∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■ EPISODE 08 ■
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「うっわぁ・・・(汗」

「・・・ドリルだ。」

「・・・ドリルよ。」

「・・・か・・・格好いい(ワナワナ」

「まっ、なんて男らしいのかしら(ポッ」

「フェフさまぁ・・・(泣」

と、その光景に多者多様のを見せる中アレスのみが真剣に状況を判断する。

イリア。戦士的な闘いをするがその実、筋力はリオほどもあるか疑わしい。

だからか柔を主とし剛の要素は極めて少ない。 まるで軽舞姫のように。

それを見越して隊長少女もこのタイプの魔操鎧闘士を選択したのだろうが

果たして、隊長少女の知恵が勝つが、イリアの度胸が勝つか・・・

装甲表層に光る波紋を走らせ火花と掘削音を撒き散らし、

その中でゆっくりと魔操鎧闘士の手がイリアの頭を掴む。

そして

「破ッ!!!」

再度、イリアの戦叫に両者硬直。 皆、固唾を見守り動けない。

不意に

「ふぅ、よっと・・・」

と微動だにしない魔操鎧闘士の手からイリアが頭を下げて抜け出し

細く長々い突剣と化していた魔法剣を魔操鎧闘士から抜く。

それと共に魔操鎧闘士は散り始め、落ちる少女をイリアは受け止めた。

「ほら、大丈夫か?」

と憔悴した少女を魔法で回復させ

「あっ・・・ありがとうございます、お姉さま」

「お、お姉さま?」

何処となく余裕を持って闘い続けたため守護騎士から羨望(一部それ以上)の眼差しを受け

たじろき対処に困るイリア。

珍事を他所にアレスはイリア対策を考え続け、達するのはやはり一つの結論のみ。

「さて・・・と、デザートはアレス、お前だ」

「デザート・・・どうせならメインデッュにするべきだったな。」

今度はアレスが己の得物『烈風裂羽』を持って出る。

「ふっふん、俺が満足する前に果てるなよ。」

「・・・・・・フェフ様、立会いを御願いします」

完全に無視である。 のまれてはいけない。気負ってはいけない。

二人は十分に距離を取り立向い、

アレスは即撃って出られるよう腰溜に、イリアは長剣状の魔法剣で無構。

「では・・・始めっ!!!」

開始と共にイリアは得物を持たない左手で無数の爆裂魔法弾を斉射。

しかし、それを意もせず遥か後方に爆発を残しアレスは突攻。

イリアはその鋭い斬撃を迎え撃つが

「ぐっ!!?」

胴ががら空きになるほど強く剣を打上げられ、体当たりに吹っ飛ばされ

それでも辛うじて体勢を立て直し

「がっつく子は女の子に嫌われるぞ!!」

「・・・もう余裕がないのか。所詮、口ばっかりか」

アレスは撃って撃って撃ち幕って、剣を上へ下へ右へ左へ打ち振らせてイリアを踊らせる。

まるで犯すかのように、嬲るかのように。 圧倒的な力でもって逃げる余裕すら与えない。

それを見て、リオは思う。

この相手が自分だったなら萎縮し、ろくな抵抗も出来ずに犯されてしまう と。

幾ら歴戦と思われるイリアですらその細腕でそう耐えられるはずもなく。

「うぐ・・・」

短剣は空高く撃上げられ、体当たりにイリアは無様に尻餅を着き

無情に切先を突き付けるアレス。

「・・・勝負はついた。降参しろ」

「いやはや、手の感覚がないや。 全く柔いねぇ、女の身体は・・・」

剣越しに己の振るえる手をみながらイリアは平然と言い放つ

「でも、降参するつもりは一切ないっ!!!」

「・・・やはり、ぐはっ!!?」

不意に、アレスの背で起こる爆発。見れば、短剣が空に浮き、切先を向けていた。

「十分に魔力を込めておけば、短剣を媒介に使魔代わりには成ってくれる」

「・・・クソッ!!!」

と斬裂いた目の前のイリアは砕け消え、遥か向うに本物のイリアが立つ。

手の具合を確かめつつ、舞い戻った短剣を手に取り

「ではニ回戦、始めようか?」

「・・・いや、いい。 これ以上は本気に成りかねない」

一見、引き分けの見えるこの勝負。この女は初めかっら自分の得意領域で戦ったなら

勝てたかどうかは分からない。例えば、使魔を数体使役したりとか・・・。 しかも

「ほら、背中見せろ。 治してやるから」

さっきまで激戦をしていた相手に対してこの余裕。これほど心強いものはない。

