■ep.11 LEGEND(前編)■







彼、運命ノ輪ノ外ヨリ来シ者ナリ。世現以来、運命ヲ変エ

死ス筈ノ者ヲ生カシ、人ヲ集メ、新シキ地ヲ征シ、敵ヲ味方へ変エ

運命ノ担ウ者タル神ヲモ滅ス。


彼がアルシア,レイハ,ルー,シエルの四姫全員に手を出してしまった事により

四姫も他三人に対し気兼ねする必要がなくなった。 つまり・・・

基本的にライは最も身近な4人の娘に対してすら夜伽を命じたりはしない。

それは彼女等の意志を尊重したい気持ち半分、未だに迷う気持ち半分。

しかし、4人の娘達の方ではしっかり折り合いは着いていたり

既に寝床で待っている事ありーの、寝ようとした所にノックありーの、夜這いありーの

その衣装も個性的に、

レイハは流髪を首後で纏め清楚な白襦袢,アルシアは妖艶なネグリジェ

ルーは可愛らしいパジャマ,シエルはずぼらに格好よくシャツ短パン。

は、あくまで基本で、激しいのが御好みの時は柔軟で強靭なレオタード・・・

でもシエルは一緒にさえいれば何をされてもいいのでシャツ短パンオンリー。

それでも何故か申し合わせたかのように重なる事がないのは・・・

勿論、実際の行為に激しくか優しくかはライの気分次第である。

ルナ。野生児である この銀狼少女は何処で寝ても平気である。

それでも皆が口うるさく言うので自分に与えられた部屋のベットで

服脱ぎ捨て全裸に丸まり眠るのが常だが、それでも人肌恋しい時はある。

そんなときはシエルの懐なりディの上になりで寝るのだが・・・

 「・・・クゥン」

寂しさに、寝惚け眼で部屋を出た狼なルナは毎度の如く特に何も考えずに

テッテッテッと廊下を歩き、その部屋へ。犬な手でも器用にドアを開け入り

ベットに上がると布団に潜り込み、その懐へ。

 「ワゥ・・・」 お休みなさい

「ん〜〜〜(眠」

主は投槍に応じ、他意無くいつもの様に抱擁・・・

・・・・・・・・・

 「きゃうん・・・」

・・・・・・・・・

 「くぅん・・・くぅん、くぅん(悶」

「っ!!?」

主が慌て飛び起き灯りを点けて己が抱いていた者を確認してみると、それは

 「わぅ・・・・・・(困」

「・・・・・・あ、危ねぇ(汗」

頬を朱に染め涙目に困惑顔の全裸に娘なルナ。この少女は起きて変身する時は

衣服を破いてしまうのに無意識で変身する時は何故 何もないのだろう。

危うく禁忌を犯してしまう処だった。 まぁ、血は繋がっていないのだけれども。

それでも、身体中を触りまくりも揉みたおした事は間違いなく・・・

・・・これが4人娘にバレたら間違いなく九分殺し。

「ど〜すりゃいいんだ、これは・・・」

 「わぅ・・・もう、しない?」

「しない。 てか、しちゃ駄目なの」

 「くぅん」 残念

「それ以前に何で俺の処にいるんだ?」

 「わぅ、私、寂しい。いっしょ、寝たい」

「〜〜〜〜〜〜(悩。 ・・・ふぅ、いっしょに寝てもいいけどな」

とルナの身体に簡単に解けないようシーツをドレスの如く巻付け

 「くぅん・・・」煩わしい

「それを脱がないならな。」

 「わん」 は〜い♪

ベットに横になった懐で父親に甘える娘の如く、ルナは嬉しそうに抱きつき眠りに入る。

まぁ、こんな事もあると。

その日、皆が集う居間

 「・・・えへっ、えへへへへへ(笑。  はぁ・・・(悶」

ソファに身を委ね、ぼ〜〜っと起きているのに夢現な状態が続いたかと思えば

行き成り怪奇な笑みを浮かべたり毎度に輪をかけ変なルーがいた。

 「くぅん、ルー、また変。怖い(怯」

 「近づいちゃダメだよ。うつるから」

引くルナに、教育上変な事を聞かせてはならないとリオが見えないように連れ去る。

今更ながら他四姫はワケを知っているのでビビりも避けもしない。 ただ

 「しえるぅ〜〜」

アルシアにシエルはルーを捕縛し膝の上、ソファに座る。

 「れいはぁ〜〜」

応じてレイハが周囲の人気を確認、しっかり戸締りに居間を密室に。何故か明るいのに

拷問室の如くイヤ〜ンな感に変貌する居間。 アルシアはルーの幼顔をクイッと上に

 「るぅちゃん、それで今回はどんな風に愛してもらったのかしらぁ?」

 「えへ、えへへへへ、そんなこと言えんナァ。

 こればっかりは個人のぷらいばしーだろぅ?」

 「それは分ってるけどぉ、ルーみたいに四六時中イッてると

 やっぱりどんな事されたか気になるじゃなぁい?」

 うんうんと頷く他二名。

 「なぁに、してもらってる事は対して変わらんサ。ただ私の身体は幼女だろぅ?

貫かれるだけで身体の中イッパイイッパイで、それで完全に組み伏されてしまうと 

もう・・・喰われて、股から内臓を貪られているみたいでなぁ・・・えへへへへへ

腰なんかカクカクに、身体トロトロで、私は、私はぁ・・・(クネクネクネクネ」

猫娘の懐に抱かれ、また思い出したか幼女の顔がニヘラァとだらしなく腑抜けに身悶え

何を妄想してるのかルーをみてるアルシアとレイハも、ぼ〜〜〜っと

 「・・・二人、涎垂れてる」

 「「!!? ・・・(アタフタアタフタ」」

 「・・・体格による相対的なものばっかりは如何しようもないな」

 「そうでもないゾ」

と、大黒猫嬢に弄ばれる仔にゃんこ様は聞き捨てなら無い事を平然と

 「「なにっ?」」

 「???」

驚愕に迫る二人の意図などシエルに理解出来ようもない・・・

・・・・・・・・・・・・

基本的にライの寝る時刻は定まっていない。他の者よりさっさと早く寝る事もあれば

最後の最後まで居間に居座り消灯して、部屋に戻ると寝るだけという時もある。

その日は四姫筆頭に女子軍がさっさと己の部屋に退散してしまい、残るは男面子のみ。

「・・・しかし何だ、女の子がいないと静かなもんだなぁ」

「女子集うと、かしまし と古から言われていますから」

「・・・・・・(納得」

「・・・・・・(苦笑」

ディは端から煩いものだと知っているし、

アレスは相方を強制的に静かに出来ても、姐御衆に直接文句は言えない。

カインに至っては大人しい相方なので、煩ければ拉致って逃げればいい。

「・・・俺が、俺が悪いのか?」

「「「・・・(頷」」」

対一の中で唯一、同時4人。 ナンパ師のカインですら常に4人は賞賛に値する。

だからといって庇いも何もしないのだが。 焚付けはするけど・・・

常日頃から四姫に苦労しているのに同情してくれない男子軍に傷心のライは一人自室へ

「今日も日が暮れ、夜が更け〜♪  、・・・・・・。」

明かりを点けてみればベットの上、布団はこんもり膨れ・・・サイズ的には小さ目なので

ルーかルナか。

取り合えず・・・お仕置きとばかりに体重をかけずに圧掛かり、蒸焼き

「・・・・・・(笑」

 「・・・・・・」

「・・・・・・(笑」

 「フゥー―ーゥッ。 ・・・にゃぁ」

「にゃぁ?」

布団を捲って見れば、其処には蒸焼きにクッダリと少年と見紛う猫少女

何故か全裸で手足をリボンで梱包されていたり・・・今、面子にこの娘はいない。

今は・・・ でも、昔はいた。

「・・・シエル、だよな?」

 「にゃぁ」

くてぇ〜と虚ろに返事を返し、縛られた不自由な手で手紙を差し出す。

「何々、哀れ しえるちゃんは悪い魔女に呪いをかけられ仔猫になってしまいました。

呪いを解くためには おーじ様の愛が必要です。がんばって しえるちゃんに愛を注ぎ

呪いを解いてあげてください。 追伸、意疑申立ては一切受付ないのであしからず。

・・・・・・何これ?」

 「にゃぁ?」

「・・・主犯はアルシアだな。実行犯はルー。計画立案はレイハか?」

 「にゃぁ。」

「・・・何でにゃぁとしかいわないんだ。 あ〜〜言わなくてもいいや、分かった」

漏らさないよう言葉封じしてあると。 完全に用意万端。

これなら文句を言いに行っても姿を暗ましているに違いない。

「如何したものかね?」

 「にゃぁ?」

知らないとばかりにシエルは瞼を閉じ、猫耳がぴっぴっぴっ 尻尾先がピタピタ。

こうなった以上成り行きに任せ完全に愛玩猫に徹する気らしい。何も出来ないし。

「三人には追々御仕置きするとして、愛を注げっていわれてもなぁ・・・Hしろってか」

 「フゥー―ーゥ」

しえる自身、肯定とも否定とも言いかねるらしい。

今のしえるは出会った当時の姿そのままに仔猫という言葉が似合う容姿で

「・・・まいったなぁ」

可愛がる気にはなっても、これでするのはちょっと・・・ってか、何故全裸?

仕方がないので座った懐で横に座らせ抱擁し、頭をクシクシと撫で猫耳下を掻くと

 「ふにゃ・・・(ゴロゴロゴロゴロ」

気持ち良さに目を瞑り、完全に身体を預けて咽喉を鳴らす。

大人なシエルですら何をされても無抵抗なのだから、仔猫なら・・・

「シエルはイイ子だなぁ・・・」

 「・・・(ゴロゴロゴロゴロ」

強く抱締めると壊れてしまいそうな細く小さな肩、儚く薄いまでも低山に尖った乳

殆ど筋肉が付いておらず柔らかな腹筋 臍部、細い腰、小さく丸い尻、細い太股

「・・・・・・(はぁはぁ」

 「・・・・・・にゃぁ(困」

気付けば痴漢に少女体をもみくちゃに愛撫しまくり・・・猫少女は困り果てて尻尾オムツ

「おっと、すまん。 ・・・参ったな、その気になってきちゃったよ。」

 「・・・・・・(困」

「でもなぁ・・・」

今のシエルは完全に子供の身体。それでその気になってしまった事自体ヤバイ事なのに

やってしまったら本当に洒落にならない。

ルーはイイのか? と意見もあるが、ルーは魔女でヤりまくっていたから可なのである。

だが、シエルは順調に成長し大人になっていたのに行き成り子供な身体・・・

これは可と見るべきか不可と見るべきか、嘗て無いほど真剣に悩んでいると不意に

ちゅっ、ぺろぺろぺろ

 「にゃ(照」

好きにしてください コロンと身を委ねる猫少女

「ああっ、シエルお前はなんてっなんてぇ愛い奴なんだぁっ!!!」

 「・・・・・・(照」

「・・・と、言うわけで頂きます」

 「!!?」

節操もあったものじゃなく、瞬間ベットに大の字で組み伏せられて

目が点の猫少女の身体を男の唇が手が這い食み揉み廻し、

シエルの神経に性感帯の耳下を擽られている以上にゾクゾクっと電流が

 「にゃぁっ、にゃぁ、にゃぁぁぁ!!」

「・・・・・・如何した?」

 「・・・にゃぁ(泣」

「・・・キス?」

 「フミぃ・・・」

いつも以上に感じてしまうので優しくして欲しい、と。

ちょっと怯えているので猫耳がねてる。

「ふむ。 じゃあ、キスから始めるか」

片腕で身体を浮かしながら猫少女の唇へ・・・

鳴けないよう口を封じる一方で、その手は儚乳に

びくっ

手の平全体を使ってゆっくり揉みこね、尖り始めた乳首を摘み・・・

 「・・・、にゃ、にゃぁ、にゃぁぁ」

男の唇が這い、猫娘の唇から顎 顎から咽喉元

パクッ

 「にゃっ!!?」

咽喉に食いつかれ、強張る猫少女の肢体。 それは肉食獣に襲われたか弱い獲物の反応。

歯を突き立てられ咽喉をしゃぶられる毎にビクビクと逃げようにも逃げられず

だが、止めは刺されることなく顎は下へ。

 「にゃぁぁぁ、にゃぁぁ、にゃぁぁぁぁ」

いつもより増して大きな男の身体 獣に恐怖を覚えつつも快感に泣き悶え。

下り、未熟な乳を吸い揉まれ、あばらをゴリゴリとマッサージ、

舌が這いながらお腹を伝い臍と丹念にしゃぶり尽くし更に下腹部を伝い下へ

ソコは少女の無毛な恥丘。そこへ

ガプっ

と大顎が食らいつき、更に中へ奥へ滑り込んでくる舌。

ぬるりと舌が狭い少女の中を丹念に舐め回し抉り奥へ奥へ突き上げ拡張する。

食われる 喰われる 食われる 喰われる

 「にゃ、にゃっ、にゃっ、にゃっ」

大事な人を食べたい、食べられてしまいたい。

それは一つの愛の形。 相手と完全に一つになりたいという。

ましてや今は、強大に獣な男に弱小な猫少女。 牙を突立てられても術なく・・・

 「はっ・・・・・・はっ・・・・・・はっ・・・・・・」

食べられていないが喰われてしまった。 精魂が尽きるまで

柔かい舌といえどそれで膣をクリグリゴリゴリとされてしまえば

少女の柔肉でも、いい感じに小穴が開いたまま。

獣は再び猫少女にのしかかる。 その肉を堪能せんと。

ずぶっ

 「!!?」

少女の股に男の腰がぴったりくっ付くほど割入れられ無慈悲に挿入されたものに

抵抗の余地すらなかった。

それは今のシエルには途轍もなく凶暴で、内から裂かれてしまいそう。

「流石に・・・キツキツだな。 大丈夫か?」

 「・・・・・・ミっ」

大丈夫と言いたいつもりなのだろうが、如何見ても悲痛悲壮にイッパイイッパイ。

快感は得たいが、女の子を苦しませるのは望むところではない。

「シエル、俺に抱きつけ」

 「ミっ?」

恐る恐る脚を腰後ろに絡みつけ首後ろに手を回し、言われるがまましっかりと抱きつく。

その細腰下に腕を回し、しっかり固定し

「じゃ、シエルを上にするからな」

と瞬間、感じさせる間も無く騎上位。天地逆の感触に猫少女の目が天。

腹奥の圧迫感がさっきよりはきつくなったが、耐えられないほどではない。

それどころか抱擁されているので・・・

「今日はこのまま寝るぞ〜〜」

 「みゃっ?」

いいの? と見上げるシエルに応じるのは、クシクシと髪を掻き乱だす大きな手。

そう、初めて出会った時もその手は大きかった。でも再開した時、その差は僅かに。

とてつもなく大きなものに護られている実感に満足し

猫少女はまどろみ始め眠りに・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

四姫ほか三人が夜何処へ逃げ眠ろうと朝になれば屋敷に帰ってこなければならない。

だから、空が白み始め朝錬で皆が動き始める少し前に帰ってきた。

屋敷の構造上、普通の手段で上の階へ行くには居間の前を通る。

帰って来た3人は気配を殺し玄関から入り・・・開きっぱなしの居間のドアをいぶかしみ

3人雁首並べてまだ暗い居間を覗き込んでみると

「お〜〜か〜〜え〜〜り〜〜」

「「「・・・・・・」」」

回れ右。

「ど〜〜こへ行くつもりなのかなぁ〜〜?  かもんっ♪」

ソファに踏ん反り返るライの膝枕にはスヤスヤとここち良さそうに眠るシエル。

その姿は未だ子供で、ライのデカシャツを腰で紐で縛り・・・ 

その前に謹んで正座する3人。てか、朝焼けに影となった中で輝く眼光がスゲェ怖い。

「さて、シエルがまだ元に戻らないわけなのだが ルー、説明してくれるかな?」

 「あ〜〜〜、それで御主等は本当にやってしまったのか?」

「やったと思うか?」

 「あ〜〜う〜〜え〜〜、事の如何に関らず時限式で

 もう戻っておってもおかしくないはずなんだがナー」

「・・・戻ってないぞ。」

ルーは御免とばかりに自分と差してサイズが変らないシエルの元に駆け寄り

観測系の魔法を発動。空に展開したディスプレイを隅から隅まで読み尽くし

納得すると解除してから自分の席に戻り正座。

「それで?」

 「体質的にシエルは魔抵抗力が高くて、それに合わせて魔法をかけたのだが

  如何やらシエルは魔法を掛けられた時、一切抵抗せんかったようで・・・

  魔抵抗力皆無の状態で諸に魔法を受けてしまい・・・効力時間が・・・。

  多分一週間ほどで元に戻るはずだが、多少危険を犯せば今すぐにでも」

「無理に危険を犯す必要もないだろ。放っておいても元に戻るならおいて置こう」

 「「「・・・・・・」」」

「さ〜〜て、何故こうなったか説明してもらおうか? 

