∴SHRINE∴
∴FANTASY LIVING THING PICTURE BOOK∴

■ EPISODE 04 ■
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月日流れ、魔獣再来の危機に極星騎士団,町シウォングを救ったのは

黒猫娘の戦士シエル(「仔猫シエル」参照)。

定期会議、ライの家には床の上で炉を円陣に囲み四人+シエル

+自警団の中から最も実力がある候補生の3人(青年2人,アーチャー娘 ネーシャ)

そして何故か今日は町長までいたりする。

因みに、ライがシエルをあっさりと入団を認めたにも関らず以前からいる3人が

候補生居残り組のままなのはライ自身彼等に何か物足りないモノを感じるため。

実力云々の問題ではない。単に戦闘力だけならアルシアよりもこの3人の方が上。

それはさて置き、

「・・・え〜〜っと、他に報告する事はないな?」

自警団と差して代らない仕事しかさせてもらえない3人、

先の戦いで当然の如く居残りをさせられてやや不満顔の青年2人と

全てを納得した上でその二人に困ったような表情を見せるネーシャ

も含め全員が頷いた事で短い会議は終了。

そのままノンビリと御茶の時間が始まっていたりする。

「で、町長さん。今日は何の用件で?」

ライは自ら入れた御茶を差し出しつつ、

「ふむ、騎士団長である御方をこのような処に

いつまでも住まわせておくのも何かと思いましてな。」

「別に俺はコレでも十二分に満足ですよ?」

コレ・・・広さと造りはソコソコとはいえ、用は掘建て小屋である。

ライのその台詞にジト目のルーとアルシア

それを「如何かしたのか?」と不思議そうに見比べるシエル。

今や二人の家は物が一杯でシエルの家を寝床としていたりする。

町は御陰で可也潤っているにも関らず少税で

ライ自身が町人を使役して贅沢する・・・何てことを全くしない。

唯一飯を作ってもらう程度である。

「・・・御二人方は不満そうですな」

「じ、自業自得だからいいんですよ」

「何であれ、この件をよく考えておいてくだされ。

出来る限り御要望にお答えできるよう致しましょう」

「・・・・・(汗」

なぜか期待に目を輝かせるルーとアルシアが凄く恐かった。

 

シエル。この高速の切り込み隊長に極星騎士団は大幅な戦力アップとなった。

が、同時にライだけに数多くの敵ができた。

シエルの格好はラフでシャツ&洗い晒しのズボンまたは黒レザーパンツ(スカート)。

つまりワイルドキャットな格好の上に、格好相応傭兵戦士だけあって凛々しい。

だから町外れの広場で戦闘訓練なんぞしていると

きゃー、シエルさん格好イイーー

などと一挙一動に町娘のギャラリーから黄色い声援、鬱陶しい事この上ない。

だからライは追い返そうと剣を肩に担ぎ・・・・・・

「君等、邪魔。帰れっ」

「なんで団長さんが来るのよっ!!!」

「ライさんが邪魔っ!!」

「シエルさん虐めたら私達が許さないわよっ!!」

・・・何故か猫(虎)系獣人が多い娘達に牙を向かれ

チョイチョイと猫パンチの猛烈な反撃を空に食らい戦略的撤退。

剣の効果全くなし。 戻り

「・・・なぁシエル。お前のファン、邪魔だから追い返してくれ」

「ん? 解った」

何かよく解らないがライの頼みだしとシエルは娘達のところへ行き・・・

・・・手に色々小荷物を抱え戻って来た。

敵勢力、未だに健在。にこやかにシエルに対し手まで振っている模様。

「貰ったコレ、ライも一緒に食べよう」

此方の戦力はものの見事に懐柔された模様。

見るとシエルが視線を反らした途端、娘達はライに対し御下品なゼスチャー連発。

「・・・なぁシエル。あの娘等に何て言った?」

「ん? ライが邪魔だから帰ってくれと。 後、ライを如何思うか聞かれたが」

「それで?」

「「親」かな、と言ったが?」

解説しよう。猫系獣人が「親」と言う場合、文字通り親である事と

自分に対し目上の敬愛の人を指す事もある。

シエルとライの経緯を知らない娘等は文字通りであるより後者を。

つまり、如何わしいあ〜んな事やこ〜んな事をやらせていんじゃないかと。

はい、とシエルが貰ったサンドイッチを渡す。

突き刺さる視線が痛い、痛い、痛い。このままでは視線のみで射ち殺されてしまう。

「美味しいな、ライ」

「ああ、美味しいなぁ・・・」

シエル、感覚は超鋭いくせに人の心情には鈍感のようです。

共にムシャムシャとそれを食べ終わり、

「御馳走様」

「・・・ライ?」

「ん?」

気付けば目を細めたシエルの顔がドアップ。

「付いてる」

ぺロッ

鼻頭を撫でる濡れた生暖かい感触。

他意は無く単にライの鼻についたソースを舐めただけなのだが、

異性としてより・・・。 余りにもアッサリと、他意無さ過ぎ。

シエルファンクラブ(非公認)と周囲の面子が硬直しているのが

ライにも見なくても解かった。 そしてゾワっとしたプレッシャーが

「???」

「・・・・・・(うひぃ〜〜〜)」

ライのみを襲った。

この件が屋敷を町から離れた所に建てる発端に成ったかは定かではない。


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■ EPISODE 04 ■

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