せめて正体を語ってくれれば本当に信用できるのに。例えそれが眉唾であったとしても

「・・・頼む。」

それでもその背中に治癒魔法の優しい温もりを、痛みが引き傷が癒えていくのを感じる。

その時、不意にイリアはポツリと洩らした。

「あ〜〜、汗かいて気持悪」

温かい陽気の上に連戦四戦、嫌でも汗はかく。かかなければソイツは本当に化物だ。

「・・・それでは、折角なので皆で水浴びにいきましょう」

「「「「え゛っ!!?」」」」

と何故か、何故か、何・故・か、頬を染め明らかに他意があると思われる隊長少女。

それに異口同音で守護騎士達は賛成を。対し当然アルシア達の面々は硬直するわけで

神殿の領域は広く山にまであり、一番手前の町側には表庭と神殿、

その後には神官達の居住区や鍛錬場,ここ戦闘訓練ができる広場、

山に入れば禊が出来る滝まである。 当然そこで水浴び、と。

「あらあら、いいんじゃありませんか? いってらっしゃい」

四人揃って「止めろよ、おい」とフェフを見、何故と首を傾げ返されてしまった。

・・・確かに。

ライ達の間では男女共に水浴びすることは良しとはされていないが、世間一般では

別に問題なく行われていることである。気になるようなら厚手や黒の下着を着ればいい。

今や皆、彼に毒され男女共の水浴びには抵抗があった。

「あ〜〜〜、行く?」

「いいんじゃなぁ〜い?」

「「・・・・・・(困」」

ぞろぞろと暫し歩き、直に木々に囲まれた禊場である滝が目の前に。

滝自体はそう大きいものではないが、下に立てばそれなりの圧力があり、

陽の当る滝壷はなみなみと水を湛え、大の大人九人ぐらい入ろうと十二分な規模であった。

皆、鍛錬のため下着の上に二枚程度。そう脱ぐのに時間はかからない。

流石に男女分かれて服を脱ぎ置いたが、それでも

二剣流娘は恥も外聞もなく鍛え上げられそれでも女性らしい裸をさらし、

隊長少女は流石に恥ずかしいのか、騎士らしくない小柄な身体に黒の薄下着を。

アルシア&イリア&リオの面々はやはり下着(白)を着けたまま、

アルシア&イリアは金髪なので何ら問題はない。しかし、イリアは黒髪。

深い藍色を思わせる黒はきっとイリアが身に着けている程度の布では透ける。

「・・・まっいっか」

別段、気にする気すらないらしい。

そうこうと流石に短パン着用の男面々と合流し、声を上げつつ冷たい水で身体を濡らす。

その中でただ1人、イリアのみが間際の石の上でしゃがみ水面を覗き込み。近づくアルシア

「あらぁ、如何したのぉ? 水浴びしないのぉ?」

「いや、何というか・・・冷たそうだなと思ってさ。」

「泳げないの?」

「いや、泳げる・・・と思う」

この娘が膝を抱え込む姿は実に滑稽で可愛いらしく、本当好感が持てる。正体は何であれ。

「ほら、手を貸してぇ」

「ん? うぃ。」

とイリアは何の疑いを持たずに腰まで水に浸かるアルシアに手を伸ばし、ぐいっと

「ほら」

「をわっ!!?」

抵抗する間もなくイリアはあっさりと水の中へ。慌て溺れるような事はないが

「ほら、な〜〜んて顔をしてるのよぉ」

「・・・・・・(睨」

ぶぅとばかりに頬を膨らませ唇を尖らせる顔を水面から覗かせる姿は恐いというより・・・

と感じるのはアルシアだけだろうか。 ・・・そうでも無いらしい。

向こうでは隊長少女とリオと守護騎士の青年が光景に悶えているし

イリアは思った。 何かこう不公平を感じる。

だから潜水し、皆の気が散った処でリオの背後へ。

今の今まではしゃいでいた獲物は流石に邪気を感じたのかブルッと震えて周囲を覗い

ガバッ

「・・・・・・?」

「ケケケケケケケ」

水飛沫の音に皆その方向へ振り向き、硬直した。

何故なら、イリアの手によってリオのパンティはズリ下されシャツはズリ上げられ

艶やかな乳房から下腹まで・・・その光景に熱血漢の守護騎士が

「ぐはっ!!?」

はでに鼻血を噴出し倒れ土左衛門と化した。・・・以外に免疫がなかったらしい。

リオの視線はゆっくりと降り、己の状況を認識し、そして

「い・・・やああああああああっ!!!」

空かさずリオは己の身体を腕で隠して首まで水に浸かり、アレスはイリアを殴打した。

それはもう、拳骨で、一切手加減抜きで。 相手が女だということを全く抜きで。

・・・それは殺伐とした日々の極めて和やか(?)な一幕。

 

 

