∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■ EPISODE 09 ■
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棍が得物のディ少年、前に立塞がる敵は5人。 ライ,レイハ,シエル,アレス,リオ

・・・まず、如何転んでも勝てない。 奇跡が起きても無理。

だから5人は各々に合わせた動作抑制ギブスを付け、得物は竹刀

且つシエルは猫耳に綿,色眼鏡と、皆 戦闘力をディに匹敵するよう・・・

しかし、ライ,レイハ,シエルにはソレすらハンデになってない

と思うのはディの気のせいか?

残りの面子は観客で

「わんわーん♪」

ディ、泣いちゃダメだよー とばかりにルナは手を振って応援。

ルーとアルシアは少年が弄られる様を期待して邪笑を浮かべ

カインは少年の・・・を思い浮かべ、別の意味で気味が悪い笑みをもらし

「ディから先攻しな(クイックイッ」

「そうですか? では・・・」

悠々なライに、ディは懐から取り出し蒔いたものは親指大のクリスタル・魔石。

「いや、確かに何でもつかってイイって言ったけどな・・・」

「・・・汝は我。汝は我駒。汝は汝の姿を取れ・・・『式影法師』」

少年の術詞に、魔石を核に空気中の水分が集り人型を造り色が付き

・・・計10人全く同じ格好姿のディ少年登場。

そして十人中八人が二人一組で明後日の方向に遁走。

「「!!?」」

ディの勝利条件。 時間まで負けないという事のみ。

逃がしてなるものかと4人はそれを追う。

「相手が多い時は取り合えず逃げて敵勢力分散か・・・」

「「・・・もしくは頭を先に潰す、ですね」」

「おう。 65点」

「「採点している場合じゃないですよっ」」

ゆったりと撃って出るライに、いつまでも笑っていられると思わないで下さいね

とばかりにディ少年×2は更に『幻影』で姿を増やし襲い掛かり・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

「満点が取れないのは、ディが俺を舐めすぎているから。

それ以外はよかったんだけどねぇ・・・」

かすり傷を受けながらも平気にライは言い放つ。 消耗し膝着いたディを見下ろし。

ディが愛用の得物・法杖『光晶槍』を用いなかったのはソレ自体の模写が困難な為。

だが、棍如きでライ達に勝てると思えることが浅はか。

動きが多少縛られているとはいえ、それでタフさと打撃力が減るものではなく

ライはダメージを負う前にディのみを倒せばいい。ギブスもプロテクター代わりになるし

「ディは痛みに対し如何しても怯えが出るからな、その事を自覚すれば・・・

まぁ、もっとも魔導士タイプに戦士タイプの戦いを求める事自体間違いなのか」

「そんなことは・・・」

「あるゾ、バカ小僧。 タイプに関係あるか。未だに痛みに怯えるとは何事だ?」

カットソーにミニフレアスカートとニーソックスの爽系元気幼女っぽいルーは

ディの頭をコンっと拳骨で殴った。

ルーにとって、ディは体のイイ玩具。 だから平気で蹴り殴り叱り威張る。

それで最近、ルーはライに甘える事があっても八つ当たりが少なくなったり。

だから、こう威張り腐っているルーを見ていると、ハァハァと懐に入れて困らせ

服のまま下からルーの股関節が外れ子腹が歪むほど貫き上げ、よがり啼かせたくなる。

そして、抜かず胎出汁しでルーの胎奥をパンパンに・・・

ふと、眉をひそめるディを説教していたルーはライの視線に気付き

「・・・・・・(ニヤリ」

「・・・・・・ふぅー―――っ(悩」

「あらぁ、どうしたのぉ?」

それに気付いてか気付かづか、絡みつくアルシアをちょっと邪険気味に払いのけ

「思ったより手ごたえがなかったから不完全燃焼気味でな・・・」

「そーなのぉ?」

「わぅ?」 そうなの?

間違っちゃいないが、誤魔化しがてら側によったルナの頭をグリグリと撫で乱し

そして、決着を付けたか他の面子も合流。

「ディ、回収してきたが?」

と、魔石を渡すシエルに

「これは・・・随分と面白い魔石ですね。」

レイハは透かし中のパターンを眺める。

「ええ、これは魔導回路を幾重にも組み合わせた思考核でして、

これで『式影法師』の情報を処理,制御を行うので、単独活動が可能なのですが」

「そう? 見た目そっくりだけど初めっから凄く違和感があったね。」

「・・・表情に変化がなかったな。それに細かい動作がパターン化している。」

リオの疑問にアレスが答え、皆相槌を打ち。

「結局、最初っからばれていたんですね・・・やはり処理能力が足りなかった・・・」

「だから言っただろう? まだ精製が足りんものでは使いモノにならんってナ」

「見た目さえ気にしなければもう少しマシな動きが出来るはずなんですけど」

「んナ物使わせられるか、バカ者。」

意外に完璧主義のルーにディはイイワケする事も出来ず、ただ叱るのみ。

ルーなら魔石を使わずとも容易にディ以上の『式影法師』をやれる。

それこそ魔導能力が極端に落ちた程度で完全に近いコピーを。

もっとも、当人ですらややこしくなるのでやらないが。

「そう叱ってやるな。 実戦に間に合うよう、今のうちに試行錯誤すればいい。

いっそう完全に能力重視の魔導機兵(レギオン)として完成を目指したらどうだ?」

「ライッ、御主は物分り良すぎるぞっ」

珍しく今度はライに対しポカポカと蹴る殴るの八当り。ショーツが見える事も気にせず。

「・・・・・・はーい、これで解さーん」

そのままライはルーをヒョイと脇に抱え

「にゃっ!!? 何をするぅー―っ!!」

「ちょい、対魔導戦の相手してくれ。」

「おー、御主、イイ覚悟じゃないか」

「何の覚悟だ?」

「死ぬ覚悟」

「殺してみろ。殺せるものなら」

何故か殺気立つ二人は、うぁーと引く皆を残し行ってしまった。


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■ EPISODE 09 ■

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