∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■ EPISODE 10 ■
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「・・・さて」

と二人の姿が消えるまで見送り振り返ったアレスの視線の先には

熱病に魘されているようにガタガタブルブルと己の身体を抱締め

今にも卒倒しそうなリオ。

「あっ、あっ、アレス君、もう、許してぇ。 私、もう、耐えられないよぉ」

「・・・・・・何に耐えられないのか詳しく聞いてみたいものだな」

スカートの中、ガクガクとリオは内股をすり合せて腰が落ちてくる。

「そんなぁ・・・」

「そもそもリオが始めた事。いずれにしても困るのはリオだけだ」

「あ、アレス君の鬼畜っ!!」

「フゥっ。 何を今更・・・俺がどんな男か分っているはずだぞ」

騎士になる前は少年暴力団の頭みたいなもので様々な悪事に手を染めた。

犯していないのは人売りと殺しぐらい。

だから、当時少年にも関わらず色々な意味で泣かせた女は数知れず・・・

勿論、今は騎士であるだけあってそんな事はしていなし、己から近づく気はない。

「あぅ・・・。 優しいアレス君に戻ってぇ」

「下手な演技はいい。 ずっとこのままでいるつもりか?」

以降、ずっと玩具が乙女の敏感な肉を無慈悲に掻き混ぜていた。

アレス程度の魔力でも一日それを動かしリオの足腰を立たなくさせることぐらいは出来る。

と言うより、大して時間が経っていないにも関らずもう腰はガタガタ。

「え、演技じゃないもん。 

・・・今、私の、股間に、刺さっている、玩具を、取らせて、下さい。お願いしますっ」

最後は声は殆ど上擦り悲鳴。

「どうぞ。 ここで抜けばいい」

つまり、ここで抜け と。 関して免許皆伝、兄貴分達に負けず劣らず見事な鬼畜っぷり。

「アレス君の・・・バカ」

それでも従い、男の前でスカートをたくし上げると

清楚な下着は既に液で濡れて太股にまで滴っていた。

「・・・スケベ」

「それは、アレス君がっ」

「もたもたしていていいのか。 足腰立たなくなるぞ」

「っ!!?」

確かに言う通り。正直、座り込んでしまいたい。

でもこのまま座り込んでしまったら、きっと立ち上がれない。

スカートの裾を咥えテーブルに片腕を着いて支えに、汚れた下着から片足を抜けば

そこにはまだ乙女の股間を鋭角に固める貞操帯が。 でも・・・

「これ、如何すれば、脱げるのっ?」

「さぁ?」

「さぁって、そんな・・・(汗」

「何しろ初めて見た代物だから。適当にやっていたら履かせる事が出来た。」

「じゃ、じゃあ私、如何すれば・・・」

高揚で赤くなったり己が如何なるか分らず青ざめたり、乙女の顔色は万華鏡のよう。

「でも、鍵はココにある」

「それを私にっ」

嬉々として鍵を取りに来たリオに、アレスは鍵持つ腕を上に伸ばして高く。

当然アレスより背の低いリオがしがみ付き単に背を伸ばしただけでは届かない。

跳べは取れるが今の状態でそれが出来るはずもない。 顔色は驚愕へ。

「どうして・・・」

「このまま返してしまったらリオへの罰にならない だろ?」

それは優しいアレスの笑みそのものであり、その後ろには明らかな悪意が

「あっ・・・ああっ・・・あ」

リオはアレスにしがみ付いたままズルズルと堕ち・・・

ついにペタンと座り込んでしまった。 アレスの足の甲の上に股間をくっ付けて。

そして、アレスの足はじっとり生温かくなっていった。

「イってしまったのか・・・」

返事はただ涙顔でイヤイヤとばかりに顔をふるのみ。

アレスはリオの股間より足を抜き、目の高さを等しく顔を近づけ頬を伝う涙を舐める。

「・・・今度から、おバカな事ばっかり言わないこと。 いいか?」

「・・・はい」

「いい娘だ」

次は、濡れた柔かい唇へキス。 そして抱擁し・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ルナは戦力外なので拭き掃除はディ一人でするしかなく、終わって居間に戻れば