窓枠に手を振れただけで寝ていた者は起き、周囲の気配を窺がう。

それは『失姫』のアルシアですら。

アレスとリオに至ってはその隣の部屋で共に休み、表を通っても認識する。 

ただ、侵入者にとってもっとも以外だったのは、

『失姫』が最も信頼を寄せ、隙がない歴戦戦士を思わせる騎士イリアが

一度寝てしまうと時間になるまで完全に寝てしまう事。

例え部屋の中に忍び込まれようと、側に立たれ見下ろされようと、

口元を麻酔薬の染み込んだ布で覆われようと・・・

・・・・・・・・・

イリアが起きると、周囲は闇だった。 否、恐らく目隠しをされているのだと認識。

口には何か環状の物を噛まされ喉奥に風があたり、閉じる事が出来ない。

身体に当る風の感じからして多分全裸。そして空に浮いている。

身体の芯を無防備に曝すよう、後手にM字開脚で束縛され。

魔法は・・・使えず、成す術はない。

事実、イリアはその手の革のベルトで目と耳を塞がれ、口には口淫用噛防止のギャグ。

多分石牢、ベルトでその屈辱な体勢まま固定されて天井から吊り下げられていた。

そして首には魔導封じの首輪。

「・・・・・・」

イリアが目を覚ました事がわかったのか、周囲に何人も立つのを感じる。

だからといって何も出来ない。抵抗も一切しない。 激怒にハラワタ煮えくり返っても。

近づいた者が肌に触れる。

脚を撫で、背を撫で、首筋を撫で、尻を撫で・・・

「・・・・・・」

反応しない事に気を良くしたのか悪くしたのか、行為は段々エスカレートし

太腿を揉む、尻を揉み、乳房を揉み・・・

それで身体が熱く感じるのは怒りのせいでなければならない。 決して・・・

指が口の中に侵入し下を無理やり引っ張り出し弄ぶ。

指が蔭が少ない秘裂を執拗に擦り甚振り上げ責める。

耐えろ・・・耐えろ・・・耐えろ・・・耐えろ・・・耐えろ・・・

だが、ついには我慢の限界

「ッ、あ゛ー――――――――――っ!!!」

怒りの咆哮に動きが止まり周囲が一瞬引く。 ただそれだけ。

今度は更に無数の手が丸で怒る事すら許さないかのように群がり撫で揉み倒し・・・

そしてついには当然が如く

ズンッ

「っ!!?」

何かがイリアの股間を貫いた。

何が貫いたかは分かっている。しかし認めてはいけない。認めたくない。

何かはより深く、より激しく、抉り擦り突き上げ傷を広げようとする。

そして再びイリアの咆哮に

「ッ、あ゛ー――――――――――っ!!!」

ドクッ、ドピュ、ドクン

瞬間、身体に密着されて何かの先端から大量の熱い液体が傷奥深くへ吐き出された。

そして、束の間の後傷口から何かが抜かれ、中の液体が零れる間も無く次の何かが

イリアを刺し貫いた・・・・・・

陵辱は終わらず、ただエスカレートしていくのみ・・・

尻穴も喉奥も深く貫き、粘膜を抉り擦り、身体奥で白濁液を撃出し擦り込み

