながら話を聞くだけ ではない。

 「ライが何者に用意されたのであろうと、私には一考に問題ない。

ライがライだからこそ、私は好きになってこうして側にいる。皆もそう。

だから、何を気にしているか知らないがライの思うように行動すればいい」

「・・・ふぅ〜〜、実にシエルらしい考え方だ」

 「ん。」

気が抜け笑みが零れた主に、シエルも笑みで答えた。

いつもなら、客人がいる食卓はそれなりに賑やかなのだが今回は別。

メイフィアとライ・・・というより四姫の間に妙な緊迫感が。ライ当人はうんざり顔。

 「・・・(ねぇアレス君、今回のお客様もやっぱり・・・)」

「・・・(・・・にしては皆殺気立っているな)」

メイフィアの真の目的を知っているのはレイハのみだが

行き成りライが珍しく悩めばその原因が突然の珍客と想像するにやさしい。

その上レイハがメイフィアに敵意を向けていれば、他三人も自ずと・・・

「コラコラコラ、態度悪いぞ。子供じゃないんだから・・・

ソコ、指で指さないっ。牙向くなっ。三白眼で睨むんじゃないっ。」

 「「「・・・・・・」」」

 「そんな事言われてもねぇ、彼女で貴方が悩んでいるように見えるんですもの」

「確かに間違っちゃいないが、彼女が来てくれた御陰で俺が助かったのも事実だ。

どうせ彼女は数日滞在したら帰る身だ。仲良くしろとは言わないから喧嘩もすなっ」

何が如何助かったか聞きたいと四姫の目が聞いちゃいるがライは答えない。

と、四姫の敵意も関係なく黙々と食事していたメイフィアはサッサと食事を終え

 「ご馳走様。」

席を立ち、早々に居間を出て行ってしまった。恐らく、用意した部屋に行ったのだろう。

 「ウキーっ!!! 何だアノ小娘? 失礼にも程があるっ!! 皿ぐらい下げろ」

「・・・ルー、それは自分も言われずするようになってから言おうな」

それでも無事その日は過ぎ、翌日

早朝からライを中心に屋敷の面々が鍛錬。

カイン,ヒルデは端から出張中なので屋敷には居らず、ルーも朝低血圧かつ魔導師なので

朝錬には基本的に不参加。アルシアは気紛れに来て参加すること半分で今回は休み。

だから、アレス&リオがディ&ルナの面倒を見て

ライはシエルとレイハを二人同時相手に偽得物で。

それを己の存在を隠す離れた処で腕組んで見物する神国からの刺客メイフィア。

 「ライっ!!」

「おうっ!! レイハっ!!」

ライはレイハの一太刀を受け止めた処で、シエルの死角からの一蹴を叫びに受け応え

その勢いをレイハの脇腹を狙った掌抵にのせ、避けられるよう知らせつつ撃ち込む。

 「!!?」

しかし、メイフィアの存在に注意力散漫だったレイハはそれに反応できずに

慌てライが腕を止めようとした時には遅く、一撃は必殺並の威力を持ったまま

その柔らかい脇腹へ吸い込まれ。

レイハの身体は撃ち飛ばされ、そのまま地面をゴロゴロゴロ。

「レイハっ!!?」

ありえない事態に皆が呆然とする中、ライが慌て駆け寄り半身を抱き上げる。

抱かれたレイハもまた、土で汚れた顔を仰天に目をパチクリ。

 「えっ・・・私・・・ あっ、大丈ぶっ!!?」

慌て立とうとするも、脇腹の激痛に硬直。 そのままハッハッと息荒く悶える始末。

レイハは筋肉量が元々戦士で無いアルシア並。如何しても回避中心に撃たれ弱い。

それでこの程度ですんだというべきが・・・

「モロに入ってたからな、もしかしたら骨まで・・・兎に角、今は少し休め。

シエル、暫くレイハを預かっていてくれ」

と、レイハを姫抱きに担いで猫娘に直接手渡す。シエルはそのまま広場外れまで行き

木の下に腰を降ろすとレイハを抱いたまま咽喉をゴロゴロゴロ。

「さて・・・と、俺の相手がいなくなった事だし・・・

メイフィア、折角だから少し手合わせしてくれ」

 「!!? それは・・・」

ライの行動にレイハは止めようとするも結局沈没にシエルの懐の中。

「使っていいのは魔法まで。後は素手のみなんてどうだ?」

 「・・・・・・。いいだろう」

何の表情も浮かべず歩いてきた竜妃は素手の真龍騎公と相向い

相応に豊かな胸前に構えた腕の手から伸びるのは魔法の刃。

「うわっ、ひでぇ・・・」

 「・・・安心しろ。斬られた処で死ぬようにはしていない」

「・・・なら」

徒手空拳、構えたライの姿が消える。 と、同時にメイフィアの姿も。

瞬後、あちらこちらで打撃音が響き

その高速戦闘を皆、微動だにせず眼球のみを動かして追う。

刃を拳で受け止めたと思えば拳を刃で受け止め、蹴撃を後転で回避に飛び込み・・・

メイファは着た時の衣装、蒼系で背が剥出しミニスカの一枚造りだけで生足なので

派手に動き高い蹴撃を放つ毎に悩ましく脚線美やその付根の股布に覆われた大事な処を

無防備に曝してしまっているが、それどころではなく

 「だ、団長とタイ・・・」

「まだ、強くなっているのか・・・あの人は」

「ば・・・バケモノ(汗」

 「・・・わぅ」すご

それほど二人は本気だった。それでも御互いリミッターをかけた状態で。

そんな二人がいつまでも戦っていられるはずもなく、刹那の悠久後に離れ立つ二人。

メイフィアは両手に魔法の刃を、ライは魔法の拳甲を発したまま。

「さて、まだ続けてみるか?」

 「其方がその気ならば」

「じゃあ俺は十分満足したことだし・・・」

男のから魔法が消えると共に、女もまた己の魔法を解き背をむけて歩き出す。

「???」

 「・・・幾ら私でも、ずっと睨まれているのは気分がよくない」

穏やかに咽喉をゴロゴロしてるシエルに抱かれ、レイハは射殺さんばかりに睨んでいた。

「はぁ、全く・・・今日はこの程度にしておこうか。 レイハ、動けるか?」

 「はい。 はぐっ・・・」

結局ダメらしく、立とうとして脇腹を押さえてしゃがみこむ。

露出している肌に脂汗を浮かべ、苦悶に顔を歪めて

「・・・皆、先に帰っていてくれ。話す事があるからレイハは俺が運んでいく」

仕方ないと苦笑な猫娘を筆頭に、悦びながら不潔と叫びそうな娘を相方が引き摺り

弟達も呆れついて行った。その姿が完全に見えなくなってようやく

ライはしゃがみ込んだままのレイハの方へ振り向き見下ろす。

姿は戦闘訓練の為に動き易く、ポニテとハイレグレオタ姿にハイニーソで脚を覆う

毎度なこの姿。

 「ら、ライ、私は・・・」

ライはヨッコラセと地べたに腰降ろし、レイハと同じ視線の高さに。

「気持ちは分る。分るけどな・・・俺だって考え無にこんな行動してるわけじゃない。

それなりに勝算があって・・・んや、勝算を上げるためにこうしてる」

 「しかし・・・」

「俺が今まで、何の準備もなしに危険な目にあった事があるか?」

 「それは、・・・ありま・・・せん」

「だろ? だから余計に気を病んで、しょうもない怪我なんかしないようにしないとな?」

 「はい・・・」

レイハはもう、怒られた子供のようにうなだれて泣きそう。

主を信用していれば、端っからこんな怪我などしなかっただろう。

しかし、それも愛し失うことを恐れるが故。従者としては失格だが・・・

「んで、傷はまだ痛むか?」

 「あっ・・・まだ、少し・・・」

「・・・・・・」

慌て返すレイハの表情をじっと見続け・・・不意に、トンと

 「はぐぅんっ!!?」

軽く叩いただけで仰け反り以上に悶える事から考えれば、ソレがウソと簡単に分る。

「はぁ〜〜、こりゃ思ったより重傷だな。ほら、見せろ」

 「っ・・・っ・・・〜〜。 ・・・こ、ここで、ですか?」

「大丈夫。他に誰も見ちゃいない。」

 「そういう問題では・・・分りました。分りかした、ホントに」

でないと険しく成っていく目が、従わなければ辱めてでも引ん剥くと物語っていたから。

首までシッカリ覆っている生地の、首後ろの留金を外し、続いてその下の留金も外し

ゆっくり外していくのでそう痛むことはないが、ジクジクと熱を持つ感がまるで・・・

背中縦一列の留金を外し終えれば、後は布地から腕を抜けば上半身が曝される。

レイハは胸を隠しながら片腕で脱ぎ・・・臍上まで素肌を見せ。

頂点は腕で隠されているものの、全体的に柔らげで丸い乳房の斜め下の脇腹

白い肌に映え、赤黒く腫れるその部分があった。明らかに打身と分るそれが。

「これはまたイタイな。ちょっと触るぞ」

 「はい。・・・んっ・・・くぅっ・・・はっはっ・・・っぅ!!?」

優しいタッチにも関らず過敏となった傷はソレを派手に伝え、自分が悶え苦しむ姿を

観察されていると思うだけでレイハは身体が火照り思考が鈍っていく。

もはや、切なく瞳が潤み吐息が荒くなっていくのは苦痛のためだけではない。

「・・・当分安静っぽいな。いやはや、我ながら凄い威力。 レイハ、もういいぞ」

 「・・・・・」

「・・・、レイハ〜〜」

 「は、はいっ!!?」

何を考えているのか無表情に覗き込む主の顔に、レイハは慌て腕を通し・・・

さっきの今でもう、腕を回して後ろの留金を止めるのが辛くなってしまった。

「・・・俺が止めてやろうか?」

 「あっ・・・いえ、どうせ屋敷に戻れば脱いでしまうので・・・」

「そう。それならそれでいいけど・・・」

ずんむっ!!!