何の目的か知らなが、どうせシエルを実験台にしたんだろ」

 「「「・・・・・・」」」

言えるわけがない。幼身体でHをすれば本当にイイか? なんて破廉恥な事を。

それを確認するため寡黙なシエルを実験台に後で感想を聞こうと企んでいたなど。

「まぁいいや、言いたくないなら。 それで、どんな御仕置がお望みかな?

 放置か、それでも足腰立たなくなるような激Hなやつか・・・」

 「「!!?」」

 「・・・」

「なぁ〜〜るほど、レイハとアルシアは激しいのがお好きで」

 「そ、そんな事ないわよぉ(汗」

 「な、何をおっしゃっているんですか(汗」

アタフタと取り繕ってももう遅い。 そもそも、この二人はライをなめている。

だからルーが小さい体を更に小さく、見た目通り恐怖に慄く幼女の如く

ガタガタブルブル震えているわけも解らず・・・・・・

早々に穢されてもいいようアルシアは旗袍服姿でレイハはレオタに軽装クノ一衣装で

拷問室の如き地下室にいた。周囲には一切の拷問道具などなく無意味に石床が広がり

 「「???」」

「大人なんだから悪戯にはそれ相応の裁きは受けるべきだよな?

 のぞきに毎度、俺のみがリンチされているが如く・・・」

とはいえ、男一人女二人をヒーヒー言わせるなど出来るはずも

「紹介しよう。俺の心の友テンタクス君だ」

パチンと指を鳴らした瞬間、二人の足元に広がる召喚魔方陣。

そこから生えてきたのは

 「ひいいっ!!?」

 「しょ、触手っ!!?」

アルシアは逃げる間も無くアッサリと集られ、レイハは飛退くも脚に触手が絡み付き

二人揃って触手の群に

「彼は古から性戯に携わってきた者で、縁あって知り合ったんだが・・・

 まぁ、論より証拠。 存分に楽しんでくれ」

 「「・・・・・・(悶」」

もうアルシアもレイハも衣装そのままでヌルヌルに四肢も不自由に絡み付かれ

それは、男の指の如く、舌の如く、性器の如く

乳を尻を太股を揉み倒され舐め回され、股間と口を埋め尽しズッコンバッコンと

 「た、たすっけっ・・・」

 「激っ、しい、過ぎぃっ」

「・・・って、もう楽しんでいるみたいだな。

まぁ、尽きてしまったら消えるからがんばって」

と二人の目の前、ゆっくりと無慈悲にドアは閉じられ・・・・・・合唱(ちーん。

アレス以下若手4人が朝、居間に来るとソファにはライを膝枕に寝る猫少女が

 「おはようございます、団長。・・・その子、何方ですか?」

「「・・・・・・(考」」

 「わぅ?」 誰?

挨拶早々に眠たげなライへ異口同意に疑問を投掛ける。

感じからして猫少女がライを信用しきっている事は良くわかるが・・・

 「ま、まさか隠子ですかっ!!? 団長、不潔ですっ!!!」

「そこ、激しく違うっ!!」

 「わう(クンクン。 ・・・、シエル?」

「「「ええっ!!?」」」

確かに良く見てみれば、それは幼くもシエルであり・・・

「そこのバカが変な魔法をかけてしまったんだ。一週間ほどこのまま」

とライが指差した先には部屋の隅、正座にルルル泣きなルー

なんというか・・・完全に悪戯にしかられた子供である。

「罰として当分放置なので皆、よろしく」

 「・・・・・・(えっぐえっぐ」

「「「「・・・・・・(汗」」」」

4人とも、なんとも言いようが・・・

常に強大な力を扱っているとそれが当たり前になってしまい

たわいのない力であっても危険であることを忘れてしまう。

と、騒ぎすぎたためかシエルが身じろきゆっくりと瞼が開く。

 「わんわん」 おはよう

 「・・・・・・」

しかし、ルナに対してのシエルの反応は大人な時と違い 人見知りの子供の如く怯えが。

 「シエル?」

 「・・・・・・」

ルナの出した手に、シエルは退きライにしがみ付く。

 「しえ」

ぱんっ

 「カー――っ!!!」

ルナの手に炸裂する猫パンチ。様子は怯える猫の如く、パンパンに膨れる長い尻尾。

「怖いんだ、全てがな。 なんせ一時的とはいえ

自分から全ての力が失われてしまったんだから・・・」

よしよしとシエルをあやしつつ、皆を嗜める。その恐怖など推して知るしかないのだから。

 「・・・団長はその経験が御ありなんですか?」

「今でこそ一国の主だけどな、俺は元々

何処の馬の骨か分らない記憶喪失野郎から始ったわけだし」

 「わぅ?」

ぱんっ

 「カー――っ!!!」

 「くぅん(哀」

言ってる側でルナはまた出した手に猫パンチを食らった。

こればっかりは言って分るものじゃない。

 「それで間、シエルちゃんの服は如何するんですか?」

「・・・どうせ直ぐに元に戻るからな、態々用意する必要はないだろ」

 「でも、シャツ一枚だけじゃ・・・」

「一枚じゃないぞ」

と、面々に対し背に隠れていた猫少女をヒョイと膝の上に座らせ

シャツの裾をピラっと捲るとそこには下着に白いもの。 光景に

ディが硬直した。アレスが気まずそうに目をそらした。リオがあっけに取られた。

子供のルナと子供なシエルは周囲の反応にわけも分からず 何?何? と見回した。

 「だ、だ、団長、それは?」

「あ? 流石に女の子用の下着までは如何しようもないからシーツの帯で」

と、そのゼスチャーから少女の股間に布切れを巻きつけたのはライ当人とわかる。

 「団長、貴方、貴方って人は・・・フケツッ!!!」

「!!?」

リオパンチ一発、クリティカルな感で顔面へ減り込むその拳。

そのまま仰け反りソファに倒れたライの上、仔猫シエルはおろおろ。

 「シエルちゃん、不潔な団長といると不潔な事されちゃうから向うに行こうね?」

もはや野良猫シエル=仔猫シエルになってない。子供扱いである。

しかし、優姉のようなリオの想像に反し、

 「・・・(イヤ」

 「ねっ、シエルちゃん?」

脇に手を回し抱き抱えようとすると

 「にゃーっ、にゃーっ、にゃーっ」

 「うわっ!!?」

怯え猫な暴れように結局リオは手を離さるえなく、開放された仔猫シエルは

のびたライの膝の上でその身体に抱き付く。その様子、主に甘える仔猫の如く。

「・・・諦めろ。今のシエルさんは団長にしか心を開いてない。」

 「うう、何故か凄く・・・惨敗した気分(泣」

「あははは(汗。 処で御二方、レイハさんとアルシアさんは?」

「ん? 二人は野暮用でちょっと・・・な。」

「へぇ、いつお帰りに?」

「今日の深夜か、明日の朝までもつか・・・二人次第」

 「・・・・・・(ガタガタブルブル」

「「「???」」」

ニヤリ笑いのライと怯えるルーに何故か三人はそれに触れてはいけない気がした。

レイハが居ない以上、ライは真面目に執務をするわけで

 こんこんこん

 「失礼します。お茶、お持ちしました」

執務室へやって来たのは、いつもはしないくせに今日に限り真面目なメイドな感のリオ。

「おう、さんきゅ」

 「・・・・・・」

リオの心配を他所に、ライはいたって普通にカリカリと執務をこなし

シエルはその膝の上に座り抱着き寝ていた。

「・・・・・・」

 「・・・・・・」

「・・・何?」

 「あ〜〜〜、いえ、真面目に仕事をしていらっしゃると思って」

「俺が真面目に仕事しちゃ悪いか?」

 「あっはっはー―(汗。 ・・・シエルちゃん御邪魔じゃありませんか?」

「べっつに。ガキの相手にゃ慣れてるからな・・・

こうやって片手間に相手してやりゃ何の問題もない」

 「はぁ〜〜〜、団長、意外に子育て御上手ですねぇ(感心」

「・・・それは嫌味か?」

 「いえいえ、純粋に褒めてます。」

「何か褒められてる気がしない・・・んで本当の所、何用?」

 「あ〜〜、団長がシエルちゃんに不潔な事をしていないかと思いまして」

と、不意にシエルが目を覚ますと周囲を見回しライにしがみ付き直す。

 「にゃ、にゃぁ?」

「あ〜〜、大丈夫、大丈夫。怒ってないから」

 「にゃぁ〜〜〜」

 「意外に下世話な心配だったみたい・・・」

「そうだ、少しは俺を尊敬しろ。」

 「それが無ければ素直に尊敬できるんです。」

「んが・・・。 ・・・もう少しでケリがつくから居間に茶の用意しといてくれ」

 「了解しました」

リオだってライの事は尊敬している。おバカでも頼りになる素晴らしい兄貴分として。

そして何より、皆の頭に立つ敬うべき君主として。

居間では若手4人がお茶の用意をした。 変らず部屋隅には正座のルーを残して。

そしてライもやって来た。シャツ裾をしっかり掴むシエルを連れて・・・

中略。兎に角、仔猫シエルはライにべったりで、それは

親に甘える気弱い娘の如く、主に頼る人見知り仔猫の如く。

・・・夕食時、当てつけに耐えられずルー陥落。

 「すまん。私が悪かったから、もう許してくれ。私が悪うございました(えっぐえっぐ」

「・・・だって。シエル、ルーを許してもいいか?」

と隣の席を占領する猫少女に聞いてみるライ。

 「にゃ。」

「許してないってさ〜〜」

 「にゃっ、にゃぁにゃぁにゃぁっ!!!」

シエルは明らかに健気にも裾を引っ張り、違う違うといってます。

 「そんなぁ〜〜(えっぐえっぐ」

「「「・・・えげつな(汗」」」

 「くぅ〜〜ん(怯」

「・・・まぁ、ルーがもう十分罰を受けたと思うならいいんじゃないか?」

 「ええっ、いいのか(嬉!!」

「ど〜〜ぞ」

嬉々として、ルーは立ち上がろうとしてそのままコロンと転がってしまった。

幼女、暫し呆然にあげくが起きることままならず

 「あっ、うっ・・・うああああん(泣」

「脚、痺れてやんの・・・さぁ〜〜シエルたん

あんなのは放っておいてオヤツ食べようねぇ」

 「にゃぁ(汗」

余りにも無慈悲、余りにも残酷・・・

分かっていても何も出来ず、ただただ周囲に流されるしかない猫少女だった。

深夜、地下室に響きのは女の荒い吐息×2。

「お二人さん、ご機嫌いかが?」

光景に平然な男の前へ突き出されるのは、触手に捕縛され身体仰け反らせた女二人。

二人とも全身グッショりにアルシアは旗袍服をレイハはクノ一衣装を

尖った乳首が判るほど肢体に張り付かせ、股のを隠す布は触手の動きそのままに

妖しくグニグネグチャグチョと蠢き・・・

 「はっ・・・はっ・・・はっ・・・はっ・・・」

 「御免なさい・・・もう・・・もう・・・許して・・・」

くいっと上げ顔を上げてみるとレイハは目も虚ろに疲労困憊でグッタリと

それでも何か喋りたいのかヒクヒクと唇が

その濡れた唇へ

 「!!?」

ディープキス。舌を舐取り吸出し、歯茎を舐め、口腔をくまなく突く。

と、ビクビクとレイハの身体が雷に撃たれたように痙攣。そして脱力。

・・・止めを刺してしまったのか、レイハは白目を剥き陥落。

 「ひ、ひいいいっ」

それを見て、もろにビビリまくるアルシア。いつもの妖艶さは何処へやら少女の如く。

「・・・次はアルシアだな」

 「い・・・いやぁ・・・私、もう、イきたくない・・・イきたくないのぉ・・・」

「遠慮するな。イケ。思いっきり」

 「いっやあああああああああっ!!!」

・・・・・・そして、消えるテンタクス君。

ライは力ない二人の女を抱え持ち、介抱するために上へ。

翌日の昼から、二人は可也疲れを残しながらも復帰した。しかし

 「・・・・・・(えっぐえっぐ」

 「「・・・・・・(泣」」

居間、それでも正座する三人の視線の先にはライに甘え寝る仔猫シエル。

仔猫が他の者へ慣れることがない限り、三人の罰が終ることはなさそうである。

 「くぅ〜〜ん(寂」うらやましい

でも一番巻き添えを食らったのは、甘える事が出来ないルナなのかもしれない。

シエルが幾ら引込思案になったとしても、2日3日同じ顔と付き合わせていれば慣れる。

 「わんわん、わん」

 「みっ、にゃ〜〜」

居間のソファでは銀狼少女と黒猫少女が仲良くゴロゴロと絡み合い・・・

「仲良きことは良きことかな・・・」

 「きゃぁー―、可愛いー―っ!! いやぁん(クネクネ」

「・・・アレス〜〜(パチン」

「はい。 リオ、向こうへ行こうな」

 「!!?」

羽交い絞めに口を封じられ連れ去られる腐女子もとい姉 を見送る少年。

「で、でも、よくワンとニャだけで会話が成立しますね」

「微妙なニュアンスでな。」

 「えっ、何言っているか判るんですか!!?」

「はっはっはっ、判るわけねーじゃん。 

でも感情ぐらいは簡単にわかるだろ? それで十分」

「ああ、なるほどっ!!  ・・・ライさん、顔が凄くだらしないです。

バカですか? 親バカですか? ひょっとしなくても親バカなんですね?」

「バカで結構。 てか、この光景にはにゃ〜んとならない奴は変人。」

「・・・すみませ〜〜ん。ここに子供相手に欲情する変態がいま〜〜す(怯」

ジャッと、秘書なレイハ,白衣なアルシア,魔導師なルー参上に ライの両腕を捕縛。

「なっ何するっ!! 折角の心和む憩いの時をっ!!」

 「休憩はもう終わりです。執務に戻っていただかないと」

「三人も揃ってからに、はなせええっ!!」

 「って事が予想できたから三人揃い踏みなのよねぇ」

ぷすっ

「はうっ!!?」

毒々しい液体で首筋の静脈注射に、次第に虚ろになるライの眼。

 「・・・お前ら、あの時の復讐なのか? 復讐なんだナ?(ガタガタブルブル」

 「「おほほほほほ」」

 「ああっ、最近こんなのバッカリ・・・(泣」

アルシア:サド  レイハ:マゾサド  シエル:マゾ(現在小動物)  ルー:小動物  

シエルが仔猫化し、一週間ほどの時が流れ・・・

夜、ライの寝室には主と仔猫のみ。 多分、後数時間でシエルは元に戻る。

特にすることもないので、読書で気楽に時間を潰すライに

その膝枕でシエルは無防備なデカシャツ姿で仔猫にゴロゴロゴロ。  ふと、

「なぁシエル、今のお前って丁度、俺たちが出会った頃の姿だな」

 「・・・にゃぁ。」

「結構長い間面倒見てたけど・・・行き成り挨拶も無しに

別れる事になってしまったんだよなぁ・・・」

 「ふみゃぁ」

「・・・ごめんな」

 「みゃ?」 何?