イリアを侵すよう、穿つよう、壊すよう、そして殺すよう・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

不意にイリアが姿を消し、数日が過ぎた。

己の意思で姿を消したではないことは明か。 

何故なら全ての荷物は部屋に残され、下着姿で出て行かなければならないことになる。

幾らイリアが変わり者であろうとそれだけは絶対無い。

夢遊病で歩き回る可能性・・・は多分無いと思うが、それはそれで直帰ってくるはず。

「・・・申し訳ありません。お姉様、イリア殿の行方は一向に解らず」

皇女としてのアルシアに隊長少女は畏まり前日と同じ報告を済ませた。

当然だろう。神殿といえど状況が状況だけに今の警備は王宮並に警戒は厳重。

一応、皇女アルシアがいる事で権力に関っていると其の事を良しとしない神官達がいるが

そこまで落魄れてはいない。

残念ながら神殿といえど一枚岩ではない。しかしそれが健全な組織の姿。それはさて置き

其処から態々危険を犯し1人の人間を誘拐したわけのだから、

そう容易に足を掴ませるはずもない。 この敵の最終目的はアルシアなのは確実。

イリアの身と引き換えに『契約』させるか、囮にアルシアを暗殺か・・・

となると結論はただ一つ。

「・・・警備に穴をあけましょう」

「「・・・・・・」」

「!!?」

逆襲に、皇女アルシアを餌に敵を釣り上げる。

アルシアの決断に、守護騎士達は驚愕し、アレス&リオはそれしかないのかと苦い顔。

身元不審とはいえイリアは既に仲間。仲間を放って置く事などアルシア達には出来ない。

例えイリアが敵のスパイだったとしても、それは自身達の見る目がなかっただけの事。

それを当然の如く発想する。守護騎士とはいえ中々思い付かない。

仲間の為に護るべき者を囮にするなんて・・・

「イリアを攫った連中は・・・潰します・・・確実に」

言い切るアルシアに、隊長少女はその訳を知った。

アルシア達にあるのは心配だけではなく、以上に必ず償いをさせるという怒りの炎。

仲間を攫われたという、理不尽な暴力に対する・・・アルシアもまた彼等の仲間。

警備に穴を開け即日、反応があった。

朝、イリアの部屋のベットに置かれいた1枚の手紙

・・・皇女求めし龍妾、預かりにて候。 但し、いつまでも保証せず・・・

イリアを揶揄り洒落を利かせて龍妾というか。

何者かが咎められる事なくアルシアに接触出来るようにしろと。しかも早期に。

でなければイリアは・・・

「・・・私はその案に賛成出来ません」

「では、皇女として命令します。アレス,リオを含め

守護騎士団の皆様は、今夜は私の警備をしないで下さい」

当然、守護騎士団の面々が納得するはずも無いが

怒りに身を震わせているアルシアの面々を見れば従わざる得ない。

「大丈夫よぉ、手は打っておくからぁ」

!!?