 「ひうっ!!?  あっ・・・ああっ・・・」

瞬間、股を掴まれてレイハの身体が浮く。 いや、浮かされた。

立った中指が股布ごとグリグリと内に減り込んでゆく。熱く潤んだ内へ。

その男の腕を辛うじて掴み、レイハは身体のバランスを取ろうとするが

その毎に打身から痛みが電流のごとく全身を貫く。

「何もしてないのに既に随分と濡れてるじゃないか。傷を診られて痛みに感じるとはな」

 「そ、それはぁ・・・」

「こうしてるだけでも・・・ほらっ」

 「ひんっ!!?」

下からの衝撃と、それに生まれた痛み・・・もはやドチラがドチラが判別がつかず、

レイハは仰け反り後ろに倒れる前に男の腕に支えられてその身体にしがみ付く。

男の視界にはレオタードがパツンパツンでエロテック食い込んだ女の柔尻と

無防備に白肌を剥き出しな背からうなじ。 レイハが背中を弄られる感に

「・・・ハゲしくなると脱げてしまいそうだからちゃんと止めておこうな」

耳元でネットリと吐かれた言葉がレイハの脳に染み込んで行く。

・・・拒否しなければ・・・拒否しなければ、今されるとシんでしまう・・・

 「・・・あ・・・う・・・」

「如何した? 一応気をつけてするけど、傷が酷く痛むなら止めるぞ?」

 「・・・して・・・ください」

被虐に愉悦してしまった心は、後はもう抵抗すらせず転がり堕ちていくだけ

結果、死んでしまったとしても・・・満足するまでシて私を嬲り殺して・・・

 「ふむぅ・・・ふっ・・・はっ」

木と茂みの物影

駅弁スタイルに女を背中を仰け反らさせる勢いで口腔を貪る一方で、男の手は女を抱持

レオタードをより食い込ませて尻を揉み捏ね、指は柔肉をグニグニと歪めつつ這い進み

その中心へ。狂暴に着き立てた指がグニっと引き開きつつ中指がヌルリと

 「ンっ!!」

「ふっ、イイ感じに出来上がって・・・コレなら行き成り本気のオレでも大丈夫だな」

 「はっ・・・ひっ、ひぃぃ・・・」

秘裂をいたぶられながらレオタードを片尻剥き出しに寄せられレイハに応えようがない。

ただ男が思う存分に、肢肉を弄られ貪られ喰われるだけ。

だから凶器が下から貫こうと突き立てられ、先端が濡れた肉に接しても

ビクッと恐怖とそれ以上の期待に身を震わせるだけで 瞬間

スグッ

 「あ゛っ・・・・・・」

細い身体の何処にそんなものが入る余裕がと思わせるくらいに一気に

その股が男の腰に接するまで刺し貫かれてしまった。胎奥まで達する楔に

もう逃げられない。

更にライは密着してレイハの脇下から腕を通して袈裟に細肩を持ち、

空いた手を布の上からでも分るくらいに腫れた打身に。

触れた瞬間、レイハの身体がビクッと派手に反応してはいるが今は痛覚と快感が

ゴッチャになっているらしく、淫肉は男を奥へ奥へ導くよう蠢く。

「痛みも気持ちよくなるとは・・・マゾっ娘め」

 「あひ゛ぅっ!!? あ゛ひっ、ひっ、ひあぁぁ」

腫れを撫でるだけで膣肉を責めるが如くレイハの唇から漏れる嬌声。

まぁ、それはそれで気付かれにくいので丁度いいのだが

「レイハ、たぁっぷり注ぎ込んでやるからな・・・」

 「はっ・・・はっ・・・ひぃぃ・・・」

そういうのは理解できるのか、それだけでレイハはキュっと・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