「経緯は如何あれ、置いてきぼりにしてしまったわけだしな」

 「にゃぁ(ゴロゴロゴロゴロ」

経緯を知っているシエルに、責める気などこれっぽっちもない。

気にしていないとばかりに露骨に甘えてみせる。

「・・・暇だな」

 「にゃぁ(ゴロゴロゴロゴロ・・・」

ただ、時は流れ・・・不意に何かに反応してシエルは身体を起こし

「時間か?」

 「にゃ」

主の前で身に纏う布を脱ぎ捨て幼肢体を曝し立つ。

そして幼肢体からは仄かに燐光を発し始め、分解開始。 存在自体が希薄に

「さようなら、仔猫シエル・・・」

基の情報を元に再構成開始。空より更に燐光が集い成人女性な人型へ。

そして一瞬の閃光後、元の大人な姿の

「・・・そして お帰り、シエル」

ライは優しくシーツで身体を覆い隠してやる。

当のシエルは暫し唖然と・・・感慨深げに周囲を見回し一言。

 「にゃぁ?」

「・・・・・・はい?」

 「にゃあ・・・(クアアアア」

「う、うわああっ、シエルお前っ!!」

クリっとむけた瞳は何とも眠たげに幼く・・・

「ひょっとして、精神が幼いままかぁっ!!?」

 「・・・冗談だ。大丈夫、ちゃんと元に戻ったみたいだ。・・・眠いけど」

「あ・・・そう。 なら、ならいい。 うん」

シエルは一歩一歩踏みしめ、密着しそうなほど接近。肌にお互いの息を感じる。

高身長な娘だけに目の位置は ほぼ同じ。 だから唇の場所も・・・

 「ライの顔が目の前にある・・・やはり私には愛玩で護られるだけは似合わない。

 護れるよう、共に戦えるよう・・・その為にあの後はこの身体を鍛えてきたから」

「・・・そうだったな。 いい娘だ」

背丈が近い爆乳な娘の身体を優しく抱擁し、それでも頭を撫でてやる。

この黒猫娘は頭をクシャクシャと撫でられるのが最も好きだから・・・

・・・・・・・・・

その日、御茶の時間に居間へ四姫集結。 因みに他の面々は野暮用に出払っていた。

 「それで、こんな席を用意して如何した?」

 「・・・・・・」

いたって平然に尻尾で遊ぶシエルの横で、ルーは私部外者デスと言わんばかりに茶啜る。

 「そんな事・・・この間で今日、席を設けるなら内容なんで一つしかありません。」

 「で、如何だったのぉ? 子供の身体でするのってぇ?」

・・・この二人、散々罰を受けたにも関らず まぁったく懲りていなかった。

シエルあからさまに困った顔で、片猫耳をピッピッピッ。

 「ん。 正直、態々幼い身体になってまでするほどのものかと」

 「・・・やっぱり、相手が幼くてもやることはやってたのねぇ」

 「常識人ぶっても本性は変態魔神に性欲魔人な御方ですから。」

 「まぁ、そんな男に私等みんなホの字なワケだしナ〜〜」

 「「「・・・(ズズズゥ〜〜〜」」」

言って、皆そろって何故か鬱。何故そんな男に惚れてしまったのだと。

でも、好きなものは好きだからしょうがない。


都市国家シウォング。

領土は周囲に比べ狭小ながらも国力、即ち経済力,軍事力等は周囲の国々

分岐元である王国ヴィガルドに劣っていない。 その上、ライの今までの活躍が

王の英雄譚 叙事詩となって吟遊詩人達によって語り広められている。

英雄譚云々は別として、その国力は侮りがたく

日に日に増える縁婚の申し込み。 挙句、未だ存在せぬ子息に対してまで・・・

申込程度なら未だいい。

断りの文を送るか無視すればいいのだから。それでも懲りず申込のもいるが

それ以上に厄介なのは押しかけ。

e.t.c

或る歴史ある国の姫君の場合、たった一姫に対し側近,メイド,護衛の者合わせて

一個師団でゾロゾロとやってくる。 最初に向かうのは都市中央にある役場。

しかし当然そこには王たるライの姿は無く、一行は呆れ気味の役人に案内され屋敷へ。

当然、屋敷では既に報が届き 万端の準備で待ち構えている。即ち

一行を屋敷前で待ち受けるのは使用人なアレスとメイドなリオ。

「我が王の居城たる屋敷は狭いので主と主な側近,護衛の方のみどうぞ」

と、これで計5人位まで削られ屋敷の中に通される。通される先は居間。

待っているのはソファで

イヤーンな感じに女座りで麗艶な秘書のレイハと妖艶な情婦のアルシアを左右に

膝の上にはゴスロリで玩娘なルーを、床で脚に凭れるのは野良猫に雌奴隷なシエル

オマケに何かの遊びだと思っているルナもシエルと反対側で脚に凭れさせ

いつか以上に御大な感で周囲に女の子をはべらせているライ。

「態々、遠方より御苦労様。 それで何用でしょう?」

 「シウォングの王たるライ様と婚姻して頂きたく」

押しかけてくるだけあって女の子をハベラセているくらいじゃ物怖じしない。

「で、婚姻にシウォングには何の得が?」

 「伝統ある我国と血族の盟約を・・・」

「それは余り得とは思えないな」

 「我国を侮辱するつもりかっ! 質素な屋敷に住む新参の王の分際で、我をっ!!」

「そう、俺は新参者で礼儀がなってないんでね。 姫様、あんたは何が出来る?」

 「えっ・・・姫は家来に命令し、させるもの」

「フッ、俺の姫達は皆、将だ。 戦士に魔導師、一騎当千のな。

だから立派な居城や大層な護衛なんぞ必要じゃなく、この質素な屋敷で十分。

見た処・・・戦士では無いのは明らかだし、魔導士・・・でもなさそうだな。

ふぅ、何も出来ないんじゃ良くて・・・何もならないな(笑」

 「・・・・・・(怒」

一行、侮辱に激怒で顔を真っ赤に染めても帰らろうとしないのは流石。

伝統のみで失いつつある国力を姫犠牲に婚姻で回復させようと必死である。

「・・・まぁ、ここで無碍悲に追い帰すのは余りにも可哀想だしな。

ここは一つ勝負しようや。」

!!?

「そちらの一番腕が立つ奴とそちらが選んだ俺の姫の一対一で。

そちらが勝てば俺の姫達差し置いて王姫に据え置いてやる。負けたら大人しく帰れ」

そこまで言われたら勝負せざるえない。 問題は誰と戦うか。

膝上の幼女(ルー)。見た目からして戦士でない以上、魔導師。しかも将というなら・・・

脚に凭れる黒猫娘(シエル)。見た目からして戦士であり、肉付き(乳)から既に・・・

脚に凭れる銀狼少女(ルナ)。 ・・・子供である、如何見ても。故に怪奇で・・・

身体に凭れる妖艶情婦嬢(アルシア)。 含み笑みで明らかに何かを企んでいる感・・・

身体に凭れる麗艶秘書嬢(レイハ)。 見た目からして文官である。 それで将・・・

選ばれたのは

「レイハ〜〜御指名〜〜」

やはり肉付が少なく、如何見ても文官にしか見えないからなのだろう。

仕方ないと立つ秘書レイハに皆も何の準備がその場を立ち

「お客様はどうぞこちらへ・・・」

と、蒼に白銀飾縁取の法衣で着飾った神官な感の少年ディの案内に

押かけ姫筆頭以下総員はゾロゾロと屋敷側の草原へ。

遅れてライ達も完全武装に到着。 でも何故かレイハは秘書な格好に陣羽織・・・

対し相手は歴戦を思わせる騎士。 それに秘書なレイハは向かい立ち

「許せ、女。 我が主の命令で討たねばならない」

 「どうぞ。 ・・・討てるものなら」

瞬間、騎士の鋭い踏み込みの斬撃にレイハは両断

では無く、その場に残された陣羽織が騎士の剣に絡み付き、離れ降り立つのは

 「影忍戦姫レイハ=サーバイン。 ・・・参るっ」

ニヤリ笑いのライ達に、一行は思った。

騙された いや、端から歯牙にもかけられずに遊ばれられている と。

結局、押かけ姫一行は母国へお帰り願う事となった。 開発の為、技師のオマケ付で。

例え傲慢であろうと姫が己を犠牲に国尽そうとする心意気だけは買うがライの性分である。


そんなある日、何の予告の気配も無く屋敷へやって来たのは一組の男女。

ノホホンと暢気な気配の娘と、ソレの守護者の如く突撃槍を携えた青年。

何も語ろうとせずただ王たるライに会いたがる娘に、仕方なく居間へ待たせ

警戒のため身代わりにカインを王っぽく、当のライは御者っぽく皆で見張る居間へ。

そこには普段着に得物を携えた面々囲まれても平然としている客人が。

入室の二人に、一目見るや否や娘は

 「ライ様、私を御嫁さんにして下さいっ!!!」

と、間違える事無く当のライのに跳び抱きつく。

「・・・は、はい?」

光景に御付の青年は額を押さえ呆れ、四姫はビキッっと殺気が・・・

これはいったい如何いう事かと。 何故、正しくライを見分ける事が出来たのかと。

何より、その娘は誰?

「え〜〜〜っと、君、誰?」

白い絹肌に深緑な黒の長髪のオトボケな感の娘はエリアル=オーシア。

黒の短髪に鍛えられ精悍な感の青年はメザ=サハギ。との事だが

 「と言うわけでライ様、私を御嫁さんにして下さいっ!!!」

「おいといて、何故俺をライだと? コッチがライかもしれないだろ?」

抱きつこうとするエリアル嬢をメザ青年に押し返しつつ扱く当然の質問を。

因みに、ライは四姫に黙って浮気などしておらずエリアル嬢とは完全に初対面である。

 「あら、貴方様がライ様に間違いございません。だって力を感じますもの」

・・・・・・・

「OK。OK。確かに、俺がライだが・・・本当の目的は?」

と、並みの娘なら震え上がってしまいそうな気配・・・殺気・・・凄みを利かせ詰問。

しかし

 「御嫁さんにしてくださいっ!!!(キャー」

ライほどの者が脅しているにも関らず一向に堪えた気配も感じさせずに跳び付き。

丸でアイドルを前にした熱狂的ファン。

「あ〜〜、もう4人予約済みでね。」

 「私、5号さんでも一向に気にいたしませんわ」

何これ と付添いの青年を見たところで、自分は存じませんと首を振って呆れるばかり。

執務室、二人っきりに向かいあうのは

己の得物を携え長たるライと一端の護衛人の感でしかない青年メザ。

エリアル嬢とでは埒が明かぬと この青年と二人っきりで話す事にした訳だが

当然、皆は反対。 だが、感からしてライ側も人質をとっているようなもの・・・

「さて、君達が何者? と聞いたところでしゃべってはくれないんだろな?」

「・・・彼女が言わない以上、自分からな何とも・・・」

アレスより無愛想に、それでもシッカリ答えるべき事には答えてくれそう。

「感じからして何処かの姫さんか? ウチは押し売りお断りなんだけどね〜〜」

「・・・・・・」

否定も肯定もせず。ということは肯定。

「今日は兎も角、明日明後日には屋敷を出て行ってもらわないと行けない

というのはわかるな? 例え彼女が嫌がったとしても、それが君の本分って事も」

「・・・ああ。」

「よし、未だ都市に滞在するなら宿は紹介するし、帰るなら馬は容易させよう。

こっちは君達の正体を追及するまねもしない。 OK?」

つまりは大人しくする限り、態々正体を詮索し相応に政治的な材料に使ったり

危害は加えない と。

「了解した」

「話が分かって助かる。 処でその得物、見せてくれないか? 代わりに俺のも」

とライが突き出す破壊剣に、青年メザも若干迷い

得物は己の命当然だが相手が自分の得物を代わりに出す以上・・・それに相手は王

己の得物も突き出し、ライが手にするのを確認した上でその得物を手に取る。

流線型な諸刃で、刃部より倍の長さがある柄に重心は刃部。

「ほぅ、可也の業物だな。 突き,斬り・・・そして投擲」

「貫鯱矛」

「俺のは神狼牙。 神を喰い殺した狼の牙を文字ってな」

そして御互い得物を返す。やはり得物は自分のモノがしっくりくる。

自分の身体の一部のように・・・・・・

やはり風呂は一人でジックリ入りたいわけで、となると深夜帯に入らざるえなく

屋敷の大きな風呂を独り占め。

「〜〜〜♪」

と鼻歌に暗い風呂へやって来たライは用意してある石を魔法で焼き

ちょっと熱めが好みなので相応の個数を湯船にドボン。

湯が温まる間に脱衣所へ行き、全裸で戻ってみると

「おおうっ!!?」

灯りに照らされた中、湯船にぷか〜〜と浮く広がる髪の女土座衛門・・・

・・・(BGMに火曜9時お決まりのテーマ)・・・

――都市国家シウォング 騎士団邸連続殺人事件――

湯船に浮かぶ哀しみの白肌。 変態王は見た、そのワケをっ!!!

「って・・・!!?」

正しくは女土座衛門ではなく、上半身は紅に火照った人肌でも

腰から下があたかも瑠璃な鱗の魚・・・つまり人魚。

屋敷の面々に人魚などいるはずもなく、該当するのはたった一人。

当然、ライ自身彼女を湯から上げる事は出来ても以上の介抱は出来ず、

何故か深夜にも関らず屋敷内は騒然となり・・・

結局、居間には皆各々の格好で集ってしまった。

そして、その中心にはアルシアに診察される下半身は魚でも身体に布を巻き付けた

人魚姫エリアル嬢。 そして打って変わり彼女を心配そうに見守るメザ青年。

「・・・それで?」

 「ええ、大丈夫よぉ。 単に湯だって上せちゃっただけだからぁ。

 でも、あの熱風呂程度でも彼女の種には結構致命的なのよねぇ」

放り込んだ焼石に頭を打ったわけではないらしいのでライは一安心。

もっとも、そうなら もっと大事にこんな悠長な事をやってられない。

「さて・・・と、これで何も詮索しない という訳にはいかなくなったな。

この嬢ちゃんが人魚って事は、君も人魚だったりするのか?