一瞬皇女の面に浮んだ素の邪笑。守護騎士達はその意味をアレス達から知る事になる・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

寒い・・・果ての陵辱に、腹奥に大きな空間ができてしまった。

一度穿たれた穴は埋められない限り治まることはなくイリアから無情に奪う。

女の自分が叫ぶ。その空間を埋めてもらうことは無上の悦び。いっそうの事、

極まり身体が縦に裂けてしまっても構わないから隙間を埋めてくれ と。

素の自分が叫ぶ。理不尽な暴力に怒り己を解放して外道を叩き潰せ。

だが、それには決定的なモノが足りず今や風前の灯火。

既にイリアの心は己の状況に耐えられず砕けていた・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

夜、アルシアの部屋の隣,隣々,隣々々まで空だった。しかも巡回は一切無し。

侵入者に取ってこれほどイイ環境は後にも先にもこれっきりだろう。

だから誘いに乗って雑魚はやって来た。

夜、アルシアが本を読んで時間を潰していると部屋の外に立つ人の気配。

直さま窓際に立ち開けてやれば、侵入者が驚くのがわかる。

「・・・イリアのところへ連れていきなさい。」

使者は思う。これだけ凛とした気配を放つ者が偽者のはずが無い と。

「・・・表に馬車を用意しております」

悲しきかな使者は負の存在。仕えるべき主を選べない事がこれほど哀しいとは。

だから少なくともできる限りの最大の敬意でもって自身の主の所へ連れて行く。

・・・アルシアが神殿の外に用意された馬車に乗せられ、一体何処を如何走ったか。

辿り付いたのは何処か貴族の屋敷。闇夜であるためろくに周囲の確認すら出来ない。

だが蛾に闇夜は関係なく、アルシアに纏わり付く。

使者は蛾を掃い、アルシアを屋敷の中へ案内。一室へ通し、そこには仮面の男が

「我屋敷へようこそ、皇女アルシア様」

「貴様か、イリアを攫った下郎は。仮面をつけて人と話すとは失礼にも程がある」

「私は臆病でして、こうでもしないと何かと不安なのですよ。

しかし、皇女様とあろう御方が使用人1人如きにここまで」

「貴様と無駄話するつもりはない。イリアは?」

「・・・ふっ、いいでしょう。こちらへ」

・・・その皇女アルシアの騎士イリアに対する執着心が命取りとなる。情があるが故に。

仮面の男はアルシアを地下牢へ案内し、開けた扉の強固な鉄格子の向こうには

「イ、リア?」

絶句。

アルシアが見た彼女は、目隠し轡に後手にM字開脚で天井から吊り下げられ

彼女の全身を汲まなく被う粘液は部屋に充満する匂いからして男の精液。

その秘所、女陰と尻穴はパックリ男の手が入りそうなくらい奥が見えるまで開き。

事実、手を奥まで入れられ弄ばれたかもしれないが・・・

そこから流れ出る白濁液は・・・ 轡から流れる液体も涎だけではなく・・・

龍妾散華

もしかしたら死以上に最悪の現実がそこに。これだけ陵辱に正気を保っているはずが無い。

アルシアは全身から力が抜け立っていられなかった。

「彼女はよく頑張りましたが・・・今の今までずっと24時間休み無く男の相手を

し続けていましてね。因みにココにきてから彼女は何も食してませんよ、精液以外は」

一体なにが誇らしいのか仮面の男は意気揚々と説明する。

まだ彼女達の追い込みは終わっていない。寧ろ、これからが大詰。

絶望と悲しみで心を縛り知られず支配する邪法がある。

パチンと仮面男の魔法にイリアを拘束する物が解かれ、その肢体がドサッと石床に落ちた。

「イリアっ、イリアーっ!!!」

「・・・・・・・」

まだ生きてはいる。しかし瞳に意思の光はなく虚ろに開かれ、アルシアの叫びに応じない。

