■始まりの竜主■

TAKUTEKS様作品

return


□始祖竜□



――その巨躯は天空を覆い、その咆哮は大地を穿つ。
――神々を喰らい、魔王を引き裂き、真夜に眠るは竜の王。

呪帝真書第32章、 無明の空より



 それを発見したのは当国より出発し、神殿を中継点としてしていた(※1)未踏地域調査隊である。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜以下第十四次報告書より抜粋〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

暗黒の樹海のさらに奥、地図はおろか、伝承にすら語られることのない地域。
行程の途中でぶつかった天の回廊の如き巨大山脈。 それを越えている最中のことだった。

標高3000m以上の高山。
風に千切り飛ばされていく白い雲の隙間、最初に見えたのは巨大な鎖。 そして………。
*
**
***
****

 神性金属――詳細解析不能――の鎖によって動きを封じられている竜。
その身体は……通常知られている竜とは――大きさが遥かに違う。
 測量器具をによって求められたぞの全長は1500m以上……。

『我が名が”……(発音不可能)”。 始祖なり』
 調査隊と行動をともにしていた軍属のドラゴンテイマー(竜騎兵)の娘の呼びかけに答えた竜の”言葉”である。

 伝説に語られた竜王。 
我々は偶然にも、その姿を記録することに成功したのである。
 かつての大戦の伝説は真実だったのだ。
たった一騎で天軍を迎え討ち、ただの一息で大陸を割り砕いた最強の生物。
 
古代竜以上に古く、真竜とも呼ばれた存在・・・・・・。

『神にも、魔王にも我を殺し滅ぼすことはできぬ。 こうして、我をここに留め置くことしかできぬ。
 我を滅ぼすことができるは――。
 人間よ、汝らが旅路の成功を祈ろう』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 この報告書は数次に渡って、伝書鳩によって放出された物の一つである。
現在調査隊は山脈を越え、再び樹海を進んでいる。


 ※1 ”樹海の果て”を調べるため、当国より派遣された30名からなる学術調査団。
そのうち20名が護衛であり、2人1組で学者を護衛することになっている。
報告書の時点では25名が生存。




return


絵・文章:TAKUTEKS様

2002/05/13
「SHRINE」



TAKUTEKS様HP










■comments■

1500m以上・・・・空にあっては陽光を遮り、地にあっては全てを押しつぶす・・・超巨大質量生物ですね〜
首に刺さってる神鉄の鎖から血が一滴も流れ出てないのは、既に「ピアス」のように肉と一体化しちゃってる・・からですね。
・・・なんて
色々想像が膨らんでくる絵です♪良いですね〜良い品で御座います♪
何気に色々な”表現ワザ”を散りばめられてる辺り、TAKUTEKS様の技術力の高さが伺えます (;´Д`)
遠近〜近景間の画面効果とかね〜もう

「ヤリヤガッタナ、コンチクショウ!」

・・・そんな気持ちで一杯です(笑)

当サイトの100’000ヒットお祝い絵だそうで・・・くぅ・・・嬉しすぎデスよぅ (感涙)