皆から暫し遅れてライは帰って来た。 意外に穏やかに眠るレイハを姫抱きに。

それを態々出迎えるのはアルシア。

 「あらぁ? 話に聞いてたよりかは・・・」

今のレイハを見て開口一番にいぶかしむ処をみれば可也の重傷だったらしい。

「・・・それで、何処連れていきましょ?」

 「そ〜ね〜、格好が格好だし実験室かしら」

結局レイハをライに持たせたまま、三人は実験室(診察室)へ。

一応ツイタテの向うに待たされる事しばし、呼ばれて見れば

診察台の上には上半身を向かれ乳下に包帯を巻か寝るレイハ。

因みに乳はタオルで隠してあったり。

「んで、如何よ?」

 「それが変なのよね〜〜。聞いた感ではアバラ、粉砕されてたはずなのに・・・」

「・・・なのに?」

 「ふつーの打身で、念のため今日一日安静」

「・・・・・・」

 「しかも、ヤっちゃった?」

「・・・さて、飯喰って机仕事でもするかな。 あ〜〜、きびしぃ〜〜」

 「・・・・・・。 ふふふ、今日暇だから手伝って・ア・ゲ・ル」

含み笑いの妖艶娘は全てを聞かずとも大体察してしまっていた。

それでも、全て聞かないのは・・・・・・

「・・・そりゃ、どうも」

レイハが目を覚ましたのは昼過ぎに、初めは何故自分が診察台に寝ているのか

理解できなかったが、次第に事を思い出し

 「・・・わ、私、何て事を(汗」

情事の赤面から恐怖の青面に。だが、その予想に反して薬湿布を巻かれた打身は

意外に痛まず、目に入った診察書にも要約に今日一日のんびり休めとの事。

医師としての能力も高いアルシアの指示である。従わないわけにはいかない。

格好が格好なので一度身を清めがてらに白襦袢に着替え

薄幸病弱美人な感に、空腹を満たすを満たすため居間へ。

流石に誰もいない・・・わけでもなく、招かざる客が暇潰しに読書を嗜んでいた。

 「・・・いらしたんですか」

 「今は他に行く処はない。行くつもりもない」

生真面目な性格そうなだけあって、思わず漏らせた言葉に反応してしっかり返事。

と、レイハも売り言葉に買い言葉で

 「さっさと御国に帰られてしまえば、私もどんなに気が休まることか・・・」

 「眷属如きが何を気に病み勝手に怪我しようと私の知ったことではない。

・・・しかし、彼も随分と既得な者だ。眷属自身の失敗に態々力を費やすとは」

敵もさる者ながら、反撃にレイハの米神が引きつる。

本当なだけに痛い。このままでは負けてしまう。冷静にならなければ。冷静に・・・

ここは感情を押し殺して忍び・・・考える。欺の姫ならば如何言い返すか。

 「それだけ、私たちが彼に愛されている事。

そのようなモノの考え方しか出来ない貴女は可哀想ですね」

 「それで主を脅かしては眷属として本末転倒もいいところ」

 「うぐっ・・・」

ライならばそんなことは一向に気にはしないが、レイハは忍としての誇りがある。

主の刃となりて忍び影から護ってこその存在。 それが今のレイハは

色秘書も良いところに迷惑すら・・・所詮、忍の姫。 欺の姫にはなりえなかった。

ささやな勝利でも満足げに見えるメイフィアを尻目に

冷め切った食事は何故か惨めにしょっぱく・・・

 「・・・、ねぇ」

「・・・・・・」

 「・・・あきちゃった。お仕事」

「・・・・・・」

 「ねぇ、ラぁ〜イ〜」

「先、キッカリ仕事済ませてからな」

再び、執務室を支配する沈黙。 いつもと転じ真面目な主と異なって、今日の秘書

・・・乳を強調に胸元も露なスーツのアルシアは机の上に上半身投げ出しダべっていた。

人目があればスゴいまでに姫で有能なのに、二人っきりだとこうも自堕落で・・・

 「〜〜〜♪ 〜〜♪ 〜〜〜♪」

「・・・・・・」

 「〜〜♪ 〜♪ 〜〜〜♪」

「えっえーいっ、止めんかっ!!! キリキリ働けっ、キリキリっ!!!」

行き成り鼻歌で机の上を舞台に踊られては、ライでなくともキれる。

むしろ、早々にだらけていた時点で切れていなかっただけ大したもの

 「え〜〜、横暴ぉ〜〜。鬼ぃ〜、悪魔ぁ〜、ケダモノぉ〜〜」

「・・・ほっほぉー、自分から手伝うとか言いだしておいて今まで

真面目にしなかった処か机の上で踊りだしたアルシアさんがソウいいますか」

 「だってぇ、やっぱり全然面白くないんですもの」

「ほぉー。元々、コノ仕事は面白くない代物なんだけどねー。

それでも俺は耐えてがんばっているっちゅーのに・・・・・・」

ライの顔が怒りから無表情に目がすっと細く・・・邪笑へ。

 「あっ・・・真面目に御仕事しようかしらぁ」

「ああ、真面目にやってくれ。 オモチャ付けて真面目にな」

 「それ・・・そんなの(汗」

アルシアに今更拒否はありえない。ライが引き出し奥から持ち出したモノに

真面目に仕事をしていればよかったと思っても既に手遅れであった・・・。

行き成り休暇が出来ても、常に秘書として働いていたレイハには

それはそれで問題に手持ち無沙汰で、居間には天敵(?)がいるため居られず

結局、辿り着いた先はある意味、レイハの領域ともいえる執務室。

それでも仕事をしないようケジメをつけるため、白襦袢に流髪のまま。

礼儀正しく三回ノックに「失礼します」と入ってみれば

当のスカチャラ主と妖艶秘書が意外に超真面目に机仕事に携わり

「おう、レイハもうイイのか?」

 「えっ? あ、はい。・・・さぼって・・・いませんね(驚」

「こんな時までサボるほど俺は外道じゃないよー。 まぁ、やっと何とか終りそうだ」

 「それは、お疲れさまです」

こうしていると、まるで妻みたいで・・・ちょっと気持ちいいかもしれない。

「ホント、お疲れだ。 昨日の今日で色々あったし・・・」

 「あっ・・・」

他意なくライが漏らした一言に、思い出し曇るレイハの表情。

許されるはずがなかった。主に思いをよせるなど・・・

それを察し席を立ったライはレイハの元へ

「何を悩んでいるかしらない・・・んや、分るから余り深くツッコまないけど

俺は少なくとも、レイハを大事な仲間・・・それ以上の存在だと思っている。

だから・・・後はもう、言わなくても分るな?」

 「・・・はい。」

嬉しいやら恥ずかしいやら・・・告白にOKをもらった少女さながらに嬉し泣き。

だが、執務室は二人っきりというわけではないので

いつまでもイイ空気を続かせるわけがなく

 「あ、あんた達ねぇ・・・人前でいつまでもイチャついているんじゃないわよぉ」

二人の分け入るアルシア。 俯き、肩をブルブルブルと震わせ・・・

「ああ、未だ居たのか・・・」

 「あっ・・・もうしわけありません。忘れていました」

 「ふっ・・・くっくっくっくっ。イイ度胸してるじゃなぁい。 特にレイハっ!!!」

えっ私? と、唖然とするレイハにアルシアが向けた顔は

肌は火照って朱がさし凄みがある笑みで、脂汗がタラ〜〜リ。

 「あ、アルシア?」

 「ライのせいでワタシ、もう如何しようもない状態なのよねぇ」

「俺のせいにスな。アルシアが初めっからマジメにやっていれば問題なかった事」

ライも含まれ恨まれているはずなのに、ライは何故か悠々と応答。

それが頼りになる一方で、まるで仕返しされるのは自分ではないと言っているようで

 「だからってぇ・・・ここまでするかしらぁ?」

アルシアが見せ付けるかのようにタイトスカートをたくし上げるとソコには

股間を危険なまでに締め上げジットリと濡れた革帯。

そして、妖艶に付根まで包む黒ストッキングの内股は、溢れ垂れた愛液が・・・

 「ライ、これは・・・」

「いやいや、アルシアはこの方がマジメにするもんで、ね。オシオキがてら(ニヤリ」

一転、奈落に落ちる処を手を掴まれ助けられたと思った瞬間に邪笑で手放された心境。

驚愕に身体がわななき後さずりのレイハを後ろから抱締めるのはアルシア。

 「どうしても・・・どうしても・・・ライにしてもらってもイけそうにないのよねぇ。

膣だけじゃなく、お尻も、尿道までもオモチャに貫かれて動かれちゃってるのに・・・

で・も、レイハの可愛い顔を見れたら私、絶対いっしょに気持ちヨくイけるわぁ」

「ああ・・・」

それは正に、餓えて獲物を捕縛に如何頂くか考えるケダモノの眼であり

もはやエモノでしかないレイハには逃げる術などなく、ただ貪られる道しか・・・

 「あっ・・・やぁ・・・だっだめぇ・・・」

 「うふふふふ・・・レイハ、イイ声よぉ。ゾクゾクしちゃう」

スカート脱ぎ捨て以外半脱ぎなアルシアに

後手に腕を己の髪で縛られレイハは白首を仰け反らせて背を壁に追い詰められ

耳をしゃぶられながら白襦袢を肌蹴させられ、艶乳を揉みくだしに太股も露に股間を

乱暴に嬲られていた。響くのは、二人の嬌声と吐息以外はヌチャヌチャを柔肉を貪る音。

そして、ポタリポタリと床を打つ二人の愛液。

それを、薄情な笑みで離れ腕組んで見物する男ライ。

レイハの視線が彷徨い、その姿を捉えて助けを求める。

 「あっらぁ? 急に愛液が溢れてきちゃったけどぉ

・・・レイハ、ライに見られて感じてる?」

 「ちっ、ちがああああぁぁあぁぁぁあああぁっ」

図星な上、瞬間珠を抓られたレイハは絶頂にプシッっと漏らし・・・

ヅルヅルと床の上に崩れ落ちていく。

 「イイ表情よぉレイハちゃん。 見てるだけでもイきそう(ハァハァ

でも私、そんな勿体無い事できな〜〜い。 だ・か・ら、一緒にイきましょ?

コレで貫いてあげるから・・・」

と、アルシアが持ち出したのは凶悪なまでにトゲトゲなディルドー。

柔らかな樹脂製なので柔壁がそう傷つく事はないが、それでも

そんなモノで貫かれた日には・・・

 「・・・・・・」

ソレを理解し、レイハは逃げようと喘ぐが殆ど体力が尽きたところでイかされては

もはや足腰など立つはずもなく、ただ己の流した液体で手足を滑らせるだけ。

そうこう足掻いている間に、アルシアは己の股間を弄り・・・装着完了。

 「うふふふふ、これって私が作ったモノだったりするのよねぇ」

 「・・・・・・(イヤイヤ」

レイハを押し倒しにまんぐり返し、既に用を足さない布切れごと

ゾブリッ

 「!!?」

 「すっ、すごぉ・・・レイハの喘ぎがビンビンきちゃう・・・」

挿入に股と腰が密着し、レイハの内のディルドーとアルシアの内のディルドーが

直結に固定されているため御互い少し動くだけでも柔壁が掻かれ、それが快感へ。

今までライは触れず見てきたわけだが、健全な男が美女二人が絡む姿を前に

そういつまでも傍観なんぞしてはいられない。

「アルシア、そろそろ俺も混ぜてもらう」

 「はぁ、ふぅ・・・ええ・・・私、全部塞がっちゃてるから、レイハのお尻に・・・」

アルシアはレイハを抱締め、己は下にレイハを上に。

本来ならレイハ逆転のチャンスだが、変わらず這々体に身を預け喘ぐ事しか出来ない。

ムニッとお尻を開く感触にレイハの眼が見開かれ、肛門挿入で更に大きく

 「「あ゛ひっ!!?」」

「っ・・・、俺のモノを掻いてくれる固いブツブツはアルシアか。レイハ越しに」

 「あ゛あ゛っ、ライ、動かないでぇ(泣」

 「・・・・・・ハっ・・・ハヒっ・・・」

「・・・二人ともまとめて俺が喰ってやる」

 「「!!?」」

サド娘,マゾ娘共に待ち受けているのは股間から掘削されるような淫獄・・・

・・・・・・・・・・・・

 「全くもう・・・手加減知らずなんだからぁ。

腰ガタガタになっちゃったじゃなぁい」

「よく言う。股間、以上にエゲツナいもので犯されてるのに腰動かしてたくせに」

 「犯したのはだ〜れよっ」

床の上で乙女座りに廊下を歩き回れる程度に着直しながらアルシアは

ソファに膝枕でレイハを寝かせるライに文句をいう。

犯していたのか犯されていたのか、可也疲労していてもおかしくない筈なのに

肌には艶を増し可也元気そうである。

レイハなんか完全に果ててしまい、今完全に熟睡してしまっているのに。

これはもう、体力云々ではなく・・・妖艶娘の御技?