「あれ? 姉様・・・」

「くぅん」 大丈夫かな

リオはメイド服からラフな格好に着替え、ソファの上で眠り

「そっちは終わったのか? それなら、これで屋敷内は殆ど終わりだが」

何故か暖炉の中から声が。そこから出てきたのは煤塗れなアレス

「ええ、終わりました。それより・・・」

「リオか? ついにドジしてしまったから、ちょっと・・・な」

「そうですか・・・次、如何します?」

「そうだな・・・リオは起きるまでこのままにしておいて、当初の予定通り

一泊できるよう外もやってしまおう。リオが起きてから夕食を作って・・・」

「まだ日が沈むまで随分あるから大丈夫でしょう。」

「ディは風呂掃除をやってもらえるか? ルナは薪割り」

「わんっ!!」

「「しぃー―」」

「くぅん」 ごめんなさい。

「俺は馬小屋の様子を見てから庭木を剪定し・・・その頃にはリオは起きている

だろうから夕食を作ってもらい、間に順次風呂。それから夕食が妥当だろうな。」

「そうでしょうね。」

「もしかしたら風呂は皆まとめて入るかもしれないな」

「そうなるでしょうか」

何故か悩む男子二人に、ルナは 何で?とばかりに首を傾げるだけ。

その後順調に事は進み、推測通り皆まとめて風呂に入る事にはなったが

リオ,ルナ共にタオルを水着のように着用させることで困難を乗り越え?