魚人種が態々こんな陸奥深くまで来るってことは只事じゃないよな・・・

ここから一番近く魚人種がいる国といえば・・・・・南方、海洋国家」

 「アルトラス。よりにもよって一大大国ですね」

と注釈を入れるのは寝床から飛び出してきたままに流髪に白襦袢のレイハ。

「差し詰め、家出に領域内では直ぐ手が回ってしまうとココまで逃げてきた、か」

「・・・はい、その通りです。」

「君ほどの者が護衛についてるって事は、可也の名家か商家の娘か?」

「・・・はい。」

「全く、嬢な家出娘に振り回される方はたまったもんじゃないよな?」

「・・・・・・」

流石に、誘導尋問には引っ掛からない。

「ちっ。・・・まぁ、ここまで真相が分かった以上はちゃんと帰って貰わないと」

 「そ、それは困ります・・・」

と釘刺しに起き上がろうとアルシアに支えられるエリアル嬢。

因みに、下半身は半魚なままに尾ひれをパタパタ。それを首をかしげ見るルナ。

「こっちは家出娘に付き合ってるほど暇じゃない。 自分で如何にかするこったな」

 「自分で如何にかした結果が・・・これしかなかったのです。 私を・・・」

「断るっ!!! まったく・・・何相手か知らないが俺を当て馬にしないでくれ」

 「・・・では、海洋国アルトラス第一姫エリアル=オーシア=アトラスは

都市国家シウォングの王 真龍騎公ライ=デステェイヤーに亡命を要請します」

「・・・マジか?」

エリアル嬢から打って変わり放たれるのは凛とした気配。

振り返って見れば、メザ青年は死刑宣告を受けた者かのように憔悴しきり。

・・・マジらしい。 なんともいやはや、頭が痛いネタを持ち込んでくれる。

 「あの、ライ様?」

「・・・・・・はぁ、全くお嬢は。運がよかったな、それでよく今までカモられず

・・・コイツの御陰か。  嫌なものは嫌と直接親に言う事ったな。亡命は却下。」

 「あぅ(泣」

と不意にエリアル嬢の下半身 半魚な部分から煙が立ち解け始め・・・

あっという間に人の脚に。

 「わぅ!! ルナ、一緒」

何が嬉しいのか、ピカーと変身してみせる銀狼少女。

「はいはい、今日は解散。小難しい事は明日だ。 俺は風呂入って寝る」

結局、騒動に風呂に入れずにいたので気持ち悪くてしかたない。

と、何故かUターンにライは一言。

「邪魔するなよ」

と釘を刺しに、何故か四姫の方がガックリ落胆したり

「「???」」

部外者とルナにそのワケなど分かろうはずもなく、面々は苦笑するばかりだった・・・

因みに、青年メザは純な人間種だった。人魚姫の護衛が人間種というのも変な話だが。

主の怒り(?)に以降は平穏に過ぎ・・・翌日、朝。

朝食が終って早々に、居間のテーブルにて会議。勿論、内容はお騒がせ人魚姫について

「正体がわかった以上、野放しに出来ないって事は承知出来るな」

「勿論です。」

流石に手馴れ、メザ青年はエリアル嬢にミルクティをチビチビ飲ませ

何も言わせない。 でも、それが何処まで続くか

「追々、送り返すとして」

 「それは・・・」

「黙ぁれ、小娘っ!! ここでは俺が法だっ!!!」

一喝にエリアル嬢は目を丸くして口パク。 屋敷の獣娘ズも何故か怯え寝る獣耳。

「兎に角、半軟禁状態にしてでも事が判明するまで大人しくしてもらう。わかったな」

 「・・・はい」

大人しく縮こまる姫に対し、護衛は喜ぶべきなのか憤慨すべきなのか微妙な表情。

きっと今までその我侭に振り回されてきたのだろう。

当分、姫の面倒をリオとルナが主に見ることに落着き・・・

・・・ある日の夜中、メザ青年の部屋への訪問者は

「ら、ライ様!!?」

「ああ、別に畏まらなくてもいいぞ。ちょっと晩酌付き合え。

男同士で花は無いけど、その辺りは勘弁してくれや(ニヤリ」

本当、この男は気さく過ぎて王をいう事を忘れそうになる。

それも当人が自覚ないから仕方が無い事なのだが・・・

場所を居間に移し、低テーブルの上に並ぶのは適当なツマミと酒瓶,グラス。

勿論、用意したのはここの王たるライ。 メザ青年など用意が済むまで正座。

「まぁ、飲めや。 一応飲めるんだろ?」

「きょ、恐縮です。」

「飲めないなら無理して飲む必要もないし・・・俺も呑むベェじゃないからな」

と早速にグラスのワインを呷り自分で注いでいたら説得力がない。

沈黙のまま一杯二杯と空け、耐え切れず口をあけるのはメザ青年

「ライ様、何故このような席を?」

「様はいらない。」

「では・・・ライ殿。」

「まぁぶっちゃけ、嬢の家庭事情について聞こうかと思ってな。」

「???」

「だからアルトラス国王,王妃とエリアル姫の親子仲はいいのかって事だ。

下世話とは分かっちゃいるんだけどな、放っておけない性分でね」

「・・・自分は元々孤児なので普通の親子関係は分かりかねますが

・・・、・・・ここだけの話、イイとは思えません。ライ殿の所と比較して」 

「ココと比較しちゃぁなぁ・・・俺の我侭にアットホーム過ぎるから(笑。

・・・つまり、父親は娘を道具か何かとしか見てなく間に愛情は感じられない、と」

「・・・、はい。」

「一般的な王家ってやつか。やだねぇ・・・。 ・・・母親と娘は?」

「王妃様は姫様を産み引き換えに亡くなったとお聞きしてます。」

「・・・いやはや、ハードだねぇ。 

んで、やっぱり君はエリアル嬢が好きだったりするわけか?」

「ぶはっ!!? ライ殿は一体何をぉっ」

「分かり易いヤツ・・・。 王道だねぇ」

「・・・所詮、自分は姫様の護衛。 端より覚悟は出来ています」

「何の覚悟だ? 思いを心に秘め生涯、姫の騎士で居続け護る覚悟か?

それとも、父親に頭下げて首刎ねられる覚悟か? 駆け落ちする覚悟?

駆け落ちするって事なら手、貸すぞ。そうなら亡命、認めてもいいし」

「っ・・・(焦。  姫様にとって自分はその対象では・・・」

「態のいい弟分か・・・難儀なこったな(ポムポム」

「そういうライ殿は妾の方が4人。 どの方が本命で?」

「全員。ケケケケケ、別にココは伝統あるってわけじゃねーからなー

仮に俺の子息子女に継がせる必要もねーし(爆」

双方共に恐れ知らずにベラベラと、もう十分に酔いは回り 頭はパッパラパー

それでも楽しく夜は更けていき・・・

翌朝

 「おはようございます♪」

「あぐぅっ!!?」

エリアル嬢に軽く肩を叩かれ挨拶されただけでツワモノなメザは転げ悶絶。

その反応に、天然お嬢は理解できようはずもなくただオロオロとするだけ。

そこにやって来たライはいたって平然以上で

「おう、二日酔いか。折角だから嬢ちゃんに面倒見てもらえ」

「ら、ライ殿、何をっ」

 「???」

「嬢ちゃん、花嫁修業代わりにソイツの面倒を見てみろ。

方法はうちのヤツ、ルナ以外に聞けば適当な方法を教えてくれる」

 「あっ、は、はい」

「姫様にそのような事をさせるわけには・・・」

「手前も嬢ちゃんの事が大事ならその程度の勉強はさせろ」

仕えるべきは我が姫君。 しかし、その王が言う事も一理あり・・・

「・・・お願いします、姫様」

 「はい、では〜〜」

と、にこやかに動き始めた姫に一抹の不安を覚え

やはり幼戯なママゴトに等しく、それが妙に嬉しかったり恐ろしかったり・・・

エリアル嬢自身、家出してきただけあって積極的なので

直ぐに並みの家事は出来るようになった。 しかし

「・・・・・・それらしき様子は一切なし。」

 「唯一の姫が家出したわけですからそれも当然かと」

「だな。ど〜すっかなぁ〜。」

と届いた情報に迷った風に言ってるものの、既にする事は決まっていたりする。

場所はライとレイハ二人っきりな執務室から皆が集う居間へ。

「アレスとリオ,ディ,ルナだな・・・悪いが其処の家出娘を実家まで送ってくれ」

 「そんなっ」

「黙ぁれっ、箱入り娘っ!! 兎に角、近日中に帰ってもらう。」

そこでふとルー

 「海洋国家・・・海か。いいナ。行きたいゾ、遊びに」

 「今なら丁度いい季節でしょうね。 海水浴には」

 「そうねぇ、たまにはそういうのも悪くないかしらぁ」

 「海。 行ったこともないのに何故心ときめく・・・」

と続くレイハ,アルシア,シエル。 四姫は遊びに行きたいらしい・・・

「おまいら・・・」

「うん、偶にはイイじゃないかな。行っておいでよ。間、執務は代行しておくから」

「ちょっとまていっ!!! 何気に俺まで行くことになってる!!?」

「当然じゃないか。君だけが残って如何するんだい?」

「何で俺まで行かなきゃならねぇ? 手前の目論見全て吐け」

「偶には二人っきりにしてほしいって言っているだけなんでけどね」

「いつも二人っきりで旅行ったりしてるじゃねえかよぅ」

何故かバチバチと火花散らせる男二人にエリアル&メザは呆然。

自分達の事は一体どうなったのでしょう?

「偶には屋敷でノンビリしたいんだけどね。

はっきり言って、それには君も邪魔なんだよ」

「だ〜〜れが行くかい(ケタケタケタ」

とヤりあっている背後で彼女達が文字通り動いている事を当の主は知らない。

「でも、行けば彼女達の水着姿みれるかもね」

「うっ・・・そ、それでも・・・」

ありありと分かる心の葛藤。王としての職務と娘達の水着姿を天秤にかけるか。

「ほらほら、心の欲望には素直になった方が・・・」

「黙ぁれっここでは俺が法だっ(ウキー―っ!!!」

プツン

と興奮にコト切れ、昏倒のライ。

否、その脳天に突き刺さる毒々しい原色液体が入った注射器。

その注射器をアルシアがポンと抜き、シエルが伸びたライの身体を担ぐ。

 「では、お帰りの用意を」

 「サァ、オマエ等、遊びに行くゾ」

と、レイハとルーに歓声を上げる面々。 比べ遥かに純な二人に逆らえるはずがない・・・

路をガタゴトと割りに早く行くのは、騎士団の軍馬七頭引きに頑丈な大型馬車。

それは丸で何かの旅団のそれであり、その御者をするのは若い男女のカップル。

屋根の上では荷物の間で見張りがてら少年と銀狼が戯れ・・・・・・馬車中

意識を取り戻した彼の視界に入ってくるのは彼の四姫と、奥に押かけ客だった二人。

そして、窓の外を流れる風景・・・

「・・・・・・。・・・俺は何処?ココは誰?」

 「そうですね・・・後数日もすれば海が見えてくるでしょうか」

と平然に答えるのは凡そ旅の格好の秘書レイハ。

「って事は、俺は何日以上寝続けていたんだ? 頭痛ぇ〜〜」

 「はい、コレ飲んで頂戴ねぇ」

とアルシアは栄養液が入った容器の吸管口を・・・

「・・・先、俺を解放しろや。」

 「解放したら、帰るとか言い出すだロ?」

「今更・・・ンナ事言わないから」

ルーの「解」に、ライの身体に戻る自由。 身体をコキコキと解す主の前に

何故か四姫は神妙に正座したり。 シエルに至っては怯え猫耳が寝てる。

 「「「「・・・・・・」」」」

「・・・?  さて、気分転換に御者でも代わってやるか」

気味が悪いくらい平然に前席へ行くライに、3人はガタガタブルブル・・・

リオとアレスに代わりライが御者になったが、引かせている馬が屋敷のを使い

馬車自体も技術の粋を駆使したモノだけあって可也の速さに関らず乗り心地は抜群。

つまり、御者自身はその時がくるまで殆どする事がなく座っているだけ。

だからアルシアの栄養液を啜りつつ流れる風景を堪能し・・・そこへやって来たのは

シエル。

 「・・・怒ってないのか?」

「何が?」

 「ん。私達の我侭」

「都市の最高責任者としてはそうフラフラと出歩くわけには行かない。

単に送るだけなら子供たちだけでも十分だが仲裁となるとな、やはり。

まぁ、そういう意味では・・・。調子に乗るから3人にはいうなよ(笑」

 「ん。」

「結構暑くなってきたなぁ。 そろそろ衣変えが必要か」

 「ん?」

端より軽装にジャケットの傭兵スタイルなシエルには関係ない話。

ともあれ順調に旅路を進み、アルトラス領の海の町へと到着した。

(途中、幾度か野盗に襲われるも面子が面子なので・・・)

郷に入れば郷に従え。ライ達の衣装は凡そ夏な海の環境に適していない。

だから一同は早々に衣服屋へ。 と言っても主は娘達に

「まぁ、俺たち野郎はシャツズボンで問題なんだけどね。」

「いえ、そういうわけにはいきません。ライ殿達の着ていらっしゃる服は濡れると

身体に絡みついてしまいます。もし、そのままの格好で海に落ちてしまうと・・・」

と語るメザの衣装は数少なくも多重構造に、色々な意味で海に適したものだった。

「身体に張り付いて危ないってか? 仕方が無いな・・・」

ディが可愛いいと女店員に埒られているのを傍目に、ライ達は適当な服を物色・・・

「アレス・・・幾ら何でもそれは・・・(汗」

「??? 女性店員さん達には好評でしたが? それに安いですからね。

団・・・ライさんは地味ですね」

「俺はそれでも実用性重視。だから結構、銭はかかる(泣」

と、ハイレグパンツにパーカーなアレス、に膝上パンツにシャツ・パーカーなライ

そして、物陰から泣きべそにやって来たのは

「うぅ、お代はいらない。寧ろって駄賃まで渡され・・・(泣」

いわゆる褌。プリンとした可愛い御尻にTバック状で・・・

ココまできて腐女子たちに玩具にされるか、ショタな少年ディよ。

物陰では張本人らしき女店員達がアレスとディをみてキャーキャーいってるし

「・・・何てか、もうちょっとらしい格好しようや。俺が言っても

説得力ねーかもしれないけど。  一応、数買っておくか・・・」

ヤロウどもが散策してる間に、女子軍も取合えず・・・取合えず、選び終わったのか

行き成り ファッションショー。

先ずは、アルシア

 「如何かしらぁ? ライ、悩殺されちゃうぅ?」

「「・・・・・・(あんがー」」(byアレス,メザ)

「・・・・・・(鼻血ポタポタポタ」(byディ)

いわゆる、妖艶に紫ラメでキワモノVな水着。胸の谷間クッキリにメッチャハイレグに

くるっと一転に横から見れば裸そのものだし、後ろは尻喰込みに・・・・・・

「らしいと言えば、らしいが・・・実用に向かないな。 却下」

 「あぅぅ(泣」

選び直しに、次はレイハ。普段とは一変にポニテで頬を染め手持ち無沙汰に

 「・・・・・・(照」

「「・・・・・・(呆然」」(byアレス,メザ)

「・・・・・・(鼻血ポタポタ」(byディ)