無残にも、心が・・・死んでしまっていた。

「・・・貴様・・・何が・・・望み?」

正視できずについには俯いたアルシアの声が怒りに震えた。

何としてもイリアをココから助け、命の引き換えになったとしてもコレは殺す。

だが、

「私の望み? それは貴女自身ですよ皇女アルシア」

「ならばもうイリアは必要ないでしょう。今直に神殿へ返しなさい。」

「・・・どの道、彼女はもう助かりますまい? ならばこちらで有意義に使わせて頂く」

瞬間、アルシアに魔法がかけられ手足を拘束、床に転がった。

「なっ!!? 何を」

「何、ちょっとしたショーですよ。」

合図に横の檻が開き出てきたのは・・・

牛男? 気味悪く低知能そうな牛の顔に人に近い身体。

その尻尾と男性器は女を股間から口まで貫けそうな程に長く太い不気味な触手。

「まさか・・・(汗」

「奴は三度の飯より女を犯し殺すのが好きな困ったペットでしてね。」

「・・・御願い、やめさせて。 私が代りに相手をするから」

「皇女様にペットの相手などそんな恐れ多い事せきませんよ。

・・・それにもう手遅れ。獲物を定めたアレは私ですら止められない」

精液臭の中に雌の匂いを嗅ぎ付けたか、牛男の視線の先には倒れたままのイリアが

「そんな・・・逃げってええええええっ!!!」

悲鳴虚しくアルシアの目の前、イリアは頭を掴まれ持ち上げられ尻尾が女の細腰に絡み

牛男の腰前イリアのお尻が固定された。そして狂器の先端は今だ閉じぬ陰唇に

そして

ずんっ

「く゛ぁっ・・・」

突き上げる衝撃にイリアの口から苦痛の悲鳴と精液混じりの液体が吐き出された。

そして、その胎は受け入れられないサイズのモノに侵されたため、歪み寄れる。

「くはははは、あの胎ではそう耐えられないぞ!!!

ほら、逝けッ!! 逝ってしまえッ!! 胎をブチ貫かれてっ!!」

牛男はイリアの片乳房丸々齧り付き仰け反った首筋を指で摘んで突き上げる。何度も

「げふっ・・・ぐっ・・・げぼっ・・・」

「ほら見ろ、皇女様がいなければこの女はこんなにも苦しまずに済んだになぁ。」

「ああ・・・もうやめて、御願い」

救いようがない狂気が場を支配する。二人を助ける者は誰もいない。

二人は成す術もなく、ただ犯されるだけ。命が。心が。

ミシっメリっと破滅的な音を立てつつイリアはガクガクと打ち震え、ついには

ズギュニュ

「ぐ・・・げぼぁ」

打ち破り胎から腹腔へも更にモノがねじ込まれ、内臓に絡み押し潰し

アルシアにモノが蠢く様子を見せつつ牛男は絶頂に達して

ドプッドパァッ

仰け反り吐血し断末の痙攣のイリアの内臓を精尿で穢し、

腹をプクゥと膨らませてしまった。

「そんな・・」

もう、助けられない。

牛男は今だ最後の抵抗とばかりに痙攣するイリアからモノを抜きボロ布の様に捨て

ポッカリ開ききった陰唇からは白濁液と血が流れ白と赤のコントラストを見せる。

しかし、アルシアの目に入るのは涙を流し無念の様相の虚ろなイリアの死顔のみ。

「イリア・・・いりあ・・・」

少しでも近づこうと這い、その儚い願いすらろくに動けず適わず、

現実に、怒り以上の悲嘆と絶望がアルシアを染め上げた

「イリアー―――――――」

今や心の臓は止まり、その躯から命の炎は消えつつあった。

寒い・・・眠い・・・やっと・・・やっと楽になれる・・・

最後に瞳に焼き付いた光景は、悲しみの涙に顔を濡らし悔いる絶望のアルシア。

そして、その後で我勝利せりとばかりに笑いアルシアに術を施そうとする仮面男。

・・・まだ、終わってはいけない。・・・終わらせてはいけない。

死の縁にあって、その魂が活性化する。あって、護るべき者を実感できるからこそ。

本来なら反則の行為を行うため。

ドクンと、強く鼓動が・・・・・・

 