「全く・・・喰ったのか喰われてしまったのか・・・疲れたぁ〜〜」

 「そりゃ、一日に何度もハードプレイしてりゃ疲れもするわよぉ。

じゃ私、シャワー浴びてくるわねぇ〜〜。フォロ〜ヨロシクぅ〜」

アイタタタと腰を叩きつつ、覚束無かずカタカタ震えていても

己の脚で壁伝いにアルシアは逃げていった。

「散々するだけしといて、後始末は毎度俺任せか・・・」

毎度後でごねるレイハを宥めるのは手間ではあるが

スヤスヤと眠りあどけない顔を見ていれば幾らでもする気にはなる。

コノ程度の手間ぐらい、ささやかな幸せに比べれば・・・


客人の存在にも関らず、以前と差して変わらず日常は流れていった。

それはメイフィアが良くも悪くも必要以上関ろうとしないのが大半。

そして、当主たるライがメイフィアに対し客人として心使いがないのが残り。

最も敵意を抱いていたレイハも無視に勤めていれば、皆も次第に・・・

何故彼女が来訪したかという疑問を忘れた頃、その日はやって来た。

早朝、誰に習ってか三回ノックに執務室へ入ってきたのは竜妃。

対し、その前にライを庇うかのように秘書のレイハは立塞がる。

 「・・・何の御用でしょう」

 「退け。眷族などに用はない」

 「そのわけには行きません。主を護るのは私の務め。そして・・・私の意志」

 「ならば先に・・・」

「レイハっ!!!」

ライの叱咤にビクッと、振り返ったその顔は今にも泣きそうに歪む。

「・・・ちょっくら行ってくる。帰りは・・・まぁ日暮れまでには帰れるだろ。

メイフィア、先外で待っていてくれ。準備していく。」

そしてレイハは一人、ぽつんと執務室に取り残された。 そして遠くでは馬の嘶きが。

もはや出来ることなど帰りを待つぐらい・・・否、待つことは勤めではない。

主に関らず暗躍し、その刃になってこそ忍の本分。

一陣の風が吹いた後、其処にはその姿も残されていなかった・・・

都市から離れるように屋敷から馬で駆けること一刻程、二人の神人が決闘の場に選んだ地は

何も無い草原。 街道から離れているので人が来ることもない。

巻き込まれないよう馬も解放してやれば、もう何の問題も残っていない。

「さて、これで大暴れできるな」

 「・・・良かったのか、別れをしなくても」

「俺は未だ死ぬつもりは無いんでね」

 「・・・・・・」

それはメイフィアを殺すと宣言しているようなもの。ライ当人にその意思がなくとも。

それでもメイフィアは己の手に魔力を集中で刃を生み出し

ライは腕甲の手に片刃の破壊神剣を抜き放つ。

「「うおおおおおおっ!!!」」

ぶつかりあう二匹の獣に、戦場のごとく空間が震え上がった・・・

影忍戦姫レイハが二人に辿り着いた時、戦いは最高潮に手を成す術がなかった。

金龍眼に装着した腕甲も禍々しく剛剣を揮うライ。それに相対するのはメイフィア。

しかし、その姿は既に人のそれではなく背から竜翼を生やし尻からは竜尾が。

そして四肢は完全に狂暴なまでの竜のそれ。 つまり、竜人。

その為のやや露出の多い神衣だった。

メイフィアは空を舞い、四肢は危険きまわりなく尻尾も貫き薙払おうと襲い掛かるが

ライも歴戦の戦士に獣の力。 致命的な攻撃は剣で防ぎ避けて打撃を叩き込きこむ。

ライのスタミナが尽きるのが先か、メイフィアがダメージに動けなくなるのが先か。

そんな獣達の戦いは意外な決着を見せた。

心臓を貫こうとする尻尾をライは剣で防ぐのではなく捨て

一瞬唖然なメイフィアのそれを脇に抱えて振り回し、地面に叩きつけた。

そして、更に振り回し地面に叩きつけ・・・・・・

荒地に横たわっていたのは竜の乙女。それを見下ろす龍の戦士。

「これで、決着は、ついた」

 「・・・殺せ、私を」

「・・・・・・やなこった。そんなに死にたきゃ、俺の眼の届かない処で、自害してくれ」

 「・・・・・・」

そして、ライはメイフィアに背を向けて歩き出した。

その視線の先には胸前で手を組み祈るようなレイハ。

ライは己の得物を拾うと歩き出し、一度目を瞑り開いた時には既に龍から人へ。

二人は歩み寄り・・・

 「ライっ!!?」

ずんっ!!!

「全く・・・」

メイフィアの竜腕はライの頭を貫く  事無く、耳と頬を傷つけただけ。

そして、ライの剣は逆持ちに己の脇を抜けてメイフィアの脇腹を貫通。

まだ致命傷ではないが、止めに満足に動けなくなるほどの重傷には違いない。

だから、剣を抜かれ地に伏すメイフィアはもう完全に動けない。

 「・・・私に・・・止めを」

「・・・その傷なら、周囲から気を集めればもつだろう」

 「・・・ころ・・・せ」

今度こそ、意識が朦朧とするメイフィアを放置にライはレイハの肩を抱いて歩き始めた。

 「・・・よろしいのですか?」

「ああ、アレなら内の神が死なせてくれない。放っておいても大丈夫」

 「いえ、そういう事ではなく・・・」

「俺が勝った。これ以上の事実はもういらない」

 「・・・・・・」

今更ながらライは甘い。 以上に、困難を真正面から乗り越える強さがあった。

だからレイハも救われ、今ここにいられる・・・

二人は連れ添って家に帰ろうと

おおおおおおおおおおっ!!!

有り得ない咆哮に振り返った二人の視界に入ったのは、集中してゆく気。

その中心には爛々と目を輝かせ空に向かい吼えるメイフィア。

否、もはやそれはメイフィアという竜妃の姿をした別の存在。

ライという存在に対する内の破壊神、戦龍神のような・・・・・・

見る見る内に、服の切れ目から覗ける貫傷が、意外の傷が癒え

「!!! しまったっ」

 「えっ!!? えっ!!?」

そして臨界が突破した時、乙女の身体は爆発に水蒸気に包まれ

オオオオオオオオオオっ!!!

獣叫に水蒸気撒き散らし姿を見せたのは正しく竜。 鋼色の暴龍神。

竜は二人が目に入っていないのか、遥か彼方を睨み・・・翼一振で空へ。

そして、それを目指し飛んでいった。

「くっ、そう言う意味かっ!!!」

 「何が・・・アレは何なんですかっ!!?」

「早い話、俺と同じようなもの。 生命の危機に暴走しちまった。

今のヤツは腹が減ってる。ココいらで最も御馳走なのは・・・都市!!?」

 「!!? ああ・・・なんて事・・・」

レイハがショックを受けているのは

ライがアレと同じという事なのか、都市が危機である事に対してなのか・・・

「あれを野放しには出来ない。都市に着く前に捕まえないと。

・・・すまんレイハ。何も聞かず、今は俺にその命を貸してくれ」

 「はい」

「!!?」

 「ライ、貴方が勝手なのは今に始った事ではありませんから・・・」

「・・・・・・必ず護りきる。レイハも、皆も、帰る場所も」

眼を閉じ全てを委ねたレイハをライは抱擁し、内なる玉を解くような精神集中に

生まれ二人を覆い隠していく靄。靄は更に膨れ上がって瞬く間に人の倍々のサイズに。

そして靄を撒き散らし

戦龍神降臨。

龍顎の頭に知性を思わせる金色の龍眼は元より、狂暴な鎧の如き身体の背から生えるのは

連なる薄晶の剣を思わせる龍翼。

さっきの決闘の直後で如何なるかと思ったが・・・いけるっ!!

戦龍神は己の身体の具合を確かめ、暴龍神が去った方向を静かに見据えると

その龍翼を一振。それだけで足が空に浮く。 更に大きな一振で戦龍神は空を舞う。

暴龍神にメイフィアの意志は一欠けらも残っておらず

獣の本能のみがその身体を支配していた。

神というものは大凡、理性が強ければ創造に,本能が強ければ破壊に向く傾向がある。

それはライしかり、メイフィアもまた例に問わず・・・故の刺客であった。

だが、余りにも獣ゆえ暴龍神が餌に求めたのは希望都市。

姿が鳥ほどにしか見えない程その遥か上空、暴龍神は顎を開く。

牙間から立上る陽炎に、今に放とうとしているのは滅炎の咆哮。

対象物を燃やしエネルギーまでに分解してしまう恐ろしいまでの叫び。

顎から流星撃の如く炎を落し、人知れず都市を滅ぼそうとした正にその時。

『させるかっ!!!』

!!?

瞬間移動の如く目の前に現れた風の戦龍神の一蹴に、暴龍神の口は上向き

滅炎の咆哮は天へ昇る流星。

食事の邪魔をされ、暴龍神の怒りの矛先は当の目の前の戦龍神に。

『さて・・・第三ラウンド、始めようか』

オオオオオオオオオオっ!!!

それでも戦龍神がただの敵ではないことを悟り、暴龍神は戦叫に闘志剥き出し。

誰にも知られることなく両神、最後の対決が始った。

暴龍神の攻撃、次から次へと撃たれる弾の如き滅炎の咆哮を、戦龍神は龍翼を振るって

身体を捻り避け龍翼の剣羽を射つ。 それは狙い誤らず暴龍神を貫き、空に釘付けに。

しかし、咆哮に粉砕。

『ちっ、流石・・・』

霊的物質であるため肉体の損傷はないが、ダメージは以上になる。

しかし、神たる存在に致命傷になりえないダメージが如何ほどのものか。

一瞬体勢を崩しながらも即回復に、更に幾重に弾の滅炎の咆哮が襲い掛かるが

当然あたるはずもなく、間をヒラリヒラリと舞う戦龍神。

しかし、暴龍神が最後に放った滅炎の咆哮はそれまでと異なり

暴龍神が揮う首の動きに従い、炎線が

轟っ!!!

『!!?』

一瞬で戦龍神の躯に絡みつき、覆い尽す。

それに暴龍神の勝鬨の咆哮が天を震わし・・・


『この程度っ!!!』

広がる龍翼に霧散する滅炎。 そこには無傷の戦龍神が。

地,炎,水のフォームに比べ若干 躯のは細いがその分、龍翼が攻防の術と成ってくれる。

しかし、双方の攻撃が有効打に成り難い事実は代わりようがない。

その上、戦龍神はライの意志が宿り 暴龍神は獣であるため如何しても・・・

『俺に破壊神の業を行えと。 ・・・・・・いいだろう。破壊してやるっ!!!』

今まで成す術もなく受身だった戦龍神は一転、喝っと龍眼を見開き暴龍神へ突貫。

それを迎え撃たんと顎腔に充溢れていく滅炎。その桁、今までの比ではなく

無謀にも真正面から突っ込む戦龍神を消滅させんと、避けさせる空間も無く放たれた。

が、

『我は神の躯をもつモノ。 風の化身たる戦龍神もまた風』

霊言に風へ半透明に薄れゆくその姿は滅炎の壁を透り抜け、暴龍神が認識した時には

既に目前へ疾翔。 それでも迎撃に揮われる腕もまた戦龍神を透り抜け

斬!!!