ハイネック状にハイレグで丸で菱形な水着。露出が少ないにも関らず中々にHで

くるっと一転に横は紐帯、後ろなんか肩甲骨剥出し正に菱形で尻間ハッキリに喰込み・・・

「レイハが普段着ているのと変らない気もしなくもないが・・・いいんじゃないか。

それより、モノで底上げするのは如何かと思うけど」

「「「???」」」

「・・・ほら(クイックイッ」

とライが出す手に、レイハは更に赤面で自分の胸元を弄り

その手にポトッと落すのは乳パット

「「「!!?」」」

「無理に大きく見せなくても・・・微妙だねぇ」

 「・・・バカ(照」

爆照れ退散に、次はシエル。 普段通り、何故こんな事をといった顔で

 「・・・・・・(クアアアア」 

「「「・・・・・・(前屈み」」」

ムチムチに筋肉質な身体をスポーティなセパレイトにパンツとブラで包む。

胸がまた見事なまでに大きく自己主張する様はハリで突付けば弾けそう。

「もう、実用性重視だな。 いいんじゃないか、シエルらしくって」

 「ん。 そう言うと思った(嬉」

ホクホクに去り、次はルー。 幼顔には挑発な小悪魔的な笑み

 「如何だっ!!!」

ロリーな幼児体型をワンピースの上に縁にフリルな可愛さ重視の水着で着飾り。

「「「・・・・・・(萌エ〜〜」」」

「まぁ、いいんじゃないか。可愛らしくって」

 「オシ、勝った」

意気揚々と入れ替わりに、次はリオ。 若干困り照れつつ

そのわたたに若々しい肢体を包むのは要所は白三角の紐ビキニにパレオ

 「ど、どうかな、アレス君」

「・・・・・・(呆然」

 「・・・アレス君?」

「え? ああ、いいんじゃないか」

二人の間に漂うイヤ〜ンな空気・・・

「はいはい、イチャつくのは後でやってくれ。んで、これで終わりか?」

 「あっ、いえっ」

慌て物陰へ消え、代わりに出てきたのは銀狼娘ルナ。

 「わん♪」 見て見て〜♪

と嬉しそうに見せるその姿は白系な身体を紺色な・・・いわゆる異文化では

スクール水着を言われる代物で、やぼったいはずなのに妙な色気が・・・

おまけに胸のところには当人が書いたのかド下手な字で「しふぉるな」とゼッケン。

「・・・はぐっ(鼻血」

と、ディはフィールドアウトに屈み込み。アレス,メザは気まずく左右に目を泳がせ。

「だーれだぁっ!! これを選んだヤツぁっ!!!(ウキーっ」

ライぷっつんの混乱に、暫し話題及第。

そして最後は、お騒がせ家出人魚姫嬢エリアル。

 「い、いかがでしょう・・・」

オズオズと見せるその姿は、胸を飾帯布に,腰はパレオより大きな布で膝まで隠す。

「・・・ほら、何か言ってやれ、騎士」

「え、ああ、よろしいのではないのでしょうか、嬢様」

 「それだけなのですか? ・・・メザ、私は下を穿いていないのですよ」

チラ

「!!?」

嬢のその見えそうに見えない一撃にメザ、フィールドアウト。

「・・・早速ウチの連中に教わった事を実行するとは、嬢ちゃんも意外にやるねぇ。」

「な、なんて事を教えるんですか(汗」

「でも、嬉しいだろ?」

「・・・・・・」

その沈黙が本心をばらしてしまっている事を彼は知らない・・・

野営はというものは人里に近ければ近いほど、危険が増すものである。

何故なら、獣は火さえ焚けば恐れ近づかないが小悪党はソレを目印に寄って来るから。

馬車の造り自体が頑丈であるため獣を恐れる必要はないが、見張りが欠かせない。

月夜の下、皆が寝る馬車の屋根上で星を仰ぐのは長たるライ。

・・・単に、当番のだけである。虐げられているわけではないのであしからず。

と不意の気配に

 「御機嫌いかがですか?」

「うん、まぁこんな物じゃないの。 ・・・如何した?」

返事をする相手は今迄のスーツな秘書嬢姿を打って変り水着らしきアンダースーツに

本来は戦闘用のジャケットと巻きスカート姿のポニテで、雰囲気一変に活発な感。

その格好で男が寝転ぶ横に乙女座り。

 「いえ、・・・少し夜風に当たりに。」

「緑に潮が混じって中々に赴きが・・・処で、飛んで火にいる夏の虫の意味分かる?」

 「はい?」

「面白いくらいに周囲には気配がない。いはやは、ありがたいねぇ」

 「あっ・・・では、私そろそろ眠ろうかと・・・」

ガシッ

と逃げようとするレイハの足首を掴むのは、その足元に寝転ぶ男。

レイハは思わず四這いに、男の手が足首から腿,腰へと上へ進むと共にズルズルと

引き寄せられてしまい、いつの間にか男の上に覆いかぶさる体勢に。

そして、細腰を掴まれ強引に男の股間の上に腰を降ろされてしまった。

「折角だからもう少しいっしょにいてもバチは当たらないんじゃないかい?

レイハがどうしても嫌っていうならこれ以上は止めないけどね。

ココだけの話、丈夫で伸縮性ある水着ってやつは中々にエロいな」

と呆気なく腰に添えた手を解放されてしまっては、レイハは如何しようもなく

爆照れに目を左右に泳がせ・・・

それなりに逢瀬(?)を重ねているにも関らずこの雰囲気には未だに慣れない。

 「ライ、イヤらしいです・・・」

「おう、イヤらしいよ俺は。 イヤらしいついでに

レイハは他に買ったのを聞いてみたいんだけどね〜」

 「・・・それは・・・黒で、要処が帯でつながっているワンピースのものとか」

「黒とか。レイハは色白いからよく映えるだろな」

 「・・・・・・(照」

「ついでに言わせてもらうなら 胸、底上げする必要もないんじゃないかい?

サイズは並に手におさまる程度でも綺麗な形してるしな」

 「!!? そ、それは・・・あ〜〜う〜〜(困」

レイハが胸にコンプレックスを持つ気持ちは分らなくもない。

しかし、比較対照が既に間違っている。

猫娘シエルは乳パンチなボリュームの爆乳,妖艶娘アルシアは谷間クッキリに柔な麗乳

礼嬢リオは相方に育成中で今やタワワな柔乳・・・以下は御子様に対象外。

「クノイチさんは贅肉厳禁で、しなやかに細い身体が命。

豊満な乳を求めちゃダメだよなぁ・・・だから、御仕置き」

 !!?

瞬間、レイハの天地が逆転。ライに押し倒された上に御尻を持ち上げられマングリ返し。

しかも大事な処を無防備に太股を持ち開かれてしまった。

 「あ、あの、これは、何を(爆照」

「だ〜〜から言ってるだろ? 良形な乳のくせに更に豊かさまで求める

ダメなクノイチに、諸々の件を含めて オ・シ・オ・キ をするってな。

ほら、こんな格好までなってジタバタするなっ」

 「っ!!? うぅ・・・あ・・・」

腰の巻布を取られそれで手を頭上に縛り、更に足首を大開脚で床固定。

本来なら窮屈だが、そこはクノイチであるレイハ。寧ろコノ程度の束縛

束縛の範疇にすら入っていない。 そしてライはその事を承知。

一度受けに回ったレイハは被虐に感じ、碌な抵抗をすることがない。

「床ごとレイハを貫いてやる。 覚悟しろ」

 「ああ・・・」

だから戯れは過激で強烈に淫靡に、クノイチ娘を愉悦で狂わせ・・・

・・・・・・・・・

 「・・・・・・(じ〜〜」

 「な、何でしょう?」

 「レイハ、痣。 手首とか」

 「!!? (赤面」

 「・・・・・・フゥ(呆」

旅路は平野から海岸沿いの道を目的の港町まで行くことになったが

「折角海まで来たんだから、適当な場所を見つけたら其処で

2,3日野営がてら遊ぼうと思うんだけど如何だろね? 反対の人」

 ・・・・・・

一帯を支配するのは期待に満ちた沈黙。ある意味それが目的で

ココまできたのだから反対のものがいるはすがない。

「んじゃ、決定という事で。 メザ、魚釣れそうな処教えてくれ」

ライとメザは御者に立った・・・

目的が決まれば行動は早く、朝の出発からものの一刻程度で最適な

近くに磯がある砂浜間際の草場に馬車は到着。 馬車が止まる前に

「うわーっ!!!」

 「わんわんっ!!!」

と跳び出す御子様達+α。てか、レイハと共にシエルもルーとエリアルを抱え飛降り。

バリバリな水着格好に様々な小物が入った籠を携えたアルシアは前の操席に来て一言。

 「皆、御子様よねぇ・・・」

「手前もなっ!!」

単に、アルシアには動く馬車から降りる力量がなかっただけの話。

波打際までかけて行ったルナは、引く波に

 「わう?」

其処でしゃがみ込んで興味深げに眺めたまま。大きく引いた波は次の瞬間大きく打ち寄せ

ざっぱ〜〜ん

 「きゃいん!!? ぺっぺっ・・・しょっぱい(泣」

ルナは頭からずぶ濡れにぶっかかり。 それを見てディ、足を海に浸しつつ

「あはははは、ルナは御子様ですね」

 「・・・・・・(プイ」

ルナは突っかかる事無く背を向けテッテッテッ波打ち際から距離を。

そして、ディの背後から襲いかかる大波。

「わっぷっ!!?」

 「わん、ディ、バカ(笑」

押し倒された少年に駆け寄り嘲笑うルナ。

「こ、このぉっ!!」

 「きゃいんっ!!? わんわんわんわん!!!」

そして起る稚拙な水の掛け合い。そしてリオ&アレス参戦に

 「きゃぁきゃぁっ!!」

「全く(苦笑」

バシャバシャバシャと大はしゃぎ。一方

 「ほらっ、早くっ、早くっ」

 「・・・(ふー―っ、ふー―っ」

シエルに一人浮輪を膨らませ、横でせかすだけの御子様なルー・・・

 「え〜〜っと、私は何をすれば・・・」

 「好きに遊んでオレっ!! 早くっ、早くっ」

浚われるように連れて来られたエリアルは放置に成す術もなく砂浜で立ちすくすだけ

馬車が止まるや否やさっさと遊びに行ってしまったアルシアはさて置き

適当な処に馬車を止め馬を解放したライは

「・・・ライ殿はどちらへ?」

「今更遊ぶ性質じゃないからな、釣りにでも行って来る」

「ならば自分も・・・」

「気にせず、姫さまの御守りでもしてろ。じゃ、あとで」

と麦藁帽を頭にデカバケツと釣竿を携え、一人磯の大岩の上へ。

そして蟲を餌に釣糸を下げ、暫し・・・

 「おぅライ、何か釣れたかぁ?」

 「ん、如何?(くあああ」

「おう、少なくとも今日の夕食に困らない程度にはな」

早々に遊び飽きたか、シエルの肩車にやってきたルーは降りて駆け寄り

釣りに勤しむライの傍らのデカバケツの中を覗きこむ。

デカバケツだけあって、中には色々な魚とかとか。

 「ほう、色々いるナ。軟体なヤツも・・・(ニヤリ。 ホレ、シエル」

 「!!?」

と小悪魔が両手掴みに水着の猫娘に投げるのは海の悪魔、蛸。

ヌルヌルの表皮掴みそこなったソレは、シエルの剥出しの臍部に絡みつき

きゅぴーん

復讐するは我にあり とその蝕脚を様々な処 パンツな水着をずらして中にまで・・・

 「ホレホレ、未だいるぞ」

 「っ!!? ん・・・くっ・・・ルー、やめっ(悶」

と追加に投げた蛸はその爆乳の間に命中に、触脚を驚愕なシエルのブラな水着の中に

潜り込みにその乳房締め上げ、乳首に吸盤が猛烈吸い付き

筋肉猫娘・悶絶艶蛸地獄 立姿 一丁上がり

 「あひゃひゃひゃひゃ、シエル、イイ格好だナー」

肌を貪る蛸を引き剥がそうにも微妙な処に蝕脚がまわっている為ままならず立ち悶えの

シエルをご満悦に腰に手を添え仁王立ち仰ぐ小悪魔ルー。

しかし、小悪魔な幼女は知らない。 己が既にその射程距離内に入っていた事を。

のたくりバケツの縁まで上がった蛸の前にあるのは水着に包まれたルーの臀部。

仁王立ちに脚が適度に開いているので、その股間は無防備に

その蛸は己の触脚を命一杯伸ばし、瞬間

 「ひにゃっ!!?」

ルーの股間から下腹部にはりつき、それを足掛りにルーの尻に襲い掛かる。

だから、思わずお尻突き出しに倒れてしまったルーのそのお尻の上に蛸が乗り

己の優位差に中へ

 「にゃっ!!? にゃぁ〜〜〜〜」

びくんっと身悶えに潤むルーから漏れる嬌声は、幼女・悶絶艶蛸地獄。

「・・・はぁ、何やっているんだお前らは」

と呆れライは、シエルを犯す蛸にモンゴリアンチョップ

・・・(ぐはっ)

伸びた蛸の腹を掴みシエルから強引に引き剥がし

 「んっ・・・あ、りがとう」

 「ら、ライ、私も、助っ・・・」

「・・・まぁ、折角お楽しみみたいだからコイツ等の面倒も頼むか」

 「そんにゃぁんぁあぁぁん(泣」

ぽいっ とルーに投げられた蛸は当たった拍子に目を覚ましその肢体に集る。

 「・・・いいのか? ルーは助けなくて(汗」

「自業自得。悪戯した御子様にゃオシオキしないとな」

 「でも・・・これは」

「暫くすりゃ大人しくなるだろ」

と二人の傍目、幼女は蛸に貪られ

 「あ゛っあ゛っあ゛っ、むぐぅっ!!?」

口を含め、ありとあらゆる穴に潜り込む蝕脚にもう瀕死の様相。

「そーいや、蛸って生物は暗く狭せこましい処が好きなんだってよ。

ついでに、オスの蛸の脚の内一本は生殖器でメスの奥深くに差し込んで

精液を放出するんだとよ」

 「っ、む゛うぅっ!!?」

トドメに、ルーがビクッビクッっと痙攣に白眼に脱力で・・・

それでも蛸は釣られた復讐に一矢報いんと弄り、グシャグチャと水音を鳴らす

ひく・・ひく・・・と微かに反応する幼肢体を。

 「・・・ライ、放っておいていいのか?」

「別に死にはしないだろ。 シエルが助けてやれば?」

驚愕にライを見、ルーを その幼身に集る蛸を見返しブルッと身震い。

 「んー―。・・・・・・遠慮する(困」

再び釣りを再会したライの横、シエルも隣に腰掛け尻尾を揺らす。

実にホノボノした光景があった。 ・・・未だに蛸に嬲られる幼女が隅で

水遊びに飽きたカップル二人

 「ね〜〜、オイル塗って♪」

「俺がか?」

 「アレス君以外誰が塗ってくれるの?」

「・・・・・・ディとかルナとか」

 「アレス君じゃなきゃイヤっ!!」(←即答)

