∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■ EPISODE 07 ■
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シエルに許可を貰い、ルナは嬉しそうにその大岩を

ぽいっ

「どわあああああああっ!!!!」

ぷち ズトンっ!!!

断絶間は彼等の元まで響いた。

「「・・・・・・(合掌)」」

「・・・な・・・何なんですか、ここは(汗」

まぁ、細かい事は気にするべきではないと。 己の身の安全のためにも(謎。

 

朝食の席、何事も無いような女子軍に恐る恐るディのが聞き。

「・・・・・・(死」

「・・・大丈夫ですか、コレ?」

「大丈夫です。毎度の事ですから死なない様に手加減しました。 一応」

一応ですか?

コレとは、晒しモノが如くボロボロで屍のようなライ。

オマケにベタベタと「人間失格」やら「性犯罪者」やらの封印付き。

・・・これは男子軍全体に対する警告なのだろうか。

やがて朝食も終わり、その頃には生屍の様にノロノロとライも食事を終え

封印をつけたまま

「さっ、仕事に行きましょうか」

「・・・ちょと・・・待って・・・身体痛い・・・です」

「・・・・・・」

か細い抗議を無視してレイハはライをそのままズルズルと引き摺って・・・

ライが哀れな生贄の様に助けを求めた処で新人のディが如何にか出来るはずもなく。

「うわぁ・・・(怯」

「ああ、大丈夫だよ。 毎度の事だから(笑」

「あれで団長自身、結構楽しんでいる処もあるしな・・・」

「あ、あ、あれでですか」

ディにはとてもそう見えない。

・・・これが強者の余裕なのだろうか。 とディは思っておくことにした。

ぐいぐい

「???」

服を引張る感覚にディが振り向いてみれば

「小僧はこっちだ」

と美幼嬢ルー

「ああ、今日は僕もちょっと付き合うよ」

「ほぉ、カインがか? 珍しいこともあるもんだナ」

「ちょっとディ少年に興味があってね」

と少年の細あごをクイッっと

「!!?」

「御前、両刀のだったか?」

「ははは、冗談だよ。その手の趣味はない。でも興味があるって言うのは本当だよ?」

ディ、自分より小さい身体のルーに隠れつつ

「ど、ど、如何言う事ですか?」

「君には僕と同じ匂いを感じるんだよ。それを見極めたくてね」

「はぁ・・・(考」

ルーの授業・・・といっても、ルーが出した魔導書を読んで

内容を元に魔導を行って見せるだけ。

それでも個人で『失われし秘術』に辿り着いただけあってディの能力は中々で

「・・・『多重影』・・・『光矢』」

結界の中、ディの姿が幾つも増え、その全てが魔法の矢を放ち

「・・・何で空間把握系列の書でそうなるんだ?」

「そのままでは面白くないので・・・だめですか?」

と、その手の娘なら蕩けてしまいそうな笑みを返し

生憎、ルーの好みはライのような無駄の無い戦士の肉体。

それはさて置き、確かに空間を把握出来なければ

空間に己の影を幾つも投影は出来ないし、それから魔法を放つ事も出来ない。

一を知り、五を行う行為。

「悪くは無いがサービスし過ぎだバカ。ふぅ、やっぱりオマエは魔導士向きだナ」

「その上、策士だからねぇ・・・」

「はぁ・・・やっぱり騎士は無理ですか?」

「性格がナ、成果をすぐ試したがる処が特に」

「あぅ」

 

一方、ルナも騎士団に入った以上それなりの勉強をしなければならないわけで

「ん〜〜〜(苦」

「わぅぅ〜〜(苦」

ライと雁首並べて、レイハの監視の元で目前の問題に苦しみ

「よしっ!!!」

「わうっ(閃!!!」

カキカキカキカキ

「・・・・・・つぎっ!!」

「・・・・・わんっ!!」

ルナはどうだっとばかりに解答用紙をレイハに突出し

「・・・・・・間違いばっかりです。やり直し。」

「わううう(泣」

「・・・後で遊んでやるから頑張れ、ルナ!!」

「わんっ!!!」

「あら、駄目ですよ」

「「!!?」」

「だって、(ずんっ) 今日中に片付けなければならない書類がこんなに」

ライの目前、積まれる紙の山

「ぐは・・・」

レイハの書類攻撃、ライは防御出来ずクリテカルヒットで撃沈。

それをルナは哀れそうに見・・・未だ自分の方がマシだと励む。

 