と、暴龍神の身体そのものまで透り抜けてしまった戦龍神は空で停止に、躯に戻る色。

背を向けたままの後方には、暴龍神が透り抜けられた時の姿のままに空で硬直。

『・・・確かに破壊した。


その憎悪を その力の源たるモノを な』

オオオオオオォォォォ・・・

断末の咆哮に暴龍神の姿が崩壊、爆発。

そして、その中から落下していくものを小動物を持つように両手で優しく受け止め

戦龍神もまた地に向かって落下していった・・・


目を覚ました時、尽きるまで疲労から多少なりも回復した身体を優しく包んでいるのは

日向の香りがするシーツの布団。 部屋の風景は先日まで世話になっていたソレだった。

つまりは、真龍騎公ライの居城たる屋敷の一室。

「うっ・・・く・・・」

心地良い倦怠感に未だ休ませろと訴え満足に動かない身体に鞭打ち

簡素な寝巻きの上から更に用意されていた上着を羽織り廊下へ。

恐ろしいまでに人の気配はなく・・・それでも其処にならば人がいるに違いないと

居間へ向かう。 そして例の如く当然、いた。

ソファ中央で大の字で陣取り、伸びきってだらしなく寝る当の主ライ。

そのだらしなさも今は真の勝者の貫禄にしか見えない。

そして、その膝枕に寝ている美女二人。 秘書嬢レイハと黒猫嬢シエル。

慕い護っているのか、甘え護られているのか・・・

仲間故それが共に間違っていない事を 竜妃メイフィアは知っている。

居間へ着た時と同様に特に気配を消す事もなく表情も変えず

距離を積め前に立つと、腕を振り被り標的をライの頭に固定。

その腕のみが白く柔らげな乙女のそれから、狂暴に鱗で覆われた竜腕へと変化した。

降り抜けば確実に避けさせることなく頭を粉砕し、その命を奪ってしまうだろう。

そして

 「・・・・・・。 ふぅ」

観念まじりの溜息に一歩下がり降ろした腕は再び乙女のモノに戻っていた。

 「・・・今更、真龍騎公を殺す気はない。私は完全に負けたのだから」

 「ならば、何故・・・」

メイフィアに応えるのはライを膝枕に寝ているレイハ・・・

否、その背後に回した手には短刀が握られ、事の際には護れるようなっていた。

命に代えても絶対に。

 「何故? 何故・・・見たかったのかもしれない。貴女がそう反応するところを。

 ・・・だから、もう、その得物は必要ない」

 「・・・だといいのですが」

その気持ち、理解できる事半分出来ない事半分にレイハは身体を起こす。

シエルは未だにスヤスヤ寝たままなのは、殺気を感じていないから無視なのは確実。

それでもレイハが反応しているのは、それが彼女が己の課した務めだから。

 「それに身体が癒え次第、母国へ帰るつもり」

 「!!? 別にそんなに事を急がれなくても・・・

任務失敗で帰国されて大丈夫なのですか? 亡命なさるのなら歓迎いたしますが」

相手が単なる客となれば豹変にやさしいレイハさん。

それも、メイフィアの態度が氷解に多少なりも柔らかくなったからなのだが。

 「シン帝の命は運命に在らざる者を裁けとの事。 今から考えれば

こうなる事も・・・事が済んだ以上私はココにいることは出来ない。

・・・彼は私すら古い、新しい神なのかもしれない。

彼なら「大破壊」を退け、運命を書き換える事も・・・」

 「・・・ライは、神ではありません。 人です。一人の、男です。」

 「・・・ふっ。如何にもココらしい」

古い新しい云々の問題ではなく、結局は概念が違うだけ。

彼は神ではなく、この地の長であると。 共に、意志持つ者として・・・

態度は柔らかくなろうとも、結局メイフィアは積極的に関る事無く数日を過し

出発のその日、見送りに立つのは立った二人だけ。

 「態々見送り、感謝する」

「まぁ・・・な。気に入ったモノは大事にする性分でね」

 「・・・らしいな」

竜妃の顔に思わず浮かぶ笑み。これこそ、この娘の素顔かもしれない。

従者の如く話が終るまで一歩下がっていたレイハは前に、手を出しだし

その掌に光るのは一つの宝石 魔石が美しい簡素なネックレス。

 「・・・これは?」

「生命レベルが一定値まで下がった時、安全な場所へ強制転送してくれる。

まぁ、そんなことは有り得ないし、下世話とは思ったけどな(笑」

つまり、メイフィアの危機に暴龍神が降臨させずに済むようにと。

 「・・・いや、これならば良い飾りになる」

レイハの手から直接受け取ると、それを己の首に。

胸元で紅から紫・蒼へ代わり共々良く映える。

「ああ、良く似合う。急いで造らせたかいがあった」

ライの感想に、何故か主へジト目を向けるレイハ。 自分には造ってくれないくせにと。

戦闘ジャケットなり、巻きスカートなり、陣羽織など造ったのだが。

秘書として栄えるようなアクセサリーもプレゼントしてるし。

 「・・・ふっ。 では、健闘を祈る」

色々な意味を込めメイフィアは騎馬に感慨もなく出発した。

ライとレイハもまた、姿が見えなくなる前に屋敷へと引込んでいった・・・

来た時とは異なり、馬上のメイフィアの心を満たすのは僅かに寂しくも嬉しい暖かな感情。

自分の事を想ってくれる者達がいる。自分が気にかける者達がいる。

・・・神人たる私がこのような感情を持つとは・・・

だが、その自嘲すら快い微笑を浮かべる元にしかならない。

管理者として、昔は決して許され無いと思っていた感情も今は許せる。

胸間に当たる固い感触を頼りに、竜妃は気持ち新たに旅路を進んだ・・・

そうして進むこと暫し、希望都市国領域境界に差し掛かった頃

 「!!?」

不意に、メイフィアが感じるのは違和感。晴天に周囲に広がるのは草原で人気は無く

もう少し進んだ処にある国が作った休憩のための広場でその気配を感じる。

彼女が知る神人のそれを。 少なくとも彼は普通にソレを放つことはなかった。

・・・という事は、緊急の用で呼んでいるのか?・・・

ともあれ放っておくことなど論外に向かってみると、やはり其処には待っていた。

たった一人、ベンチに腰掛け腕を組んだライが。

 「ライ殿、どうなされた?」

「いやいや、ちょっと野暮用があるんでね。 先回りを」

 「???」

メイフィアがやってくるまで待ちきれないのか、優しげな笑みを浮かべる男に

御互いに距離を積め手が届く距離に。

何の邪魔も無く顔を見てみれば・・・・・・ライ、意外に色男。

そもそも、己の魅力のみで四人も侍らせているくらいなのだからソレも当然

屋敷ではその色男っぷり以上に、長や兄貴分,父分としての面が強すぎる。

それはそれで魅力的ではあるのだが・・・

「あんな事があったとはいえ、男と女としても会話してみたくてね」

メイフィアが気付いた時には既に男の懐の中で抱擁に、身体を隠すマントも奪い捨てられ

その衣装の上から直接。だから剥き出しの背に男の手がピタリと接触し・・・

 「!!? ・・・何のつもり?」

「だから、男と女の会話だと言ってるだろ?」

メイフィアの見上げた男の顔には、某ナンパ士以上に女心を擽る微笑。

完敗した上に命まで助けられているので悪い気はしないが・・・

・・・以上に違和感が・・・

メイフィアがいた間も、確かにライは四姫といちゃついていたが、それでも

人目を憚っていた。 少なくとも人目関係なく露骨に軟派する男ではなかったはず。

となると、この男は明らかに

 「ライ殿ではないっ!! 貴様、何者?」

突き飛ばし距離を取ったメイフィアは龍眼の戦闘態勢に。

男は見れば見るほどライなのだが、違うとより確信してしまう。

一卵性双子の神人ですら異なるはずの神気が、この男とライとでは全く同じだが。

「はぁ・・・つれないねぇ。俺は俺、それ以外何者でもないんだけど」

 「黙れっ、偽者っ!! ライ殿はそのような顔をしないっ」

「・・・そうか。  偽者云々で言うならライこそ偽者なんだが」

 「ライ殿が偽者? 何をふざけた事を・・・」

「正しくはアレは俺の一部で、君はアレに喰われているはずだった」

 「!!?」

その男から立上る神気は人の瞳にも関らず、龍眼のライのそれに匹敵。

しかも、恐怖すら感じる邪笑を浮かべて。

だから構えすらせず無防備に近づく男に、メイフィアは圧され後ざすり。

瞬間、二人は堕ちた。  

正しくは、異空間転移に灰色の世界へ。地面以外他には何もない。

「結果、俺が態々動かにゃならなくなってしまった。

バレないようしなきゃならんから、手間ったらありゃしない」

 「なっ・・・何をするつもりだ」

「仕方が無いから、俺がお前を喰う」

男の言葉に、空間から現れメイフィアに襲い掛かる触手、触手、触手。

だがそれは竜妃を捕らえる事無く避けられ、揮う指先に切り裂かれるだけ。

蒼系のコスチュームから零れる、色気ある褐色の脚から股間を覆う布切れまでも隠す事無く

「おぅ、流石流石(チパチパ。 でも、その衣装で戦うっていうのはどんなものかね?」

攻防の間、股間を無防備に片膝を伸ばし片膝を折って腰を落としてしまった竜妃。

その真下から生えた触手が一斉に

 「ぐっ・・・くはぁっ!!?」

メイフィアの腰を絡み掴み、グチュッネチュッと音を立てつつ締め上げる。

その顔に苦痛以外の色と、衣装の上からでも分るくらいにボコボコ歪み始めた

小腹を見れば、既に犯入れられているのは一目瞭然。