悲嘆と絶望に染まった表情ほど甘美なものはない。

ましてや相手は高貴な皇女となれば、これほど珍味なものがない上に

この国の最高権力にもっとも近い駒が自分の物になるというオマケ付き。

正確には逆だがそれは些細な事と、アルシアの表情を楽しむため正面に向い

術を施し始めた・・・・・・が、途中から変な具合に術が効かなくなってきた。

仮面の男が訝しみ見れば、アルシアの顔に浮ぶのは驚愕。

その視線の先、気配に振り向いて見れば

「ば、バカな。あれで生きて・・・・・・」

仮面男の行為を見ていた牛男の背後、血と精液に裸体を汚す女が立っていた。

イリア・・・のはずなのだが、束の間に黒髪が長く伸び表情が見えず別格の気配を放つ。

「そ、その女をヤれっ!!!」

仮面男の命令に、牛男は振り返り嬉々として襲い掛かりイリアの頭を掴んで空に浮かした。

その太腕をイリアは両手で掴み・・・その腕には甲を思わせる鱗が生えていく。

イリアの腕だけではない。四肢全てが鱗に被われ、恰も腕甲,脚甲を装備したかのように

それだけではなく、首や頬,腹の柔らかい処にも中途半端に鎧が護るように

べキャと音と共に牛男の腕は握りつぶされ牛男はのたうち回り、それを残して

一歩一歩とイリア・・・だった龍女はアルシア達の方へ

「・・・イリア?」

「ば、バカな。バカなバカなバカな。そんな、有り得ない!!」

その首には魔法封じの首輪が填まったまま。

しかし直に砕け散る。 許容量を遥かに超える力に絶えられずに。

その龍女の後、にじり寄る影が。 腕を圧し折られた程度で牛男が死ぬはずもなく

「イリアッ後ッ!!!」

アルシアの叫びも間に合わず、あっさりと

ズンッ

「ぐはっ!!?」

龍女は下から突き上げられ足が空に浮く。

またもや胎奥まで犯されたか、甲に覆われた腹が変な膨らみまで見せ

やはり身体表面が強化されようと内側は鍛える事は出来ない。変身前のまま。

「ああっ!!」

「よしっ、一気に貫き通し殺してしまえいっ。」

牛男は龍女の脚を掴み尻尾を絡ませ一気に引き、更にイリアのお腹が盛り上がった瞬間

斬!!

とイリアと牛男の間に走る漆黒の疾風。

それに牛男は尻餅を付き、今の事など意もせずイリアは地に立つ。

その股間には未だに触手が挿入され、脚にも手や尾が絡みついているが・・・途中で切断。

ビチビチと跳ねる触手を抜き捨て、身体に付く肉片を燃しイリアは茫然とする牛男へ向く。

その黒髪が背中辺りで寄合い、龍の尻尾のようなものがあった。

「・・・燃エヨ、弄バレシ命」

揮う、一回り大きくなった甲手に牛男が悲鳴を上げる間も無く燃え、風と消えた。

再びアルシアの方へ向き、見せたその瞳は縦に割れた黄金の龍眼。

龍女の持った鉄格子が力に飴細工が如くグニャと曲り大きな穴を開け

「ひいいいいっ」

アルシアは同様の存在をよく知っている。

ライ、彼は覚醒しその瞳が黄金の龍眼と変る事で肉体の制限を取り極限の力で行動する。

しかしイリアの場合は違う。脆い女の身体を変身することでより強靭なものへとかえる。

だがライも嘗て一度、完全に化けた。 イリアのこれは、まるで不完全な・・・

「・・・イリア、貴女は何者なの?」


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■ EPISODE 08 ■

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