休息日で朝錬無し、ライが朝食まで寝ている日以外

殆ど毎朝ルナはライの散歩に付いて行く。 体型が人,狼に関らず。

で、ルナはシエルと狩に行った日は兎も角として夕方も散歩に行きたいワケで、

だからアレスとリオのたまの散歩にも付いて行く。

二人は別に何か話をする訳でもなく、憮然としたアレスのポケットに手を突っ込んだ腕に

嬉しそうにリオは腕を絡ませ、二人はフラフラと屋敷周りの森を歩くだけ。

ルナは別に何もしなくても二人の後ろを付いて行ければそれで満足だった。

二人から漂う匂いは御互いが御互いを思い・・・心地イイから。

それはライと4人娘達の間もまた近いものがあり・・・こっちは多少複雑。

ライ達はさて置き、最近アレスとリオの散歩にオマケがついた。

リオの弟、ディ。

二人の時と違い、今度は和気藹々と話し・・・匂いは気持イイが

・・・つまらない。気分が悪い。

何故新人が大きな顔をして二人と一緒に歩く?

何故自分があの輪に入れない?

・・・むかつく。

かぷっ

「「「あっ!!!」」」

ルナは人状態のままディの手に噛付き

あむあむあむあむ・・・

流石に本気で噛むわけにはいかないので甘噛みで。

「あ、あの、何やってるんですか。」

「・・・(あむあむあむ」

見て解らないのかとルナはディを睨みつけ。

「え〜っと、ルナ、やめようね?」

リオに促され仕方なく口を開けディを開放。

「大丈夫か?」

「はい、別に痛くはなかったのですけど・・・」

「ルナ、何のつもりだ? 場合によっては怒るぞ。」

「・・・こいつ、きらい。生意気。」

ルナの言い訳にリオとアレスは如何いう事だと顔を見合わせ、

「・・・嫉妬ですか? 僕が姉様達と仲がイイから(ニヤリ」

ディの鬼の頭を取った言い方にルナの顔が見る見るうちに朱色に

「そんなの別に気にしなくても僕達はルナと仲良くしますよ?」

そんなことに気付かずディはベラベラと話し続け

「まあ、色々あって僕達は本当強い絆で結ばれてい」

ガプッ ガジガジガジガジ

「ま・・すけどぉっ!!?」

もぉー容赦はしない。弱いからって手加減したらいい気になってからに。

一から教育してやる。

「あーっ、あー―っ、あー――っ、ねっ、姉様、アレスさん、助けてぇっ!!!!」

「・・・今回ばっかりはディを助ける気にはなれないな」

「じゃっ、二人で仲良くね(微笑」

二人が仲良くなって良かった良かったとアレス&リオはいってしまった。

ルナに襲われるディを残し・・・・・・

この日以降、舎弟と化したディの行動は半ばルナと共にすることとなった事は

いうまでもない。

 