「・・・ふぅ、俺のやり方に文句いうなよ」

 「うんっ♪」

と胡座に背を向け寝転がったリオ。その水着の紐を解き、

手元の瓶を傾け細く垂らすはそのための香油。 と

 「ひやんっ!!?」

「こら、暴れるな」

 「だってぇ、冷たかったんだもん」

「・・・だろうな。 でも、動くな」

強引な男に仕方なくリオは腕を枕に伏寝直す。その肢体に香油をかけ直し

 「ん・・・くっ・・・んん・・・(悶」

背筋から太股、膝裏へ。擽るような感触に声が出そうになるのは如何しても否めない。

それでも頑張って声を押し殺そうをする乙女の肌を、香油を塗した手でしごき上げる。

 「んん・・・んん・・・ふぅん・・・う〜〜」

マッサージの如く巧みにツボを押さえ背,脇腹から太股、内股、そして

柔尻に水着を喰込ませ揉み捏ね

 「ひゃっ、も、もうイイから(慌」

「何言っているんだ。まだ全部塗り終わっていない」

 「え゛っ、まだ全部って・・・(汗」

「リオの中」

 「ちょっ・・・ア゛んっ」

男に太股に乗られ、乙女は成す術もなく己の中を香油塗れの弄られ

己の指を噛みんで嬌声が周囲へ漏れるのを押さえるしかなかった・・・

 「熟れた女二人だけっていうのも寂しいものよねぇ・・・」

 「それは・・・仕方ありません。 私達の本命はたった一人だけですから。

 他の男性を代理にしても大丈夫っていうのでしたなら別ですけど・・・」

 「それだけは絶対にイヤ」

 「御互い・・・いえ、私たち皆、難儀な性格ですね・・・(悩」

 「そうねぇ〜〜(呆」

イチャつくカップル二人から離れ、半脱ぎ水着姿の熟れた娘二人が寂しい溜息を漏らす。

アルシア,レイハ二人の主が釣りに勤しんでいる以上、如何しようもない。

ならば後で悩殺してやろうと、策と時間を費やし色っぽい小麦肌焼きに励む・・・と

「レイハ、良かったら手伝ってくれないかい?」

掛かる声に見れば、田舎ニイちゃんなライ。

 「あっ、はいっ(あたふたあたふた」

 「・・・ねぇ、私は誘ってくれないのかしらぁ?」

「・・・魚採りだぞ? いいのか?」

 「勿論」

アルシアなら魚臭くなると敬遠しそうだが・・・意外に意外、平気らしい。

二人が準備を済ませるまで暫し待ち連れたって釣りをしていた磯に。

 「ん。お帰り」

大岩の上、介抱に寝て「タコ、もうイヤ」と魘されているルーの横ではシエルが釣りを。

筋肉猫娘がムッチリにスポーティな水着を纏い麦藁帽を被って胡坐で釣糸を下げる姿は

何故か非常にサマになっており・・・

「当分の保存食を確保出来るだけ捕りたいんだけど、竿は残り一本,後は銛二本・・・」

 「では、私は銛を・・・」

細身にボンテージチックな水着で銛を預かるレイハの姿は中々に・・・

 「私も銛、使わせてもらうわねぇ・・・」

一転にワンピースな実用的ハイレグ水着を豊満な肢体に纏ったアルシア。

「・・・二人とも、餌の蟲を触りたくないのが本音?」

 「・・・・・・(照」

 「まっ、そういうことねぇ」

そして二人の乙女は勇ましく銛を手に海へ。一方、ライはシエルと釣糸を海に下げた。

海中、人魚さながらに泳ぐ乙女達が銛を突くごとに貫かれていく魚達。

海上、ライ一人の時から変らず糸垂れれば喰盗まれる事無く入食い×2。

不意に、ライの竿に掛かる大きな引き。

「おっ、これは・・・大物っ!!!」

 「ん!!」

もって行かれそうにシなるライの竿に、シエルも自分の竿を置いて応援にその腰を支え。

助かるとばかりにライは糸を巻く巻くっ!!