それでも声を押し殺し、己を捕縛する触手に爪を立てる。

「ほら、言わんこっちゃ無い。んな格好で無防備に脚開くから簡単に奥まで。

まぁ、俺は楽に楽しめるからイイけどね。 その調子で頑張って♪」

 「なっ・・・める・・・なぁっ!!!」

戦叫に瞳は龍眼へ、狂暴な竜のそれに変形する四肢。 そして生えた竜翼が全てを

吹き飛ばさんとはためき、腰から生えた竜尾が地を砕かんと暴れる。 が

 「ん゛・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!?」

戦叫は即、悲鳴へ。 四肢も、竜尾も、竜翼も絡め取られ抵抗も出来ずに

仰け反った身体がガクガクと上下に揺れる。豊かな乳房を苦痛に振って。

突き破らんばかりに乳房より高く激しく蠢く腹に合わせて。

「・・・丈夫って事も災難だな? 中々壊れやしない」

 「あ゛っ、あ゛あ゛っ、あ゛あ゛あ゛っ」

「・・・ふむ。」

男の合図で陵辱の休止に、竜妃は全身脂汗に涙と涎で濡れた顔で空気を貪る。

本来なら伏してしまいそうだが、内貫く触手と四肢,翼を捕縛する触手に

それも許されない。

 「はっ・・・はっ・・・はぁっ・・・はぁぁ」

「お〜〜い、もう話は出来るか?」

 「・・・・・・」

「それだけ睨めりゃ十分みたいだな。 で、如何犯されたい?」

 「今更・・・」

股間の三穴、尿道,膣,尻の奥の奥、内臓が歪む処まで犯しておいて何を言う と。

「そりゃ、乳犯すってのもあるし、ケツから口から出るまで突くってのもあるし

臍から内臓に精液ぶちまけるってもの面白いかもな。 一回限りだけど・・・」

平然とオカズを決める感に指折りの男。流石のメイフィアも己の身に起こる災難以上に

その神経に対し恐怖を覚え顔が青ざめる。 ライと瓜二つでも対極の存在に。

「他には・・・こんなのは如何だ?」

ずぶっ

 「ひっ!!?」

瞬間、メイフィアの耳にヌルッとした触手が潜り込む。オゾマシイ以上に

グリュっグリュっ と耳腔を擦り扱かれる毎に背筋に走る電流。 それは・・・快感。

 「あひっ・・・ひっ・・・耳は・・・やぁ」

さっきまでの激しい陵辱に耐えた凛々しい姿は早々に、普通の乙女に戸惑い逃げ惑う。

四肢だけではなく竜尾,竜翼、そして触手は髪にまで絡みつき頭を固定してるのに。

・・・如何だ、耳を犯されるっていうのも中々オツなものだろう?

 「ひっ、ひっ、あひぃっ!!?」

・・・そうかそうか。そんなに気持ちいいか。

・・・折角だから鼓膜突き破って、脳で中出ししてやる。

 「ひいいいっ、しっ・・・しんじゃうぅぅ」

・・・ああ、身体は俺がオモチャにしてやるから、遠慮無く逝けっ!!!

 「ひっ!!?」

文字通り脳を貫く衝撃と満ちてゆく熱いものにメイフィアは目を見開き強張る。

そして、次の瞬間

ぶしゃあああああっ!!?

 「あああああああああっ!!?」

逆流で耳穴から噴出す白濁液に、メイフィアは歓喜と愉悦に烈しくガタガタと痙攣。

ついに尽きて、龍眼がぐるんと白目向き身体からも力が抜け

 「くはっ!!? き、貴様、何を・・・」

「おう、耐え切ったか。流石、神国からの刺客。 色気でオとしてきたわけじゃないと」

白昼夢のように捕縛されたメイフィアの前に腕を組んだ男が立っている状況は変らず

鼻先には耳穴犯脳内射精前に滴っていた汗一滴。それがポタっと胸元に落ち下へ流れた。

 「人を謀ってっ!!!」

「騙しちゃいない。実際、耳を犯せばオマエはああなる」

 「!!?」

「だから現に・・・」

 「うくっ・・・」

軽く蠢く触手に、ヌチャッと粘液質な音が響く。

それでメイフィアが射殺さんばかりに睨んだ処で・・・

「恐い恐い。その調子で俺を楽しませてくれ。 俺が喰い飽きるまで」

 「!!?」

そして、陵辱第二幕 開幕。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

休まず数連日、犯され続けたか。 未だ一日しか経っていないかも知れない。

兎に角、時の感覚など当の前に失せ、殆ど意識がなく

ヌチャ

 「く・・・はっ・・・」

今やメイフィアは刺激に対し僅かに反応を返すのみ。元々耐えて反応を押し殺してはいたが

ただでさえ消耗が激しい竜人状態を強制に保たれては疲労も桁外れに、意識など・・・

「・・・頃合か。」

それでも衣装は脱がされず犯され尽くしたメイフィアに、触手は更に絡み覆い隠していく。

四肢を包み、胴に絡み這い登り腹から胸へ。 それでも、最後の力を振り絞り

 「・・・貴様が・・・何であれ」

「んあ?」

 「今、貴様がライ殿より・・・強くとも・・・最後はライ殿が・・・勝つっ!!」

そして、顔も又、口へ侵入していく触手に完全に埋没し・・・

「!!?」

不意に凍りつく触手の蠢き。 その時が凍結に微動だにせず、次の瞬間

乙女を飲み込んでしまったかのように触手の塊がベコっと縮んでしまった。

男の揮う腕に、消滅した触手の跡にはメイフィアの姿は影も形もなく・・・

・・・幾ら、この男といえど消耗しても神人たる竜妃を一瞬で吸収するなど不可能。

そもそも、その力のみを喰うつもりで竜人の躯と精神は残し飼うつもりだった。

それが、残されているのはメイフィアから零れた体液の水溜りと、その中に布切れ。

ツマミ上げ広げて見るとそれは、普通の材質初っ端で役立たずとなった下着。

男はそれを睨む事、暫し

「欠片の分際で味なマネをっ(グチャ!!?

まぁいい。あの程度、喰った処で・・・今に御馳走を」

その邪笑はライのソレとは異なり何処までも深く・・・

「ううっ!!?」

不意に身を竦め揮わせるライに皆は毎度の狂行とばかりに、それでも

 「如何なさったんですか?」

「んや、何かこう・・・嘗め回すような視線を感じたんだが・・・」

 「・・・ルナでは?」

と、指差した先には自分の分のオヤツを瞬殺し

マヌケに開けた口からダァーと涎を流す銀狼少女。

「こんな程度、可愛い可愛い」

ライがオヤツのパイを摘んだ手をヒョイヒョイと動かすに従い、ルナの視線

もとい、その顔ごと右へ左へ上へ下へ・・・そしてパクッと咀嚼に

あ〜〜〜 と、ルナは滝泣き。

「こういうのは皆で分け合って食べるから美味しいんだぞ。

自分の分を食べたんだから後は我慢すること。」

 「くぅ〜〜ん」 あい・・・(哀

運命の転輪がより激しく回り始めた事を軸たる者は気配は悟りも

まだ知るよしもなかった。 そして終末に向けて全てが動き出す。

 「がうっ、ディ、ヨコセ」

「あーっ!!? 分け合って食べるから美味しいって今言われたばかりでしょう!!!」

「ふっ、自分の取り分ぐらい自分で護るこった」

 「ディ、頑張ってね。 お姉ちゃん、応援してるから・・・」

多分、気配ぐらいは察していると思いたひ・・・

オブシディア・グラムス領。

本来なら国境ぎわで、辺境の地でしかないこの地は今や領主交代により

オブシディア国内でも国内有数の生産力を誇る地に成りつつあった。

それも国風と異なり、領主ジークフリード=グラムスの柔軟な対応に

友国シウォングから様々な技術協力を受け入れ開発に勤しんだからなのだが。

だからココももはや本国とは異なった気風を確立しつつあった。 それはさて置き

無謀な開発は封印されしモノや眠りしモノ達を呼び起こす可能性が高い。

が、その辺りはシウォングの技術者が予め必要ないと思われていても地図を作成し

それを元に社など域と関係あると思われる場所には触れないようにしているので

そういったモノ達を叩き起こす心配は、普通に開発を進めるより遥かにない。のだが

今、オブシディアの女将官の前に広がる光景は

 「・・・バカな。山が・・・森が消えただと・・・」

まるで地ならしされたかのように地肌剥き出しの大地。

その手に握り締めた地図には要注意地点として小山とそれを囲む森があった はず。

「ニーベル、やはり村には犬一匹すらいやしない。 これはまた・・・

・・・彼らの事を思い出すな。 コレと同じ現象で戦うことになった」

 「!!? ハガルっ、今まで同じ現象があった処の地図を出せっ!!」

「? ああ・・・」

場所に関係なく物を散らかし、地図を広げる。そして印を付けつつ

 「ココが要注意地点でココが消えた村。その先にあるのは・・・」

「・・・都市シウォング。 コレも・・・コレも・・・(汗」

二人はこれから起きる予感に戦慄を覚えつつ、それでも周囲に何の気配を感じない事に

安堵していた。 今、この瞬間だけは満足に反撃出来ない自分達が安全である事を・・・ 

そして、都市シウォング。 その王の居城たる屋敷では、主と秘書が地図を睨みつつ

「またか・・・」

 「復活の可能性があると思われた地域付近の避難は済ませました」

「それですら一時的なものでしかない。以降、何も無いというのが・・・

起こり始めたのか? ・・・「大破壊」が。 ・・・運命の修正が」

 「そのような事・・・」

ライの握り締めた拳を見ていると、レイハですら如何慰めていいのか分らなくなる。

だが、非日常の出来事にいつまでも縛られているわけには行かない。

日常を護ることこそ彼らの本来の職務であるのだから。と、不意に騒がしくなる屋敷内に

ドタバタドタバタドタバタ バンっ!!!