彼等にとって予想外だったのは、領主が余りにも奇想天外だった事。

・・・いや、領主としてはであって、やくざモノとしては優秀(?)。

故にダマされてしまった。

そのカリは返してもらう。その命と目的のモノ、オマケに全てを奪い・・・

そもそも生命を商品として扱う彼等にタブーはないのだ。

「・・・さて、如何したものかな」

ライの独言にワケの解らないルナ&ディ以外 皆いつでも戦えるとばかりに茶を啜る。

夕食後、居間には用事で外出中のカインを除き全員がいた。

数日前から屋敷に纏わりつく気配に歴戦戦士であるライ達が気付かない筈がない。

既に屋敷の人数もルナの正体も連中にばれている。 故に今のこの事態。

そして勝負は今夜。

「・・・ルナとディは戦力外。アルシアとルーはここに残ってもらうとして、

アレスとリオ,シエルとレイハ,俺・・・か」

「わん?」

「団長さんは何をいっているんですか。僕等が戦力外とか(汗」

「ふぅ、小僧『探索』」

「は、はい・・・なっ!!?」

ルーの指示にディが察知したモノは屋敷を包囲する傭兵達。

解るだけでも屋敷にいる人数以上がいる。

「・・・それだけルナには価値があるということです」

「正確には銀狼と黒猫人だな。 他所に連れて行けば一財産だ」

「わぅ(困」

レイハの一言にライは冷静に訂正を入れ苦笑い。

連中のような奴隷商人にとって、ココ、この都市は宝の山に違いない。

だから何としても、それを許さないライ達を潰したい。

「さて、いつまでもじっとしていも仕方がないし・・・」

立ち上がったライを筆頭にアレス,リオ,シエル,レイハも席を立ち

「寝不足になりたくないからナ、チャッチャと片付けてくれ」

「余り怪我させちゃぁだめよぉ」

「連中次第だな(笑」

いざ戦いの準備へ。

 

ライ達の生活パターンは把握済み。

戦略的に寝静まった頃を見計らって夜襲を掛ける事は常識である。

しかし、それは相手に察知されていない場合のみ。

日が暮れ暗くなった頃、制服のような格好にガントレットで大剣を携えたライに

傭兵数人が何事かとついて行き・・・着いた先は屋敷から然程離れていない広場。

「・・・もう日も暮れたしな、さっさと片付けようぜ」

ライの一言に奇襲を諦め姿を現す傭兵達。 ざっと見て可也の戦士か。

ライを歴戦の戦士と知りつつも出てきたのは勝算があっての事なのだろう。

人数的にも実力的にも。

「さっさと・・・片付けさせてはくれないみたいだな。」

屋敷の裏口からマントで身体を隠しコソコソと出て行く若者二人に

それを期待して其処で張っていた傭兵達が着いて行く。

着いた先は・・・月光に照らされ身を隠す場所が無い草原。

そこで若者二人、アレスとリオがバサッとマントを脱ぎ捨て現した姿は

如何見ても戦いのための格好。

アレスはライ同様黒を基調とした戦闘服に手甲と大剣を、

リオは燻白銀の戦闘用ドレスに蒼銀の鎧と円盾に長剣を携える。

格好だけではないことがわかったかワラワラと姿を見せ

逃げるより倒す方が得策、容易と読んだか・・・

「・・・4の5の・・・恥知らずどもが」

「許せない・・・恥を知りなさいっ!!!」

若造がほざくなとばかりに傭兵達は怒声を上げ得物を煌かせ襲い掛かる。

 

早々とはいえ響く剣戟に、森に潜んでいた本隊といえる連中が動き出した。

念のためハンター系の傭兵達を先頭に、傭兵達,奴隷商人が屋敷へ向かい始めたが

「ぐっ!!?」

「がはっ!!?」

!!?

不意にその斥候が倒れ

「・・・貴方々を屋敷に御迎えするわけにはいきません」

「・・・勿論、帰ってもらっても困る。ここで休んでいってもらおう」

暗い森に響く凛とした声に、傭兵達が声の主を探そうと慌てるが見つかる筈もなく

闇が、闇に紛れた戦忍レイハと戦士シエルが彼等に襲い掛かった・・・

 

「勝つ」ことが目的である傭兵は訓練された騎士以上に行動が読めない。

だか「騎士」と「傭兵」の差、それは「逃げ」が許されるか否か。

端っから敵を殲滅する事を目的としていたライが半端者の傭兵に負けるはずもなく

破壊された武器と八分殺しの屍の中、立ち残る唯一の勝者はただ一人。

とはいえ、多少の傷と打撲,疲労は流石に否めない。

「・・・ふんっ。雑魚がでしゃばるな」

返事は風と足もとの呻き声のみ。それを残しライは次の戦場へ・・・

 