波を掻き分け釣上がったものは人サイズに

・・・・・・

 「いやん、からまっちゃたぁ♪」

亀甲縛りモドキに釣糸に足まで柔肌に食込むまで縛られたアルシア。

・・・・・・プチン

 「ああ、そんなぁ〜〜、流されちゃう〜〜」

無慈悲にナイフで断ち切られる糸に、にわか人魚は波のモクズ化。

「さて、気を取り直して再開するべ」

 「・・・、ん。」

そして、何事も無かったかのように二人は釣りを再開するのだった・・・

 「わんっ、わんっ」

 「ルナちゃん、御上手〜〜♪」

海ではバシャバシャと犬掻きの娘なルナを人魚なエリアルを導く。

それを浜で見守るディ少年とメザ青年。不意に

「・・・いいのか、君は遊ばなくて」

「頭脳派である僕の柄じゃありませんからね。事無きよう風景鑑賞にでも精を出します。

 貴方と同じ様に・・・ね」

「・・・・・・」

だから共に、海パンにシャツの格好で砂上に腰をおろしながら

手には得物を砂に埋もれさせもっていた。

と、独り波間を快泳するルナをおいて二人の方へ来た人魚姫。

 「あの・・・皆々様は?」

「ああ、きっと何処かでイチャついているでしょうから放っておいたらいいんです。」

 「い、イチャついて???」

「つまり、情事もしくは淫ごっ!!?」

メザ慌て当身に、少年の口を強制封印。 全く油断も好きもあったものじゃない。

 「メザ、イチャついているという意味を説明しなさい」

・・・何故、この人はこういう時に逆らいがたい高貴な雰囲気を出してくれるのだろう(泣

「アルシア様,ルー様,レイハ様,シエル様がライ殿の姫君であり

アレス殿とリオ殿が恋仲であるということは御理解していただけますね?」

 「ええ、もちろんです」

「・・・・・・。 つまりは、そういう事なのです」

 「???」

「・・・・・・御自分の目で確かめて行らして下さい。出来る限り気付かれぬよう」

 「では、少し見に行ってきますね」

と、ルナを連れてエリアルは行ってしまった。暫して帰ってくると

 「アレス様とリオ様は一緒に甲羅干しを、ライ様は皆様と魚獲りをされていましたよ?」

 「皆、仲良し。ルナ、嬉しい、わん♪」

「・・・・・・まぁ、そのように御理解してください(泣」

彼等と知り合ってからメザの心労が増えたのは決して気のせいではないはず。

 「わう? メザ、お疲れ?」

「ふっ・・・(寂」

どうせなら、それを我が姫君に気付いて欲しかった今日この頃・・・

夕食、バーベキューには豪勢に並ぶ海の幸々。

 「うっわぁ〜〜、これ、如何したんですかっ!!?」

と、避暑令嬢の如きリオは驚き、ライ&四姫以外の面々も異口同音。

「三人今日一日掛りで可也の量が取れたからな、日干しにならない分だけでも・・・」

 「・・・三人?」

「そっ、三人。俺とシエルとレイハ」

見れば、当の二人

 「もう、タコ、キライ(泣」

 「オーホッホッホッ(汗」

泣いて笑って誤魔化し。 もう、何も言うまい・・・

無事、夕食は終わり時は流れ朝遅く。

砂浜の上に引いた茣蓙の上、ライは早々に思い思いの水着姿の四姫をはべらせていた。

旅行費をケチるためとは魚を獲り干物をこさえていたライを休ませようと子供達が

道具を奪ってしまったため。

「ど〜〜すっかな〜〜(困」

 「如何もしようも・・・偶には何も考えずに寛がればいいのではありませんか?」

 「そ〜〜よぉ。折角なんだから楽しまないとねぇ」

 「ん。」

 「んダ。 バカになれ、バカに」

「約二名はいつもバカやってるけど。 与えられるとな・・・」

と、不意にライは海パン一丁にシャツを脱ぎ捨て。それを見てレイハ

 「どちらへ?」

「ん、折角だから遠泳でも・・・取り合えず、見えるアノ島までが妥当か」

 「・・・私もお供します」

とレイハに続き立ち上がるのは、向かないイロモノ水着のアルシアと

相変わらず質実剛健スポーティなセパレイト水着のシエル。

幼女ルーはグータラにゴロゴロ。

 「私しゃそんなに泳げんからな〜。ココに居させてもらうヨ」

「ふぅん。 んで、アルシアはその格好で行くのか?」

 「そうよぉ。 悪い?」

「んや、御随意に」

と海目指し駆け出した男に続く、3人の女達。

 「グダグダ言いながら・・・元気な連中だナ(呆」

水に対する適正は早々に現れた。古泳法っぽいレイハと平泳ぎのシエルは並に遅く

以上に、驚愕なのはアルシア。さっさと皆を引き離していった・・・

遠目でみれば何かありそうだった小島もついてみれば岩ばかりで目立ったモノの無く

「なんだ、社ぐらいありそうだったのに・・・」

 「残念ねぇ。何も見付らなかったわよぉ。周りの海の中もねぇ」

小高い岩から水滴らせ見下ろすのはアルシア。

「以外に達者だな。余り疲れていないみたいだし・・・」

 「私、水とは相性いいのよねぇ。 皆は?」

「まだか、引き返したか・・・正直俺でも厳しかったからな」

陸に上がれば・・・特にその胸が・・・重いのか、下のライに

布地食い込む股間を見られる事も構わず手足を使い慎重にユックリと。

「・・・、絶景絶景。」

 「えっ・・・きゃっ」

ライの視線の先に気付き、アルシアが似合わぬ悲鳴に思わず隠すのは己の股。

それなりに腕が立つとはいえ、手足を使わなければ降りられないような岩から手を離せば

当然後ろに倒れ空を舞うわけで、唖然とするアルシアは転落。

そのままポスッと背後からライの懐の中へ。濡れた肌がモッチリと密着に

アルシアは逃げられないよう抱擁されてしまった。

ただでさえアルシアのキワモノ水着はVの形に露出が激しく、事をするには事欠かない。

受け止めた拍子に砂浜の上へ座ってしまった男の上、アルシアは己の股の間から

膝を立てられ固定され、男の手は胸元から麗乳を弄り始めていた。

 「あんっ、オイタはダメよぉ。 皆が着たら見られちゃうじゃなぁい」

「その時は、その時で・・・シエルとレイハも混じってするのも(ニヤソ」

 「まっ・・・」

そして絡み合い熱い接吻を交わす男女・・・・・・

・・・・・・・・・

「・・・(くああああ」

早々に、岩場の上で田舎兄貴なスタイルで釣竿を握るのはアレスと

その隣には同様に釣糸を下げるディ。

「中々に・・・こういうのもマッタリしていいですねぇ・・・」

「全く。」

背景では、娘なルナが潮招きにハサミを振る蟹に何を言いたいんだ? と屈み獣耳を近づけ

瞬間バチンと挟まれてしまい、キャンキャンと耳に蟹を付けたまま走り回っていたり。

と、其処に毎度夏の避暑令嬢姿で籠を携えやってきたのはリオ。

 「皆さ〜〜ん、オヤツですよ〜〜」

と澄んだ声に、アレス,ディは では、これで休みとばかり に魚を釣上げ

浅瀬ではザバァと銛を片手に立ち上がるメザ。褌一丁に腰に携えた大籐は大漁。

それに続く人魚姫エリアルは姫君なので追込み専門に得物は持っていない。

砂浜に辿り着くメザにエリアルも腰から下 半魚のまま着いて行き

 「・・・(うんしょ、うんしょ」

歩きようがないので腕で身体を引き摺ったまま如何もまどろっこしい。

だから、人魚姫の騎士は獲った魚と銛を置いてUターンに主の元に。

「暫し失礼」

とエリアルを姫抱きに一度海に戻り砂を落としてからリオが敷いた茣蓙にやってきた。

 「お二人ともお似合いですよ。」

 「ありがとうございます」

なんと、娘達はホノボノとしたやり取りをしているが相方にしてみれば戦々恐々。

エリアル×メザという事は現実、夢物語のように巧くはいかない。

言ったところで、その夢物語を引き合いに出すので話にすらないという・・・

さておき

 「きゃんきゃん。くぅ〜〜ん(泣」 痛い。取って(泣。

ルナ、獣耳に蟹を付けて未だやっていた。

どんな種でも不屈の闘志を持つものはいるわけで、手を出そうものなら空いたハサミを

振りかざしシャキンシャキンと威嚇する為に迂闊に手を出すことすら阻まれる。

 「ルナちゃん、こっちに」

エリアルに誘われるままその前にルナは座る。翳す手に蟹は攻撃しようと・・・

・・・・・・

暫し沈黙後、チッと舌打ちしたかのようにルナの耳を開放し

蟹は走り去ると波泡に消えていった。 流石は海洋大国家の姫君。

ライ達が遠泳より戻ってみれば、ルーに+レイハ,シエルも無防備に肢体を曝し

ぐったりノびて寝ていた。

「なんだ、途中で引き返したのか?」

 「・・・流石に、陸育ちの私達にあの距離は厳しいです」

 「・・・ん。(クアアア」

「確かに・・・俺でも辛いしな」

 「私しゃ行かんで正解だったナ。アルシアもオツー」

 「おほほほ、流石に私も疲れたわぁ(照」

 「「「・・・・・・」」」

「・・・。と、兎に角、夕方までグータラするか・・・」

寝る主ライを囲む、肌もあらわな4人の美女・・・(一部美幼女)。

食料の補給も十分に旅の合間の休息も終わり、彼等は旅を再開した。

何事も無く辿り着いた先は、辺りで最も大きい港町オンネアス。

大きな町になればなるほど貧富の差は激しく治安が悪くなってしまう。

この町も例を問わず、表向きは繁盛しているが一歩路地に入れば・・・

さて置き以上に問題なのはエリアル,メザの顔を知るものがいるか如何かだが。

メザ曰く、エリアルの顔を知るものは領主ぐらいだろうとの事だった。

しかし

「・・・いやはや困ったもんだ」

馬車を降り町を散策していた一行を取り囲むのは衛兵らしき者達。

剣先を向け、如何見ても無難に済ます気配はなく

「この方を誰と」

前に出て説明しようとしたメザ、結局突く剣に下がる得ない。

それに各々得物を構え蹴散らそうと

「待てッ。 皆、手をだすな。

俺はシウォング王 真龍騎公ライ=デステェイヤー

俺たちの身の保障をしてもらいたい。ならば抵抗はしない」

本来ならば全くの眉唾。しかし、ライが放つ威厳は噂そのもの。

隊長の指示に衛兵達は剣を収め、ライ達もまた剣を収めた・・・

・・・・・・

末端が有能だから とはいえ、必ずしも上も有能とは限らない。

武装解除で城まで連れてこられた一同は、ウも言わさず武装した兵に包囲され

エリアル以外、専属近衛騎士のメザもまとめて牢屋へ。

 「・・・それで、如何なさるんですか? 何なら脱獄もできますが?」

と到って平然なレイハ。一見水着っぽい衣装に僅か布を纏うだけで身体検査で

一切の小道具を奪われているはずだが、軽く手を振るだけで手品の如く針金やクナイが

ルーやディも各種装備を異相空間においてある。 抵抗は十分に可能。

「ここで問題を起こしても仕方がないからな。向うの出方を待つ」

 「しかし姫様が・・・」

「それについては多分、大丈夫。 無法者から姫君を護ったぐらい、

あわよくば取り入ろうって考えているていどだろう。王直属が出てくれば問題ない」

確かに。それならばメザの身分を保証してくれる。

その後、どのような処分を下されるかが疑問ではあるが・・・

一行は牢に放り込まれ、どれ位の時間がたったか カツーンカツーンと派手に

足音を立てやってきたのは如何にもそれらしい拷問夫。舐めるように見回し

・・・令嬢系,子供×2,猫の女戦士,冷麗な娘,妖艶娘・・・

「お前、来いっ!!」

アルシアの手首を掴もうとした拷問夫の手を弾いたのはライ。

「・・・貴様、何のつもりだ?」

「見ての通り。ウチの娘達には手を出させない」

「・・・いいだろう。その減らず口、二度と叩けなくしてやる」

拷問夫の指示にライは兵に引っ立てられ

「んじゃ、ちょっくら行ってくる」

 「いってらっしゃいませ」

 「わん〜〜♪」いってらっしゃ〜い♪

・・・メザの心配を他所に、一同は心配すらしていなかった。

十に近い数時間の時が流れ、ライは背も血塗れに兵に引き摺られ牢へ戻って来た。

そのまま石畳に打ち捨てられピクリとも動かず、兵が見えなくなってようやく

ムクリと

「ふぅ、十点。」

「ら、ライ殿、大丈夫なのですか?」

「見た目は兎も角な。皮一枚だけ斬らせただけだし。メザも拷問されればわかるさ。

ウチの連中にされてみろ。一生洗いざらい処か、生きていてゴメンナサイって気に(泣」

それにニヤリ笑うアルシア,ルー,レイハ。シエルも素知らぬ顔で耳をヒクヒク。

一定の力量の戦士となれば気でもって身体を護る事など容易な事。

それを撃破る為には相応の気で相殺しなければならないのだが・・・

件の拷問夫は一般人に、それすらなっていないと。鞭の感触は鋼を打つソレに違いない。

「もしリオが拷問されそうな時は、アレス」

「端より承知」

「ルナの時はディ」

「えー―っ ・・・仕方ないですね」

なんだとぉー と早々にルナがディを折檻したりしてるが・・・

数日間なって無い拷問を乗り越え、ついにアルトラス王の使者達はやってきた。

一気に慌しくなる城内。 そして、牢にエリアル姫共々やって来た使者の内

一歩前に進む無表情なサナカ顔男。

「貴殿、シウォング王というのは偽りないか?」

「・・・民より真の龍と称えられし騎士王。 某の目で判断するといい」

皆より一歩進むライ。 金龍眼となったその身体から立上る気配に

姫を除き使者達が圧され一歩下がってしまう。

「・・・姫君が世話に・・・・失礼仕った。」

「いや、それほどの事じゃ・・・彼は如何なるんだ?」

と指差す先には首垂れるメザ

「・・・このような事態になった以上、不敬罪で・・・恐らく、死刑」

「「!!?」」

「彼がいたからこそ、このような事態ですんだんだけどな・・・

アルトラス王姫エリアル殿、自分をポセイダル王に御目通り願いたいのだが?」

 「はい、喜んで」

他者が口を出す暇無く即答。 こうなった以上ライ一行を招かざるえなかった・・・

結局、オンネアス領主の目論見など端から論外に

王城は海洋のある島にある為、一行は其処へ船出と相成った。

船縁、寛ぎ海を眺めるライに近づく二つの影。

 「ライ様・・・」

「おう、如何した姫さん。」

 「ありがとうございます。メザを庇っていただいて」

「今回ばっかりは、な。 覚えろ、大事な人を護れるよう」

「ライ殿、護るのは私めの勤めなのですが・・・」

「部下が出来る限り自由に動けるよう働きかけるのが上の勤め。

今の場合、姫様が己の騎士を常に側にいられるよう庇わなきゃならなかった」

ただただ恐縮する二人。

「まぁ、事の顛末まで見届けてやるからガンバレ二人とも。 お互い不幸にならないよう」

ライが遥か彼方に見るものを二人も見ようとする。

既に見ているかもしれない。 しかし、見ている自信はない。

背景では、狼なルナが鼠を追い回していたり・・・

「・・・処で、ウチの連中は?」

「アレス殿とリオ殿は個室にて・・・。シエル殿は倉庫で遊んでいられました。

レイハ殿とルー殿とディ殿は船酔いで、アルシア殿はその看病を」

「・・・・・・」

 「ライ様?」

「・・・・・・ヲェ(れろれろれろ」

・・・失礼。

数日、海路を得て辿り着いた先には連なる群島。その中心に王城でもある島があった。

それは可也のサイズの島そのものが城といった感で、老舗有力王国と新進気鋭王国の

力差を見せつけてくれる。

 「でも、海ばかりですから・・・そう変らないのではないのですか?」

「陸地だけなら、な。 以上に海が、海の幸が侮れない。長として、それを自覚する事だ」

何かエリアルの教育をライがしている気もしなくはないが・・・

実の娘のですらそう会えない国王が、そう安々と会ってくれるわけもなく。

一行は客人となることとなった。 一人一室豪勢な部屋を与えられて・・・

兎に角。規模が違う。 屋敷は少数で十分手が回る広さだったが

この城は迷いそうなほどの広さに、相応のメイド,衛兵の数も相応の数。

少なくとも一室一人 メイド一人以上に落ち着かない。ライは。

だから暇潰しに身内の様子を見物に

 アルシア。

この国ならでは、無柄で絹のような薄くも豪華な布地のドレスも様に

テーブルでメイドを脇に据えて、お茶を嗜んでいた。

「そー言えば、アルシアの趣味は「お茶」だったな・・・」

 「あらぁ、いらっしゃい。 ライもどぉ?」

「じゃ、頂こうか」

隣を席とり、アルシア自身が入れてくれた茶を楽しむ。 香りよし味よし・・・

 「これ、美味しいでしょう?」

「ああ、イイものだな」

 「・・・、・・・ねぇ」

「自分の甲斐性で買って飲むなら、俺は文句は言わない」

 「あーん(泣」

アルシアの言いたいことなど端っから分ってる。屋敷では、自分で作るなり

安くて美味しい茶を見つけるなりして開拓しろと言っているわけだが・・・

せがむ視線が余りにも痛いので早々に立ち去る事にした。

 レイハ。

行ってみれば、これまたメイドを脇に沿え秘書な格好で読書に勤しむ。

まるで、主の帰りを待っている使用人達のように。 気配に気付き

 「ライ、如何かなさいましたか?」

「んや、ちょっと暇潰しに・・・相変わらずその格好なんだな」

 「ええ。この格好でないと気が抜けそうなので・・・」

「・・・別に大丈夫だろ。 俺は違う衣装のレイハも見てみたいけどな・・・」

 「えっ、そうですか(慌」

頷くライに、メイドも巧みに色々な衣装をワゴンにドッサリ。

「じゃ、後で・・・」

立ち去るライの背後では、レイハがメイドに服を剥がれ・・・

 シエル

行ってみればメイドも居らず、ベットの上にはノビ眠猫と眠犬

もとい、ドレスも適当に布を巻き付けた感で肌も露なシエルと同様のルナ。

共に野生児に着飾る性分では無いから仕方が無いのだが、ちゃんと着飾れば化けるのに

それこそ、猫女神,月女神みたく・・・

 「・・・ん・・・(眠」

 「・・・・・・」

と不意に、シエルがムチムチの太股の付根までも露にルナに脚を絡めて抱擁し

ルナも答えるかのように抱き着き爆乳間に顔を埋めムニャムニャ。

何でこの獣娘ズは無防備に・・・起こしてはかわいそうなので

二人の艶姿をシーツで隠してから退散。

ルー

入室早々、幼女の周りには何を調べているのか魔方陣のパネル展開しまくりで

メイドも離れて流石に怯えの表情を

「・・・何やっているんだ?」

 「おう、一帯の気の流れをナ。シウォングも豊かだったが・・・

  ホレ、見ろ。ココにも同様のモノがあるゾ」

「それは・・・あまり喜ばしくないなぁ(苦笑」

 「相手は海神(ワダツミ)様だからナ。会わないに越したことはない」

「てか、寧ろ会いたくない。」

 「でも、向うはこの辺りに興味深々みたいだゾ。場所は掴めんが・・・」

「脅すなよ。・・・じゃ俺は行く。  メイド、余り脅かしてやるなよ」

 「ヘイヘイ」

未だ横柄な幼女に怯えるメイドに「大丈夫獲って喰われる事はないから」と

説明(追い討ち?)してライは出て行った。

アレス,ディの処はメイドのみで空に

リオ

二人とも其処にいた。三人でテーブルを囲んで将棋に興じ・・・

姫なドレス姿のリオと御曹子なディ。 そして騎士なアレス。

「お前達もココか・・・」

 「如何したんですか?」

「ちょっと暇だから様子見に、ね。」

「でしょう・・・」

と弄ぶ駒は、豪華に貴金属で宝石を散りばめ造型も美しい。

「・・・いいな、これ。 買おうか・・いや、造るか。俺の小遣いで」

 「わぁ、いいですね。それくらいの贅沢なら」

「やっぱ勿体無いし、止めるか」

「「「をいっ!!」」」

結局貧乏性が抜けない新進気鋭の若き王だった・・・

一人、一人以上メイドがついているということは、当然

 「ライ様、お風呂の用意が出来ております」

「ああ、ありがとう」

 「お体、お流しいたします」

「!!? それは・・・」

メイド服というのはその土地柄に大きく影響を受けるものである。前に述べたように

ココの使用人は殆どが半魚系で温暖な気候なので、そのままの衣装で水に入っても

支障がない仕様。つまり、ライについているメイドは半魚人で鰓耳、四肢が鱗肌な娘

なのだが その身に纏うメイド服は、臍丸出し水着みたいなセパレイトスーツの上に

優雅にケープなジャケットと巻きスカート。

 「? 何かお困りのことでも?」

「あ〜〜、いや。 君、自分が女の子で俺が男という自覚はあるか?」

 「?? それが何か? ・・・ああっ、伽の事でしたら御気になさらず。

 所詮、私は一介のメイドにすぎませんから御存分に・・・」

「十分、気にするわいっ。生憎俺は育ちが宜しく無くてね、使用人だからといって

粗末に扱えるような性分じゃない。 心使いだけありがたく・・・」

 「は、はぁ・・・」

ライの考えに可也困惑な表情を浮かべるメイド。 身分云々が激しい処では中々に

理解しがたい。 しかし、満更でもないのか僅かに照れが・・・

何であれ、納得してくれたならそれでイイが・・・ライ自身がそういうわけにもいかず

「・・・そうだ。ちょっと頼まれてくれないか?」

 「ハイ、何でしょう?」

「レイハとアルシアに俺が風呂入っているって言って来てくれないか?

ついでに、そのメイド服も二人に貸してもらえると・・・(ニヤリ」

ライの意図を察し、メイドの顔に浮かぶトホホな笑み。

それでも、しっかり伽の相手で困る事はなく・・・・・・

因みに、アレスが風呂に入る前にリオがここのメイドな格好で飛び込んできたとか

ディは上せ風呂に入っていた間の事を覚えていない という事があったとか無かったとか。

朝食に、ライの元に集う一同。

その格好は昨日の今日で、女子達は如何にも海洋国のドレスで着飾り

 「皆様、お寛ぎいただいていらっしゃいますか?」

姫のエリアルも挨拶に加わり、華やかなことといったら・・・さて置き

「ああ、丁寧にしてもらって恐縮してるくらいだ。 特に貧乏性の俺は」

とラフにシャツを着こなす男三人筆頭のライは苦笑。

 「ライ様らしい。 私も、今まで贅沢していました事を自覚して・・・」

「・・・そうか。 処で、姫さんの騎士は?」

 「メザは、お父様が直々に処分を言い渡されるとの事で自室謹慎に・・・

 あの・・・実は、今日お父様がライ様と会見なさられるという事が本題で・・・」

父親の事に関した途端、エリアルの笑みは引き攣り、今にも泣き出しそうな感。

一見、お嬢に何ものにも動じなさそうだったのに・・・

「望む処だ。 もっと時間が掛かるものだと思っていたらからなありがたい」

 「あのライ様、お父様はライ様と同様に・・・」

「???」

 「あっ、いえ、何も・・・」

エリアル姫は一体何が言いたかったのか・・・

「まぁ大丈夫さ。並大抵なヤツからスゴイヤツまで相手にしてきたからな。

俺にホレるなよ(ニヤリ」

 「ふふ、その件は本当に・・・ライ様のお嫁さんにして下さいとはもう言いませんから」

「なら、俺も友として出来る限りの援護射撃をする。

後は、自分達の運命は自分達で切り開け」

 「はい。」

ライ達、希望都市の風土は海洋王国の姫君をも逞しく変えていた。

時は流れて昼、謁見の間。

来訪の王たるライは決戦仕様の戦闘服 軍服に、秘書なレイハと妖艶な姫のアルシアを

後ろ左右に従えて。 因みに、他の面々も武装以外の決戦仕様の戦闘服を纏って待機。

そしてライ達の前の玉座には、黒髪に王冠を被り立派な髭を蓄える偉丈夫。

ポセイダル=アトラス 海洋王国アルトラスの王でエリアルの父。その隣にはエリアル姫。

・・・なるほど、確かに普通の人間ではない気配が漂っている。

「自分は都市国家シウォングの長ライ=デステェイヤー。

王冠無き戦う王、民より真龍騎公の字をもらった者」

「世はポセイダル=アトラス、アルトラスの国王。 して、要件は?」

「態々時間を割いてまで悪いが簡単な話、親子喧嘩の仲裁を。

そしてメザ=サハギの弁護を」

「メザ=サハギ・・・不届き者。彼奴には不敬罪にて処分を申し渡す所存」

「・・・彼がいたからこそ、そこの姫が今無事な姿でいると思うが?

処分・・・殺すというならば自分にくれて頂きたい。彼は中々な騎士なんでね」

「・・・・・・。 処分するとは言ったが殺すとは

言っていない。子授の儀が済むまで謹慎させるのみ」

「子授の儀」の言葉にビクッと反応し、嫌悪 恐怖を見せるエリアル姫。

それは、以前と違いソレが如何に惨い事かを理解したから。

 「お父様、私は「子授の儀」を受けたくはございません」

「・・・何を愚かな事を。 これは姫としての義務、国の平安のため」

 「海竜様の子を授かり、別に夫を迎えるだなんて・・・茶番ではありませんか」

「海竜様の血族であることを忘れたかっ!!! ましてや我は半分が」

親子(?)喧嘩ヒートアップに、二人とも完全に周囲の事は蚊帳のそと。

「あ〜〜、もしもし? 何やら生贄マガイな事話し合っていられるようですけどね」

「黙れ人間っ!!!」

ポセイダル王の海竜眼に、吹き飛ばされそうに圧される。ライ以下3人以外。

「・・・悪いな、俺もタダの人間じゃない。 俺もマジリだ。後天的だが」

「うっ・・・」

ライの金色の龍眼に今度はポセイダル王が圧される。部屋の側では耐え切れず倒れる者も。

だが、不意に

「でも、よくも悪くも人間だ、俺は。 そして

神の威信に頼ろうとするポセイダル王、貴方も。

人間はいつまでも神に縋るべきじゃない。 親離れしないと・・・」

踵を返し退出するライに、二人以外何者も追わず、声かける者すらいなかった・・・

「まだまだ若いな〜〜、俺も」

 「ハハハ、神に叛くとは、見事なまでの龍のサガだナ」

「反骨精神といってくれぃ」

 「でも、ナカナカすかっとしたわよぉ?」

 「後先さえ考えなければ ですけど」

レイハの一言に一同沈黙。獣娘ズは我関せずに大欠伸。 それでも

「俺、神キライ」

「貴方はイイ歳こいて駄々っ子ですかっ!!! 全く・・・これから如何するんですか(泣」

皆がソレで当然であるため、何故か一人心労を抱え込んでしまうディ少年

「べ〜つに、どうもしない。 流石に襲われはしないさ。サッサと追い返されるか・・・」

だが意外にもライの予想に反し、一同は儀式に招待されてしまった。

そしてエリアル姫は軟禁に、変わりにメザが解放されてライ達の元へ。

「如何した、顔色が随分と悪いぞ?」

「本来、「子授の儀」は門外不出。一部の神官と王族しか参加出来ないはずなのに

ライ殿どころか自分まで・・・ポセイダル王は本気です。 本気で・・・」

「聞いた感では姫を海竜神の生贄に王族の生神化を目指してるみたいだが、それが如何した」

「!!? もう其処まで御理解を・・・しかし相手は神」

「・・・神が絶対の存在ならば、何故神を威す者が存在するのか」

「ら、ライ殿、何を・・・」

「別に。 ただ、エリアル姫は儀式を嫌がっている。そして、お前は姫の騎士。

俺がお前だったなら取るべき路は一つ。結果、神を国を敵に回す事となっても・・・」

神威の存在でもってその群れは初めて神に叛く事が出来ると言われている。

しかし果たして本当にそうなのだろうか。元々、生けとし生けるもの全てがその力を

有しているのではないのだろうか。ただ、その意志を貫く事が出来るか如何かだけで・・・

ライ達が客人に扱われ数日後、ついにその日がやって来た。

王城の島より船で揺られること数時間、神殿の島は更に海洋にあった。

図ったように円状に小島に囲まれ、その中心に。

神官達,儀式装束のライ達を含む少ない来賓客達を

勤め無表情メザを内に近衛兵・騎士達が警護し上陸に、島の主である神殿へ。

神殿は神代からの遺物に、王城の元モデルが瞭然で・・・しかし中身は完全に別物。

ただ儀式のためだけに、中は空堂で飾柱が規則正しく並び中心には

地中奥深くへ吸い込まれる大階段。 それを下った先には大扉が行く手を塞いでいた。

その扉が神官数人がかりで開けられると、そこに広がるのは驚愕の光景がっ!!?