 「たったったっ・・・」

執務室に飛び込んで来たのは、動転しまくりのメイドなリオ。

「???」

 「そんなに慌てられていては何を言われたいのか分らないのですが?」

 「たっ!!?」

リオは不意に口を押さえしゃがみこんでしまった。 ・・・舌噛んでしまった模様。

「全く・・・自分で確かめに行くか」

一転、先ほどまでの苦悩はウソのように飄々と行くライに、レイハも黙し着いて行く。

玄関にはリオの騒動に様子を見に来たのか総員揃い困った表情。

その向うには

「久しいな、ライ=デステェイヤー」

「オーディス・・・老いぼれのクセに未だ現役か(苦笑」

「ふんっ、それは貴様が私に楽させてくれなかったからではないか」

現守護騎士団団長 オーディス。 背後には旅姿でも守護騎士とわかる者10人2ユニット。

そしてライ達の後ろでは追着き、ライの無礼に顔面蒼白でガタガタ震えるリオ。

一応、オーディスよりライの方が立場が上であることを忘れ・・・

居間ではかつて無い大入りにテーブルは隙間無く埋まってしまっていた。

お子様でも屋敷の一員である事を認められた三人はソファーになってしまったが。

 「守護騎士団団長たるオーディス様が態々この屋敷まで如何ような御用件なのでしょう」

「・・・ふむ、では簡潔に。ヴィガルド国内で複数の荒神の復活が確認された。

しかし、その後の消息は一切不明・・・ある処に向かったであろうという事以外は。

其処とは、都市国家シウォング。 つまり、ココだ。」

「・・・・・・」

「聞いた処ではシウォング国内でも荒神の復活が確認されたそうだが?」

「ああ、復活だけは確認した。でも・・・」

一切雲隠れに何の音沙汰もない。復活の地近辺の村が無人になってしまった以外は。

「これはもはや国内の問題のみで済まされる事ではない。集った荒神達が何を求め

如何行動するかは人の身たる我等には検討もつかぬが、炎が広がるは必死。

決戦はこの地になるであろうな」

「だから、2ユニット連れて来たと?」

「言うな、ライ。例え貴様が灯火であろうと、もはや個人の問題で済む次元ではない。

これはもう、神と人との生存をかけた戦いっ!!! 2ユニットでも足らぬくらい・・・」

「心使い、一国の主として感謝する。 守護騎士団団長オーディス殿。

でもブッチャけ、神々がいつ動き出すかが問題だな・・・」

「うむ、だからこそ私直々に率いてきたのだが・・・」

悩む長二人に、回りの人間が分ろうはずもなく・・・

 「んにゃ、ワカランでもないゾ」

!!?

いた。それが分りうる唯一の人間。元魔女にして見た目幼女な魔導師ルー。

「この幼娘は・・・」

「元魔女のルー。」

「この幼娘が・・・」

 「そういうワケだ、老英雄騎士殿。 サテ、クサレ神々が動き出すであろう直だが

・・・年月からいって、月が陽を喰らい光と闇が交じり合う日 日食であろうナ」

「具体的に、それはいつ?」

 「それは・・・ワカランっ!!!」

思わずこける皆々。 揃ってジト目で睨んでしまったり

 「マテマテ、そう睨むナ。クサレ神々が一斉に起き出したせいで

その暦が狂ってしまっておるのダ。それでも・・・今からそう遠くないのは確実」

「「・・・・・・」」

 「まぁ、そのときまで気長に待つことだナ。 ドウセ、神々と戦える者は限られる」

「ここにいる面子は全て大丈夫だとして、軍からは1/4・・・」

「一月二月ならば兎も角、私とていつまでも留守に出来る立場ではない。

この者達、都市国家シウォングの王 真龍騎公ライに授けるとしよう。

願わくば、国を 民を護る剣としてこの者達を用いん事を願う。

元々、その為の希望者を募り申し出てきた者達。 所縁もある。

気を使う必要はない(ニヤリ」

「・・・了解した。この者達を我が民を護る剣として与る」

結局、オーディスはその日の内に王都へ向けて出発した。

一泊でも滞在することを勧めるにも関らず、話が終るや否や早々に・・・

・マテリア=リフォース

ユニット隊長。魔操鎧闘士。騎士に似合わず小柄で寡黙な娘。

・トール=スターナイト

ユニット副長。破壊剣の攻撃型魔法戦士。熱血漢っぽい感じの青年。

・シグ=デバスタ

騎士剣の戦士。凡で極めて特徴がない青年。騎士剣使用。

・メイ=レティエシア

二剣流の女戦士。戦士らしい性格でサバサバし物事を深く考えない。

・ウィル=レティエシア

双頭剣の戦士。メイの双子の弟。 戦士らしい性格というより物事に無頓着。

(以上、ep.08「The Lost Princess」 登場)