夜は居間で仲良くゴロ寝し・・・

彼らは久しぶりに有意義な休日を過したのは言うまでもない。

その日、訓練場には決闘場の如く擂鉢のように物見櫓が組まれ其処には兵の人だかり

対決をするのはライVS兵の中でも選り抜きの兵十人。

何も武装していないのに対し、装備を纏い棍をもって。

一騎当千

たった一騎が千の兵に匹敵するという例え。それを体現しみせるため。

「おい、お前等これを賭けにしてもいいぞ。俺は自分に給料一月分だ」

勝てばボーナス負ければ減棒な上、挑発に対抗の兵達がいきり立つ。

幾ら元守護騎士で若くして一騎当千と称えられているとはいえ、余りにも舐めすぎ。

その自信に掛率は半々。

「本気でいくからな、 死ぬなよ」

瞬間、撃ち出たライは最も近かった兵の懐に飛び込み掌抵。鎧が凹み吹っ飛ばされた

その兵は数人捲き込み気絶。しかし、それを避けていた兵達はライを取り囲み棍で突く。

が、ライはそれをしゃがみ回避そのまま足払いで取り囲んでいた兵を転がし

先の一撃から立直ってきた兵達に強襲・・・・・・

結果、汗だくで膝が笑っているライに 周囲は死屍累々。

沈黙の中、深呼吸で息を整え

「皆もコイツ等が可也の実力者だと知っているだろう。 これが一騎当千だ。

相手の将、戦士と呼ばれる連中はこれくらいの強さがある。無理に勝とうとするな。

適わないと思えば時間を稼ぎ、最寄の騎士を呼べ。 生き残れば勝てる。」

生存のその先にこそ真の勝利がある と。

常日頃よりライが騎士団の女子の面々を姫と呼ぶため 人々は

レイハは「影忍戦姫」,ルーは「幼導魔姫」,シエルは「疾黒戦姫」,アルシアは「麗紫毒姫」

リオは「聖嬢騎姫」,何故かルナまで「銀狼闘姫」 と呼ぶようになった。

「女の子達にはルナまで俗称があるのに野郎は無しかい」

「欲しいんですか?」

「欲しくなんかねぇぞ、畜生(泣」

「ありますよ。」

「ええっ(嬉!!?」

「・・・やっぱり欲しかったんですね。」

「・・・で、何だよ」

カインは甲装騎将、アレスは勇雄騎将、ディは聖士魔将

「そ、それで俺は?」

「・・・聞いて後悔しませんか?」

「何ぅっ!!? そんなに酷いもんなのか? 聞いてみたい。でも怖いっ」

「バカ殿。スケベ公。 他のも聞かれますか?」

「ひ、否定出来ねぇ。 でもその俗称は余りにも辛すぎる・・・(号泣」

確かに、ライをそう呼ぶ連中もいることにはいるが、以上に

真龍騎公。

そして、鍛えられた兵たちは

ライを大将,レイハ&シエルを副官に種々混合の二軍(+傭兵の裏軍)

カインを将に重甲兵の一軍、 リオを将,アレスを副官に汎兵の一軍

ルーを将,ディ&ルナを副官(もとい、直属の護衛)に魔導兵の一軍

アルシアを将に都市防衛ため留まる種々混合の一軍 と分けられた。

・・・・・・・・・

「納得出来ませんっ。 何故、私が将でアレス君が副官なんですかっ!!」

「俺は別に構わないが・・・」

「良くないっ!!!」

「戦争って、着き詰めれば何か分るか?」

「???」「・・・・・・」

「至極簡単だ。 暴力な交渉。要は、如何に効率よく人を殺す事が出来るか。」

「そんな・・・(哀」

「アレスは直ぐ思いついただろ?」

「・・・ああ」

「だから、さ。 その点、リオは既に知らずにその逆の事は体現している。

俺達の戦いは大変だぞ。 単に勝つだけじゃなく敵含め被害を少なく、だからな」

「だから俺が将じゃダメなんだ。わかったか、リオ」

「・・・はい。」

「気負うな。リオ、アレス、お前達は二人で一つだ。 二人とも決して離れるなよ」

「「はいっ!!!」」

・・・・・・・・・

「何故私に護衛をつける? しかも、ディとルナだと? 再編成を求むゾ」

「元々魔導が使えた奴に翼人が多かったから前線に近づけても大丈夫だが、

念の為にな。ルナを前衛、ディを中衛に置けば三人とも確実に生き残れるし」

「御主・・・」

「つーわけだから、性に合わないだろうけど子守頼む」

「その代わり、終わったら私の子守唄は御主が唄え」

「・・・偶に、な」

・・・・・・・・・

「俺に何かあったときは頼む」

「留守は預かってあげるわぁ。で・も、貴方の控えはイヤ。 必ず帰って来て」

「無茶いってくれるなぁ・・・」

「でも、貴方はその無茶をやって乗り越えてきたでしょう? だから今回も」

「善処しましょ、我が姫様。」

「・・・・・・ねぇ私たち、遣り取りが少なくなぁい?」

「二人とも意外に大人だからなぁ・・・」

・・・・・・・・・

「と、言うわけだから二人には最前線に立ってもらわなければならない」

「ん。」 「了解しました。」

「悪い。 この返事がすんなり返ってくると分かって置いたようなもんだ」

「元々、私は貴方の補佐ですから側にいて当然です。」

「猫は主を禍より護るもの。何も問題ない。」

「うわぁ、そういわれるとメッチャ罪悪感が・・・」

「何もそんなに・・・妥当な編成ではないでしょうか」

「ん。」

「俺に振り回される事になると思うけど、宜しく頼む」

「何を今更。」「ん。(クアァ」

「ぐぁ・・・」

・・・・・・・・・

戦場。 国境から都市まで東の山脈伝いの領域がそうなる。

今回はオブシディア側もはヴィガルド軍そのものには出てきて欲しくないため

領域外の村々には手を出せない。 領域内の村々はカインを使者に避難をさせた。

細工は流々。オブシディア側は掠奪出来ずに戦い抜かなければならない。

そして、ついに招かざる客はやってきた。


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■ EPISODE 10 ■

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