「海が・・・」

誰が漏らしたか、濡れた石畳の床に空は海・・・海底のドーム

下った感からして海底でなければならないのに、其処にはシッカリ潮臭い空気があった。

 「これは、態々力場で海水を退けて空間を作ってある。イヤハヤ味なマネを・・・」

と光景に感心する皆に耳打ちしてくれるのはルー。 それでも

上に海があるという状況は、畏敬と畏怖の間の感情を禁じえない。

そして、いよいよ主賓登場。 人の間に出来た路をポセイダル王に連れられて来るのは

着飾り、装飾の貴金属が恰も束縛具に生贄を思わせるエリアル姫。

己の心を殺した彼女が生贄に見えるのはライ達とメザだけかもしれないが。

厳かに儀式は進み・・・エリアル姫のみが残され、一同はドームから退く。

そして、神官たちの手によって扉はゆっくりと閉り始め・・・だが、ギリギリで影一つ

飛び込み、ソレに続く影も。

!!?

「き、貴様・・・」

王も絶句に、影の主は得物を携えた姫の唯一の騎士あった。

「ポセイダル王、自分はエリアル姫の騎士。 姫に殉じます。

結果、ポセイダル王や国に叛く事となっても・・・・・・」

それだけを告げる間を残し、完全に扉は閉じてしまった。 これで中には姫とその騎士と

「・・・それで、これから如何するわけだ?」

 「結局、あの場に間に合ったのは私だけだったみたいねぇ」

「ら、ライ殿にアルシア殿も!!?」

今の今まで気付かなかったのが側に立つ存在に驚愕。以上に素早いレイハやシエルの面々

が間に合わないのは意外に思えるが、初めっから飛び込む気でなければ間に合わぬ間。

上から回ってではなく直接突入を察した者のみが残っただけ。

奥では、ココに居てはいけない存在×3にエリアルも唖然としてるし。

「と、兎に角自分は先ほど言ったとおり最後まで姫に殉じ、必要ならば海竜様と

対決も厭いませんが・・・ライ殿は如何に? 話ではココは間も無く水没するとの事。

姫は人魚,自分は水中で呼吸する魔法を心得ておりますが・・・」

「あ〜〜、俺は単に見届人のつもりだったんだけど・・・やっぱり水没するのか

まいったな。」

 「ホント、ど〜〜しよ〜〜かしら」

と言いって一向に緊迫感のない二人。だが状況は人に関係なく

ドームは目に見えて縮まり初めていた。

「姫様っ!!!」

 「はいっ、今は私がそのための魔法をおかけいたしますが時間稼ぎにしか・・・」

と駆け寄ったエリアルはそのための魔導を行い一息着き、見上げたソレに硬直。

そのワケを振り返って見た一同も瞬時に理解した。何故なら、ドームの外には

海竜様  瞳に理性を感じさせるシーサーペントが既に切迫していたから。

一言発した言葉は、男には完全無視に

『今回ノ我ガ花嫁ハ二人・・・』

「っちょっと待てぃっ!! こっちは俺のだっ!!!」

と、ぐいっとアルシアを抱き寄せるライ。メザとエリアルも、姫を後ろに隠し立つ。

「我は姫の騎士。姫が望まぬ以上、我は刃となりて姫を護るっ!!」

『・・・人間如キガアアアアアアアっ!!!』

人間が畏怖を見せない事が逆鱗に触れたのか、激怒にドームの水壁より無数に生まれる

水の触手。 それが男二人を貫き殺し、姫二人を捕縛しようと襲い掛かる。が

斬っ!!!

「だから〜〜人の話を聞け」

二人の揮う刃に達する事無く粉砕。 一帯が海水で更に濡れてエリアルが人魚状態に。

それを見た海竜の瞳に激情から理性が戻る。 そして、一時思案に

『人間ドモ、尽キルガイイ。 我ハ姫一人デ十分・・・』

と、縮みながらもまだ可也の規模であったドームが不安定に揺らぎ

 「!!? 海竜様は私以外を圧死させる御積りです」

このドームがあるのは海底深く。当然、力場が消滅してしまえば周囲から怒涛の海水が

押し寄せ、水に耐性がある人魚種以外は確実に海の藻屑に。

そして、彼等に海が降って来た・・・

海竜の目前、ドームは終に安定を失い水圧に爆発。これでは人間は決して耐え切れず

例え人魚であろうと昏倒は必死。あとは人魚姫を連れ去り蜜月に・・・

しかし、その目論見を撃破るのは泡の中に現れし影。

人のそれより大きく、フォルムも人のそれとは違い・・・

『・・・・・・。何者?』

『人の身を変え降臨せし戦龍神。 以上に名乗る名はない』

『邪魔スルナラバ容赦セヌゾ? 姫ヲヨコセっ!!!』

咆哮に、衝撃波が戦龍神を襲う。 しかし眼力にて生まれた障壁で相殺。

『まぁ、焦るな。 成り行きココに居るが・・・云々で話をするならコイツとやってくれ』

『???』

「海竜うううううっ!!!」

戦叫に、戦龍神の影から海水を蹴って飛び出すのは人魚姫の騎士。

仄かに燐光を纏い陸上さながらの勢い。

『貴様も男なら、対等に戦って勝ち取ってみろ』

『・・・人間ガアアアアアアアっ!!!』

いざ戦闘開始。 海竜が咆哮に衝撃波を放ち、人が接近に突撃槍を振るって襲い掛かる。

一介の人間が仮にも神相手に、互角の戦いを繰り広げ・・・

 「ありがとうございます。 えっと・・・?」

戦闘領域外で戦龍神の背後から泳ぎ出てきたのは当の人魚姫。

『一応、精神はライだ。 気にするな、メザがヤツに勝てなければ意味がない。

姫の力を一時移植に環境に関係なく全力で戦えるようにしただけだからな』

万物を支配し、調整する能力。それがアルシアを鍵に降りた水の戦龍神の力。

 「いえ、それでも・・・」

『なら、祈ってやれ。彼が海竜神に勝てるよう。 俺が出来るのはココまでだ』

 「はい・・・」

『さて・・・』

 「あの・・・どちらへ?」

『いや、子のガチンコ喧嘩に親が出てくるのも何だしな。 先にコチラから・・・』

 「???」

と、水の戦龍神は海に溶き消えてしまった・・・

其処は海底であって海底ではない異次元の世界。海そのものの世界。

そして其処で胎動するのは幾つもの頭を持つ龍。海の権化。大海龍(リヴァイアサン)。

その瞳が目の前で具現化した者を捕らえた。

『我が名は・・・必要ないか。 そちらの眷属が人の社会に干渉してる。

一人の人間の男が護るべき者の為にソレと戦っているから見届けて欲しい

というのが用件だ。 ・・・・・・言ってる意味、通じてるよな?』

大海龍の無反応ぶりに戦龍神、意気消沈。 人の精神構造を神が理解出来る保障なんか

何処にもない。話しているつもりで実は銅像に話しかけているのと変わらない可能性も。

例えそうであっても一応断りを入れておかなければ。

でも本当に話が通じているのかどうか・・・時間の流れが違うのか・・・無反応。

間に戦龍神が前のめりに倒れそうになったその時、大海龍はゆっくり瞼を閉じ

瞬間、強制空間転移に広がった光景は

「おおおおおおおおっ!!!」

『――――――――っ!!?』

海竜の上、立ち振り下ろしたメザの突撃槍「貫鯱矛」がその首を貫くっ!!!

そして海竜はゆっくりと倒れ、水飛沫を立てつつ波間に浮いた。

と共に、海岸から上がる歓声。

・・・気づけは海上に、戦龍神も海岸から少し離れた処で観客の一神。

大海龍が下した判断は、つまりはそういう事なのだろう。

『終ったのか・・・』

 「はい・・・」

返事に見下ろせば、波間から顔をだす人魚姫エリアル。気付いてこっちに来たらしい。

『姫さん、俺のところじゃなく君の王の所へ行ってやれ』

 「え? あっ・・・はいっ!!!」

戦龍神の笑みの意図を察し、エリアルはその元騎士の元へ向かう。

海竜神を倒して見せた今、メザがエリアルの夫

海洋国家アルトラスの新王になることを誰も文句は言えないだろう。

ポセイダル王や一部の老神官は驚愕の光景に真っ白に朽ちてしまってるし・・・

戦龍神の支援の効果が切れたせいかエリアルに支えられ海岸に辿り着いたメザは

今度は反対にエリアルを姫抱きに上がり、若い覇気ある騎士や兵に称えられていた。

今まで古い仕来りに支えられてたこの国は生まれ変るだろう。その善し悪しは別に。

見れば希望都市の騎士団の面々も賑やかな輪からはずれて戦龍神に手を振ってるし


『・・・オ、ノレェェェ人間ガアアアアアアアアッ!!!』

復活の海竜神に大波が立つ。仕留め切れていなかった 否、助けた事が仇に

このままではココのみならず海洋王国全土までに被害が。

しかし、そんな事を戦龍神が見逃すわけもなく後ろに人々を護るよう立ち。

『貴様・・・往生際悪いぞっ!!!』

轟っ!!!

と揮う腕に大波が瞬時に霧散。大粒の雨となって天より降る。

『侮リ遅レヲ取ッタガ・・・モウ負ケハシナイっ!!!』

『いや、もう貴様は負けている』

『何ッ!!? グ・・・ゲボァッ!!?』

『大波を消し飛ばしたついでに毒を散布させてもらった。貴様のみに効果あるヤツを、な』

ただ波間でのたうつ海竜にはそんな言葉は聞こえていない。

『安心しろ、苦しくて動けなくなるだけで死ぬような毒じゃないから

・・・って、聞いてないか。 如何しよ・・・蒲焼にするわけにもいかないしな』

物騒な独言まで言ってるが、相手が悶絶では本当如何しようもなく・・・でもなかった。

蜃気楼に揺らぐ空間からあわられたのは大海龍。

『・・・なるほど、バカ息子を再教育に連れて帰るってか?』

頷くかのように大海龍は海竜共々幻のように消えていった・・・

『さて、丁度時間切れか・・・俺たちも・・・』

崩壊を始めた身体に、彼の娘の労いの声が聞こえたのは気のせいではないはず。

・・・そして

彼等は早々に帰って来た。

びしょ濡れに、完全にノびたライを支え連れてきたアルシアと合流するやいなや

姫に船を手配してもらって海を渡って土産満載の馬車を回収し、大急ぎに行程を

半分の時間で進み・・・その更に半分までライはノびていたりしたが、さて置き

もうそこは都市の敷地内に全体を見渡せる山間の道、今までの強行軍とは打って変わり

いたって散歩調に進む馬車があった。 久しく見る都市は変らず平和。

「はぁ・・・やっと帰って来たな・・・」

見渡す一同の顔は都市の住人達よりよく焼けてはいるが・・・やはり都市の住人のそれ。

元の生活に戻れば、焼け具合も直ぐに戻っていくだろう。

 「わんっ! ルナ、走って帰るっ!!」

「仕方ないですね・・・」

と緩やかに進む馬車から飛び出す子供二人に、見た目と違いお転婆嬢とその相方も

 「あっ、じゃあ私も♪」

「コラコラ・・・(苦笑」

それでも続き飛降りかけていってしまった。 一方で、主の隣に腰掛ける四姫。

「いいねぇ、子供は・・・俺もイイ歳になったもんだ」

 「な〜〜に言ってるのよぉ。まだまだま若いくせに」

 「そうです。これからも頑張ってもらわないと。負けていられませんから」

 「ん。 ・・・(クアアアア」

 「まぁ、ココは御主が作った国。これからも御主の好きにしていけばいいサ」

「全く、好き勝手な事を・・・」

馬車というものは御者のみでは成り立たない。以外のものが揃ってこそ成り立つ。

国もまた然り。 しかし国は王が代われど・・・・・・

想いを風に流し、彼等は帰って行った。我家へと・・・

帰って来た屋敷は・・・何も変ってはいなかった。変ってもらっても困るが。

子供たちが先に駆け帰っていたせいで、出迎えには珍しくカインとヒルデ。

「お帰り。  たまにはいいモノだね。出迎える立場というものも」

と、優男が差し出すのは手。

「・・・何だ、その手は。 お手をしてほしいってか?」

「そのネタはルナにやったよ・・・」

「だろうな。 取り合えず、土産は乾貨とか干物とか海洋王国のドレスとかメイド服等々

あるけど・・・ヒルデに。」

「僕には?」

「ヤロウにやる土産はないっ  と言うのは流石に可哀想だからこれを」

とライがカインに手渡すのは赤い布キレ

「・・・・・・何だい、これは?」

「褌という、由緒正しき男の下着だ」

「・・・いらないよ」

「えいっ、贅沢者めっ!!! では褌はヒルデに・・・」

「殺すよ?」

「あげたらあげたで、二人っきりで楽しむ癖に・・・」

睨み合う男二人の間に、女の子達は本気で喧嘩を始めないかと戦々恐々。

二人は親友のはずなのだが・・・しかし、次の瞬間

「「ふははははははっ!!!」」

笑いながらお互いの拳をぶつけた。何度も言うが、二人は親友である。

今回の件に決着が着いてから数週間、一通の便りがもたらされた。

送主は・・・メザ=サハギ=アトラス。 アルトラス新国王。

内容は、海洋国家アルトラスは都市国家シウォングと友好条約を結びたいとの事。

一切の利害を求めず、ただ友として・・・

以下は近況に、姫と無事結婚式を挙げたが恩人であるライ達が居らず寂しかっただの

・・・内容が拙い事を思えば、近況は姫・・・妃が書かせたにちがいない。

 「何か面白い事でも書かれていらっしゃるんですか?」

「ん? ああ。 それは・・・」

と横のレイハに、ライは毎度の如く手紙を渡す。そして目を通す事暫し

 「・・・きっとイイ国になるでしょうね」

「ああ。 最初はどうなる事になるかと思ったが今回も・・・今回も・・・」

最初は満足げだった表情が己の言葉に引っ掛かり一転、何かにいぶかしむ。

 「ライ?」

「あっ、いや、なんでもない。今回も皆にとって良いようになってよかった」

 「そう・・・ですね。 それで御返事は如何はいたしましょう?」

「うん、友好条約の件は大歓迎だと。 後は・・・まぁ近況に

変らず元気にのんびりバカやってるって書いて置けば全部わかるさ」

 「・・・はい。」

一度出来上がった絆は容易に消えるものではない。心通じ合った友ならば・・・

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(03.09/27〜04.01.22)



2007/12/30
「SH
RINE」