切り札を封印した上で敵を殲滅、かつ殺さない。

若い二人がライから課せられた条件は厳しくもあり、ある意味当然だった。

それでも負ける道理はない。 若いと侮っている連中なら尚更である。

初めは侮り、二人と戦って負けた者を笑っていた傭兵達も

「伊達に騎士は名乗っていませんよ(笑」

「こっちは貴様等と違い弱い者虐めをしたことが無いからな・・・」

次々と破れ倒されていく仲間達に必死にならざるえなく、

ついには残り対一。

リオVS双鎌の変態軽戦士,アレスVS戦斧のマッチョ重戦士

リオと相対する変態軽戦士は

「クケケケケケ、バカな連中だ。こんな上物を味わえないのだから・・・」

と足元で半生の傭兵に対し

ザシュ

「が・・・(死」

「酷い。仲間なのに・・・」

「仲間ぁ? 単に利害が一致しただけよ。

・・・小娘、オマエは殺さず俺の性奴として飼ってやる」

レロン

「うっ・・・わ、私はアレス君だけのモノだもん!! 誰が貴方なんかにっ!!」

「クケケケケ、ならばオマエ達をノしてからアノ男の前で犯すとしようか・・・」

「変態っ!!!」

と少女とは思えない鋭さで切り込むリオ。その斬撃を変態軽戦士は避け交し

「ケケケケケ、イイ腕だが当らんなぁ。床でも具合が良さそうだなぁ・・・」

潔癖娘なら怒り狂いそうな言葉をリオは聞き流して、

変態軽戦士がその攻撃を避けた瞬間、剣を持っていない方の手を突き出して

「ハっ!!!」

「ぐあっ!!?」

気弾をモロに腹に受け吹っ飛ぶ変態軽戦士。

「言ったでしょう? 私はアレス君のモノだって」

こんな事態ではなく観客がいれば一気にファンを作ってしまいそうな笑みを

リオは零しつつ、地に伏した変態軽戦士に近づき・・・

「キシャァッ!!!」

「きゃっ!!?」

リオがその一撃を受けてしまったのは否めない。

それほど変態軽戦士の死態は見事だった。

「キシシシシ・・・小娘、オマエの四肢は切り落す・・・(狂笑」

剣を落してしまい利腕を負傷し鮮血をしたたらせるリオはジリジリと後に・・・

 

「ふー―っ、ふー―っ・・・」

「・・・こいつ、出来る」

戦斧のマッチョ重戦士と向かい合うアレス。後では既にリオの戦いが始まり、

目の前の敵はリオの援護を許してくれそうにない。 不意に

私はアレス君だけのモノだもん!!

「・・・をい(汗」

その一言に思わすアレスの闘気が削がれてしまった。

「何故・・・」

「?」

「何故、貴様みたいな奴ばっかりもてるぅっ!!!」

「知るかっ!!」

戦斧の重い一撃を辛うじて「風羽」で受止め

・・・「風羽」がディフェンダー、つまり防御を共にこなす事を目的とした物とはいえ

それは矢,細剣,突剣など軽い攻撃を主眼としたものであって、重撃は受け流すもの。

マッチョ重戦士の剣幕に思わず受止めてしまい

ピシッ

「!!!」

すぐさま流し、距離を取りって「風羽」を見ればの刃には亀裂が・・・

いつかライが言った「新しい剣、鍛えてもいいぞ」という言葉が脳裏によぎる。

この事が解っていたのだろうか・・・

それより今は、今にも果てそうな相棒で何処まで戦えるか。

マッチョ重戦士の連撃を身体を反らせ交し、なんとか魔法を使う距離を

「おらおらおら、逃げてるだけかっ!!」

どんっ

「「!!?」」

追詰められ、ついにはぶつかるリオとアレスの背

「往生せえっ!!」

「あひゃっ!!!」

跳び襲い掛かる敵に対し、二人は身体を入れ換える勢いそのままに

「「うるさいっ!!!」」

斬!!

