∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■ EPISODE 08 ■
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いつものように・・・アルシアが『失姫』として王都へ行く以前のように

早朝にライは目覚め、熟睡しながらもしがみ付くアルシアからそっと逃げ出し

朝っぱらから寝る女性と二人っきりで部屋にいると変な事をしてしまいそうなので

取り合えず、着替えと持って離脱。

居間へ降りてみれば、昨日の今日もあって皆絨毯の上で酔い潰れ眠っていた。

着乱れルーを挟んでシエルとレイハが抱締め合い、魘されディの脹脛にはルナは齧り付き、

アレスに抱締められ腕枕でリオはむにぃっとシアーセそうに

死屍累々がゴロゴロと

「だよなぁ・・・・・・」

一人寂しく外で朝の鍛錬をしばし・・・しばし・・・しばし・・・しばし・・・

戦闘があった翌日なので誰も起きてこない。

鍛錬終わり、汗を流してから戻ってみれば居間は行く前と変らず

「・・・しょせんそんなものさ(ルルルー」

仕方なく台所で豆茶を入れ執務室へ。

間、不健全(?)な生活を送っていたからキレイさっぱり執務仕事は無く

己の得物(剣,腕甲)を磨き、磨き終わり、手持ち無沙汰。

今度は先日まで使われ当分使う者が無いであろう業物の短剣を磨き始め・・・

ようやく誰か起きてきたのか誰かがコンコンとドアをノックし

「開いてるよー―」

「おはー。御元気ぃ?」

と入ってきたのは、朝っぱら艶っぽい衣装に白衣のアルシア。

「元気と言えば元気だが・・・だめだぁ、健全過ぎて面白みがねぇ」

「なーに、バカ言ってるのよぉ。 暇潰しに仕事、手伝ってあげるわぁ。

間の分、部屋一杯になるまで溜まってるんじゃなぁい?」

「溜まってないよ、見ての通り全くな。」

「え゛!!? そ、そんなの・・・だって、だってぇ・・・(乱」

「・・・なーにを勘違いしてるか知らないけどな、俺は間ずっとココで仕事してたぞ。」

「!!? う、うそよ、そんなの・・・」

「嘘だと思うんならレイハとかシエルとか子供等に聞いてみ?」

「じゃ、じゃあ、彼女は・・・ええー――――っ!!!??」

ええー――――っ!!!??

ええー――――

えー―――

えー―

その驚愕の声に

ある者は跳び起き構え、ある者は二日酔いの頭を抑え、ある者はただ目をぱちくりと。

非常事態とレイハが急ぎ着乱れたスーツのまま執務室に飛び込んで見れば、そこには

大音量にキーンとなった耳を押さえる苦顔のライと

床の上に座り込み、驚愕に呆然とテンパッてるアルシア。

「何が・・・」

「何か予想外の事があったんじゃないのっ?」

やり取りにアルシアはレイハに気付き、ゆらりと立ち上がり

・・・その表情、顔に影がかかり可也怖い。

「ねぇ、レイハ?」

ぐわぁしっと肩をつかまれ、レイハ捕縛。

「は、はい?」

「ライって、私がいない間ココにいた?」

「い、い、いましたが、それが何か?」

「ほんとにっ? ほんとにっ? ほんとにっ?」

ゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさ

「ああっ、や、やめてぇ、ください。い、今、それを、されると、

されると・・・ほ、本当に、いましたよぉ、ライはぁっ」

アルシアから解放され、レイハは立つことなくままに床へ崩れ落ちる。

悲惨なまでに哀れに。クテェっと目を回し。

それを見下ろすアルシアは先ほどの妖艶,可愛らしさなど一切無く・・・

「お、鬼や・・・(汗」

「・・・うふふふ、そうよレイハは忍。情報を操るのが主ですものねぇ」

今のレイハはパンピー以下です。 拷問(?)に嘘つく気力など微塵もありません。

「・・・みんなに聞いてみないと(ニヤリ」

獲物を搾取する魔物が如くアルシアは邪笑を浮かべゆらりと・・・

「っ!! みんなぁー――っ、逃げろぉー――っ

鬼がっ、アルシアがそっちへ行ったぞぉー――っ!!!」

・・・まぁ何であれ、困難を乗り越え日常が戻って来たわけで

日常の困難はこれから・・・

「わ、わたし、そんなこと、わかりませんよぉー―っ」

「うふっ、イイのよ、無理に言わなくても。私が楽しむだけだからぁ」

「いやぁんあんあんあんっ(苦」

不気味な笑みを浮かべつつ、捕まえたリオをシェイクするアルシア。

もはやもう真相を追究する以上に、行為に快感を覚えているもよう。

・・・合唱。

 

事が終わり数日後、王都から一つの情報が都市にも入ってきた。

日程より考えて、その情報が流れ始めたのは継承権授与式翌日。

継承権第一位 アルシア=フォアスタ、不慮の事故により死亡。

「・・・と言うことは、私は亡霊なのかしらぁ?」

「でも、足があるじゃあーりませんか

同姓同名そっくりさんのアルシア=フォアスタさん?」

「まっ、どっちでもイイんだけどぉねぇ。」

そうはいかない。継承権第一位の者が己からそれを辞退したなどあってはならない。

故に、亡者。 保険として、もし己から名乗り出るような事があれば国を挙げ・・・

だが、所詮それは杞憂。

「・・・何だよ。 ニヤニヤ笑って気持ち悪いなぁ」

「何でもないわよぉ、我 王君♪」

「なんじゃそりゃ?」

 

 

我、逡巡せず されど常に思案す

我成る事をより良きよう

我に携わる者達、皆へ幸あらんと

以上に、愛しき者達に幸あらんと











To be completed the Epsode08
「The Lost Princess」.

(03.4/12 〜03.6/9)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライ,イリア比較

・ライ

男 筋肉質高身長の優男・・・というより兄貴

身体,技術を主とし、それを強化するタイプ 剛・柔・技の魔法戦士

使用魔法系は、自己身体強化系,真空刃に上乗せ威力増幅,

魔法弾単発直線型「雷撃槍」,吸収・外気型自己回復 等

 

・イリア

女 大柄スレンダーの美人・・・というより姉御

技術,魔力を主とし、筋力を上げ補うタイプ 柔・技・魔の魔導戦姫

使用魔法系は、自己身体強化系,各種各型魔法弾

集団攻撃魔法「雷撃陣」等,各型他者回復,

空間把握による広域結界,物質圧縮,その他諸々

 

二人とも黒髪,茶瞳で、年代,性格,身長はほぼ同じ。

一撃必殺性はライ,広範囲攻撃性はイリアが勝る。


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■ EPISODE 08 ■

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