・アルト=ベイゼ

槍騎兵。軽装の斬込み型。針髪頭の飄々とした青年。

・ナイア=アグフォス

魔導士。攻撃より参謀を主とした賢者型のマジメ娘。

・ウィン=スティア

聖騎士。礼儀正しい青年。重装で回復の担手。

・リーナ=クラウス

癒士。礼儀正しく活発な娘。回復の担手だが格闘士スタイル。

・ネル=マッケン

攻防万能型魔法戦士。 基本的に無口だが思慮深い娘。

面々を代表して、前にでるのはマテリア

 「真龍騎公ライ=デステェイヤー。貴方の元で働けることを光栄に思います。

現役だった貴方達の活躍を聞いて私達は守護騎士を目指したようなものですから」

確かにアレス,リオ達の世代は、守護騎士が何者も恐れず本来の任務を真っ当し始め

数々の武勇伝を打ち立てたライ達の世代に憧れてこの道を選んだものが多い。

「それは・・・どうも。 だが、君等がココでの最大の任務は神々を退ける事と

言っていい。君らにその覚悟はあるか? 神殺しの禁忌を犯す覚悟を。」

 端より覚悟っ。 我が剣は民のためっ。 平穏を乱すモノは神であっても裁くっ。

「・・・よしっ。いい覚悟だ。 でも、自分の幸せも忘れるなよ」

 はいっ。

一糸乱れぬ宣言は予め仕込んでおいたのであろう。

希望者という事はライ達の気質もまた・・・

「まぁ、憧れて来てもらって言うのも何だけど、実態を見て失望しないように(笑」

 「大丈夫です。 そちらの武勇伝もお聞きしていますので・・・」

「・・・さよけ。」

王たる凛々しい顔から一転ふつうの兄貴の顔となったライに

マテリアもまた一隊の長たる顔から年頃の娘の顔でポッと頬を染め

 「あの・・・イリアお姉さまはドチラに?」

「・・・はい?」

思わず何コレと指差すライに、アルシアは肩をすくめお手上げ。

以下マテリア隊(仮)の面々を目をそらしていたり、知らぬ者は誰それと。

「あ〜〜、イリア・・・イリアね。 いないよ、彼女」

 「・・・え?」

「だから、彼女はココにはいない。 分り易く言うなら

簡単に会わせられない。彼女は可也特殊な存在なんでね。」

 「・・・・・・・(哀」

ライのそれが嘘偽りでは無い事を悟り、打ちひしがれるマテリア。

つまりこの娘はそれが目的の大半で希望都市へやって来た と。

「まっ、いいんだけど・・・」

十人増えたくらいなら今の屋敷でも十分対応出来た。 ハズだった。

あえて誰と誰と誰が余計に部屋を占領していなければ・・・

結果、今ある屋敷から見える然程離れていない処に次館を建てる事となった。

幸い、わけあって整地が済み後は建物を建てるだけ。必要なのは大工と人手。

普通なら屋敷一つ建てるのに人手などそう揃うはずなどないのだが

人手だけは十分にあった。 つまり、希望都市に新たにやって来た・・・

「人の世を護る為にやって来たはずなのに・・・まさか最初の任務が大工とは・・・」

「其処っ、ツベコベ言わずキリキリ働くっ」

王のはずのライが率先して動き、アレスやルナやシエルの面々まで働いているとなると

人の世の為、決戦に地におもむいた面々も一時騎士から大工に転職せざるえなく・・・

本職でなく実際携われる人数が十人余であったとしても揃っている面子が面子。

文系で不向きな娘や、「ボク、女の子だから・・・」とノタまう小娘も

リオ筆頭にそのサーポート。 しかもマテリアの魔操鎧闘士 土木工事Verが

ガッチョンガッチョンと動き回れば、建物だけならソレこそモノの数日で完成。

流石に内装,家具だけは本職の方々に頼まなければいけないが

それも建築前に話をつけただけあって速完にピッタリ納入。

「・・・本当に完成してしまった(汗」

「ふっ、当然」

自分達で作り上げた家を見上げ呆然な面々の前、ふんぞり返るライとウンウンな旧面々。

こんな処で長らしさと結束をアピールしても仕方が無いのだが・・・

それでも皆で作り上げた次館。広さは元あった屋敷と同等で質実剛健な造りに

中央を階段で、二階は連なる個室、屋根裏の物置。一階は居間と台所に大浴場。

そして元の屋敷と異なり、執務室,図書室の代わりに大会議室。

 「と、言う訳で早速私の部屋を・・・」

 「そうねぇ・・・何処がイイかしらぁ」

「ちょっと待てぃっ!! オマエ等の部屋はもう既に向うにあるだろうがっ!!!」

素で自分の部屋を決めようとするルーとアルシアを捕縛し

顔で合図するライに新面々は慌て屋敷に飛び込み早速会議を始めたのは言うまでもない。

ここ数日の付き合いで、この二人なら本気で部屋を占領しかねないと知ってるから・・・

そして、新たな面子を加え再び日常が始った。

早朝の訓練、集うのはライ以下、アルシア,ルー,ヒルデを除いた面々に+新面の10人。

準備もソコソコに適当に相手を求め塊る。 やはり身体が資本のもの同士に

「リオ、いつかの再戦願いたい」

迫るのは魔法戦士のトール。その前に立塞がるのはアレス。

「人の前で彼女にチョッカイかけるとはいい度胸だ。」

「貴様は今、御呼びじゃないんだが・・・」

バチバチ火花散らす二人にリオは私の為に争わないでとオロオロ。

「ふむ。 じゃ、自分も加われば2対2で丁度いい」

騎士剣のシグも乱入にダック戦決定。戦闘力的にはアレス,トール,シグ匹敵に

リオが僅かに劣るが、アレスとリオの絆は以上に強い。

道着姿の癒士リーナが求めた相手は、身体つきからして黒虎に逞しいシエル。

 「シエルさん、ボクとお手合わせしていただいていいですか?」

 「ん? ん。」

見目からシエルを格闘系と見たのだろう。リーナは体格リオ並だが

癒士のクセに道着が様になっているだけあって寧ろ武闘系。

「イイ感じに分かれてしまったねぇ」

「じゃ、残りは俺達で面倒みますか。久しぶりに本気で楽しめそうだ・・・(ニヤリ」

槍騎兵アルト,聖騎士ウィン,騎士ネル,二剣流メイ,双頭剣ウィルに立塞がるのは

威風堂々に立つ魔法戦士ライ,その影の如く寄り添う戦忍レイハ。優々に立つ騎士カイン。

正式なユニットではないとはいえ守護騎士5人の方が優位なのだが

そう油断出来ないだけの風格が三人にはあった。

一方ディとルナは取り残しっぽく、前には文系な魔操鎧闘士マテリアと魔導士ナイア

「・・・何か、ハズレっぽいですね」

 「・・・クアアアア(欠伸」

 「子供相手ならばマテリアさんに私がサポートでも十二分でしょう」

「それは随分とナメられたものです。 言っておきますが僕達は強いですよ。

今では守護騎士並に・・・」

光晶槍を構えた燐翼を生やすディと 相棒に仕方ないと狂戦鬼の大太刀を抜き放つルナに

二人もまた子供相手をして悪かったとばかりに標準型魔操鎧闘士となるマテリアと

驚愕に気を引き締め直し己の魔杖を構えるナイア。 相手にとって不足はない。

交じり合う刃と刃、拳に蹴、飛交う魔法。

初端にも関らず 初端ゆえ本気実戦まがいの訓練が始った・・・

・・・・・・・・・・

結局、アレス達,子供達はほぼ引き分けっぽく双方力尽きてノックダウン。

リーナは大猫の前の小猫に、御機嫌に尻尾うねらせるシエルの前でバタンQ。

そして、息を荒くしながらも未だ未だ闘える三人に完全に屈した若き守護騎士達。

彼等とて老英雄騎士オーディスが選んだ ある意味、精鋭中の精鋭である。

だが、ライとカインは守護騎士が守護騎士たる意義を取り戻した世代の中心。

更に色々な意味で活躍し、様々な武勇伝を打ち立てた名(迷?)コンビ。生きる伝説。

五対三であろうと、威に若者達は防戦一方。否、主に攻め込むのはライとカインのみ。

レイハはコインビネーションで休む者達に気配無く死角から忍び寄り襲い掛かる。

故に、常に全力で戦い続けるしかなく

「さ・・・流石・・・。 自分達は、もう少し早く生まれて貴方達と共に戦いたかった」

「な〜〜に言ってるんだ。 これからいっしょに戦っていくんだろ(笑」

「っ、はいっ!!!」

そのために彼等は故郷を去り、希望の都市へやって来たのだから。

訓練も一段落に、当然皆汗まみれ。

「さて、時間も時間だし帰って一汗流しますか」

とライに、皆 撤収開始。 女子軍はさっさと連れ立って行ってしまった。

「これは・・・イベントなアレのチャンスじゃないかい?」

「ふむっ、そうですなっ!!!」

一転、悪の御大と化したライとカインに新面は思わず何コレと指差し尋ねる。

「ん〜。 まぁ・・・何だろうな(汗」

「病気ですね。」

苦笑になんとも言いようがないアレスにディ。

自分から率先して行く気はないが、行こうと誘われればもはや断る気には・・・

「さぁ、我こそ真の漢と思う者はついてこいっ(ダー―ッ!!

しかし、強制はしない。退く事もまた勇気なのだがらっ(グッ!!!」

熱く語るライと感涙を流さんばかりに頷くカインを見れば

皆何も知らずとも行く気になってしまう。 そして勇者達は・・・

・・・・・・

ココまで辿り着くのもまた数々の罠を潜り抜け、一つの冒険であったが克割に

茂みの中で気配を殺し無様に這いつくばった勇者達の眼下に広がるのは素晴らしい光景。

それは水滴の宝石を纏う乙女達。

やはり女としても戦士としても最も体躯が良く爆乳なのはシエルだろう。言わずもがな。

それに対しレイハは本当、普通の女性にしか見えないくらいに線が細く儚忍美に悩ましい。

リオは若々しい躍動美に溢れ、その胸も相方に育てられたおかげで将来有望な艶乳。

ルナは怪力から思えぬほどの子供だが、やはり身体も子供・・・でも無くいい感じに儚乳。

マテリアは戦士で無いだけに小柄で細く年齢の割に・・・故に周りが恨めしそうである。

メイは身体が資本だけあってイイ身体付きだが、艶乳でも足りないのかシエルと見比べ。

ナイアは着せ痩せるタイプだったのか金髪妖艶娘並な肢体。しかし当人は逆に不満っぽい。

リーナは格闘系にもかかわらず筋肉が付いてない感にリオ並だが、乳はレイハクラス。

ネルは無口な当人とは逆に身体は雄弁で逞しく女らしい乳房がイイ弾力そう。

「・・・(の、覗きだなんてそんな事・・・ああっ、マテリア〜〜」

「・・・(おお〜〜シエルさん凄い。他の娘も中々にナカナカ・・・」

「・・・(姉ちゃん、成長したな(ふっ」

「・・・(確かにコレは、熱く語るだけある」

「・・・(うぐ・・・ぬううう・・・」

5人5色で様々な反応を見せる青年達だが、それでも誰一人目をそらす者はいない。

ああっ、哀しき男のサガっ!!  しかし、コレこそ男の浪漫っ!!

故に、いかなる危険が伴おうとノゾキは止められないっ!!! (注:ノゾキは軽犯罪です)

そうして鑑賞していること暫し・・・

いつまでもノゾキをしているわけにもいかず、水から上がり始めた女の子達に

ライ達も撤収しようと

「・・・(あり? 他の皆は?」

「「!!?」」

そこに残っていたのはライとトールとアルトのみ。 という事は・・・

 「ライ・・・(哀」

 「はぁ、毎度毎度・・・御バカさんなんですから(呆」

 「団長のみならず・・・不潔ですっ!!!」 

 「話には聞いていましたが、まさかトール、貴方まで一緒だなんて」

声に強張る身体でも振り向いてみると、そこにはヤハリ不埒者を捕まえるため

濡れた身体を拭き切らず下着のみを纏った扇情的な姿の娘達が仁王立ち。

コレがお遊びと思っているのか勝ったと喜ぶルナ以外、誰一人好意的な表情を

浮かべておらず・・・いたら、ソレはソレで怖い。 兎も角

 「これは・・・如何すればいいのでしょう(困」

と未だ嘗て無い不祥事に困惑なナイア。 対し、メイ,ネルはノゾキぐらいと平然。

「まっ、マテリア、違うんだっ! これはっ、これはっ」

 「ノゾキを行うような男性の知り合いはいません」

慌て取り繕うとするトールは、寡黙娘に抑揚なく無く斬捨てられ凍結。

 「んー―、・・・取り合えずコレ、サンドバックにしていいですか?」

なんてシエルとレイハに了解を取っていちゃったりするリーナ。

 「ん。」

 「死にさえしなければ結構ですから」

 「なら全力で撃ち込んでも大丈夫だね♪」

 「では、私も手伝いましょう」

と肌も露に濡れた下着のみのマテリアに、その両腕のみを覆い尽すのは

素体に似合わずゴッツイまでの魔操鎧の甲腕。

「ちょっと待ていっ!! それは死ぬっ!!! 確実に死ぬっ!!!」

「そっ、そうだっ!! 元々、この人が俺たちに何も言わず誘ったりするからっ!!!」

「アルト手前っ、一番喜んでたクセに人に罪を擦付けるか!!? 騎士あるまじき行為っ!!」

「この場合は騎士も何も関係ないっ!! 俺は自分の身のほうが可愛いんだっ!!!」

殴っ!! 殴っ!!!

 「現行犯逮捕した時点で、一切の弁解は受け付けません」

「「うっ・・・」」

周囲を完全に包囲した娘達で、男達に影。空気がむわっとした芳しい香りが漂う。

だが状況はソレを楽しめるようなものではなく

 「では・・・、さようなら?」

「「「うおあああああああああっ!!?」」」

そして、昼間にも関らず空に輝く三つの星が流星となった・・・

別館にも台所と居間が用意されているにも関らず、皆食事は何故か食事は屋敷で

取っていたりする。まぁ、客がいなければ皆座れるし手間も省けるので問題はない。

今日の朝食もまた皆居間に集い和気藹々と食事を・・・

・・・・・・・・・・・・

取れるはずもなく、男性衆が決して目を向けようとしない居間の方には

リンチでボコボコに簀巻き逆さ吊り晒し者な三人。辛うじて生きてるっぽい。

 「何だ?マタやかしたのか? 減るモノじゃあるまいし見せてやればイイのに」

 「とか言いつつ、自分かされちゃったりすると凄くムカツクのよねぇ・・・」

 「全くだナ。私等の身体、散々弄んでるくせに・・・」

「・・・・・・(フルフルフル

   サクッ!!?

・・・・・・(沈」

レイハの投擲したナイフが身体にささりライ沈黙。主相手だからこそ容赦無い。

 「関係ありません。王であろうと守護騎士であろうと

犯した罪には相応の償いをしていただけかなければ・・・」

サクッ! サクッ!!

と刺さるナイフにビクッビクッと跳ねるライの身体。

もはやココまで来るともう、他の男性衆への警告以上の威嚇。

そもそもノゾキをしていたのが三人だけではないなど既に周知の事実なのだがら。

それをあえて黙っているだけで。

軽犯罪は現行犯逮捕のみが有効 しかし行われた刑罰は重罪並。  ・・・合唱。


(04.01/23〜04.03/27)



2007/12/30
「SH
RINE」