 

と音と共にリオはその手の光の魔法剣でマッチョ重戦士を唐竹割り斬り、

アレスは叩き斬る勢いで変態軽戦士を「風羽」の刃の腹でぶっ叩き。

「ば・・・なか・・・(絶」

「ずる・・・い・・・(絶」

「・・・貴様等が言うな。 大丈夫か?」

「うん・・・なんとかなりそう。 アレス君は怪我ない?」

アレスが変態軽戦士に止め、もといゲシゲシと蹴って動けなくしている間に

リオは己の傷に治癒魔法を掛け、「聖霊の刃」を拾い

「俺は大丈夫だが・・・」

アレスがじっと見る「風羽」をともに見

「・・・もう戦えないね。」

最後の一撃で刃にはビッシリと罅が・・・

そこへ自分に着いてきた分を片付けて来たライが一応聞くだけって感じで

「お前ら、大丈夫か?」

「俺達は大丈夫です・・・」

アレスは「風羽」をかかげて見せ

「・・・今は俺のを使っておけ。次いくぞ」

アレスはライの投げ渡した「神狼牙」を受け取り、鞘に入れた「風羽」を己の背に携え

彼等は次の戦場へ。

 

屋敷の居間、僅かに外の剣戟が聞こえる。

「わぅ(奮」

「・・・僕達は何も出来ないんですか」

「今回、連中の狙いは銀狼であるルナだからナ」

「わんっわんっわんっ!!!」

「・・・僕は思うんですが、団長さんではなく、

僕達が抵抗を示さなければ駄目なのでは?」

「そーゆー大人の台詞は皮がむけてからいうのねぇ」

「小僧、お前は当事者じゃないだろう? 事が終わるまで大人しく座っとれ」

と素っ気無くルーとアルシアはソファに居座ったまま自分の得物を弄び・・・

・・・無責任の二人にしてはこの発言は余りにもまとも過ぎる。

「わう〜〜〜(考」

ルナも腕を組んで珍しく悩み・・・ディと目が合い、命令。

「・・・あっ、僕、トイレ行ってきます。」

「おう、いっトイレ」

ルーの笑えないギャクを背に受けディは居間を逃げだし、直に

「わ、わんっ(焦」

「女の子がトイレを我慢をしちゃだめよぉ?」

「わんわんっ!!!」

ルナも居間を離脱、ディと合流。

「わう、私、戦う。ディ、来る、強制しない。」

「・・・行きますよ。どうせ初めっからそのつもりだったんでしょう?」

「わん(嬉!!!」

ナデナデナデ

とルナは笑みをこぼしつつ然程身長が変らないディの頭を撫で・・・

結局、腕力ではなくこの笑みに負けたのかもしれない。 全く男と言う生き物は・・・

「がうっ、行くっ!!!」

「はいっ!!!」

そして少年と少女は自ら選んだ戦場へ駆け出した。

 

居間から窓の外の闇の中、銀と金がコソコソと移動しているのが見える。

「結局ガキどもも行くのか。・・・しかし、あれで隠れているつもりかね?」

見た目以上にガキのルーが唸る。

「そういうふうに教育したもの。当然じゃなぁい?」

とアルシア。ふと妙案を思いついたかルーと顔を見合わせ

「私達も行く?」

・・・そんなことだから子供にまで無責任と思われる。

 

闇に紛れ個体撃破してく彼女等は優勢だった。

そのままじりじりと連中を森の外の広場まで追い詰め

「貴方がたは終わりです」

「もう観念したらどうだ」

「・・・いくらでもほざくがいい、小娘どもっ!!!」

不利な状況にもかかわらず強気なのは未だ勝算があってのことだろうか

「・・・(困りましたね。このままケリをつけてしまいますか?)」

「・・・(ん。 ・・・いや、その必要はない。ライが、来るっ!!」

シエルの感じた通り、森を抜けてやって来たのはライ達。それにシエル等も合流。

「くっくっくっ、領主様直々に御出でになられるとは(邪笑」

「性分でね。 で、こんな遅くに何用?」

「いやいや、例の件を含め我々の奴隷売買を認めて頂こうと思いまして。

でなければ、後悔すら出来なくなりますよ?」

「・・・あいにく、奴隷とかそういうのは柄じゃなくてね。

やっぱり、何であろうと認められないな。絶対に」

「・・・ライ殿ならそう言われると思いました。

やはりこの場から辞退して頂きましょう。 永遠にっ!!!」

何故この男が不利な状況にも関わらずつ強気なのかは、

ライ達(アレス&リオ)は既に分っている。

「増援ならもう来ないぞ。あらかた潰したからな」

途中で増援と遭遇し、たった3人で殲滅した。誰一人殺さず、戦闘不能にして。


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■ EPISODE 07 ■

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